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DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)

作者:あちゃ
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第5章:導かれし者達…トラブルを抱える
  第11話:一休みも必要だわ

(ブランカ)
マーニャSIDE

やっぱりウルフは格好いい。
カジノという魅惑のパラダイスに浸り、ウルフへの想いをおざなりにしてしまったけど……
あそこから離れた今、私の想いは止まらない!
ブランカの宿屋へ泊まった今夜こそ、彼の部屋で甘い一時を過ごそうと思います!

自室(ミネアと同室)のシャワーで身体を隅々まで磨いた私は、軽く口紅を付けると戦闘態勢でウルフの部屋に向かう。
シャワー後に化粧をする私を見て、ミネアが不思議そうな顔をしてたけど、あの()にはまだ刺激が強すぎるので秘密だ。

胸の高まりを押さえ彼の部屋に近付くと……
部屋の中からは他の女の声が響いてきた。
くっそ、誰かに先を越された!

(ドンドンドン)「ねぇウルフ、話があるんだけど!」
慌ててドアをノックしウルフを大声で呼び出す。
すると直ぐにドアは開かれて、辟易した顔のウルフがこっちを見る。

「うわ……また面倒事が来た……」
何とも失礼な呟き……
私は聞き逃さなかったぞ!

「何さっきから騒いでんの!?」
ウルフによって半分開かれたドアを、私は勢い良く全開にして入室する。
どんな女が中にいるのかと思い、室内を見渡すと……

「ちょっと……いま立て込んでるんだけど……後にしてくんない!?」
中にいたのはリューノだった……
まさか彼女の姉妹にも手を出しているとは……と、ちょっとだけ疑ったのだが、

「アンタよくも私の顔を叩いてくれたわね!」
「うるせーな……我が儘ばかり言うから折檻したんだろ!」
どうやら今日の出来事で、叩かれたリューノが怒りを抑えきれず怒鳴り込んでいるところだったみたいだ。

とんでもない身勝手少女ね……
自分が悪いのだから、全てを受け入れて己の糧にしなさいよ!
私なんかはウルフに叩かれて、心底自分の為になったと感謝してるかんね!

「ちょっとお嬢ちゃん……いい加減に騒ぐのを止めなさいよ! 昼間の一件はアンタが我が儘を言うのがいけなかったんでしょ! それが解らないの!?」
夜は大人の時間なんだから、ガキはさっさと部屋に帰りなさいよ!

「はぁ!? 何言ってんのアンタ……私が我が儘を言って叱られた事については、私だって十分反省し以後気を付けようと思ってるわよ! 私が問題にしてんのは、私の大切な美しい顔を、気安くコイツが叩いた事にあんの! アンタの平凡顔と違って、私の顔はお父さんとお母さんの遺伝子を得た超美形なのよ! 気安く叩いて良い物じゃないの!」

へ、平凡顔だと……言わせておけば……
私の顔だって超美形よ!
私より美人な(やつ)は滅多にお目にかかれないんだから!

マーニャSIDE END



(ブランカ)
シンSIDE

今日の一件、ウルフさんのお陰で丸く収まったなぁ……
あの人には他にも色々学びたい事もあるし、今日のお礼ついでにお話を聞きに行っちゃおう。
まだ眠ってなければ良いのだけど……

手ぶらじゃアレなんで、フロントでオレンジジュースを貰いウルフさんの部屋へと訪れる。
すると部屋のドアは開かれて、中からは言い争いをする2人の女性の声が聞こえてきた。
ウルフさん格好いいしモテそうだから、町で知り合った女性とマーニャさんかミネアさんが修羅場になってるのかな?

そう思って部屋の中をソッと覗き込んだら……
中ではマーニャさんとリューノちゃんが、顔を真っ赤にして言い争いを繰り広げていた。リューノちゃんが絡んでるって事は、色恋沙汰での修羅場ではなさそうだ。

「あ、あれシン君じゃないか!? な、何か俺に用事かな?」
「え、えぇ…まあ……」
女性二人の怒気に尻込んでいると、俺に気付いたウルフさんが室内に招き入れる様に話しかけてきた!

