少年は魔人になるようです
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第3話 二人は異世界に旅立つようです
side ノワール
私はシュウの血を使い、契約を始める。
「いにしえに我を創りし神よ。」
この契約は私の魂と契約者の魂を半分融合させ、共有し、互いの力を互いに渡し合う。
「我が名はノワール・プテリュクス・エ―デル!!」
これは私を創った神に反逆する儀式。名とは魂であり、逆も然り。
天界に生み出された者の名は神が決めるが故に、魂を割る事とは名を略すこと=神への反逆。
故にこの儀は自分の名を創りし神に帰し、許しを乞う必要がある。
が――――――
「貴様は私を創りだした!だが貴様が創りし魂はすでに帰した!!故に貴様に許しは乞わん!!」
そう。今の私の名はノワール。そしてこの名前をくれたのは・・・・・
「我が創造主の名は織原 愁磨!!彼の者に誓い、彼と私の魂を今、逢わせよう!!」
この儀式に必要な口上は「名を帰すから力をくれ」と宣言するだけ。
だが、次の口上だけは違う。これは唯の、私の願い。
「どうか、我が創造主の魂に憐みを…………。」
そう呟き、祈りの礼をとる。
この狂った優しき人間の魂が一時でも安息につけますように・・・例え、世界に安息が無くとも、
私が・・・この狂った私でも、せめて、彼の安息地になれますように。
そう、願いを込めて、手を勢い良く広げ、最後の詩を奏でる。
「闇よあれ、光よあれ、全てを飲み込め!聖唱!!『la crima alma』」
――その瞬間、地獄と呼ばれた世界は天国のような光に包まれた。
side out
side 愁磨
「……ゥ………きろ…」
ユサユサ
「う………」
誰だ、俺の素敵な睡眠時間を奪おうとするのは・・・・・・
「お…シュ………そ……ろ。」
ユサユサユサユサ
「やめろー、俺は眠いんだ……zzz」
「いい加減起きんかーーーーー!!!!」
――ドグォ!!
「グッハ!!なんだ、敵襲か!?!?」
「なにを寝ぼけておるか……」
その声に振り向くと、黒髪ロングの素敵なお姉様がいらっしゃった。
「ふつくしい……」
「なっ、なんだ///お世辞を言っても意味はないぞ!!///」
で、なんで俺は見ず知らずのお姉様に起こされるなんてギャルゲな状況になってんだ?
って・・・・・どこだこk―――
「ああ、そうか、地獄に堕とされたんだっけ」
「なんだ、今頃思い出したのか?シュウは意外と抜けてるんだな……」
「うるさいな。ところでノワール。」
「!!……なっなんだ!?///」
なんで名前呼んだだけで赤くなってんだよ?って、ノワールは『ノワール』で納得してくれたのか。
良かった良かった。ところでこの生き物可愛いから抱きしめていいよね?
答えは聞いてない!!
「なっ、なん、な!?///」
「おはよう。」
「あ……、おっ、おはよう?///」(二コリ
「ガハアッ!!!」
「吐血!?どっどうした!?」
「ハァ、ハァ、あぶねぇ、普通レヴェルの女とさえ関わりのない俺には破壊力が高すぎる…!!ノワール、恐ろしい子…!」
「え!?あ、あと、えっとその……ゴ…メン……。」
と、しょんぼりしてしまうノワール。
・・・おっと、鼻から愛があふれ出たぜ・・・・・。
「コホン、ごめんごめん、お前が悪いわけじゃないから元気出してくれ、な?」
「///わ、分かったから撫でるな……子供じゃないんだから……」
やばい、こんな状況なったことエロゲでしか無かったから、愛が溢れてもうどうにも止まらない・・・・!!
……いや待て俺、自重しなきゃ話が進まん。
「さてノワール先生、この氷地獄の居ても全く寒くない状況等々、説明して頂けるかな?」
「ん、コホン。
分かりました。それでは授業を始めます。」
と言うとホワイトボード一式を出し、メガネをかける。
・・・落ち着け俺、説明だ・・・説明が終わってからだ!!
「さて、おま……、君の状況説明すればおおよそ説明できるから、そこからいくよ?
まず君は私と契約したことで、私たちが魔人と呼ぶ存在になりました。
これにより不老長寿になり、少なくても百万年は生きられるかな?
ちなみに魔人とは、魔王と魔神の間に位置する強さを持った人間のことです。ちなみに私が魔王だからね。」
「……ゑ?」
「質問は後で。で、ヒエラルキー的には天使<<超えられない壁<<魔神<<魔人<<魔王です。
これはあくまでスペックだけの話だからね。
更に君と私の魂は相性が良よすぎたせいで、君は私が他の魔王から預かっていた『宝玉・七つの大罪』を使える様に
なりました。これは各大罪に付いている装備と能力を使え、単純にスペックが1段階アップします。
1段階と言っても、魔人のステータスにおいて、だから。
そうだね、君の知識にあったFateって言う作品で言うと、
『干将莫邪』の一刀が『天地乖離す開闢の星』の一撃になるくらいのパワーアップだと思って。」
―――何それ怖い。刀振るごとにエヌマ・エリシュが襲ってくるんですか?何それ怖い。(大事なことなので)
今の説明だとしかもそれが1段階、つまり通常時がそのレヴェルな感じですよね?何そ(ry
「ちなみに今の君は魔力壁が通常の垂れ流し状態で『約束された勝利の剣』喰らってもかすり傷負う程度だから。
当然、君はこれ程の力の制御ができていません。魔力強化もしっぱなしの状態です。
なので、手加減しないと一般人なんかは君が触っただけで
”バチュン!!”
