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ワンピース*海賊と海軍、七武海と白髭。

作者:斎藤海月
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第一部
  別れと価値。

エース「…ひとまずは、上手く行ったみてーで」


建物の影から見ていたあたしたちは、


ビビの作戦とやらが終わって撤退していく蛆虫たちの後ろ姿を哀れんだ目で見ているだけだった。


わざわざあんなザコどもにここまでの演技をする必要は無いと思うけど。


エース「俺たちも行こうぜ」


リノ「………」


弱者は所詮、その程度。


自分たちよりも強い相手に演技をして貰わないと追い詰められて本領発揮出来ないなんて


……だから蛆虫は嫌い。


どうせアイツらもその内、こんな奴らよりも、もっと強者が現れてボコボコにされるだけ。


あたしはちゃんとそれを学んで来た。


……誰でも強くなくちゃ、いけない


















再び、砂漠の中。


ラクダの背に乗ったあたしとビビとナミ、それから野垂れ死にそうな勢いで砂漠を歩く蛆虫ども。


光景は正に面白かったけど流石に何日間も砂漠の中、炎天下の太陽の下だとあたしも持たない…


リノ「暑い…」


ビビ「…リノさん(汗)」


汗でビッショリになっているであろう背中に手を触れようとしたとき、


ナミの思い違いできっとあたしが服を脱ぐとか思っていたらしく


あたしがナミの誤解を解いているとすぐ後ろで水を巡っての地味な乱闘が行われていた


ナミ「…ねえビビ、反乱軍の事について教えてくれる?」


ビビ「…そうね、教えておいた方がいいわね…

…あれは十一年前…」


ビビが楽しそうに昔の話をしだすと、


ナミは色んな意味で優しく微笑んだけど


……なんだその平和ボケした街は←


ビビ「でも色んな事があったわ」


ナミ「ねえ!さっきの話の続き、聞かせてよ」


ビビ「リーダーのコーザは熱い心を持った少年で、でもその心が私は心配になる事があったの」


ナミ「…そう」


…マジでなんだこの平和ボケした街はっっ!!!


ナミ「そのコーザって子、とってもいいお友達ね。

でもそれが反乱軍の話なの?」


ビビ「…ええ。そうよ…」


……何故、さっきまでは平穏だったのに行き成りシリアスになるの…?


ビビ「これから行くユバの街に反乱軍が駐留しているの。

その反乱軍のリーダーの名は…コーザ」


ナミ「っ!?」


リノ「まさかの運命のって奴か」←


………あの、どうしてナミに睨まれないといけないのでしょうか?←


サンジ「ナミさんたちも食べますかぁー?」


リノ「…サソリ」


二人「なあああ∑!!?」


ビビがシリアスな話をしてる中でいつの間にサソリを捕まえて、


いつの間に丸焦げにして、食べ始めたんだよ←


ナミ「あんたたちいい加減にしなさいよっ!!行くわよまつげ!!」


今時、ラクダの名前が〝まつげ〟っていうのはどうかと思うんだけどナミさん←





朝食を摂るべくあたしたち女は岩の上に座って仲良く?楽しく?話をしていた


ルフィ「朝飯はこれだけかああ!?」


ウソップ「おかわりっ!!おっ代わり!おっ代わりー!」


ルフィ「おっ代わり!」


二人「「フゴッ」」


サンジ「贅沢言うな」


…まあ、蹴られて正解か←


ビビ「どうして毎食、喧嘩ばかりなのかしら」


リノ「見てて暑ぐるしいわ」


ナミ「本当リノってあんまり男と一緒にいないわよね」


リノ「気持ち悪いだろ、蛆虫同士の馴れ合いとか」


ビビ「あはは…(汗)

…あ、見て。エースさん、食べ終えたフォークを拭いてるわ」


ナミ「わああ凄い」


何処が凄いんだよあんなの←


ただの男の中でたまに見つかる稀だろ。


ナミ「本当、出来の悪い弟とは違うわよね」


リノ「蛆虫全員出来が悪いだろ」


ナミ「あらあら~そういうリノはどうなのよ?」


リノ「いやだから、何でそうなるの?」


この自称泥棒猫はあたしとアイツがそこまでの関係に発展するとか思ってるみたいだけど、


絶対に発展しないから。断言するわ


ビビ「私は見てて結構、お似合いだと思いますよ」


リノ「ビビまで?!」


ナミ「女子視線は良いみたいね」


そこでニタニタすんなよ←


レオン『ん?』


リノ「? レオンどうしたの?」


レオン『妙な匂いだ…』


お肉を頬張っていたはずのレオンが起きだしたかと思うと、


辺りを眺め回して耳と鼻を澄ませる


ナミ「さー!出発よ!

