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神葬世界×ゴスペル・デイ

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第一物語・後半-日来独立編-
  第三十六章 風断ち行く者《1》

 
前書き
 新たな戦いの始まり。
 開戦スタート。 

 
 向かい合う日来の女子学勢三人組と、辰ノ大花の騎神三機、どちらにもまだ動きはない。
 相手の様子見をしているようで、しかし、何時戦闘を開始してもおかしくはなかった。
 この空気を破ったのは、三機ある騎神の中央にいる隊長機だ。
『騎神相手にそのメンツでやり合う気か?』
「だったら何なんさ」
『怪我をしたくないなら今の内に家に帰ることを提案するぞ』
「アンタは馬鹿かなんかか。帰る家は戦わないと無くなる、なら戦うしかないだろうさ」
『進んで傷付くか』
「長を見捨てるような奴らとは違うからね」
『挑発にしてはタチの悪い挑発だな』
「気に障るってことは理解はしてるみたいだね」
 鼻で笑う音が聴こえた。
 隊長機を操縦している者が鳴らした、苛立ちを感じさせる音だ。
『好きでこんなことしてねえからな。まああ? こっちはこっちでイラついてるから、その鬱憤晴らしに暴れさせてもらうぜ』
「掛かってきな、相手になってやるよ」
 言い、入直は乗っている騎神・火炎ノ緋翼の右腕を水平に上げ、掌を空に向け、伸ばしていた指を数回立てて下げての行為を数回行い相手を挑発する。
 挑発に応えるように、辰ノ大花の騎神・戦竜は加速機を唸らせる。
 三機はそれぞれが邪魔にならないように間隔を広げ、戦闘の準備へと入る。
 火炎ノ緋翼の左にいるマギトは彼方を見てながら、
「こっちも戦闘の準備した方が良さそうだよね」
「なら誰がどの機体をやるのか、今の内に決めときませんこと?」
「アタイはあの真ん中にいる隊長機をやるよ。幾ら身体能力に自信のあるネフィアでも、空中戦闘はむりだろうしね。マギトはやらないんだろ?」
「当たり前だよ。なら、マギトはあの左にいるのでお願いねえ。どっちにしろ左右にいるのって量産機だから、決めても意味無い気もするけど」
「ならわたくしは右のですわね。大変ですが頑張りましょうか、殿方が頼りにならない今は」
「男ってのはいざって時に頼りにならないから困るね。女に騎神と戦えって言う精神が理解出来無いさ」
「やっぱり二人共、女子の方がいいよね!」
「あ、いや、そう言うことでは――」
 直後。火炎ノ緋翼とマギトの間を流魔弾が、会話を遮るように通った。
 彼方の先制攻撃だ。
 これが戦いの合図となり、三機の騎神が開いていたその距離を詰めに来た。
「女相手でも容赦しないってかい! 二人共、行くよ!」
「「了解!!」」
 迫る三機の騎神に三人は、それぞれが担当する相手と接触する。
 マギトは左の騎神に砲撃を放ち、その騎神をリードするように町民グラウンドから離れ、空へと上がる。
 火炎ノ緋翼の肩に乗っていたネフィアは右側にいた騎神へ跳躍して近付き、鞭状にした銀冠|《ジィルバーンクローネ》を叩き付けるように振り被り、騎神相手に近接戦闘を挑んだ。
 一方の入直は隊長機と正面から交差し、腰装着型加速機|《ウエストスラスター》を噴かして二機の騎神は空高く飛翔する。
 新たに三つの戦いが、この瞬間に行われた。



 結界の破壊に進む三年一組を中心とした組は、乱戦状態となった戦場のなかを行く。
 しかし、進むためには立ち塞がる敵を薙ぎ倒す必要がある。
 行ける者は前へ、そうでない者は後方で支援を。
 物量で日来は黄森と辰ノ大花に劣っているものの、彼らと引けを取らない勢いで攻め続ける。
「クソッ。なんであいつらに俺達が押されてんだよ、ありえねえ」
 彼方の学勢か社交員か、誰かが言った。
 実力を比べれば自分達の方が勝っているのに、何故ここまで押され、こちらは押し返せないのか。
 彼らには分からない。
 その答えを、今の彼らでは見つけ出せない。
 何故ならば日来の力は個々の力ではなく、総合的な力なのだから。
 個々の力では確かに負けるだろう。しかし、全体の力ではどうだろうか。
