DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)
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第5章:導かれし者達…トラブルを抱える
第24話:性格の不一致
(コナンベリー)
シンSIDE
「そうですが、あなた方がリューラさんのご家族ですか!? あのリュカさんという方はどなたですか?」
俺の説明を聞き状況を理解するトルネコさん……しかし俺達の事よりリュカさん(リューノちゃんとリューラさんのお父さん)の事が気になるみたいで、存在を確認してます。
「リュカさんとはまだ合流できて無いッスよ! それよりリューラは何処ですか? 強い剣術少女だけど、まだまだ幼いから心配なんですよね……怪我でもされてたら、リュカさんに会わせる顔ないし」
確かにその通りだ!
俺もウルフさんに出会う前に、リューノちゃんに大怪我をさせてたら申し訳なくてまともに顔を見れなかっただろう。
「え!? えっと……彼女は……その……」
何やらとても言い辛そうなトルネコさん。
もしや、既に大怪我をして何処かで休んで居るのだろうか?
「はぁ!? お前……幼い少女を一人で危険な灯台に向かわせたのか!?」
「い、いえ……一人という訳では……旅の仲間のアローという者も一緒ですし……」
大変きつい口調でトルネコさんへ迫るウルフさん……
当然だろう。
トルネコさんの説明では、コナンベリーの東にある灯台に魔物が住み着き、船が目印にしている聖なる炎を取り払い、邪悪な炎で多くの船舶を沈没させているらしい。
それが原因でこの町も活気を失い、ゆっくりと滅びへ向かっているのだという……
そしてトルネコさんも、新たに船を建造し大海原へ旅立つ為に、灯台の聖なる炎が必要不可欠になり、優しいリューラさんが率先して危険な灯台へと赴き、聖なる炎を灯しに行ったという……
流石ウルフさんが尊敬する方の娘さん。
優しい心と強い意志を備えており、人々の為に危険を顧みない女性らしい。
そして翻ってトルネコさんは……
「誰が一緒とかじゃねーんだよ! 概ねアンタの為に灯台へ行ってる様なもんだろ! それなのにアンタは安全な町に残り、幼い少女を危険に晒しているのが許せないんだよ!」
「し、しかし……私が一緒では足手纏いになりますから……」
「アンタだって腰に立派な剣を下げてるだろ。リューラはホイミを使えるのだから、怪我の心配をする必要はない! 敵が複数現れた時に注意を引き付けるだけでも役に立つんだよ! 10匹敵が現れても、半数アンタが引き付ければ、戦闘は大分楽になるんだ……アンタが倒す必要なんか微塵もない。倒すのはリューラでアンタは囮として同行すれば良いんだよ!」
確かにその通りだ……
弱い敵でも集まれば厄介だし、連携されれば大変危険にもなる。
例え数匹でも、誰かが引き付け戦力分散をしてくれれば、勝つ見込みは大幅に上がる。
「そ、その……すみません……私……戦闘は苦手で……」
「苦手って……アンタ、エンドールに綺麗な嫁さんと可愛い息子さんを残して、夢を叶える為に旅だったんだろ!?」
そう言えばエンドールのお弁当屋で、美人の奥さんと息子さんが自慢気にトルネコさんの話をしてくれた。
それなのに戦闘が苦手だからって女の子に押しつけるって……
夢を叶える為に自分も努力するって姿勢が見えてこない!
「ごめんなさい……」
「………もう良いよ。今此処でアンタを責めたってリューラが無事に帰ってくるかは判らないんだ……それより俺は大至急灯台に赴く事にする。ホフマンさんは此処に残って出向の準備を手伝って下さい」
「は、はい解りました」
大きく溜息を吐いてホフマンさんに指示を出すウルフさん。
「シン君、悪いけど付き合ってくれるかな?」
「水臭いですよウルフさん。言われるまでもなく一緒に行くつもりです!」
遠慮がちに頼んでくるウルフさんに俺は快く返事をする。
「私は一緒に行くからね!」
するとリューノちゃんが同行を表明する。
「私も行くわよ!」「私もです!」
続いてマーニャさんとミネアさんも行く事を強調。
「まさか危険だから連れて行かないなんて言わないわよね? 敵の注意を引くだけでも役に立つのだから、私を置いては行かないわよね!?」
リューノちゃんが強い視線でウルフさんを見詰めている。
それに合わせマーニャさんとミネアさんも……
「はぁ……しょうがないなぁ。リーダーのシン君の言う事には絶対に従えよ!」
女性3人はウルフさんの台詞に嬉しそうに頷いた。
あれ……全責任は俺にかかってきちゃったぞ?
「じゃぁ勇者君。早速灯台へ行きましょうか!」
「え、あ…はい! 何か釈然としませんけど、はい!」
まぁ良いか。俺達も少しずつだが強くなってきてるし、何とかなるだろう……きっとウルフさんも助けてくれるだろうから。
シンSIDE END
(コナンベリー)
トルネコSIDE
しくじった……
まさかこんな所でリューラさんのご家族に会えるなんて思ってもみなかった!
これでは私が彼女の事を一方的に利用していたみたいに見えてしまう。
まぁ強ち間違いではないのですけど……
でもリューラさんだって私の商才と情報網を利用していたのだから、お互い様な気がするのですけど……
幼女を危険な場所へ送るって構図が、私を人でなしに仕立ててるんですよ!
あの一際怒っていた男性はリューラさんのお父上の忠実なる部下ですかね?
容姿端麗で誠実そうな風貌でした……
今回の事をお父上に報告されると厄介ですねぇ……
戻ってきたらどうにか媚を売って、私に対する誤解を解いておかなくては……
出港の手伝いをする為に残された、ホフマンっというお仲間から情報を聞き出し、先ほどの方の嗜好を聞き出さなくては!
色男だし女性に不自由して無さそうだが……
連れてた2人の美女が愛人ですかね?
そっち方面で攻めてみるのは不味いですかね?
やっぱり直接的な金銭や儲け話で攻める方が無難かな?
腰に立派な剣をぶら下げてましたし、感じからして熱血剣士風に見えました。
あまり頭の回転は速くないでしょう……儲け話をチラつかせるだけで、結構簡単に操れるかもしれませんね。
そう言えばコナンベリーより船で東南に行った所に、『ミントス』という町があり、そこには商売の神様と呼ばれる『ヒルタン』という老人が居るらしい。
そのヒルタン老人は若い頃に冒険した時、宝の地図を手に入れたと言われている。
その話を持ち出し気を逸らした上、良い情報を与えた者として仲良く慣れればこっちのもんだろう。
うん。一瞬ヒヤリとしましたが、何とかなりそうですね。
トルネコSIDE END
後書き
頑張れトルネコ。
ウルフという前哨戦を勝ち抜かねば、後に待っている本戦など戦う前に敗北だぞ!
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