「あ、あの……別に急用って程じゃ「何、急を要する話があるのか!? しかも内密になんだね!! そうか~……じゃぁ仕方ないね! 今すぐシン君の部屋に行こうじゃないか! 急用じゃぁ仕方ないよ!」
この危険な雰囲気に逃げ出す気全開だった俺の言葉を遮り、強引に俺の部屋へと避難してくるウルフさん。








「いや~……助かった! 良いタイミングで来てくれたねシン君。アイツ等似た者同士だから何時かは喧嘩するだろうと思ったけど、まさかこんなに早く……しかも俺の部屋で喧嘩を始めるとは予想外だったよ(笑)」
確かに気が強い所とかソックリで、何れは喧嘩しそうだったけど……笑い事じゃないだろうに。

「しかし何だって二人が喧嘩を?」
何時かするとしても、夜中に宿屋で……しかもウルフさんの部屋ってのは不自然な気がするなぁ……
やっぱり色恋事ので修羅場かな?

「出だしはリューノなんだ……今日の事で俺に謝ろうと思ったんじゃないかな? それで一人であろう夜に部屋まで来たんだ。でもああ言う性格だろ……素直に謝る事が出来なかったんだと思う。で、出てきた言葉が『今日は良くもぶったわね!』だったんだ……」

何だか状況が想像出来るなぁ……
リューノちゃんの可愛い所は、あのツンデレ所なんだよなぁ……
理解出来ないと腹立たしいだけだけどね!

「俺も面白くなっちゃったから、リューノの言葉に『はいはいゴメンね……じゃぁ痛い所を舐めて治してあげるよ』って言って、アイツの頬をベロって舐めたんだ(笑) そうしたら大激怒してね。まぁ予想通りだったけどね」
そりゃそんなことすれば……(汗)

「でも予想外だったのが、そのタイミングでマーニャさんが夜這いに来たんだ!」
「よ、夜這いですか……? それは何かの間違いでは?」
あの(ひと)、ウルフさんが言う下ネタに激怒してたのに……そんな事が本当にあるのかな?
こう言っちゃ何だが、ウルフさんの自惚れではないのだろうか?

「間違いじゃないよ…言っとくけど、俺の自惚れじゃないからね! だってマーニャさんからはこの宿屋備え付けの石鹸の香りがしたんだよ……つまりシャワーを浴びたって事だろ! なのに改めて口紅を引く……化粧をし直して俺の部屋に訪れたんだ。もう、あの露出度の高い服を脱ぎ捨てる気満々だろう!」
ふわぁ……良く観察しているんだなぁ……

「モ、モテる男は辛いですね……」
「ははは……ホントだよ。今モテても困るんだよね!」
じゃ、じゃぁ何時だったら良いんだ?

シンSIDE END



(ブランカ)
リューノSIDE

自己嫌悪……
本当はウルフを怒鳴りに行った訳ではないのに……
気付いたらウルフに対して怒鳴り散らしていた。

嫌気が刺したウルフがワザと私の頬を舐めたりするから、私も恥ずかしさが爆発してしまい怒鳴り散らすのが止まらなくなる。
私も別にウルフの事が嫌いではないのだ……いや、むしろ好きなんだ。
マリーが調子に乗るから言いたくはないが、格好いいし頼りになるし一緒にいて安心出来る男だと思ってるんだ。

でも彼を目の前にすると素直に謝れない自分がいる……
しかも後から現れたマーニャが、自分でも自覚している事をワザワザ言って、私を黙らせようとするから余計にヒートアップしてしまう。

マーニャは美人だから、本当は平凡顔なんて言う気がなかったのに……
止め処もなく口から他人の誹謗が溢れてくる。
心底自分の性格が嫌になる。

ウルフが逃げてしまった為、彼の部屋で口論をしていた私とマーニャの熱も冷めてしまい戸惑っていると、ミネアが部屋に現れて『夜中に騒ぐな』と怒られた。
だからトボトボと自室へ戻りベッドの中で落ち込んでいる。
明日……みんなと顔を合わせづらいよぉ……

リューノSIDE END



 
 

 
後書き
騒がしいなぁこのパーティー……
これにリュカさんが加わったらどうなっちゃうんだろう? 
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