 物量だけで、全てが決まる訳ではない。
 力だけで、全てにおいて勝てる訳ではない。
 武器だけで、全ての戦いを制する訳ではない。
 この戦いは個々の戦いではなく、全体の戦いなのだ。
 黄森と辰ノ大花は、軍事から見れば確かに強力だ。だが、彼らの関係性はどうだろう。
 大して仲の良いものではなく、地元の者が殺される辰ノ大花にとって殺す側の黄森と手を組むなど本意ではないだろう。
 そんな彼らに連携と言うものは無く、ただ個々が個々を攻めているに他ならない。
 それとは違い日来は個々が組となり、その組が個々を攻めている。
 幾ら相手の物量が上であっても、目の前で戦う相手には限りがある。それが長く続くか、続かないかの違いだけである。
 だから日来は乱戦中であっても組を作ることで、組と言う一つの陣形が構成され、三百六度の戦闘を可能にしている。
 更に組の外側に防御壁を展開していれば、攻守共々バランスの取れた陣形となる。
 これが一発本番で出来るのは、お節介好きが多い日来だからだろう。
 誰かのために何かをすることは、その“誰か”のために頑張ることが出来るため、何時もより力が溢れ出るのだ。
 気合いの入れようで、力量が変わることと同じことだ。
 彼らは今、馬鹿な長のために頑張っている。
 その意志は容易く壊せるものでもなく、威圧に似たものを彼方は感じていた。
 円形の組は中央が空いたドーナツ型をしており、負傷者らは中央で傷の手当てを行う。
 そうすると負傷者と手当てを行う人員は攻撃が出来無い状態になるため、その時を狙って彼方は攻めて来る。
 だが、それも日来勢からしてみれば想定内だ。
 北側正面。攻めて来る相手と向かい合うように、組のなかから一人の機竜が前へ出た。
「ふん、幾ら人族が集ったところでオレの敵ではないな」
 機竜系破族の伊豆場・トオキダニだ。
 瞳に映る敵を見て、余裕な様子で言葉を吐く。
 遠距離から黄森の社交員による射撃で、彼の肌に銃弾が当たるが、金属音を響かせて弾かれるだけだった。
 機竜特有の鉄以上の硬度を誇る鎧甲の肌には傷は付かず、ただ当たった箇所に黒い汚れが残っているのみである。
「そんなものが効くと思っているのか? 全く、考えていることが分からんな」
 敵を見渡し、なおを続く銃弾を浴びる。
 同時に背後にいる仲間から数歩離れ、距離が十分に取れたところで膝を曲げ、中腰になり背を低くした。
 その姿勢に何かを感じとり、相手は動く足の速度を落とした。
「反応はいいようだが、キサマらのいる範囲はオレの竜口砲|《ドラゴンブレス》の射程内だぞ」
 そう言いうトオキダニの身体中から陽炎が立ち上り、彼の鎧甲が勢いよく開いた。
 逆立つように立った鎧甲が覆っていたものは、体温を調節する放熱器官だ。
 ラジエーターのようなその器官からは、陽炎が漏れるように揺らめいていた。
 準備を行っているなかで、トオキダニは背後にいる仲間に告げる。
「防御体勢を取っておけ。久し振りに撃つからな、力の調節が上手く行かない可能性がある」
「あのう、それってこっちにも被害が及ぶってことですかねえ?」
 新たに防御壁を発動するロロアが、自身を心配するような言葉を掛けてきた。
 振り向かないまま、そうだ、と言うと嫌な顔をされた気がするが気のせいだろう。
 自身を支える骨と骨を動かし、口径を広げ、竜口砲による首のダメージを緩和するための組み替えを行う。
 骨が外れる音と、組合わさる音とが鳴り、それらが終わる頃には仲間達の防御体勢は整っていた。
 ロロアによる防御壁の多重発動により、竜口砲からの余波を免れるための壁を作った。
 更に外側には防御盾を発動出来る者達を置き、まさかの事態に備える。
「多分、大丈夫だと思うのでどうぞ!」
 言われたので、早速行おうことにする。
 竜口砲を放つ行為は、慣れなければかなり辛い。
 熱を発生させる器官をフル稼働させ、それにより発生した熱と自身の内部流魔を口元へと集中させ、強烈な反応を起こさせてそれを一気に放つ。
 陽炎が起きるのも、体温が上昇しているためだ。
 一段階、地に深く足を食い込ませ身体を固定する。
