鋼殻のレギオス 三人目の赤ん坊になりま……ゑ?
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第一章 グレンダン編
道化師は手の中で踊る
別れは唐突に
前書き
頑張った……めっちゃ頑張ったよ、パト○ッシュ。
多分、最長の長さと老生体の出オチ度である。
サヴァリスは湧き上がる歓喜の気持ちを抑えきれなかった。
そのせいで、今も空中コンボを決められている老生体が死にかけているが、サヴァリスは気にしない。
サヴァリスの頭の中は、シキでいっぱいだった。
(いいじゃないか。片腕が無くなって弱くなるどころか、剄がさらに強くなってる)
実は、錬金鋼を使わない無手だったからアレだけの剄を出せたのだ。もちろん、シキの剄力が以前よりも上がっているのも原因だが。
だからこそ、戦闘狂と評されるサヴァリスにとっては最高に嬉しい。
ただでさえ、圧倒的な剄力で経験という壁を楽々飛び越えてくるというのに、限界を知らないかのようにさらに壁を越える。サヴァリスでも、背筋が寒くなる。
一体どこまで強くなるのか、と。
まだ痛む体だったが、強い相手と戦えるという事実に、サヴァリスの気力は最高潮を更新していた。……だが。
「弱いですね。肩透かしにもほどがある」
つまらなそうに、サヴァリスはもはやサンドバックと成り果てた老生体に言う。
老生体は掠れた声で鳴き声を上げるだけで、身動きひとつ取らない。
再生能力が高いと評判の老生体だったが、この個体は再生能力はそれほどでもない、あくまでも老生体というカテゴリーに限る、が。
しかし、単体という戦闘で最強クラスのサヴァリスと戦うには役不足すぎた。
「まったく、わざわざ援護せず観戦したほうがよかったかもしれませんね」
やれやれ、と言ったふうに首を振るサヴァリスだったが、攻撃の手を緩めることはしない。しかし、少々飽きたのも事実だった。
「一気に決めましょう。ルッケンスの中でもとびきり派手な技ですよ」
次の瞬間、老生体は暴力の嵐から解放された。
老生体は力なく重力に引っ張られて、地面に落ちていく。このままなら地面に叩きつけられて終わりだが、そんな甘いことをサヴァリスがするはずがない。
痛みを堪えて、目を開けた老生体の視線の先では、無数に分身したサヴァリスが笑みを浮かべながら、老生体に突っ込んできた。
「GA……GAYAAAAAAAAAAAAAAA!!」
活剄衝剄混合変化、ルッケンス秘奥、千人衝。
シキの千人衝よりも正確な剄技が襲いかかる。
せめてもの抵抗として、手に持った薙刀を構えるが数人のサヴァリスが強引に腕ごと薙刀を破壊する。
「無駄ですよ」
殴る、叩く、突く、蹴る、抉る、破る、掴む、破る、砕く。
ありとあらゆる方法で破砕されていく、老生体の体。流石に粉々に砕かれては再生できないのだろう、体がどんどん小さくなっていく。
最後は、本物のサヴァリスが頭に狙いをつける。
「さようなら」
外力系衝剄の変化、轟拳。
剄が収束されて、巨大になった拳は老生体を押しつぶした。
「オラオラ!」
鉄球をまるで一個の生き物のように扱うルイメイ。超重量級の鉄球が縦横無尽に繰り出す様は、見ているだけで威圧感を感じる。
そしてそんな鉄球の前をゆっくりと進むリヴァースの姿があった。
超人である武芸者でも行くことを拒みそうな空間を、リヴァースは怖気付くことなくルイメイの盾として動いていた。
リヴァースは決して勇敢な男ではない。普段の彼の姿を見てる者は揃って首をうなづくだろう。そして彼自身、自分が勇敢とは程遠い性格と自覚している。
しかし、リヴァースの戦い方は自殺行為にも等しい。
通常、武芸者は高速戦闘を主としており、防御面では脆弱と言っても過言ではない。一撃をもらえば即、死につながる戦闘だ。誰も汚染獣を一手に受ける『カカシ』にはなりたくはない。
だが、リヴァースはあえて『カカシ』となった。
必要以上の装甲のせいで、アニメ映像のロボットのような印象を受けるリヴァース。(地味に人気で、「機動武芸者リヴァーン」なんてものが作られたりしている)
「GAYAAAAAAAAAA!!」
二体の老生体が鉄球の合間を通ってリヴァースに殺到する。傍から見ても、リヴァースは自殺願望者にしか見えない。
しかし、リヴァースは回避の素振りすら見せない。老生体たちは力任せに、リヴァースを引き裂こうとそれぞれの武器を振り下ろした。
汚染獣という人間を超えた存在が繰り出す一撃は、人間を粘土のように引き裂くことだろう。老生体たちも笑みをこぼしながら、無残になったリヴァースを想像していた。
「……」
活剄衝剄混合変化、金剛剄。
