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インフィニット・ストラトス 黒剣の死神と謳われた天才

作者:マンモス
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新幹線での仲直り

Side:真理
俺、満月さん、水月の三人はお盆を期に一週間の休暇を取って、三年前に飛び出して出て行った実家に帰省するため駅に向かっている。

「真理、確か刀奈達と一緒に帰省するんだよな?」

満月さんがペットボトルの水を飲みながら聞いてきた。

「そうですよ。四人とももう駅にいるみたいですし!」

「そうか。それと何でうちの弟はこんなに絶望仕切った顔をしてるだ?」

満月さんは真剣な顔をして水月の方を振り向いた。水月はまるでリストラにあって今にも自殺しそうなオッサンみたいな顔になっている。

「か……簪に何て話かけたら……」

水月は三年前に出て行く時に簪に何も言わず出て行って、三年間連絡の一つも入れなかった為にこんな酷い顔になっている。

「はぁ~。水月さっさと行くぞ!駅は目の前なんだぞ!お前、簪お嬢様にそんな顔を見せるつもりか?」

「う…うん。分かってるよ。は、早く行こ」

満月さんの言葉に水月は空元気な声をあげながら歩き始めた。俺達は駅の中に入って行った。中には更識姉妹と布仏姉妹が待っていた。

「悪い。待たせたな」

「大丈夫よ。私達もさっき来たところだし!」

刀奈と俺が会話していると、水月が本音の横で本を読んでいる簪の近くまで行って、

「や、やぁ簪、ひさしぶりだね。元気だった!?」

無理に作った笑顔で簪に挨拶を始めた。簪はその声を聞くと不機嫌な顔になり、水月を睨んだ。

「…どちら様ですか?…安いナンパなら遠慮します」

簪からの鶴の一声に水月は両膝を地面につきながら倒れた。なんか、水月の自業自得なんだろうけど不備に思えていた。

「わ、私と満月で新幹線の切符を買って来ますので皆さんこちらで待っててください!」

と言って虚さんと満月さんは切符を買いに行ってしまい、俺達の周りの空気が重い。俺達は駅のソファーに座った。よし、この中で年長者の俺が(誕生日的に)空気を変えなければ。

「簪。何読んでるんだ?」

「…文庫本…」

俺の問いにはちゃんと答えくれた簪だが、何でか俺の横で某ボクシング漫画の主人公みたいに真っ白になった水月を心配そうに見ている。

「すい君がかわいそうだよ。かんちゃん」

「…知らない…」

本音が水月を庇うが簪はそれを一蹴して、読書を再開した。だが、水月を心配そうにチラ見している。そんな簪を見て俺はあることが頭に思い浮かび刀奈は顔見合わせて小さな声で話し出した。

「なあ、刀奈。簪ってもしかして、ツンデレの気があるのか?」

「そんなハズは無いと思うけど、簪ちゃんをストーキングしててそうゆう所はなかったし」

「お前、何で実の妹をストーキングしてるだよ?」

俺は刀奈の発言に少し引きながらある事を思いついた。ちょうど、虚さんと満月さんが切符を買って戻って来た。

「切符を買って来たので今から配りますね」

「虚さん俺が配りますよ!」

俺はそう言って虚さんから切符を貰い全員に配った。配り終わると、俺達は駅のホームに向かった。ちょうど、新幹線がホームに入って来た。それを見て本音はが「新幹線ハヤ~イ!!」と叫んで虚さんに口を塞がれた。新幹線のドアが開き、俺達は中に入って席についた。

「…水月、何で横にいるの?」

「分からない。何でだろう。」

水月と簪が隣同士に席に座った。俺がさっき水月と簪は横の席になるように切符を配ったからだよ。

「…本音の横がいいから…虚さん変わっ」

簪が虚さんに変わって貰おうとすると、

『只今より、新幹線が発進します。』

放送が流れて新幹線がいきなり動き始めた。

「きぁ!」

簪は小さい悲鳴をあげながら、水月に抱きつく形になった。俺の横で刀奈が「いいなぁ。簪ちゃん!私も真理でやってみたい」などと言っている。

Side:水月

いきなりだった。簪が席を変わって行こうとするといきなり新幹線が動き始めて簪がこっち倒れてきた。しかも、今の状態は知らない人が見ると抱きついているポーズだ。しかも少し柔らかい物が当たったような。これはうれしいのか恥ずかしいのか良く分からない。

「…ごめん。水月…」

簪も今の状態にきずいたのか顔を赤くしてすぐに窓側の席に座って窓の景色を見始めた。

「いや、こちらこそ」

僕が簪に謝ってから、十分位が経って、僕はやっと今までの事を謝る決心が付いた。

「簪。今から君に謝りたいことがあるんだ!」

「…何…?」

「簪がボクを嫌う気持ちも分かる。ボクは君に何も言わず出て行って、三年間連絡することすらしなかった。だから、ボクはそのことを謝りたいだ!図々しいかもしれないなどボクの事を嫌いならないでほしいんだよ!」

僕がそう言うと簪は携帯で文字を書いてこちらに見せてきた。

『他にお客さんがいるから、小さい声で言って。それに、別に嫌いになって無いから大丈夫だよ。少し私も言い過ぎたし。けど、何も言わずに出て行ったのは少し怒ってるから、地元のカフェの小豆パフェを奢ってくれたら許してあげる。」

「ありがとう、簪。ちゃんと奢るよ」

僕は携帯に書かれてる言葉が嬉しくって涙が出てきた。簪はそれをハンカチで拭いてくれた。その間も新幹線は走り続けた。






 
 

 
後書き
もう一つの作品と一緒に頑張っていきたいと思います 
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