もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
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剣を掲げし女の御話・Ⅲ
前書き
良く分からんがランキングから外れて何故か肩の荷が下りた気分である。あとお気に入り登録数が150人を突破しました。今更ながら読んで下さっている読者の皆さんに感謝です。
ここはまるで魔窟だ。子鬼たちが巣食う異界なのだ。そう叫びたくなる程度に疲れ切った体を机の上に投げ出す。
「小学生ってなんであんなに元気なの?」
紹介が終わると同時に質問の十字砲火を浴びた私はぐったりしながらそう呟いた。
精神年齢が二十?才の私にあの環境は結構辛いものがある。(実年齢は明かせんなぁ!身体は9歳児だけど)
つまり私は今疲れとるんよ。なあんにもやる気おきんとよ。
「だから今は私を眠ら、せ、て・・・くれぇ・・・・・・」
「にゃはは・・・皆悪気があったわけじゃないから許してあげて、ね?」
隣の席の高町なのはちゃんが苦笑いしている。にゃははって凄い変な笑い方。ONEPIECEとかにそんな笑い方の人いそう。
そう、隣のなのはちゃんなのである。この世界こと魔法少女リリカルなのはの主人公、「魔砲鬼帝ナノハ・タカマチ」と思われる少女が横にいるのだ。
「そんな厳つい名前で呼ばれてないよ!?」
「いずれそう呼ばれる日が来るって。そんな気がするもん」
「来ないもん!」
両腕をぶんぶん振りながら否定するなのはちゃんはなかなかにキュート。噂と違って普通の女の子に見える。
噂によると不敬を働いたものにはごんぶとレーザーのOSIOKIを、人の話を聞かないものには肉体言語でOHANASHIをすると聞いていたが・・・
しかし結局私は何をすればいいんだろ?取り敢えず今の生活を続けててもいいのかな?
よく分からないうちにくたばり、よく分からないうちに第二の人生を送り、よくわからないまま生きていく。
・・・あれ?良く分からないまま生きてるのは普通の人も同じかな?何で生きてるのかはっきり自覚しながら生活してる人なんてそうそういないよね?じゃあ私が生きてる理由は私で見つけなきゃならんのだろうか。
「ヒトが生まれた意味って何だろう・・・」
「くたびれた理由が重なって揺れたら分かるんじゃない?」
「あ、アリサちゃん」
「早速仲良さ気じゃないの植物コンビ」
金髪少女亜里沙惨状!!のようである。この子も魔砲少女だったりするんだろうか?
で、植物コンビってなに?ああ、”菜の葉”と”苗”でね、納得納得。しかし私は何の苗なのだろうか?
せめて菜と同じ双子葉類だといいなぁ、私あの新芽が出た時の二葉が可愛くて好きなんだよね。
「初対面の人をいきなり植物扱いはどうかと思うよアリサちゃん」
「何よーいいじゃないこいつだって嫌がってないみたいだし」
「出来ればコイツじゃなくて名前で呼んでほしいけどね・・・」
「ほら、本人もこう言ってるよ?」
本当は口をはさむだけの元気がないだけです。そして後ろから出てきた深い紫のヘアーの少女よ、気遣いありがとう。
で、そんなこんなしているうちに私はいつの間にかなのは、アリサ、すずか三娘同盟と友達になっていた。特にアリサちゃんが意外とノリがいい。お喋りついでに一緒にご飯食べることになった。
・・・弁当の中身が全然レベル違う。あちらが月ならこちらの弁当はスッポンどころかミトコンドリアレベル。御話になりませんわ、この戦力差。
聞いたところによるとなのはちゃんの母親は喫茶店「翠屋」を切り盛りしており凄い料理上手らしい。調理師免許とか持ってるんだろうか。残りの二人は単純に家の財力の差。・・・く、悔しくなんかないんだからね!
とか考えているとおかずを分けてくれた。君らは天使や・・・!
「どれくらい天使?」
「ルシフェルくらい天使。もしくはサタンかアザゼルかベリアル」
「軒並み堕天してるじゃない!!」
「だてんって何?」
「天使失格ってことだよ」
ここが現代の失楽園だ・・・とか言ってみるが意味はない。
授業は死ぬほど退屈だったがおしゃべりは楽しかった。私はその時だけ、転生の事も四宝剣のことも忘れておしゃべりに夢中になった。
・・・今になって思えばそれがまずかったんだろう。そう、やらかしたのだ。
「へぇ~犬屋敷と猫屋敷か・・・一度行ってみたいな~」
「なのはの家にはフェレットもいるわよ?」
「む、それを言ったら家にだってヤマネコいるもんねー!」
対抗するように私も張り合う。アニマル関係となれば私も簡単に退くわけにはいかない・・・ぽんずのモフモフは天下一品であることを証明するために!あー帰ってモフモフして癒されたい。
「もうね、うちの子はこう首元とかがもふっとしてね・・・もふもふなのよ。元々寒い所の猫だから足もこう、もふっともふもふで・・・」
「どんな風にもふもふなの?」
「それはこう、こんな風に・・・」
もふっ。
・・・・・・んん?