次の瞬間、老生体たちはリヴァースの身体に触れた瞬間、武器ごと老生体たちを吹き飛ばした。
その様子を見て、リヴァースはそっと息を吐く。
彼がしたのは、単純な防御剄技だ。活剄による肉体強化と同時に衝剄による反射、原理は難しくない。だが、この技はいわゆるカウンターだ。最後の一瞬まで神経を集中させてないと、先ほどの効果は望めない。
誰でも出来る技だと、リヴァース自身は言う。
しかし、考えても見て欲しい。汚染獣から放たれる殺気、そしてその攻撃の激しさを最後まで見ながら跳ね返せるか? 答えは否である。
「ふぅ、ルイメイ。後は頼んだよ」
「任せろ、勇者様」
ルイメイは軽口を叩きながら、鉄球を操る。
勇者様というのは、リヴァースの称号のようなものである。
「逃しゃしねえ!!」
ルイメイは上空から鉄球を落とす。
一体の老生体が、先ほどの金剛剄の勢いを相殺出来ていなかったのか、回避できずに鉄球に押しつぶされる。
もう一体は、鉄球が振り下ろされたのを好機と見たのか、ルイメイに向かって突っ込む。
「行かせないよ!」
だが、その行動は勇者によって阻まれる。
衝撃をそのまま跳ね返された老生体は、吹き飛びはしなかったが体勢を崩す。
そこにルイメイの手が伸び、老生体の鱗を破壊しながら肉に食い込む。
そのまま圧倒的な筋力で、上に持ち上げられた老生体は体の異変に気づく。腕が、足が動かないのだ。
何事かと思った瞬間、老生体は自身の体が大きく膨れ上がっているのに気づいた。そして、爆発した。周囲を巻き込み、老生体の肉片が飛び散る。
煙が巻き起こるが、鉄球を引き戻した時に風が発生し、煙が晴れる。
そこには傷一つない、リヴァースとルイメイの姿があった。よく見ると、リヴァースがルイメイの盾になって爆発から守っていた。そうしなくてもルイメイなら平気なのだが。
「おいおい、ここまで守ってもらわなくてもいいんだぜ?」
「ダメだよ、ルイメイ。君はもうお父さんなんだから」
その一言でルイメイは何も言えなくなる。
暴れん坊でいい加減なルイメイだが、こと子供や孤児のことになると人一倍心配をするようになった。これも、ルシャやシキのおかげである。
照れくさそうに頬を掻くルイメイに、リヴァースは笑う。
「たく……俺も甘くなったもんだ」
「いい事だと思うよ? あっ、今度ティアと一緒に見に行ってもいい?」
「あぁ、もちろんだ。その代わり、お前らの子供見せろよ?」
今度はリヴァースが頬を掻く番だった。
リヴァース・イージナス・エルメン、彼は天剣の中で一番弱く、同時に一番強い存在である。
「久々の戦闘じゃな」
『そうですねぇ、無茶だけはしないでくださいよ? ただでさえ歳で剄脈に負担がかかるんですから』
「お前が言うな。お前もいい加減引退したらどうじゃ?」
『後継者が現れないもので……お互いいい歳ですしね』
ティグリスは呑気にそんな会話をしている。会話だけ見ると、仲の良い老人がしゃべっているように思えるが、実際は巨大な矢を持った老人が二百メルほど先の目標に、矢を正確に撃っている。
まるで機械のように正確な射撃だが、それは長年の経験と訓練の賜物である。
「シキの方はどうじゃ? この程度ならやられることはあるまい」
『ええ、今のところは優勢ですよ? ただ、上昇した剄に振り回されてますね』
「また上がったのか、あやつは」
そうため息をつきつつ、ティグリスの矢は老生体の右腕を射抜いた。綺麗な風穴が空いた老生体だが、瞬時に再生してしまう。
「ふむ、回復速度はいつも通りじゃな」
『むしろ遅いですね。人型になったために能力が落ちたんでしょうか?』
「知らん。しかし、気に入らんな。十年前のあの老生体と同じとは」
いつもなら優しげな瞳が、険しいものに変わる。
苦い記憶を思い出させる、老生体に少々イラついているのだ。心なしか、矢の速度が上がった気がする。
デルボネはそんなティグリスを見てコロコロと笑う。
『若いですね、この程度で気を悪くするとは』
「お前に比べたら、誰もが若いわ!! 大体、お前はいつもそうだな、人が冷静になろうとしてるのに乱して」
『口調が戻ってますよ、ティグリス。……馬鹿ですか?』
「お前もだ、このアホウ。……すまんの、熱くなりすぎたわい」
『ええ、すいませんでした。あまりにもティグリスが不甲斐ないので』
「ちょっと自重しろ!!」
普段のティグリスを見ているものがいたら目を見開いて驚くことだろう。あの厳格なティグリスが声を荒げて、口喧嘩をしているのだ。
さらにデルボネも、いつものように日向ぼっこをしているような声ではなく、感情の篭っていない声で話している。
