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転生とらぶる

作者:青竹
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スーパーロボット大戦OGs
  番外編005話 0070.5話

 その報告をユーリアが聞いたのは、地上での敗戦の後になんとかコロニー・エルピスに戻ってきた直後だった。
 いずれこの戦いが終わったらまた会おうとアクセルと約束をし、その約束を奮起の材料としてあの敗戦から立ち直った。
 私的な理由で任務地である宇宙から地上へと降り、反乱を起こしたアクセル達と戦うという馬鹿な真似をした自分に最後まで付いてきた馬鹿な部下達。
 その事を考えている時は、馬鹿な指揮官の下には馬鹿な部下が配属されるとレオナと共に笑っていた。
 もっとも、そんなレオナも『馬鹿な隊長の下にいるから馬鹿が感染したのです』と言っていたのだが。

「この報告は本当なのか!?」

 既に自分の故郷とも言えるエルピスに戻ってきた途端に受けたその報告。
 信じられない。否、信じたくないユーリアは自分にとっての凶報を持ってきた相手へと掴み掛かる。

「ほ、本当です!」
「馬鹿な!?」

 報告書に書いてある事は簡潔だった。曰く『反乱軍は自分達の不利を悟り、北米にあるテスラ研に籠城。その後追撃隊諸共自爆した』とある。

「アクセルが、自爆?」

 ユーリアの脳裏をよぎるのは、つい先日に通信越しに見たアクセルの顔。
 たった1部隊で反乱を起こしても負けるのは分かっていただろうに、それでも弱気な表情など欠片も見せていなかった。

「その、アクセルが……自爆?」
「隊長……」

 レオナの心配そうな声が聞こえてくるが、自分の考えに没頭しているユーリアには聞こえていない。

「何かがおかしい」

 状況証拠だけを見れば、確かに追い詰められていたアクセルの部隊は自爆という自暴自棄な手段に出てもおかしくはない。
 だが自分の中にある何かがそれは違うと告げている。
 あるいはそれは、1人の男に恋する女の妄想なのかもしれないと苦笑を浮かべるが、アクセルの顔を思い出すだけでこの絶望的な状況の中でも立ち上がる勇気が湧いてくるのを感じる。

「レオナ、この報告はどこかおかしい。恐らく何か大事な事が隠されているような気がする」
「ええ、私もそう思います。あれだけの戦いをした戦士が自暴自棄になるなど、とても考えられません」

 ユーリアとレオナ。2人共無言で目を合わせ、それだけで意思の疎通を完了する。

「私は士官学校時代の伝手を使って調べてみる」
「では、私はブランシュタイン家の情報網を頼ってみます」

 1人は己が愛した男の為に。もう1人は敬愛する上司と尊敬すべき敵の為に。
 2人の女は、こうして軍部の闇へと挑戦状を叩きつけた。 
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