「なーお」
そこにいるのは見紛うことなき我が同胞にして家族のモフモフ王。
・・・・・・ぽんずさん?何故学校にいるのでせうか?
「わわ、何処から来たのよコイツ!?」
「ふわー、思ってたよりおっきい・・・1メートルくらいあるなか?」
「あ、あははー!あれかな、寂しくて私を追いかけてきてくれたのかなー!なんつってー!」
「いやこのサイズで放し飼いはいろいろ不味いでしょ!?」
想像以上に猫がデカくて驚いている面々。だがこちとらそんな様子を確認する余裕なんてありません!
(何やってんの私!?マジで何やってんの私!?)
そう、話に夢中になりすぎてうっかり四宝剣を出現させて振っていたのだ。自分でもいつ振ったのか全く気付けなかった。おそらく”ぽんずが私の傍にいる確率”を弄って呼び寄せたのだろう。コイツ実は私の意志に関係なくポンポン出てくる仕組みなんじゃと思わずにはいられない。
(心臓に悪いから出てくるなっちゅーの!!というか2メートルはある不気味ソードの存在に皆がまだ気づいてないのが奇跡だよ!!)
幸い皆の目線はぽんずが釘付けにしているので急いでしまって事なきを得た。く、口から心臓飛び出るかと思った・・・
・・・そしてその時私はまだ気づいていなかったのだ。
なのはちゃんが凄く驚いた顔で”私と剣”を見ていた事に・・・
= =
突然転校してきた苗ちゃんはちょっと変わった子でした。
見た目は私と同じ何処にでもいる女の子。黒くてきれいな長髪が皆の目を引いていました。
自分も小学生なのに「小学生ってなんであんなに元気なの?」と年上の人みたいなことをつぶやいたり、突然私の事を「魔砲鬼帝」と呼んだり。確かに魔法は使えるけど「鬼帝」は無いんじゃないかと憤慨したけど笑って誤魔化されちゃった。
苗ちゃんは何だか大人っぽくて、よく難しい事を言っているアリサちゃんとも話が合うみたい。私、天使さんの名前なんて全然分からないよ。何で知ってるの?・・・え、天使じゃなくて堕天使?もっと分かんないよ・・・
そんな苗ちゃんもペットの話になると別腹のようで、今も自分の家にいるというヤマネコちゃんについて熱く語ってます。
「元々寒い所の猫だから足もこう、もふっともふもふで・・・」
「どんな風にもふもふなの?」
「それはこう、こんな風に・・・」
それは、余りにも一瞬で―――
《マスター!!正面にロストロギア反応及び次元震反応!!》
『えっ!?』
「なーお」
「わわ、何処から来たのよコイツ!?」
―――でも、確かにはっきりと見えました。
(あれは・・・何?)
それは杖のようで、棒のようで、剣のような良く分からない何か。唯一つ分かったのは、それが一目見ただけでとても邪悪なものに感じるという事だけでした。
苗ちゃんの手に握られたそれは、次の瞬間跡形もなくなくなってしまいました。
でも、それは確かにあったのです。私のデバイス、レイジングハートもそれを記録していました。
「ねぇ鳳さん。この子何って名前なの?」
「ぽんず」
「・・・ぽ、ポン酢?」
「うん、ぽんず」
・・・苗ちゃんはとっても独特なネーミングセンスを持っているようです。
ユーノ君その時の事(もちろんロストロギアの方)ことを伝えると、とても焦った声でこんな事を言ってました。
《なのは・・・これはきっとジュエルシードなんかとは比べ物にならないくらい危険なロストロギアだよ・・・!?》
ユーノ君の話によると、これだけの力を発揮できるならば街どころかこの星ごと壊してしまう力があってもおかしくないそうです。そんなものを、どうして?
(どうして苗ちゃんはそんな危ないものを持ってるの?何のためにどうそれを使ったの?)
分からない。全く分からない。まだまだ子供の私には、何がどうしてそうなっているのかちっともわかりませんでした。だから・・・分からないことは、苗ちゃん本人に聞けばいいんだ、と思いました。
ちゃんと話し合えば、きっと苗ちゃんも教えてくれるはずだよね?
でも・・・そんな大事を私の小さな頭から吹き飛ばしてしまうほどの大事件が、今日の高町家には待っていたのです。
「なのは、この子が新しい家族だ」
「・・・・・・ふぇ?」
「・・・始めまして、クロエと言います」
「・・・ふぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!?」
┌―――――――┘\
│To Be Continued? >
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後書き
転生者の法則その3、何かしらやらかしやすい因果に囚われる。
既に原作から大きく外れたこの世界。何を隠そう書いてる本人が一番びっくりしてます。
果たしてこのシリーズはいつまで続くのやら・・・いい加減短編じゃなくなってきたからタグとか取り外しちゃおう・・・
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