だが、二人にとってはコレが素である。いつもの態度は年長者として、若者を見守るために取り繕っている一面に過ぎない。まぁ、最近はそっちのほうが話しやすくなってきたのだが、気を抜くとティグリスはこっちの口調になりやすい。
「シキも将来、こんな念威操者を持たんように忠告しないとな」
『無駄ですよ、あなたの教え子って何故か私のような操者に会いやすいんですよ……弄る意味で』
「最悪だ! このババアをつまみ出せ!!」
『そっくりそのまま返しますよ、ジジイ。……まぁ、シキさんもいい念威操者に巡り会いますよ。あの子の周りには強者が集まりやすい』
「出来るなら、最終的にはクララとくっつけたいのぉ」
『いえいえ、既にお見合いのプランは組み上がっていますよ。残念でしたね』
老生体の両足をブチ抜きながら、胴体にも何本かお見舞いしたティグリスは呆れる。
デルボネの悪い癖に、お見合いというものがある。彼女は結婚はお互いを取り持つ存在が必要だと主張して、目をつけた武芸者や念威操者にお見合い相手を探してきてはお見合いをさせるのだ。
何故か、ものすっごい相性が良かったり、家柄的な問題で結婚できない相手などなど。ツッコミどころ満載な相手を選んでくる。そして、今まで何十、いや何百もの結婚を成功させてきた。
『高く買ってますね、シキさんのことを』
「むしろ、あやつくらいしか貰い手がない。本人も満更ではないようだ」
『あらあら、おマセさんですね』
「……あの子は何やらあらぬ趣味を持ちそうだ」
ティグリスは大事な孫娘の将来を案じて、老生体の胴体を打ち抜く。上半身と下半身が別れた老生体は叫び声を上げるが、どうあがいても接近できないし、打たれても回避できないので内心諦めていた。
『いいではありませんか。シキさん、以外に好きそうですし』
「まぁ、シキが女に興味を持たんからなぁ。あやつ、どんだけ自分が好かれているか気づいておらんし」
『不器用なんですよ。だからこそ、クラリーベルさんみたいなタイプがシキさんにはピッタリなのかもしれませんね』
「ほぉ、クララに言ったら喜ぶのう。……あっ、いや、それはそれでちと困るが」
最後のトドメと言わんばかりに、ティグリスは剄で作った矢を上空に放った。
外力系衝剄の変化、震天。
上空に放たれた衝剄は、無数に分裂し雨のように老生体の体に突き刺さっていく。単純な剄技だが、効果範囲とティグリスの剄が合わさって並みの汚染獣では耐え消えないほどの威力となっている。
老生体も幾つか迎撃できたが、一発当たった瞬間、なし崩し的に当たっていき、頭部を破壊されたところで絶命した。
「一体こやつらはなんのために出てきた? 時間稼ぎにすらならんぞ」
『シキさんを殺すためでしょうか? ……いえ、憶測に過ぎませんからなんとも』
デルボネの意見に、目を細めるティグリスは錬金鋼をしまいながら今もなお戦っているシキの方を向く。
「ふむ、苦戦しているようじゃな」
『一瞬の気の緩みが、錬金鋼の暴発につながりますし……おや?』
デルボネの声が一旦途切れ、嬉しそうな声が聞こえてくる。
「どうした?」
『いえ、少し微笑ましかったもので』
「微笑ましい? どういう……」
ティグリスが質問しようとしたとき、爆発音と共に地面が揺れた。
「ちぃいいい!! レストレーション06!!」
シキは銃を復元させ、目の前の敵目掛けて乱射する。
しかし、老生体はその速度と圧倒的技量で全弾避けてきた。そしてシキに目掛けて剣とかぎ爪を振り下ろす。
シキは銃口に付けてある尖った部分で、切り裂き、打ち払いながら避けていく。
そして数発の銃弾を撃ちながら、距離を離す。
「ちょっと舐めてたわ」
シキは久々に味合う底冷えた感覚に震えつつ、目の前の強敵を見た。
基本的に、先ほどまでの人型老生体と大差ないが、実力が桁違いだった。最初に戦っていたのがコイツであれば、多少苦戦はしただろう。
シキは負ける気がしなかったが、簡単に勝てるとも思っていない。
今の銃もそうだが、ある程度シキと打ち合えるだけの実力を持っている。その上、再生速度が異常に早い。切り落としたはずのカギ爪が既に再生されて、シキを狙っている。
「片腕だと結構キツイな」
そう呟くシキ。
腕がないというハンデももちろんあるが、決め手にかけるというのも問題であった。
鋼糸が使えれば、話は違ってくるのだが、片腕で制御できるほどの技量もない。ヘタをすれば老生体もろとも肉屋に並んでしまうほどに切り刻まれる可能性もある。
次に破壊力があるのが、手甲と甲掛を使ったルッケンスの剄技なのだが、今のシキには錬金鋼を差し込む専用のスリットがないため、復元できないという最悪の状況である。
