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黒子のバスケ 無名の守護神

作者:stk
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第五話 一人目

思うんだけどさ練習って意味なくないかい。
僕たちは生まれながらにして持っている才能がある。
それが芽生えれば選手として完成だと思うんだ。
そんなわけで校庭を歩いていたんですけどなんか見覚えのある人がこっちに向かって走って来ているんですけど。
「おー。ここか誠凛。さすが新設校。キレイーっすねー。」
「黄瀬くんじゃん。どーしたの?」
「水野っち。久し振りじゃないっすかー。」
「相変わらずの口癖ですね。」
まったく。
これで僕と同じキセキの世代と呼ばれているなんて思えないよ。
「でもどうして誠凛(ここ)にいるっすかー?」
「入ってみたかったから。」
「嘘をつかないでほしいっす。」
「僕の質問に答えてくれたら答えるよ。」
「様子見っす。」
様子見?
と言うことは練習試合の相手って海常なんだ。
「それで水野っちはどうして誠凛(ここ)にいるっすか?」
約束だからしょうがない。
「バスケから逃げようとした。ただそれだけですよ。」
「水野っちがバスケから逃げる?絶対無理っすね。」
「否定できないですよ。」
様子見って言ったっけ。
なら体育館に連れていくとしようかな。
「じゃあバスケ部でも見に行く?」
「いいっすか?」
「うん。」
監督に怒られないと良いけど。
まあ一様キセキの世代だから融通してもらえるかな。
「それにしても水野っちは変わらないっすね。」
「そうですか?結構変わったと思いますけど。特に身長が。」
「どれくらい伸びたっすか?」
歩きながらこんな話をしないといけないなんて。
どんな苦痛だよ。
「0.3cm。」
「全然じゃないっすか。」
「でも黄瀬くんはそんな僕に一回も勝てていないのですよ。」
「おかしっすよね。」
まったく。
たしかに身長も大切だけど才能が有ればいいだけのことじゃん。
「でも赤司っちに怒られた回数は水野っちが上っすよ。」
「そうだっけ?」
「そうっすよ。」
まあ今となっては良い思いでだけどね。
それよりも
「黄瀬くん。これどおゆうこと?」
僕たちの後に女子生徒の列が出来ていた。
「いつものっすよ。」
「こういうのは困ります。・・・そうだ。黄瀬くん。ちょっと待っていて下さい。」
「どこいくっすか?」
何処って用具器具庫ですけど。
体育館でサイン会なんて行われるなんて困るからね。
「大きさは一般的な学生机でいいだろう。」
結構重い。
「黄瀬くん。手伝って下さい。」
「水野っち。大丈夫っすか?」
「大丈夫じゃないですよ。準教育係を信じてください。」
「何年前の話っすか。」
文句を言っても手伝ってくれるんですよね
だから黄瀬くんはなにがあっても恨めないのですよね。
「ところで水野っち。どうして机なんてもってきたんすか?」
「体育館でサイン会をされると困るからです。」
「俺はやるなんて一言もいってないっす。」
「黄瀬くんは自分の後ろにいるファンの列を見てください。」
しかし黄瀬くんは「いつものこと。」と軽く流した。
それでも僕は黄瀬くんを座らせサイン会を行った。
時間は数分で終ったのだが後片付けが大変だったのですよ。
「こんにちわ~。」
「あっ。水野くん。」
げっ。
監督がいるんじゃん。
嫌だな。
「お久しぶりです。」
「ひさしぶり。」
「「「黄瀬涼太。」」」
火神が威嚇してるように見えるのですけど。
「水野くん。どう言うことか説明してくれる。」
「え~と。簡単に言うと偵察ですよ。そしてクロちゃんがいたから見に来たと言うことでしょう。」
「補足するっすね。黒子っちとは一番仲良かったしね。」
あ~あ。
黄瀬くん。
クロちゃんは期待通りの回答はくれないよ。
「フツー、でしたけど。」
「ヒドッ!!!」
あっ。
あの雑誌。
懐かしい。
俺も特集されたやつだよ。
「中二から。」
そうだよ。
黄瀬くんは途中入部だもん。
「いやあの・・・。大ゲサなんスよ。その記事。ホント。」
妥当な記事だと思うけど。
「キセキの世代なんて呼ばれるのは嬉しいけど、つまりそのなかで俺は一番下っぱってだけスわ~。」
一番下出はないだろうよ。
僕がいるんだから。
「だから黒子っちと俺はよくイビられたよな~。」
だから期待通りの回答は来ないんだって。
「僕は別になかったです。」
「あれ!?オレだけ!?」