・・・・・・・ってアンタたちはいつまでもケンカをしてんじゃないわよ!!」


リノ「どう?」


ナミが蛆虫船長と蛆虫剣を殴っている間にもレオンが辺りを伺っていると


あたしたちのすぐ横を肉が飛んでいく


ルフィ「すっげぇぇぇ!!あの肉飛んでるぞ!!喋ってるぞ!!」


……いやいや。肉は喋らないし、飛ばないし。



皆が何処かに向かっていく中、あたしとレオンは何処かに向かっていた


皆のとこからそう遠くには離れてない所だけど・・・


リノ「んで、何があんの?レオン」


レオン『・・・血の匂いだ』


リノ「血?人間?獣?珍獣?」


レオン『・・・獣と珍獣は一緒だと思うが・・・』


リノ「あはは・・・」


あたしが曖昧な笑顔で返した時だった


「「「ビリビリビリッッ」」」


レオン『敵か?!』


背後からあたし達を襲う黒い大きな塊が電撃の盾の一定範囲内に入って来ると、


黒い塊は威力を上げながらも最後は電撃にやられて爆破した


?「ヒュ~…スゲー威力だなぁ」


黒い塊が爆破した後で、蛆虫としか思えない声が聞こえて来たかと思うと


あたしたちの後ろにできている岩場に三つつの大きな影が見えた


蛆虫如きがあたし達の邪魔しやがって…


しかも三体(三人)の蛆虫かよ・・・クソ有り得ねぇ・・・


「お前が噂に聞く…リノ・スターフィリアか」


「確かに噂通りに強そうなパートナーを引き連れてんなぁ」


「今のもそこの獣がやったとすれば力は想像以上だぜ」


……何だコイツら、三人揃ってバカか?アホか?ドマヌケか?


それともコイツらはこの砂漠で目を殺られたのか?


今のどう見てもレオンがやったようには見えないっしょ。


レオン『・・・リノ、珍獣とはコイツらに当てはまると思うが』


リノ「いや、珍獣通り越してのバカ」


「なっ!?ば、ばばば、バカだとぉぉっ!?」


バカって言っただけでここまで吃るアホいんの?←


何なの?あたしらはこんなアホどもに追われてたって訳?←


「オレたちは…お前と死闘をするべく、ここまで追って来た」


リノ「いつから?」


「お前が白髭に入る前からだっ!!」


……てことはざっと十年以上って事か。


こんな奴らに追われてたとかあたしマジで哀しい人生だわ…


リノ「ていうかさあたしの前から消えてくれる?

何の恨みがあってここまで追い続けて来たのかはしんないけど。

邪魔、存在自体が邪魔、鬱陶しい、テメェーらみたいなクズ如きに時間潰されたと思うとウザくて仕方ない」


レオン『・・・・・・・(汗)』


あたしがこれだけ言うと、あたし達の前では暗そうな顔をする蛆虫どもだったけど


「ええいっ!!コイツが何と言おうと今日ここで決着を付けるだけだぁぁぁぁ!!!」


一人の蛆虫が開き直ると他の蛆虫どもも開き直って、武器を片手に崖を下りて来た


レオン『リノどうする?!』


リノ「蹴散らすだけ」


三人の蛆虫が大きく武器を振り上げた時だった…


『うおりゃぁぁぁぁあ!!!!』


リノ「えっ?!………マール!!?」


砂の中から何かが出て来たかと思ったら、鋭い目つきに赤い体毛、レオンみたいな獣、


砂を操るマールが三人の蛆虫どもを簡単に蹴散らした


リノ「えっ?!何でマールがいるの!?」


マール『おうよっ~!!オレァ…ちと、メリーサの予言でリノとレオンが危ないって事を聞いてなァ…駆けつけて来てやったんだぜ』


レオン『残念だがこうして俺とリノは無事にここまで生き延びてるぞ』


マール『うっ、うるせぇぇ!!』


……マールの行き成りの登場には驚いたけど、


リノ「会えて良かったよぉぉぉ!!マールゥゥゥ!!!」


マールを思い切り抱きしめるとマールが照れくさそうに顔を背けた


マール『なっ、は、恥ずかしいじゃねーかよリノ…』


リノ「本当ここまで助っ人に来てくれてありがと!!」


マール『どうって事ねーよ。リノはオレらの命の恩人だしよ』


レオン『それは確かに言えてるな。』


…レオン、〝言えてるな〟ってどういう意味なの?