後に、シキは鋼糸を手袋から剣型の物に変更する。閑話休題。
それにシキにはさらに不利な点がある。言わずもがな膨大な剄だ。
さらに増大した剄は、コントロールしていても錬金鋼を熱していく。錬金鋼が悪いわけでもない。シキが規格外すぎるのが悪い。
「あー、でも制御しないとこれからキツイし」
シキはため息をつきながら、赤くなってきている銃を待機状態に戻す。
本当なら拳で殴ったほうが早いし、そのほうがシキは早く動ける。……今でも十分速いのだが。
だが、制御を怠り好き勝手に剄を垂れ流すことは、都市を破壊することに繋がる。
溢れ出す剄が衝剄に自動変換されるのだ。ただの武芸者ならまだしも、天剣以上女王未満であるシキの衝剄が一般人に直撃したら……結果は言わなくてもわかるだろう。
だからこそ、シキは戦いの中で制御しようと考えていた。
そのかいあってか、大分剄のコントロールは改善されてきた。
「レストレーション02」
封じてきた武器だったが、先のレイフォンとの戦闘で吹っ切れていた。
シキは、サイハーデンの後継者になりたかった。自分よりもレイフォンのほうを選んで欲しかった。だからこそ、我慢して刀を使ってきた。
だけど、あの戦いでシキは負けたのだ。完膚なきまで。
デルクはレイフォンを後継者と選び、刀の天剣はレイフォンを選んだ。即死級のコンボだった。笑うしかない、今までの努力が水の泡になったのだから。
「シッ!」
老生体の剣が振り下ろされる。
シキは無理に受け止めようとせず、刀身に這わせるように受け流す。老生体の剣が地面を砕いた瞬間、シキの剣は老生体の胸に傷を負わせていた。
続いてカギ爪が襲ってくるが、その頃にはシキはその場から下がっている。
ひと思いに切り裂ければいいのだが、今の錬金鋼で出せる切れ味では老生体を殺しきれない。いや、殺しきれるだろうが錬金鋼が持たない。そんなことになったら新調する槍とともに金がかかってしまう。それだけはシキは避けたかった。
「刀あればなぁ。今までの思い出とともに全力でぶっ壊せるのに」
そんなことを言った瞬間、どこからか飛んできた閃断が老生体の左腕を切断する。
そしてシキの目の前に、見慣れない防護服を着た、見覚えのある剄を持った少年が停止した。どうやら急いで走ってきたようで、砂埃で少々汚れていた。
「……」
「……」
無言で見つめ合う二人は、お互いに拳を握り、思いっきり振りかぶった。
そこに、老生体が咆哮を上げながら向かってくる。だが、二人は拳を相手に振りかぶったまま老生体を見ない。
「GAYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」
苛立ったのか、老生体はかぎ爪を二人に向けた。
今まで最も鋭く速い攻撃は、瞬きもしない間にシキと少年に襲いかかる。
次の瞬間だ、勢いよく方向転換した二人の拳がかぎ爪に当たり、かぎ爪が内部から爆発した。
外力系衝剄の変化、剛力徹破・突。
二人は息の合った動きで、残りのかぎ爪を切り落とす。
安全になったところで少年、レイフォンが手を挙げる。
「久しぶり」
「おお、久しぶり、レイフォン」
シキは同じく手を挙げて、レイフォンと挨拶する。
「元気……そうだね」
「あぁ、めっちゃ元気。なんか汚染物質を克服したけどな」
「なんでシキは、いっつも奇想天外な状態になるのさ」
二人の会話は至って穏やかだ。この間、殺し合いを演じたようには思えない。
「知らねえよ、お前も意外とそうなってるんじゃないか?」
「僕は人間だよ、シキみたいな規格外とは違うさ」
レイフォン、基本化け物スペックだがシキとなんかとは比較にならないのは事実である。
そんな態度だからか、シキが憤慨する。
「お前が言うな! こんの化け物!」
「そっちだってそうだろ、化け物!!」
ピキとどこからか音が聞こえる。
「うるさい、ヘタレ!」
「そっちもだ!!」
ピキピキと音がさらにうるさくなる。
「はっ! 慣れないのに剣使ってさ、馬鹿じゃねえの?」
「意地張って、下手くそな刀で戦ったのはどこの馬鹿だっけ?」
「はん、剄技なら俺の方が上なのにさ」
「えっ? 火力ばっかで技量がなっちゃいない人が何言ってるの?」
「真似事ばっかで劣化しか使えないのは悔しいよね!」
「全力が出せなくて、出費のほとんどが錬金鋼に消えるのは悔しいよね?」
もう戦闘なんて雰囲気ではない。二人は顔を当てて、ゼロ距離で罵声を浴びせ続ける。
「大体、お前がさっさとサイハーデン継げばこんなことにはなんなかったんだぞ!」
「君が色々と背負い込むからでしょうが! 父さんだって悩んでたんだよ!?」
