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転生とらぶる

作者:青竹
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魔法先生ネギま!
  0252話

「アクセル君、アクセル君。朝ですわよ。……起きませんわね。ここはやはり私が目覚めのキスで目覚めさせるべきかしら」
「あらあら、あやかったら」

 そんな声を聞きつつ、意識が浮上し覚醒へと向かっていく。
 まず目に入ってきたのは、目を瞑ったままこちらへと顔を近づけてきている金髪の少女の顔だった。

「……何してるんだ?」

 取りあえず、そう尋ねてみる。

「あら、起きられましたのね」

 残念そうに顔を引くあやか。
 何というか、本当に己の欲望に真っ直ぐな性格をしているな。
 とは言え、さすがにいい大人である俺が10歳近く年の離れている14歳を相手にする訳にもいかないし……どうしたものか。いや、まぁ、俺の外見が10歳程度というのは分かっているんだが、それでも中身は20代のアクセル・アルマーなのだ。例えあやかが外見上は18歳前後に見えるとは言え……うーむ、どうしたものか。

「ほらほら、2人共。朝食の準備が出来たからじゃれ合いはその辺にして食べましょう。アクセル君はもう少ししたら茶々丸さんが迎えに来るんでしょう?」

 お盆に焼き鮭、目玉焼き、焼き海苔、漬け物、味噌汁といった純和風の朝食を乗せてテーブルの上へと運んでいる千鶴。ホカホカと湯気を立てている白米が非常に食欲をそそる。
 当然と言えば当然なんだが、ホワイトスターでの食事は基本的にパン食がメインだ。それだけに久しぶりに食べる和食へと俺の目は釘付けにされた。

「アクセル君、取りあえず歯ブラシは私の予備があるから歯磨きと顔を洗って来てね」

 食事を握っている相手に逆らう真似が出来る筈もなく、俺は千鶴に渡された新品の歯ブラシを手に洗面所へと向かうのであった。



「では、いただきます」
『いただきます』

 千鶴、あやか、俺の声が部屋に響き、数年ぶりの和食へと勢いよく箸を付ける。
 まずは鮭を解して口の中へ。同時にホカホカの白米も。
 次は味噌汁。ワカメと豆腐というありふれたものだが、それが今の俺には堪らない。
 そんな風にバクバクと貪るように食べていると、千鶴が笑みを浮かべながら口を開く。

「ほら、アクセル君。誰も取ったりしないからゆっくり食べなさい」
「それにしても外国人にしては箸の使い方が上手いですわね」
「そうね。元々……あら」

 何かを言いかけた千鶴が、不意に手を伸ばして俺の頬へと触り……

「お弁当を付けたままエヴァンジェリンさんの所に行くわけにもいかないでしょ?」

 笑みを浮かべたまま、俺の頬からとったご飯粒を自分の口へと運ぶ。
 当然それを見て黙っていられないのはショタ……もとい、年下好きのあやかだ。

「ちょっと千鶴さん! そんなずる……もとい、失礼な真似をしなくても私がアクセル君のお世話をしますから、自分の食事に集中なさって下さいな」

 そんな賑やかでありつつも、既に聞き慣れてどこかホッとするやり取りをしながら目玉焼の黄身を割ると、半熟の黄身がトロリと垂れる。個人的に目玉焼きは半熟派なので嬉しい限り。醤油をかけて口へと運ぶ。



「ご馳走様」
「はい、お粗末様」

 久しぶりの和食を満喫し終え、千鶴から食後のお茶を貰う。

「それで、俺の今日の予定はエヴァンジェリンの家に行く事なんだが……千鶴とあやかは?」
「そうですわね、私は取りあえずアクセル君のベッドや身の回りの品を買いに行く予定ですわ」
「あら? いつもは取り寄せるのに、わざわざ自分で買いに行くの?」

 不思議そうな千鶴の言葉に、我が意を得たりとばかりにそれなりに豊かな胸を張ってポーズを決める。

「当然ですわ! アクセル君の使う品ですもの。ここは是非私の手で厳選させて貰いますわ!」
「あらあら、あやかったら……でも、そうね。この状態のあやかを放っておくと暴走しかねないから私も一緒に付いていった方がいいかしら。……本当は魔法とかにも少し興味があるんだけど」
「それも確かにそうですわね。でも、今は魔法よりもアクセル君の身の回りの品ですわ!」