まるであたしがいつもバカな事しかやってないって言ってるみたいじゃん


「・・・貴様ら・・・!!」


リノ「あ」


「オレたちをォォォ無視しやがってェェェ!!!」


マールとの再会に余りにも感動しすぎて蛆虫どもの存在を忘れていた←


マール『まあまあ…相手は蛆虫、だっけか?三匹もいるじゃねーかよ』


リノ「あたしは参戦しないからね」


レオン『コイツらはお前を狙っているんだぞ?』


リノ「どーせあたしがやんなくともレオンかマールがやるんだから」


後ろに数歩下がると、レオンとマールが数歩前に出る


…ほら、古い古い付き合いから確信した←


マールもマールで、レオンもレオンで無駄に執念が強いって言うか


コイツが俺だけの敵だ!!って思った時点で手出しは無用、って感じだしさ


「殺せッッッー!!!」


リノ「…殺せだって」


マール『オレが殺してやらァァァァァ!!!』


あたしが欠伸をした数秒であっという間に敵が沈没すると、


それでもかっってぐらいの勢いでレオンとマールの戦闘?殺闘?は終わらなかった


リノ「ハイッッ!!終わりッッ!!!」


仲間なのに最後はあたしの電撃でやられて、ようやくの事であたし達はナミたちの元に戻った


ルフィ「んお?スッゲー!!((キラキラ 新しい獣が増えてるぅぅ!!((キラキラ」


マール『なんだぁリノ?お前、コイツらと旅を共にしてんのか?』


リノ「違う。目的地が同じだっただけで」


マール『ほーだよな。お前がそう簡単に人間となんて…』


エース「リノ、ここからはルフィたちとは別れる事になるがいいか?」


リノ「いいけど」


他「「『『えええええ!!!??』』」」


マール『リノッ!?』


ナミ「ちょっとどういう事なのよ?!」


リノ「どういう事って…まあ…色々と」


レオン『そ、そんな事…聞いてないぞ?!』


リノ「当たり前じゃん。言ってないんだから」


マール『リ、リ、、リノが…!!』


チョッパー「あはははは…(汗)」


ビビ「じゃあ…リノさんともここでお別れなのね」


リノ「まあ…そういう事になるね」


エース「けどお前もクロコダイルを追ってるんじゃあ…」


リノ「黒髭が先手じゃない?」


エース「そうか?まあ俺ァ…構わねーが」


ルフィ「お前もクロコダイルを狙ってたのか?!」


リノ「ああ…まあそんなとこ。

アイツを捕まえろって言われてたけどまあ気が変わって」


ルフィ「ふぅ~ん」


リノ「そいつ見つけたら近くの海軍に渡してよ?」


ゾロ「はあ?そしたらオレ達まで捕まっちまうだろうが」


リノ「あたしの名前を言えば捕まらないから。」


皆「は?/え?」


ウソップ「それぁ…どういう事だ?」


何でコイツらはこうもあたしが七武海だって事を隠してんのに…


納得してくれない訳?!こうも自分の嫌な称号を…!!


リノ「アンタたちは海賊だろうけどあたしの名前を言えばアンタたちは連行されない。

これでもまだ意味は分からない?」


ゾロ「そんな事言って…本当は、俺たちを捕まえる気なんじゃねェーの?」


リノ「悪いけどあたしはルーキー蛆虫団とか嫌い、男には興味ない」


男「はああああ!!!?」


ゾロ「何が蛆虫だゴルァ!!!」


リノ「ひよっ子蛆虫があたしに話しかけてんじゃねーよ」


ゾロ「話しかけて来たのはオメェーだろうが?!」


リノ「はぁ!?」


あたしがコイツらともめている間も、


マールとレオンがかなり大ダメージを食らったようにしょげている二人をエースが慰めていたとも知らずに


リノ「悪いけどあたしはアンタ達には興味ないんだからッ」


ゾロ「あァ!?なんなら今、ここで殺るかぁ!?」


エース「まあまあリノもお前も落ち着けって」


あたしはふつーうに蛆虫どもと喧嘩をしていた


エース「…まあ、ルフィそれをずっと持ってろ。

出来の悪い弟を持つと兄貴は心配なんだ。オメェーらもコイツには手を焼くだろうが…よろしく頼むよ」


……おお、これが兄弟か((キラキラ


こいつはあたしが初めて会った時から今日まででいっちばん良い事を言ったような気がする←


ナミ「私からもリノをお願いします」


エース「ああ」


リノ「待て。何であたしがコイツ(蛆虫船長)並の扱いをされないといけないの?」


ナミ「リノォォォッ!!会えて良かったわよぉぉぉ!!」


リノ「だからくっつくなああ!!」


ビビ「リノさぁぁぁん!!!」


リノ「ビビも止めてよ!!!」


ルフィ「リノォォォッ!!!」


リノ「触んじゃねーよッッッ!!!」


何時からかあたしを名前呼びにしたコイツがあたしたちに近づいて来た時、


電撃の盾が蛆虫船長を弾き返した


ルフィ「なんだよお前!!俺はせっかく仲良くしようと…」


リノ「テメェーみたいな蛆虫と仲良くなりたくねェーわッッッ!!!」


ルフィ「ちぇ~何だよ最後ぐらい~」


サンジ「ついでにリノさぁぁん!!オレも抱かせて…」


ナミ「近寄るんじゃないわよ!!」


鬼のような顔をしたナミが蛆虫コックを思い切り蹴り返す。


リノ「ナミは認めた。ビビも」


マール『あのリノは何処に行ったんだよォォ~』


チョッパー「あははは(汗)」


エース「んじゃあ…行くか。」


ナミ「リノ…またねっ!!」


リノ「じゃあね。ナミ、ビビ」


ビビ「さようなら!!」


ナミとビビとは良い思い出が作れたなあなんて実感しながら、


あたしと蛆虫(エース)はレオンとマールの背中に乗りながら夕陽を前に走り続けた


リノ「次の目的はティーチか」


エース「ああ」


……今度はコイツとの冒険か、


楽しもうではないか、あたしよ← 
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