「うるせぇ! 金稼ぎが汚いことだって思って刀捨てやがって、あんとき父さんめっちゃ落ち込んでたんだぞ!?」
「僕は僕なりの理念があるんだよ! この唐変木!」
「あぁん? 姉さんの気持ち考えずにいっつも泣かせてる野郎が何言ってやがる」
「シキだって、クラリーベル様を泣かせてる!」
「あいつは弟子だよ! さらに王族だよ!! てか、妹以上の感情を持ったことはない」
「GAY――」
「「黙ってろ! トカゲ野郎!!」」
突っ込んできた老生体に、ただのパンチをして吹っ飛ばす。
だが、剄の乗った拳を顔面に受けて、仮面の破片を落としながら、老生体は三十メルトルまで後退させられる。
「大体、昔から気に入らなかったんだ。なんか達観したような目で見やがって」
「僕も気に入らないね。人が苦労したことを楽々飛び越えてさ!」
「こんな才能があるから恐れられた!」
「僕はそれが羨ましかった!」
シキとレイフォンの声に段々と泣き声が入ってくる。
「優しくて、強くて、チヤホヤされて!」
「シキだってそうだろ! 僕はいつも君の背中を追いかけてきた」
「俺はいっつも恐れられてきた! うっとしいと思われて! 化け物と思われて!」
「でも、そんな力があったからこそ、今の僕がある!」
「俺は、俺は……ただお前が羨ましかった!!」
いつの間にかシキは大粒の涙を頬に流しながら、レイフォンにぶつけていた。溢れ出てくる感情を押さえ込まずに発散する。
そのせいか、剄が溢れてきた。
「だからこそ、僕は謝るよ、シキ」
レイフォンも涙を流しながら、シキに向かって頭を下げた。
そんなレイフォンを見て、シキは涙を止めて呆然としたが次には笑顔を浮かべていた。
「ハハハ、話し合いって大事だな」
「そうだね、シキがこんなに羨んでくれてたなんてね」
「うるせえ、お前だって羨んでただろう」
コン、と防護服の胸の部分を叩くシキ、それを返すようにレイフォンもシキの胸を叩いた。
この日、レイフォンとシキは本当の家族になれた。……で、綺麗に終わればいいのだが、そんなわけにはいかない。
吹き飛ばされた老生体が、起き上がってもう一本剣を出して二人に襲いかかってきたのだ。
しかし、レイフォンとシキは目配せも合図もなく、同時に振り向いて同時に衝剄を放った。
再び、吹き飛ばされた老生体を見て、二人は笑みを浮かべる。
そこで、レイフォンは思い出したかのように剣帯に手伸ばして、一つの錬金鋼を取り出した。
「シキ、これ」
「……ないと思ってたらお前がもってたのかよ」
シキは苦笑しながら、剣を地面に突き刺してから、それを受け取り復元する。
「レストレーション01」
シキの手に刀が握られる。
決して馴染むことがないと思っていた感触が、今では心地よかった。
だからこそ、シキはさっき言ったことを撤回することに決めた。
「やっぱ、刀もいいな」
「剣もいいよね、貸してよ」
シキは地面に刺していた剣を足で蹴り上げて、レイフォンに渡す。
レイフォンは天剣をしまいながら、それを受け取った。
「なんだよ、気に入ってたのか?」
「あぁ、悪くはないって思えてきてさ」
軽口を叩き合う二人は、一転して真面目な表情で着地し、剣を構える老生体を睨めつける。
「さぁて、じゃあお互いの不満武器であいつやっちまうか」
「いいね、じゃあ壊してもいいよね、これ」
「壊しちまえ。そしてパーっと新調すんぞ!」
シキの気分は最高だった、そしてレイフォンもそうだった。
今の二人には誰にも勝てない、そう感じられるほどに。
「よっし、じゃあ行くぞ?」
まず、シキが地面を蹴り砕いて加速した。砕いた音よりも早く、到達したシキは回し蹴りを老生体に叩き込む。
「速いなぁ」
そう言いつつレイフォンも負けず劣らずの速度で、老生体の顔面を殴り飛ばした。
直後、轟音が響き渡り老生体は血を噴き出しながら背後にあった岩山に激突する。
意識が飛びかけた老生体は、前を向こうとするがその前にシキとレイフォンのアッパーで空に打ち上げられる。その直後、シキは刀をレイフォンに預け、膝を曲げてジャンプをした。
ジャンプしたシキは、打ち上げられた老生体の頭をキャッチする。
「お前じゃないけど、お前の仲間にされたんだよな、アレ結構痛かったぞ」
そう言って、シキは背中から衝剄を放つ。
外力系衝剄の変化、背狼衝と言いたいが少し違う。シキの体は赤く変化した焔に包まれていた。
シキの剄は暴走すれば、溢れ出し衝剄に自動変換され周囲をふっ飛ばしかねない爆弾となる。しかし、周りに人がおらず敵だけだったら話は変わってくる。
意図的な暴走により、今のシキは衝剄そのものと行っても過言ではない。さらに化錬変化もされているので威力はとんでもないことになっている。