 何というか、俺の物を買ってきて貰えるというのは純粋に嬉しいんだが、ここまでテンションが上がっているのを見るとさすがにちょっと……

「ふふっ、アクセル君が何を考えているかは大体想像出来るけど、あやかと付き合っていればすぐに慣れるわよ」

 そんな俺の様子を見た千鶴が笑みを浮かべながらアドバイスをしてくる。
 にしても、こうして俺の顔色を見ただけで俺の考えている事を当てたりするのを見ていると本当に中学生かどうか疑問だな。年齢詐……

「あら、何か不謹慎な事を考えていないかしら?」

 ゴゴゴゴっとでもいうような雰囲気を出しながら笑顔で迫ってくる千鶴。
 その迫力に思わず顔を背けたその時、救いの神はやってきた。

「失礼します。アクセルさんはいらっしゃいますか?」

 そう、昨日の約束通りに茶々丸がこの部屋を訪れたのだ。
 その姿を見た時、思わず助かったと内心で呟いた俺は悪く無い筈。

「あらあら、タイムアップね。この続きは帰ってきてからまたにしましょう?」
「……了解」

 大魔王からは逃げられない、というテロップが流れたような気がする。

「さて、エヴァンジェリンさんを待たせても悪いでしょうし行ってらっしゃい」
「そうだな。……行ってきます」

 さすがに昨日会ったばかりの相手に行ってきますと言うのは多少恥ずかしいものがあったが、それこそ見ず知らずの俺を引き取ってくれた2人だ。挨拶位は礼儀という物だろう。
 ちなみにあやかにも挨拶したが、例の如くトリップをしていてこちらには気が付いた様子が無かったのでそのままスルーした。



「さて、じゃあ行こうか。そう遠くはないんだろう?」

 寮を出て、茶々丸へと尋ねると小さく頷く。

「はい。ここから徒歩で15分程となっております」

 それだけ言い、後は無言で共に道を進んでいく。
 微妙に気まずい空気が漂っている気もするが、人造人間? サイボーグ? 相手にどう会話をしていいものやら。
 と、そんな風に思いながら歩いていると、ふと茶々丸があらぬ方を見ているのに気が付いた。
 そちらの方へと視線を向けると、何やら老婆が歩道橋を苦労して昇っている所だった。

「……」

 チラリとこちらへと視線を向け、再度老婆へと。それを幾度か繰り返し……

「分かった。いいから行ってこい。俺はここで待ってるから」

 根負けして、苦笑を浮かべながら茶々丸を送り出した。
 にしても、2000年代のこの世界でよく茶々丸のような感情を持ったサイボーグなり人造人間なりが作れたものだ。その道の大家と言ってもいいレモンでさえ幾度も失敗を積み重ね、W17――ラミア・ラヴレス――でようやく自我と感情を与える事が出来たというのに。
 もっとも、今はエキドナもその兆候を見せているのでレモンとしては予想外の嬉しさだろう。

「あぁっ!? いいから俺達に付き合えって言ってんだよ!」
「そうそう。ほら、ちょうど2人ずつで人数的にも問題無いだろ?」

 茶々丸が戻って来るのをぼんやりと待っていると、唐突にそんな声が聞こえて来た。なんというか、テンプレ的な展開だと思いつつもそちらへと視線を向ける。
 そこでは黒髪のショートカットの女とレモンと同じような紫がかった桃色の髪のロングヘアーの女。そんな2人がいかにもといった軽そうな男達にナンパされていた。
 いや、正確には違うか。女2人組の方は迷惑そうな顔をしているのだが男2人組の方が半ば脅すような口調で迫っている、と言った方が正しいだろう。
 それでも、脅してくる男2人に対して一歩も引かないその気の強さは髪の色もあってどこかレモンを思い出させる。
 ……ま、このまま黙って見ていても気分のいいものじゃないしな。
 何とは無しに自分に言い訳をし、騒いでいる4人の方へと近付いていく。

「だから、少し俺達に付き合ってくれればいいんだって。ほら、きっと面白いって。こいつも気が短いし、助けると思って」
「だから結構で……す……?」

 ショートカットの女が男に対して再度断りつつも、近付いてくる俺に気が付く。
 ロングヘアーの女が仕草でこっちに来るなとやっているのは、巻き込みたくないからだろう。だが、俺はそれを無視して近付いて行く。

「見苦しいぞ」

 ボソリと呟いた声だったが、その声は不思議と辺りに響き渡った。

「あぁっ!? んだこの餓鬼!」
「おいおい、子供相手に本気になるなよ。いいかい、僕ちゃん、俺達はこの女の人と大事な大事なお話があるんだ。悪いんだけど、どこかに消えてくれないかな? でないと痛い目に合うけど……嫌だろう?」
「ちょっとっ! 子供に何する気!?」

