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ヘタリア大帝国

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TURN72 レーティア救出その四

 その東郷達はエルミーが操るファルケーゼに乗ってベルリンに向かっていた。北アフリカを越えてナポリからローマに入っていた。
 その中でエルミーは言うのだった。
「ここまでは順調でしたが」
「そろそろエイリス軍の艦艇が増えてきたな」
「はい、しかも」
「司令官はモンゴメリー提督だな」
「あの方ですね」
「注意しないと見付かるな」
「既にベルリンには東西から連合軍が迫っています」
 このことは既に情報として入っている。
「総統官邸の場所はわかっています」
「着いたらすぐにだな」
「はい、総統を救出します」
「そうしたらベルリンを離脱する」
「一気に下がります」
 スエズからインド洋に戻るというのだ、それが彼等の計画だった。
 その計画通りにいって欲しい、エルミーは心から願っていた。
 その為目の前にいる敵艦隊を見ても少し見落とした、索敵能力のある駆逐艦もいたのだ。
 駆逐艦がいたが迂闊にもブーツで艦の床を蹴ってしまった、それで物音が立った。
「あっ・・・・・・」
「大丈夫です」
 音を立ててしまったことに狼狽する彼女に日本が小声で囁く。
「これ位の音なら」
「気付かれませんか」
「私は今も隠密行動を使っていますので」
「だからですね」
「はい、ご安心下さい」
 こうエルミーに言って落ち着かせる。
「このことは」
「わかりました」 
 エルミーは日本に頭を下げた。だが今度は。
 腹が鳴った、今気付いたが彼女は朝から何も食べていなかった。もうその時間だった。
 東郷はこのことを察して一同に小声で囁いた。
「じゃあ今から食べるか」
「はい、今日の料理番は韓国さんですが」
「熱くて辛いものだな」
「そうなりますね。それでは」
「今から食堂に行こう」
「わかりました」 
 東郷の言葉に三人で食堂に向かいその辛く熱い料理を食べて身体を温めた。ファルケーゼは日本の隠密行動と韓国の爆走の能力によりエルミーが考えていたより早くベルリンに到着した。
 だがベルリンに着くとすぐにだった、エルミー達は暗澹たるものを見た。
 ベルリン本星が既に敵に包囲されていた、星域どころではなかった。
 エルミーはこの状況を見て傍らにいる東郷に告げた。
「最早一刻の猶予もなりませんね」
「そうだな。降下も時間の問題だ」
「では今すぐベルリンに降下しますので」
「後は任せられるな」
「お任せ下さい」 
 エルミーは確かな声で東郷に答えた。
「では行きましょう」
「よし、じゃあ行くのはだ」
「私も行きます」
「俺もなんだぜ」
 すぐに日本と韓国が名乗りを挙げる。
「私の隠密行動は艦艇を降りてからも効果があります」
「俺の爆走もなんだぜ」 
 二人の能力はここでも発揮されるものだった。それで強い顔で名乗りを挙げたのだ。
「では行きましょう」
「惑星の港に降下してすぐなんだぜ?」
「はい、すぐです」
 これは確かだとエルミーも答える、そしてだった。 
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