 久し振りに撃つため、バランスを崩して思わぬ方向へぶちかますかもしれないからだ。
 何を言おうと、ものは試しだ。
 今頃、危機を感じ取り逃げる敵に向かって、骨の組み替えで広がった口を彼らに向ける。
 それを見た彼方は死に物狂いで逃げ出すが、それに至るまで遅かった。
「――――!!」
 トオキダニによる、竜口砲が放たれた。
 周囲は竜口砲により眩い光に包まれ、爆音と言う衝撃が発生した。
 竜口砲は逃げる者達を背から襲い、身に付けていた服を焼く。
 逃げ切れなかった、と自覚する頃には全身に竜口砲を喰らっていた。
 竜口砲を放つトオキダニの背後も、放つ際に発生した高温の爆風を受けていた。
 放熱器官からは勢いよく熱が放射され、彼の背後にあったものは吹き飛ばされる。
 唯一吹き飛ばされずに済んだのは、防御体勢を取っていた日来の組だけだった。
 放たれた竜口砲は口径以上の大きさで、トオキダニは竜口砲により押される感覚を得ながらも、左、右へと竜口砲を動かし多くの敵を負傷させていく。
 彼の竜口砲が威力を落とし、閉じるように消えた後には建物は黒に染まり、草は灰となっていた。
 あまりの高温であったために周囲には煙が漂い、視界を狭めている。
 放熱器官から一度、一気に熱を抜き、開いていた鎧甲を閉じた。
 身体から熱が取り除かれた感覚を得つつ、トオキダニは癖により頭を掻く。
「ふむ、久し振りだったからか加減が上手くいかなかったようだな。“久し振り”、だったからな」
「おい待てコラ。何、久し振りの部分、強調してるカ! こっち、防げたけど熱くてヤバかったヨ!」
「背後に立っているのだから同然だろうな。蒸し焼きにならなくてよかったな」
「他人事ウザいネ」
「大量の敵を負傷させたのだからいいだろう」
 振り向き、竜口砲による放熱によってひび割れた防御壁に守られた仲間達を見る。
 皆も空子同様熱かっただろうが、文句一つ言わない。
 全く、空子は彼らを見習ってほしいものだな。
 本当にそう思う。
 後で古典文法の本を教室の机に毎日置いて嫌がらせをしてやろうと、そう誓った。
 役目を果たしたため、組へと合流しようと歩き出す。
 身体が重たく感じる。少しばかし休憩が必要だろう。
 思いながら加わろうとした時、弱い風が吹いた。
 その風は煙を払い、視界を広げるために役立った。
 風は冷たく、まだ熱を持つ自分にとって心地好いものだった。
 だが、その風は突如として暴風と変わる。
 暴風は砂を巻き起こし、焼けた家々が崩れた。
 直感で感じたが、この暴風は自然的に起こったものではない。
 急いで振り向くトオキダニの視線の先、映った光景は――
「負傷者……零!?」
 確かに竜口砲は敵に当たった筈だが、肝心の負傷者がいない。と言うよりも、敵の姿自体何処にも無い。
 何故? と疑問を持った。
 この光景は仲間達にも意外だったようで、背後が騒がしくなった。
「どういうことだ、これは」
「知らん、オレに聞くな」
 ルヴォルフの問いを乱暴に返し、周囲を確かめる。
 だが、やはり敵の姿が見えない。
 敵がいた距離は確かに竜口砲の射程内だ。久し振りであっても、それは分かる。
 敵のいたあの位置では加速系術を使っても、相当の手練れでなければ回避は無理だ。
 それなのに敵は誰一人として、何処にも見当たらない。
 腕を顔の前にかざし、暴風を遮りながらもう一度確認する。
「敵全て見当たらないだと? これまでの敵は幻とでも言うのか」
「否、幻では御座らんよ」
「誰だ――!」
 暴風が爆発し、風が消えると同時に聞こえた声。
 それは自身の正面からであり、距離はどれくらいかは定かではないが離れている。
 目を細め、睨むように遠くを見れば。
 そこにいたのは、
「お前は……! 宇天学勢院覇王会伝達者、葉隠・介、介……す……誰だキサマ!」
「後もう一歩! もう一歩で御座ったのに! 諦めず最後まで言ってほしいで御座るな! 葉隠・介蔵で御座るよ! 前の話し合いの時にいたで御座ろう!?」
「知らんな。よく忍んでいたな、誉めてやる」
「あー、いやあ、そう誉められると照れるで御座るなあ……って! 今忍んでも意味無いで御座るよ! 名前覚えられてないなんて寂しいで御座る……」
