ソードアート・オンライン stylish・story
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第三十七話 仮想空間と仲間
前書き
更新が遅くなりました!!申し訳ないです!!
「もう!!キリト君のバカ!!」
「パパはもう少し節度を保つべきです!!」
「キリト・・・あれはどうみてもお前が悪ぃぜ。今回ばかりは弁護のしようがねぇよ」
4人はサラマンダーの追尾部隊を退けた後、鉱山の中立街に足を運んだがキリト以外の3人は本人をジト眼で見ていた。当の本人の左頬に掌の痣と脳天には大きなタンコブが出ていた。
「悪かったって!!もう絶対にしないから!!」
あの後、キリトとシュウが無双した後サラマンダーを一人だけ残しておき、情報を聞き出そうとしていたが相手も中々口を割る事もなかったが、キリトが戦闘で得たアイテムとユルドをちらつかせ、買収した。
そこで得た情報が何者かがシュウ達4人を暗殺しろとの依頼があったそうだ。聞き出そうとした相手は下っ端だったので、それ以上の詳しい事は聞けなかったがそれを聞けただけでも得を得る事が出来た。
そこまでは良かったのだが、サラマンダーと別れた後リーファがキリトに怪物になった時の感覚を尋ねていたがキリトは調子に乗ったのか、リーファの右手の指を甘噛みした。その瞬間にリーファはキリトにビンタをかまし、シュウは「なにやってだ」と同時に右の拳骨を放った。
場の空気が少し悪くなって来たのでシュウは話題を変える事にした。
「それにしてもここが中立の鉱山都市か。スイルベーンとは違った雰囲気があるな」
「そうだね。ここに来るのは私も初めてだよ」
リーファも初めて来る場所に笑みを浮べていた。そんな中キリトがさっきリーファに届いたメッセージを思い出し、尋ね返した。
「そう言えばリーファ、さっきレコンからメッセージが届いてなかった?」
「あっ!そう言えば・・・」
リーファはさっきのメッセージを再び開くと顎を抱える。
「これってどう言う事なの?途中で切れてるし・・・意味は分かんないし」
「そうでもないぞ?リーファ。俺は何と無くだが、このメッセージの意味が分かるぜ」
シュウにはこのメッセージの内容が大体は理解しているようだった。そして自分の考えを述べる。
「どう言う事なの、シュウ君」
「思い出してみろ。レコンは何ためにスイルベーンに残ったんだ?」
「えっと・・・確か気になる事があるから残るって言ってたよね」
「その通りだ。そしてこのメッセージは途中で切れている・・・それはつまり何が何でもリーファに伝えなくてはと取った行動だと思う」
「って事はつまり・・・レコンは何かやばい状況だったって事か?シュウ」
キリトの質問にシュウは顎を抱えながら続ける。
「恐らくな・・・レコンは何かを検索している途中に何かを見つけたか・・・もしくは見つけた途端に危機的状況下に陥ったかの二つの状況が考えられる。しかし前者は考えにくい。前者ならこんな戸切れたメッセージを送る必要は無い。リーファ、一旦リアルに戻ってレコンと連絡を取ってみたらどうだ?リアルでも友達なら番号くらい知ってるだろ?」
「そうだね。私も少し心配になって来たし、一旦戻って連絡を取ってみるよ」
リーファはシュウの推測を聞くとレコンの事を少し気にしたのかイスに腰掛けて、ログアウトの準備をする。
「それじゃ、少しの間落ちるね」
「おう」「いってらっしゃい」
リーファはキリトとシュウに見送られながら一旦眠るように意識を手放す。そして二人は彼女を挟むようにイスに腰掛ける。
~~~~~~~~~~~~
数十分後、そろそろかとシュウがリーファの事を気にかけているとリーファが目をあけるとガバッと勢いよく立ちあがった。しかしリーファの表情は何やら慌てているような雰囲気だった。
「おかえり、リーファ。レコンとは連絡は取れたのか?」
「うん。でも急いで行かなきゃいけない用事が出来ちゃった」
「なら話は簡単だ。移動しながら話してくれれば良いさ、行こうぜ?」
リーファの表情も先ほどから変わっておらず何やら大変な事が起きようとしている事をキリトとシュウは思い浮かべていた。三人が鉱山都市を抜けるとリーファがリアルでレコンから聞いた事を打ち明けた。