ってなっちゃうから気を付けてね。
でも今の君はこれらを一切使えません。まだ完全に契約が終わっていないので、まだ一般人のままなのです。」
「なるほど、履行はされたけど執行はされてないと」
「そうですね。契約の執行は一度転生しないと使えないので君は転s「キターーーーーーーー!!」…転生してもらいます。
送るのは私なので、好きな場所に逝けます。」
「字、違わない?」
「実際、この地獄での生を終えてからなので間違いではないです。そして、あなたには一つだけ能力が与えられます。
ですが注意事項があります。生命を創造することは不可能。そして神族にはなれない。これだけです。
さて、どんな能力にしますか?」
俺は、チート転生できるとしたら、この能力、と以前考えた能力を言う。
「『創造』の能力をくれ。正確には、言葉にしたままの物が創れる能力、だね。」
「…なる程、確かにそれなら他のどんな能力でも使えますね。勿論制限はつきますよ?」
「分かってるって。でも説明書はつけてな。無いと発動すらできないし。」
「その点に関しては問題ありません。私が着いていきますので。」
あ、教えてくれんだ。それは助かる。しかし・・・・
「なんで自分でその能力使わないの?使ったら無敵じゃん?」
「……この契約者に能力を付加する力は私の力ではありません。
かつて居たとされ、この天界・地獄・次元を創ったとされる創造主神に自分の名前を捧げ、
力を一度だけ貸してもらい、能力を貰うのです。」
「なるほど。で、それを使えるのは天界人だけ、と」
「そうです。そしてそれを使った天界人は神に逆らったとして、堕天使として地獄に落とされるのです。」
「なるほどね。ところで、今言ってる神って言うのは創造主神のことだよな?来た時の受付?にいたクルセウスとアリアってのが
自身を神って名乗ってたんだが、なんでだ?」
「天界での自警団、いえ軍ですね。これに入っている者が天使と呼ばれます。そして、その天使の中で最も強い50人が大天使、
その頂点12人が能力に応じた『神』を名乗ることを許されるのです。」
・・・・なるほど。あのむっかつく二人は腐っても天界最強のうちの二人なのか。
「……お前の心中は察するが、今のシュウでは返りうちになるだけだぞ?」
「ああ、分かっている。
…やっぱそっちの喋り方のがいいな。なんかこう、ノワールにあってる。ところで。」
「ん?大まかな説明は終わったぞ。質問か?……ああ、まだ転生するところを決めていなかったな。」
「いや、それもなんだが……その……妙に俺の視線が低いんだが……」
「ああ、契約自体は魂が生きていたから問題なかったんだが、お前の肉体は死んでしまったんだ。
肉体が無いと魂は死んでしまうから、入れ物となる肉体を作らなければならなかったんだが、
封印されていたせいで魔力が少なく、それで作れるギリギリの大きさの肉体が、お前の記憶上そんな感じだったのだ。
見てみると言い。《反転魔鏡》」
そんな凄そうな魔法を鏡の代わりに出すなよ・・・まったく・・・・・・
「……ってなんじゃこりゃああああああああああああああああああああああ!!!??」
鏡?に映っていたのは女の子だった。13,4歳くらいだろうか?
ぱっと見は・・・そう、Fateの成長してなぜか男の子げに凛々しくなったイリヤ。
155~160cmってところだろうか?雪のような髪も同じだ。しかし眼の色は紅ではなく狼を思い出すような灰色。
『雪の精』よりは『雪の狩人』って感じか?
そして―――我が息子は、無事だった。
どう考えても男の娘です、本当にありがとうございます。・・・・まあいいか。前よりは確実にいい外見だし。
「さて、それじゃあ転生するとしますか。行き先は『ネギま!』の世界。時間は・・・そうだな。
大分烈戦争の始まる600年前で。力の使い方はマスターしないといけないからな。さ、行こうぜ。」
差し出す手を握り返しながら、ノワールが聞いてきた。
「原作の600年前ではないのか?」
「エヴァンジェリンが吸血鬼になるのが西暦1400年頃。大分裂戦争が1981年。能力把握にかかる時間としては適当だろ。」
「?とりあえず分かった。しかしいいのか?神の二人に本当に仕返ししないで。…なんならわt「ノワール。」……」
「奴らは俺がこの手で生きて居るを後悔させてからゆっくり嬲り殺してやるからいいんだ……今は、な」
そう言うと俺はニヤリと笑う。
「そ、そうか。(あの二人も因不幸だな…因果応報か…)」
「それに、今はちょっと感謝すらしてるんだ。」
「え?どっ、どうしてだ?」
ノワールは首をかしげ聞いてくるが、俺はその問いに明確には答えない。
「―――ハズいこと聞くんじゃねえよ、馬鹿。」
代わりに少しだけ握る手に力を加える。
「あ…///っ、そっ、そうだシュウ。私はシュウと契約したから、また名前が無くなってしまったんだ。だから……」
そう言ってノワールは色んな期待を込めた眼を送ってくる。
「名前は前と同じだが、少し加える。」
「あ、ああ。それで…?」
「……ノワール・P(プテリュクス)・E(エ―デル)・織原、そう名乗れ。」
「あ…、はい///よろしくお願いいたします。マイマスター。」
「なんじゃそりゃ。
俺は…そうだな、愁磨・P・Sechspaar(ゼクスパール)・織原でいいかな」
「ふぅん。ちなみに意味はあるのか?」
「……六対の翼。」
「え……?」
急に恥ずかしくなった俺はノワールの手を引く。
「あーあー何も聞こえないぃぃ~~!!さっさと行くぞ、ノワール!!」
「え、あ、ああ。
――Yes、mymasterシュウ。どこまでも共に行こう。」
そして俺たちは、ネギま世界に旅立った。
Side out
後書き
主人公復活・ネギま入り。
暫くはまったり&原作前堪能になりますが。
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