物凄いスピードで落ち、体を焼かれている老生体は何かを聞き取った。それがなんなのかわからなかったが、いずれ来るであろう衝撃に、老生体は身体に力を入れてせめてもの防御にした。
外力系衝剄の化錬変化、背焔衝。
地面に叩きつけた瞬間、右腕に剄を一点集中させて爆破した。
「十倍返しだ」
土煙であたり一面の視界が悪くなるが、シキは気にせず足で老生体を蹴り飛ばした。
まるでサッカーボールのように飛ばされた老生体は、何度もバウンドしながら最終的に岩山に当たって止まった。
シキはそれを見ていない。病院服に燃え移った火を消すのに躍起になっていた。
「あっつ! 熱い! なんで俺、全身にやったんだろ!? 馬鹿じゃねえの?」
「……むしろ、病院服でそんな技する方がバカだよ」
うるせぇ! と反論するシキにレイフォンは頭を痛めながら持っていた刀を渡す。
「さてはて、これで終わってて欲しいんだが」
「GAYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」
シキがボヤいていると、岩山からとんでもない音量の声が聞こえ、岩山が崩れ落ちる。
次の瞬間、翼が崩れた岩山から起き上がり、巨大な体躯を持った汚染獣がいた。
「元気なお子さんですね」
「シキ、違うよ? 子供はコウノトリに運ばれてくれって言ってたよ?」
「お前意外と天然だよな……じゃねーよ!! なんかおっきくなったんだが!?」
突然のことで驚くシキとレイフォンだったが、恐れてはいない。
「多分、人型じゃ勝てないからいつもの汚染獣っぽくなったんじゃないかな」
「……まぁ、大きくなったつってもたったの二十メルトルくらいか」
たったと言っているが、人型から竜のような姿になった老生体は先程までよりパワーが上がり、その上体が硬くなっていた。まぁ、だからなんだという話なのだが。
「さて、レイフォン。トドメといこうや、前のアレ、出来るよな?」
「ヘマしないでね、シキ」
まずはシキが突貫した。
変態して間もないせいか、老生体の動きは鈍かった。だからこそ、シキは頭部めがけて突貫なんていう無謀が出来た。
そして、シキは一人の分身を千人衝で作る。
その分身に刀身を持たせる。左腕がないから焔切りができないのだ、だからこそ分身を作って居合の鞘の役目をさせる。
そしてシキは思い切り引き抜き、焔切りを発動させる。
老生体の顔に縦一閃の傷が出来、そこから血が吹き出る。
シキはわざと傷口を蹴って上空に上がる。すかさず、そこにレイフォンが焔切りで同じ場所を切る。以前、二人が初めて老生体と戦った時に考案した協力剄技。
サイハーデン刀争術、焔切り・襲。
二人の焔切りは老生体の顔を縦に割る。しかし、それだけでは老生体は絶命しないのか、痛みに悶えて体を周囲の岩山にぶつける。
上空に上がったシキは刀を持ち替えて投擲の構えを取る。過剰とまで言える剄を注ぎ込み、刀身は溶け始めるが、無理やり剄を収束させた刀身を作り上げる。
レイフォンは地面に着地し、二の太刀の構えをするが、こちらも剄を過剰に注ぎ込んで、溶けた刀身の代わりに剄で作った刀身で一気に切り上げる。
「いっけぇええええええっ!!」
シキの剄を纏った刀は、真っ直ぐに飛び、老生体の身体を抉りながら進み、最後は老生体の身体の中で爆発した。
トドメはレイフォンの技であった。
サイハーデン刀争術、轟焔重ね。
紅蓮の剣と化したレイフォンの一撃は、老生体を焼き尽くしこの世から一片も残さずに消滅させた。
そして持っていた剣をその場に残しつつ退避する。爆発を危惧して退避したのだが、錬金鋼はそのまま溶けて無くなってしまった。
「やった!! シキ、僕たちやったよ!」
戦いに勝利した高揚と今まで聞いてこなかったシキの本音を聞けた嬉しさから、レイフォンは興奮を隠さずにシキに向かっていう。
だが、返事は返って来なかった。
「あ、あれ? シキ? シキー」
レイフォンは周辺を探るが、シキの気配も感じられない。
先に帰ったのか、と思っているとデルボネの端子が上空から降りてきた。
「あぁ、デルボネさん」
『お疲れ様でした。初陣にしては特異なケースでしたが、よく頑張りましたね』
デルボネは、孫にお小遣いを上げるような声でレイフォンを褒める。
レイフォンは頬を赤らめるが、嬉しかったので笑顔になったが、シキのことが気になって聞いた。
「あの、デルボネさん。シキを知りませんか? どこか行ってしまったようで」
『あら? そちらにもいないのですか?』
デルボネは困ったように言うが、この時のレイフォンは深く考えずにこう言った。