 遠くにいる忍者は竜口砲を喰らったのにも関わらず、全焼まではいかなかった家の屋根にいた。
 忍者が一人で騒いでいるので、皆は冷めた視線を送る。
 その視線を感じ、介蔵は咳払いをしてしっかりとする。
「自分の味方は皆、遠くに避難させたで御座るよ。竜口砲を受けてはこちらは損するだけで御座るからな」
「一体どうやって移動させたのだ」
「これで御座るよ」
 言う介蔵の周りだけに、止んでいた風が吹いている。
 その風は徐々に強くなり、先程の暴風となった。
 ここまでを見せ、風を止めて見せた。
 右手を振り払うことで。
「風によって運んだということか。竜口砲は視界を狭めるからな、それに紛れて行ったというか。それにしても、一瞬にしてあんな大勢の者達を移動させたとは、なかなかの実力だな。さすがは覇王会だ」
「うむ、これでも覇王会で御座る」
 はっはっはっ! と高笑いする介蔵が載っていた家が、何を狙ったのか彼の重みに耐えきれず崩れた。
 あああ――、と言いながら落ちる忍者。
 格好悪い、と誰もが思った。
 少し間を置いて瓦礫を掻き分け、埋もれた介蔵は現れる。
「じ、自分、何か悪いことでもしたで御座ろうか……」
 忍者装束に付いた埃を叩き払い、崩れた家から離れる。
 何故自分だけが、と疑問を持つ。
 きっと重なって起こった不幸だと、そう思うことにした。
 歩き、正面に見える機竜へと近付く。
 すると、その機竜から疑問を投げ付けられた。
「辺りにはお前の仲間はいないようだが、何を企んでいる」
「双方、邪魔な者は少ない方がいいで御座ろう。それに自分、先程見せたように風を使うで御座るから、味方が大勢いると使えないので御座るよ」
「忍者がべらべらと、よく喋るものだな」
「自分、近代的な忍者で御座るからな。今の時代、コミュニケーション能力は必要で御座るよ?」
「時間の無駄だな。敵はたった一人だけだ、ここを抜ければ結界に辿り着くのも時間の問題だ。――行くぞ」
 これを聞き、背後にいた皆は動き出そうと一歩を踏み出す。
 先行するようにトオキダニは一番先に走り出し、宇天の伝達者に体当たりするように向かう。
 相手の行動を見て、対する介蔵は両手を広げ、それを天へと上げた。
 この動きによって、彼の横一直線に風が天へと吹き出した。
 風による壁を作り出し、彼らを先へは行かせないつもりだ。
 しかし、トオキダニはそれに構わず体当たりを食らわすために走る。
 重量級の身体であるため、ぶつかった時の衝撃は相当なものになる。
 進み、残りの距離を一気に縮める。
 その結果、ぶつかった。
 だが宇天の伝達者にではない。彼の横にある、風の壁と同じもので防がれた。
「不思議なものだな。風により作られているというのに、まるで頑丈な壁に体当たりした気分だ」
「流魔の流れによって生まれた風に御座るから、流魔操作同様、硬化出来るので御座るよ」
 一直線の風の壁を同じで、仲間が殴り、蹴るがそれも壁によって防がれる。
 強度もなかなかのもので、あの獣人族であるルヴォルフの打撃を受けてもびくともしない。
「ふむ、つまりオレ達はここで手詰まりということか」
 風の壁はかなりの距離あり、例え移動したとしても宇天の伝達者がいたのでは現状は変わらない。
 また風の壁を作られ、それでお仕舞いだ。
 だから、自分達はここで手詰まりだ。
 数歩後退し、高さを確かめる。
 学勢院の校舎よりも高いだろう。
 飛行系の機竜であれば越えられただろうが、あいにく自分は歩行系の機竜だ。
 高濃度流魔のなかや超重力下などには強いが、飛行関係は対象外だ。
 考えるのも面倒だ。座って時がどう運ぶか待つことにしよう。
 なので地面に尻を付けようとしたところ、後ろから誰かに押され再び立つこととなった。
「誰だ、座るのを邪魔したのは」
 言う頃には、背を押した者が誰なのか視界に映った。
 ポニーテールの、腰に忍刀を携える、忍者でありながら侍を目指す女子学勢。
 登吊・美鷺だ。
 彼女の視線は宇天の伝達者の方を向いたまま、座ろうとしたトオキダニの身体を立たせるために右手を背に付け、押していた。
 だが、トオキダニは疑問に思った。
 片手でオレを起こしたのか?