 ショートカットの女が軽い方の男へと食って掛かるが、何故か男は嬉しそうにそれに反応する。

「じゃあさ、この餓鬼には何もしないから今日一日俺達と付き合ってくれよ」
「何でそうなるのよっ!」

 そんな2人を尻目に、ロングヘアーの女が俺の方に近寄りこっそりと囁く。

「ほら、ここは私達に任せておけばいいから。君は早く逃げな。ここにいたら本当に殴られ……叩かれるよ?」
「何、問題は無い」
「え? ちょっ!」

 ロングヘアーの女に軽くそう言い、粗野な男の方へトコトコといった感じで近付いていく。

「あぁ、何だ餓鬼? いいからとっとと消えろよ」
「ナンパをするなとは言わないが、断られたら素直に引き下がれ。端から見ていると酷くみっともないぞ」
「あぁっ、今なんて言った手前っ!」

 脊髄反射とでも言うのか、殆ど発作的に拳を俺の顔面目掛けて振り下ろす男。
 だが腰も何も入っていない手打ちのパンチを避けるのは、少しでも格闘技を囓った経験があればそう難しくはない。それが肉体能力が既に人外の域に達している俺なら目を瞑ったままでも回避可能だろう。
 振り下ろされた拳を上体を少し動かして回避し、そのまま伸びた手を掴んで一本背負いの要領で地面へと叩き付ける。

「ぐあっ」

 背中からまともに地面へと叩き付けられ、呻き声を上げる男。その顔面を踏みつけて気を失わせる。

「……え?」

 今、目の前で何が起きたのか理解出来ていない軽い男へと苦笑を向けてやる。

「余り騒ぎは起こしたく無いんでな。このままこいつを連れて消えてくれると助かる」
「……あのさ、まぐれでこいつを倒したからって調子に乗られても困るんだけど……なっ!」

 自分の台詞を最後まで言わずに、そのまま俺の頭部目掛けて蹴りを放ってくる。何せ10歳程度の身長しか無い今の俺だ。頭部を狙うのもそう難しくは無いだろう。

「きゃああああああっっ!」
「ちょっ!」

 悲鳴を上げるロングヘアーの女に、咄嗟に俺を庇うように抱きかかえるショートカットの女。
 俺を庇おうとした女を抱え込むようにしながら後ろへと軽く飛び、その場へと女を置いてから蹴りを空振りさせた男の懐へと潜り込み、軸足を刈る。

「がっ!」

 さすがに後頭部を道路へと思い切り叩き付ける訳にもいかないので、倒れ込んだ男の服を一瞬だけ引っ張って衝撃を殺してやる。同時に男の付けていたネックレスが弾け飛んだが、それは運が悪かったと思って諦めて貰おう。

「え? ちょっと、凄いじゃない君!」

 ロングヘアーの女が興奮した様子でこちらへと近付いてくる。ショートカットの女の方は唖然としてこちらを眺めている。

「ねぇ、君。助けてくれてありがとう。あいつらしつこくて困ってたのよ」
「……え、あ、ああ。そうね。その、助かったわ」
「取りあえずその2人が意識を取り戻す前にこの場から消えた方がいいと思う」
「え? それもそうね。あ、そうだ。もし良かったらお姉さん達と一緒に来ない? お礼も兼ねてゴーヤクレープ奢っちゃうよ」

 その言葉に、思わず顔を引きつらせる。ゴーヤクレープって、どう考えても罰ゲーム的な何か以外の何ものでもないんだが。

「いや、残念ながら約束があるからゴーヤクレープはまた今度機会があったらって事で」
「……君、子供にしては妙に難しい言葉遣いをしてるね。もしかして歳誤魔化してる?」
「さて、どうかな。……っと、本格的に意識を取り戻しそうだな。早く行った方がいい」
「げ、マジ!? じゃあ私達は先に行くけど、本当にありがとうね」
「全く、桜子が妙に来たがらないと思ったらこれを察知してたのかしら。今度会ったら今日のお礼にゴーヤクレープを奢らせて貰うね」

 いや、別にゴーヤクレープはいらないんだが……そう思いつつも、急いでこの場を立ち去る2人へと軽く手を振って俺もその場から離れる。

「アクセルさん、お待たせしました」

 先程の場所へ戻ると丁度茶々丸も戻ってきた所だったので、エヴァンジェリンの家へと向かう事にした。 
 

 
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:38
PP:625
格闘:262
射撃:282
技量:272
防御:272
回避:302
命中:322
SP:462
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    ???
    ???

撃墜数:376 
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