「大丈夫ですよ、シキは帰ってきます」
だが、シキが帰ってくることはなかった。
「……んっ?」
ガタン、と大きな振動がしてシキはゆっくりと目を開けた。
頭にモヤがかかったように動きが鈍い。試しに手を動かそうとするが、こちらも動きはするが反応が鈍かった。
どうやら、シキは備え付けれた席に座っているようだ。周りには似たような席があった。
「起きたか、シキ」
シキは声のした方を向く。
そこには窓際でくつろぐ、一匹の黒猫が座っていた。中々、上品そうな猫で撫でたらさぞ気持ちよそうだな、と思った。、
「小さい頃から女っぽかったのか。どうしたらあんたみたいな人間が生まれるのか、興味あるね」
知るか、とシキは思う。
猫は小さくあくびをしながら、シキの席に音もなく降り立つ。
「さて、無理やり連れて来てすまないね。初めまし……いえ、わたしにとっては『久しぶり』、シキ」
「だ、れ?」
何故か舌っ足らずな口調になっているが、今のシキはとにかく脱力していた。
クラリーベル辺りが見ていたら、顔をプニプニと触っていたことだろう。
現に猫は、プニプニと肉球でシキのほっぺを触っていた。爪を立てていないので、ヒンヤリとした肉球が心地いい。
「今は休むといい。一晩寝れば、剄がコントロール出来てるさ。……まったく、異民でもないのに、素で少量のオーロラ粒子取り込んで強くなってればコントロール出来るはずがない」
「な、んの、こと?」
「わかりづらいのか? って、今のあんたは十歳だったね。理解できなくて当然というワケだ」
猫は一人納得したように首を振る。
シキは何がなんだかわからないが、何もわからないことだけは理解した。こういう頭を使う作業は大嫌いだからだ。
「じゃあ、ここからは一人事だよ、シキ。あんたは今、放浪バスに乗ってる。行き先は交通都市ヨルテム」
「……はっ?」
シキの視界が一気にクリアになる。
目を見開いて、身体を起き上がらせると今まで動いていなかった頭が一気に動き出す。
広々とした室内に、複数の乗客用の席、そして窓から見える汚染された大地、極めつけは窓から見える大地を走るためのバッタのような足、見たことしかないがそれが放浪バスと呼ばれる、汚染された大地で唯一都市同士を結び付けられる手段だと理解した。
「なんで? 確か、俺は」
「あらま、鎮静剤を致死量まで打ったはずだが、起き上がるとは凄いじゃないか」
猫は後ろ足で頭を掻きながらとんでもないことを言う。
そんな物を打たれたら、いくらシキでも死ぬ可能性があっただろう。しかし猫は庭先でお茶でも飲んでいるかのように、穏やかに言った。
「拉致か……いや、あの時は戦闘中で周囲に放浪バスなんていなかったはず」
「まぁ、小手先の技は大の得意でね。詳しくは説明できないよ」
シキは改めて、猫を見る。
そして額にサファイアのような宝石があることに気づく。大きさ的には目と同じくらいの。
「なんのつもりだ? 俺を他の都市に売りさばく気か?」
シキは猫を睨めつけながら、義父の話を思い出す。
都市にとって強い武芸者は必要だ。そのため、他の都市から有力な武芸者の子供をさらう事件があると聞く。大体は捕まるが捕まらなかった場合、取り戻す手段がないので多くの都市が忌み嫌い、見つけた瞬間に死刑にすることを決めている。
この猫もそういうクチなのか、と思ってしまう。
「ふぅ、勘違いしてるようだから言っておく。べつにわたしは、あんたをどうすることもしないよ。というか、これを頼んだのはあんただし」
「はあ?」
ますます、シキは頭が混乱してきた。
今の話からすると、目の前の猫はシキの頼みごとでシキをこの放浪バスに乗り込ませたことになる。
もちろん、シキはこんな額に宝石つけてる猫なんて知らない。
「くそっ! 黒い服の女といい、わけがわからねえ!!」
「黒い服……あぁ、あいつか。まったくまだ諦めてないのか」
「知ってるのか?」
「知ってるとも、あんたが大好きすぎて化け物になったあとも追い続ける狂った女さ。あんた、そういう奴らに好かれるからねえ」
猫の指摘に首を傾げて、疑問に思う。
好き? つまりは友達になりたいってことか? と、だったらなんで直接言わないんだろうとシキは思っていた。
そんなシキの的外れた考えを読んだのか、猫はため息を吐きながら下を向く。
「やれやれ、鈍感は元からか。まぁ、年相応といえば相応か」
「どうでもいい。俺をグレンダンに帰せ」
シキは『両手』で頭を掻き毟りながら、猫に向かっていう。
だが、猫はあくびをしながら否定の言葉を発した。
「無理、あんたは色々しなきゃグレンダンには帰れない。……いや、無理やり帰らせてもらえないと言ったほうが正しいね」