 背後から押されたために確かかは分からないが、そう感覚を得た。
 片手を背に付け、軽く押された感覚があった。
 そんなトオキダニの疑問を無視し、美鷺は立たせたトオキダニを背に、流れを止めずに宇天の伝達者である介蔵に一打を喰らわせる。
 やはりと言うべきだろうが、左手から放たれた一打は風の壁によって防がれる。
 筈だった。
 風の壁の前には誰もいなかった。
 誰かがいるのは、介蔵の背後だ。
「何時の間に!?」
「ふっ――!」
 振り向く介蔵の背に、息を切るように吐く美鷺による一打が放たれた。
 その一打は狙い済ましたものであり、喰らった介蔵は正面に吹き飛んだ。
 数メートル飛ばされた後、地面で転げ回ってから止まった。
 介蔵が打撃を喰らい、吹き飛んだと同時に風の壁はその形を崩し、弱い風を起こして完全に消滅した。
 何が起こったのかと、皆はただ美鷺を見詰めるだけだった。 
 

 
後書き
 はい、美鷺ちゃんと御登場です。
 介蔵君は名前を覚えられていませんでしたが、気にするなと言うことでここは一つ。
 今回は機竜系破族のトオキダニ君が頑張ってくれました。
 竜口砲|《ドラゴンブレス》によって辺り一面焼け野原にしてしまい、そこに住んでいた辰ノ大花の住民涙目です。
 そんなことはどうでもよく、今回は機竜系破族について少し。
 機竜系破族、通称「機竜」と言われており、生存数は正確には把握されていませんが一万いるかいないかです。
 崩壊世界に住んでいた痕跡は無く、それもその筈。機竜は異界から付いて来た全く別の生物です。
 まあ、面倒だからって理由で破族の一種としてぶちこまれたわけですね。
 そんな機竜には二つの種類がいます。
 一つは歩行系。
 高濃度流魔内や超重力下での生存に長けていますが、鉄より固い皮膚である鎧甲を身にまとっているため動きは鈍いわ飛行は出来無いわで使い難い。
 そしてもう一つは飛行系。
 空高く飛べ、無酸素のなかを数ヶ月生きられます。
 身体も飛行に適した軽装甲であり、鎧甲はあるものの薄いため防御面では歩行系に劣ります。
 これら二種は竜口砲と呼ばれる、強力な砲撃が可能であり、身体の構造もそれに適したものになっています。
 今回ありました骨格の組み換えがそうであり、放熱器官などはまさに機竜らしい単語ではないでしょうか。
 竜口砲食らったら重症は間違い無く、大抵の人は死ぬか重体になるかのどちらかですね。
 それを情け容赦無く撃てるトオキダニや、やろうとした日来の連中は頭がイカれてますね、絶対。
 手加減するし、どうせ加護付いてるからそこそこ負傷するだけだろ。みたいなことを思っていたのでやったのですが、それでも普通はねえ……。
 と今回はここまで。
 次回は続きから。 
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