まずはシュウも推測通りレコンは敵・・・サラマンダーに捕まっていた。そしてそこで見た物はリーファの嘗てのパーティリーダー、シグルドがサラマンダーと密会している場面だったらしい。そしてその内容は本日行われる予定の【シルフとケットシーの同盟会議の襲撃】だった。
「そんな事をしてサラマンダーに何か得があるのか?リーファ」
「もしサラマンダーが会談の襲撃に成功すればシルフとケットシーの領土を十日間、自分達の物にする事が出来るの!当然、政策も自分達の思うがままにする事が出来る」
「なるほど。さらにシルフとケットシーとの友好関係に亀裂を入れる事も出来るって訳か・・・シンプルだかえげつねぇやり方だな。そして今俺達はその会談場に向かおうとしてるって訳か」
キリトの質問に答えたリーファに続けてシュウが自分の考えを言うとリーファが足を止め俯く。
「そう。これはシルフ族の問題だから、スプリガンとインプの君達が関わる必要なんてないんだよ?会談場に行けば、生きては帰れないと思う・・・またスイルベーンからやり直しかな」
「リーファ?」
一人で語りだしたリーファを気に掛けたのかシュウも一旦足を止めた。それに気付いたキリトも同様の行動を取った。
「それに君達は世界樹の上に行きたいんだよな?それならサラマンダーに協力するのが一番だと思う。だから・・・私をここで斬っても文句は言わ・・・」
「Stop(止め)だ、リーファ・・・それ以上言うと怒るぜ」
リーファのネガティブな発言を遮り、シュウが少しドスの効かせた声を言い放つ。
「俺達はリーファを信じて此処までやって来たんだ。なのにお前はその信頼を裏切るつもりなのか?」
「そ、そんな事ないよ!!だってこれは仮想空間なんだし・・・」
「仮想空間だから・・・リアルじゃないから私利私欲に身を任せて、仲間を裏切れってのか?」
シュウは殺気を込めながらリーファに近づいた。リーファも何もされて良い様に眼を閉じ覚悟を決めたみたいだった。そしてリーファの目の前に立つと・・・
パチン!!
「痛っ!?」
リーファの額に軽い衝撃が走り、少し後ろに下がった。シュウがリーファにしたのは刀で切ることではなく軽い『デコピン』だった・・・
「今回はこれで許してやる。さあ・・・その会談場とやらに急ごうぜ?」
「え?え!?どう言う事なの?」
リーファはシュウに何をされたのか分からずに混乱していた。シュウはフゥと溜め息を付くとリーファに説明を始めた。
「早い話・・・俺達を甘く見るなって事だ。確かにリーファの言っていた事には一理あるかもしれねぇが俺達は仲間を見捨てる程、心は腐っちゃいねぇ。自分の事しか頭にねぇ奴はクズ呼ばわりされる・・・けどな、仲間を大切に出来ねぇ奴は・・・それ以上のクズだ!」
「俺も昔はそうだった。自分がよければそれで良いと思ってたけど、シュウとある人のお陰でそう考えるようになった。だから俺達はリーファを裏切るような事はしない!約束するよ」
「キリト君・・・シュウ君・・・」
二人の言葉が身に染みたのリーファは胸に手を当て、軽い涙を流した。
「あ、悪ぃ!少し生意気な事を言っちまった!すまねぇ!!」
「ううん。ありがとう、嬉しかったよ」
「っと少し時間を喰っちゃった。ユイ、会談場までのナビをよろしくな」
「了解です♪」
そう言うとキリトとシュウはリーファの両手を持つと身構えた。
「えっ?キリト君?シュウ君?」
「ちょっとお手を拝借」
「それと忠告だ・・・声を出すなよ?舌を噛むぜ。よ~い・・・スタート!!」
シュウの忠告を聞いた途端にキリトとシュウはその場を一気に走り出した。
「うわああああああ!!?」
あまりの速さにリーファは悲鳴を上げるしかなかった。
その途中でモンスターに出くわしたがそれも一切無視・・・と言うよりモンスターの速さが二人の足の速さに追いつく事が出来なかったみたいだった。そして出口の明るさが見え、外に飛び出すと地面が無く、空中に飛び出た。
咄嗟の判断でキリトとシュウはそれぞれの羽を広げ、高度を保っていたがリーファも落ち着きを取り戻し、自分の羽を広げた。
「もう!!寿命が縮んだよ!!」
「悪ぃ、でも良いショートカットだったと思うが?」
「急ごう。会談まではあまり時間がないだろう?」
「うん。あの峠を越えた所だよ」
三人は一気に羽を広げると会談が行われる場所へと急いだ。
後書き
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