シキはそれを聞いて、うんざりしたような顔になる。
どうせ、グレンダンに徒歩で帰ろうとしても広大な汚染された大地を歩くことは不可能に近い。いや、シキならできるが都市は動き続けるから、これから行くヨルテムの座標データを見ても、無駄だろうと考えた。
「暗い顔はしないでくれ。ただでやれ、なんて鬼畜は言わないさ。ほら、あんたの腕、つけってやったよ」
「そんな……って、本当についてるぅ!?」
シキはいつの間にかくっついている左手を見て、唖然とする。
それを見ながら、猫は嬉しそうに笑う。
「と言っても、錬金鋼だったか? その技術を応用した義手さ。わたしにとっては子供の遊びに等しいけど、改造してて楽しかったよ」
「ぎ、義手? 再生治療とかできなかったのか?」
シキはもっともらしいことを言う。
都市の再生治療、つまりは無くなった体の一部を文字通り再生させる医療技術のことだ。これさえあれば、例え腕を失っても、足を失ってももう一度再生することができるのだ。もちろん、体の臓器などもだ。
いちいち治すよりも、ぶった切って新しい腕をつけたほうが早い場合もある。
「趣味さ」
「趣味ぃ!?」
猫は笑いをこらえながらシキにそう言った。
趣味で左腕を義手にされたのかとシキは気落ちする。
「安心しろ、生半可な義手じゃないさ。アルケミストとしてのわたしの技術全てを結集して作ったものだ。あんたの馬鹿みたいな剄力すら受け止めるよ」
「……あぁ、なんかまた人間止めた気がする」
シキはドヤ顔しながら、背筋をピンとした猫に殺意を覚える。
だが、シキは諦めたようにため息を吐く。もう自分の身体に突っ込むことには飽きた。
「後はアフターサービスだね。あんたの持ってる錬金鋼を新調したよ、ほらこれさ」
と言って、猫が指差した方向を見ると、隣の席にポツンとシキの剣帯が落ちていた。
シキは席を立って、それを取る。
「あれ? 一つ増えてる?」
「サービスとして、弓をつけた。あんたなら使いこなせるんだろう? 全部、新調してあんたの剄にある程度対応出来るようにしておいた」
「おいおい、俺の錬金鋼って特注品で結構性能いいはずなんだけど?」
「天剣よりワンランク下だが、十分だろ?」
それを聞いて、シキは目眩がしてきた。
天剣より性能が低いのはわかったが、それでも最高水準を遥かに突破した物だとわかる。それが十二個あるのだ、オーバーテクノロジーすぎて笑えない。
「言いたいことはたっぷりありそうだけど、わたしも暇じゃない」
「……あんた、何者だよ」
猫はシキの方を向いて、クスリと笑ってからこういった。
「この世界を創った者さ」
「創った?」
「そうさ、私の名前は……」
エルミ・リグザリオ。
コレが最後のアルケミスト、エルミ・リグザリオとただの武芸者、シキ・マーフェスの最初の邂逅であった。
後書き
これにて、グレンダン編は終了です。次回は補足説明と現在までわかっている情報のまとめです。
開始してから六ヶ月? くらい経ちましたがようやくここまで来れました。ようやくシキが世界と立ち向かう時が来てくれました。
では次回までちぇりお!
Q、なんでサヴァリスだけ来れたの?
A、活剄と身体を無理やり動かして駆けつけました。このあとは強制的に病院送りです。
Q、作者ってさ、リヴァースとルイメイ好きだろ。
A、ちがいますよーう、天剣全員好きなんです。……活躍させてやれなかった。仕方ないんや、カウンティアさんが戦ったら洒落にならんし。
Q、ティグリスのキャラ崩壊について。
A、後悔はしていない、ただやっちゃったぜ☆
Q、デルボネさんがメインヒロイン(確定)みたいになってるんですが。
A、フェリみたいだったry(端子起爆)
Q、老生体、弱すぎない?
A、多少強くなってても、天剣の敵じゃないんですよ。シキの戦ってたのは少々強かったですが。
Q、エルミさん、どうやってシキを改造したの?
A、一晩でやってくれ……嘘です、理由は次回明かします。
Q、左腕にロケットパンチ機能はついてるんだろうな?
A、あります(断言)
Q、やったね、シキちゃん、人間やめるよ。
A、シキ「おい馬鹿本当にやめろ、やめてくださいお願いします」
Q、強化された錬金鋼ってどのくらい耐え切れんの?
A、老生体がナマス切りできるくらいの切れ味は出せます。どっかの天剣みたいに例え爆発しようしても逃げません。
どっかの天剣さん「ビクッ!」
???「やはり、メインヒロインの力は凄まじいですね」
作者「個人的にはリーリンの方……」
???「雑草が喋るんじゃありません」
作者「それどこぞの姉のセリフーっ!」
ページ上へ戻る