あれ?
なか不吉な感じがただよっているんですけど。
バチィ!
やっぱり。
「っと!?」
反応はすごいっすね。
「せっかくの再会中ワリーな。けどせっかく来てアイサツだけもねーだろ。ちょっと相手してくれよイケメン君。」
それなら
「黄瀬くん。僕もお願いするよ。」
「え~。そんな急に言われても・・。」
悩んでるよね。
でも僕と隠れて見ていたシュートを覚えていれば
「よし、やろっか!いいもん見せてくれたお礼。」
のってきた~。
「マズいかもしれません。」
「クロちゃん。シーだよ。」
ボールのドリブル音って結構響くよね~。
バッシュの音も。
黄瀬くん。
結局火神のコピーか。
でも火神もよく反応したね。
ドォーン。
勝つのは黄瀬くんだけどね。
「次は水野っちすか。やりづらいっすね。」
「言っちゃ悪いけど負けないよ。」
僕には背が小さくてもジャンプ力はある。
そして弱点を瞬時に見極めることができる。
「水野っち。提案なんスけど。俺が勝ったら海常に来てください。」
「負けないからいいよ。のってあげる。」
「それじゃ~。行くよ。」
さっきと同じだ。
でも今さっき見ていたのとは違う。
ヤバい。
「くそー。」
ドォーン。
そんな。
僕が負けたの?
黄瀬くんの弱点を知っている僕が。
「水野っち。勘違いしているようだから教えてあげるっす。俺は弱点を克服したっす。」
「そんな。どうやって。帝光時代にどんなに頑張っても克服出来なかったのに。」
「それは秘密っす。・・・挨拶だけじゃ変えれないっスわ。」
まだなにか企んでいるよ。
「やっぱ黒子っちも下さい。」
えっ?
海常(うち)おいでよ。また一緒にバスケやろう。」
「「なっっ!?」」
クロちゃんは期待通りの回答はくれないんだって。
「黒子っちのことは尊敬してるんスよ。こんなとこじゃ宝の持ち腐れだって。」
そこまでいっちゃうんだ。
僕もちょっとデイフェンスではなくオフェンスで黄瀬くんと勝負したいな。
「ねっ。どうスか。」
「そんな風に言ってもらえるのは光栄です。」
でもクロちゃんなら
「丁重にお断りさせて頂きます。」
「文脈おかしくねぇ?」
「黄瀬くん。僕からのお願いを聞いてください。」
「どうしたんスか。」
「僕がオフェンスになった場合での勝負をしてください。」
「でも水野っちはディフェンスのはずじゃあ?」
そう認識されるのが妥当だけど。
「僕が負けたら転校を今日中に手配しますから。」
「いいんスか。」
「はい。」
「分かったっス。」
もう一度コートに戻って。
「それでは行きます。」
黄瀬くんは絶対に僕が前に行くと思っている。
でも残念。
僕はアウトからのシュートが得意なんだ。
「どのいくんスか。ゴールはこっちスよ。」
「分かってますよ。でも僕のシュートはここから射っても・・・。」
ゴールに入るまで長いよ。
「・・・入るんだよ。」
見事ゴール出来ました。
「んな。まるで緑間っちみたいスね。」
「僕のほうが全然距離は短いけどね。」
「でもさっきの約束は?」
「少しだけです。私立同士で行われる交換生徒を申請はしておきます。」
「そうっスか。それで黒子っちなんでもっと強いところに行かないの?」
そう言えばなんでなのかな?
気になるよ。
「あの時から考えが変わったんです。なにより火神くんと約束しました。」
あ~。
あの時の約束か~。
「キミ達を・・・キセキの世代を倒すと。」
「やっぱらしくねースよ。そんな冗談言うなんて。」
スゴいね~。
ここまで変わるなんて。
「冗談苦手なのは変わってません。本気です。」


数日後。
「お前ら。なんか交換生徒で来た奴がバスケ部に入るらしい。」
「一体どんなヤツなんですか?」
水野っち。
本当に来てくれたんスか。
嬉しいス。
「僕で~す。」
「背ちっさ。」
「外見は確かに頼りないがコイツは帝光のレギュラーだったらしい。詳しいことは黄瀬に聞け。」
「「はいっ。」」

「それでアイツは何者なんだ?」
「水野っちスか。」
「ああ。」
「本人に聞いたらどうっスか?ねえ水野っち。」
バレていたのかよ。
ちゃんと隠れていたはずなのに。
「何が知りたいですか?」
「お前のポジションや得意なことだ。」
相手が誠凛なら
「ディフェンスが得意です。」
「やっぱり水野っちはディフェンスをあげるっスね。」
「それしか無いから。」
「あるじゃないっスか。緑間っちに匹敵するスリーポイントが。」 
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