ヘタリア大帝国
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TURN73 思わぬ復活その一
TURN73 思わぬ復活
レーティア達がベルリンを脱出してすぐにソビエト軍はドクツの首都ベルリンに降下をはじめた。指揮を執るのはジューコフだった。
彼はソビエツスキーの艦橋において共にいるロシアにこう語っていた。
「これでドクツも終わりです」
「そうだね、危うい戦いだったけれどね」
「港は全て押さえました、軍事施設も全て破壊しました」
「そして総統官邸の周りも押さえたし」
「後は総統官邸の占領だけです」
「民間施設は攻撃しないんだね」
「レーティア=アドルフは攻撃しませんでした」
レーティアは民間施設は後の統治で使う為に攻撃しなかったのだ。当然そこにいる民間人にもである。
「ですかわ我々も」
「そういうことだね」
「はい、それではです」
「うん、総統官邸を占領して」
「レーティア=アドルフを捕虜とします」
「後はあの娘と宣伝相を裁判にかけるだけだね」
「それで終わりです。抵抗する者には容赦はしませんが」
戦争だ、それならば情けは不要だった。
「降伏する者はそのまま捕虜にします」
「そうだね。ベルリンも産業が発達してるし」
「このまま手に入れると後に大きいですから」
こうした先見もありジューコフはベルリンの民間施設には攻撃命令を出さなかったのだ、そこまで考えてのことだったのだ。
「ですからこのままとします」
「ただ。気になることは」
兄と共にいるロシア妹がジューコフに言ってきた。
「民間人がアドルフ総統を匿うのではないでしょうか」
「そのことは充分に考えられます、ですが」
「それでもですね」
「そうなればアドルフ総統の方から投降してくるでしょう」
「あの方からですか」
「誇り高い方です、ならば自身の愛する民に迷惑をかけるよりは」
「自ら投降して、ですか」
そうしてことを収めるというのだ。ジューコフはその隻眼にレーティアがどういった人物かを見ていたのである。
「そうします、ですから」
「そうなってもですね」
「構いません、総統官邸を逃げても」
「私がいます」
後ろからゾルゲが出て来た。まるで影の様にここに姿を現してきた。
「追跡はお任せ下さい」
「そうだね、ゾルゲさんもいるね」
「私に追跡出来ない者はいませんし」
それにだった。
「秘密警察もベルリンに入ります、逃げられるものではありません」
「じゃああの人も逃げられないね」
「お任せ下さい」
ゾルゲは微笑を浮かべてロシアに応えた。彼等はレーティアを確実に捕虜に出来ると確信さえしていた。
そのソビエト軍の包囲を離れた場所から見ているのがエイリス軍だ。モンゴメリーはオークからモニターでトラファルガーにいるロレンスに言った。
「我等はここに止まり、だな」
「はい、ベルリンはソビエトの管轄に入ります」
「そういうことだな。ではこの戦いの後は」
「インド洋に向かうことになります」
「私が行くことになるな」
モンゴメリーはそれは自分だと言った。
「南アフリカ方面にはマリー様が行かれる」
「そうして二正面から太平洋軍を攻めますか」
「シベリアからはソビエトが攻める」
この話もついているのだ。
「枢軸側との新たな局面だな」
「はい。しかし連合国の顔触れがまた」
「変わるな」
「エイリスとソビエトだけですね」
五国のうち残っているのは二国だけだった。
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