問題児たちが異世界から来るそうですよ?~MEMORY~
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~5~
前書き
更新遅くて申し訳ない
[5]
それぞれの名とギフトが記されたカードを受け取る。
「ギフトカード!」
「お中元?」
「お歳暮?」
「お年玉?」
「ち、違います!このギフトカードは顕現しているギフトを収納出来る超高価なカードですよ!」
「つまり便利なアイテムって事だね」
「だからなんで適当に聞き流すんですか!そしてなんで貴方様までそんな反応なんですか!?」
「僕もみんなに合わせていこうかなって」
「そこは合わせなくていいです!」
黒ウサギに叱られ四人はそれぞれのカードを物珍しそうにみつめる。
「そのギフトカードは、正式名称を“ラプラスの紙片”、即ち全知の一端だ。そこに刻まれるギフトネームとはおんしらの魂と繋がった“ギフト”の名称。鑑定は出来ずともそれを見れば大体の正体が分かるというもの」
「へえ?じゃあ俺のはレアケースなわけだ?」
ん?と白夜叉が十六夜のギフトカードを覗きこむ。ヤハハと笑う十六夜とは対照的に、白夜叉の表情の変化は劇的だった。
「・・・・・・いや、そんな馬鹿な」
「何にせよ、鑑定は出来なかったってことだろ。俺的にはありがたいさ」
しばらくして黒ウサギが皆に呼びかける。
「そろそろ、行きましょうか皆様」
「先に行ってて黒ウサギ。僕は白夜叉さんに聞きたい事があるから。いいかな?白夜叉さん」
「私は構わんぞ」
白夜叉はギフトを解除し部屋を元に戻した。ロストと白夜叉を除いた皆が部屋を出て行く。
「さて、おんしの話は何だ?わざわざ黒ウサギ達を先に行かせてどんな話をするつもりじゃ?」
「僕個人の用事だからね、皆を巻き込みたくなかったから」
「ふむ。私事に他人を巻き込みたくないというのはよいが、私はそこまで鬼畜ではない。おんしらは先程ギフトゲームをクリアしたのじゃ、よほどの事ではない限り話してやるぞ」
「ギフトゲームをクリアしたのは耀さんだけどね。まあいいか、じゃあ質問していい?」
申し訳なさそうに問いかけるロストに対し白夜叉は頷く。
「質問は幾つかあるけれど、まず一つ僕と同じギフトを持った人って箱庭にいた?」
ギフトカードに刻まれた“取り出す記憶(ドローメモリー)”と“最適な身体(スータブルボディ)”を見せる。
「ふむ。“最適な身体(スータブルボディ)”の方は知らん。しかし“取り出す記憶(ドローメモリー)”は聞いた事がある」
「何処で!?」
思わず身を乗り出して尋ねる。
「落ち着け。“取り出す記憶(ドローメモリー)”についても話に聞いただけで何処の誰というのは解らん。箱庭にいたのは確かじゃが」
「そう・・・・・・」
「そう落ち込むでない。聞いた話では“取り出す記憶(ドローメモリー)”は造られたギフトらしいからの上層に行けば使用者や製作者について解るかもしれんの」
「なるほど、じゃあ上層に行かないといけないね」
「上層に行くのは簡単ではないぞ。特に“取り出す記憶(ドローメモリー)”は魂に造られるギフトそのレベルのギフトを造り出せる者は生半可では辿り着けんぞ。おそらく個人レベルでは無理だのう、コミュニティクラスで力を付けていかねば」
白夜叉の言葉にロストは考え込んで黙りこむ。
しばらくして何か思い付いたように顔を上げる。
「ねえ、白夜叉さん」
「何だ?」
「此処より上の層のコミュニティでたとえ下層のコミュニティでもギフトゲームを挑戦出来るコミュニティって有る?」
「有るには有るが、それがどうかしたか?」
「いいから教えて!」
「おんしの実力がわからん以上そのギフトゲームをクリアできるか不明だがおんしの望むコミュニティならあるぞ。サウザンドアイズの傘下にもの」
「何てコミュニティ?」
「・・・・・・というコミュニティなのだが。条件をクリアすればギフトゲームを挑む事出来る。条件はあるギフトゲームをクリアして二つの挑戦権の証を手に入れればよい」
パン!と白夜叉が手を叩くと一枚の紙が現れる。印の付いた地図だった。
「此処に行けばそのギフトゲームに挑戦出来るぞ」
「地図で見るとそこまで遠くない場所なんだね」
「そのくらい私は心得ておるわい。だいたいおんしは・・・・・・」
「オーナー。そろそろ・・・・・・」
「わかった。では話はこれで終わりだ。おんしの未来に幸あらんことを。黒ウサギ達によろしくの」
「うん。ありがとう白夜叉さん」
「“箱庭の貴族”よりこれを預かっております」
渡されたのは先程白夜叉に貰った物と同じ地図。違うのは印の付いた位置、おそらくこれがノーネームの本拠地がある場所だろう。
「じゃあね、また会おうね白夜叉さん。店員さんもありがとうございました」
「うむ。また会おう」
「・・・・・・」
ロストは二人に別れを告げる(女性店員はノーネームであるロストに良い印象を持っていないので無言だったが)。
地図を片手にロストはノーネーム本拠地に向かう
それを見送る白夜叉は・・・・・・
「面白い童達だったの」
(特にあの十六夜とか言う小僧。素手で神格を倒す力そして・・・・・・いや、これ以上考えるのは辞めておこう)
「オーナー。彼に本当の事を教えなくてよかったのですか?」
「ロストの事か?」
女性店員はコクリと頷く。
「ロストの事は時が来るまで教えぬ。そうロストの親と約束したからの」
女性店員自身がノーネームにそこまで世話を焼く必要はないと感じ、そして店員は穏やかなしかし、寂しげな表情をした白夜叉を見てしまったので、それ以上追求することを止めた。
「さてと仕事に戻るかの」
「はい」
二人はロストが見えなくなると店の中に戻って行った。
「ようこそ、ノーネームへ!」
女性店員から貰った地図に印してあった場所に行くと入口に黒ウサギが立っていた。
「遅くなってごめん。ちょっと道に迷って」
「いえいえ、こちらこそ案内もしないで地図だけで来てもらって申し訳ありません」
本当に申し訳なさそうに頭を下げる黒ウサギ。しかし、ロストが道に迷ったのは自分の興味を優先させ、黒ウサギの書いた地図の範囲外に出てしまったからなのだが。
「そういえば、何か良い匂いがするね?」
ロストはくんくんと鼻を鳴らし辺りの匂いを嗅いでいく。それは段々と黒ウサギに近づき・・・・・・
「黒ウサギから良い匂いがする。何で?今までとは違う匂いだ。興味深い」
「それはお風呂に入ったからですよ。でもロストさんあまり男性が女性の匂いを無遠慮に嗅ぐのは良くないですよ」
黒ウサギはロストを思いっ切り怒りたかったが記憶喪失の彼は子供の様なものだと自分を制す。
近づき過ぎたロストを遠ざけ、ノーネーム本拠地の館に向かう。
「あ、そうだ黒ウサギ。僕、明日ギフトゲームに挑戦して来るから」
「そうなんですか。私は案内出来ませんけど頑張って下さい」
黒ウサギはわかっていないがロストが挑戦しようとしているギフトゲームは、今いる七桁の階層ではかなり難易度が高いゲームである。
それを知らない黒ウサギは簡単なギフトゲームを興味本位で挑戦しようとしていると思っていた。
黒ウサギの了承を得てロストは明日ギフトゲームに挑戦する。
後書き
話が上手く書けない
またしばらく更新遅いと思います
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