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マブラヴ オルタネイティヴ 紅き飛竜の騎士

作者:ピエール
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第十話 月詠真耶

 
前書き
クライシス3攻略完了しました\(^o^)/
楽しかったけど難しかった((+_+)) 

 
1994年 帝都 日本帝国軍 帝国技術廠第壱開発局 第13格納庫

突如、俺の前に現れた女性、月詠真耶少尉。 彼女は俺に用件がある様なのでどういうことなのか聞いてみることにした。


「月詠少尉。自分にどのような用件で来られたのかお聞きしてもよろしいでしょうか?」


この国に来る前に巌谷少佐に聞いたことを思い出した。 帝国斯衛軍とは、日本帝国軍と違い城内省の管轄であり、将軍家、及び五摂家縁者の守護を主任務とする独立武装組織と教えられた。 いわえるエリート部隊なものであると俺は解釈した。 俺は真っ先に、エリート部隊と聞いてティターンズみたいのを想像したのは内緒だ。


「貴様に話がある。着いて来い」


そういうと月詠少尉は背中を向けて歩いて行った。 整備班の人達が不安そうに見つめてきたが、俺は大丈夫だと言い月詠少尉の後について行った。


誰もいない会議室に連れられ、入れと言われた俺はゆっくりと会議室に入った。 後ろでガチャリという音が聞こえた。恐らく鍵を掛けたのだろうか? そう思い振り向く事にした。


「話とは一体なんでしょうか?自分の事でしょうか、それとも機体のことですか?」

「その両方共だ。貴様自身の事は殿下から概ね聞かされている。護衛する此方としては無視できる人物ではないからな。 その件はまた後で話すとしよう。」

「なるほど、では次は機体の事でしょうか。」

「そうだ。機体性能はともかく塗装の色に関して城内省から黒に塗り直せと苦情が来た」


まあ確かにエピオンのカラーリングはやや黒には近いものの、赤でもあるからな。 苦情が来ないほうがおかしいか。


「確かに城内省から塗り直しの苦情はでたが、殿下と斑鳩閣下、紅蓮大将が反対され現状維持という意見がだされた」

「殿下と斑鳩閣下、紅蓮大将が・・・ですか?」

「そうだ。 言い分としてはだな、如何に赤に近い色だとしても貴様の機体は正式採用機ではなく実験機という認識をされている。そのため塗装ぐらい何色でも構わないと言われた」


なるほど。そういう事なら大丈夫らしい。 俺は少しだけ安心したのも束の間、話には続きがあるらしい。


「だが・・・」

「だが・・・なんでしょうか?」

「城内省はある条件を出してきたのだ」

「条件?それは一体なんです?」


まさか、まさか機体を渡せとか言うんじゃないだろうな!? 例えそうなったとしてもエピオンを動かすことはできない。 理由としては最初に乗った時に行った生体登録もあるが、『イクス』に聞いた話では、一度登録すれば再登録できないようになっているらしい。 登録されている生体情報を削除する場合、同時に機体に関するデータ諸共消える仕組みになっていることを『イクス』教えてくれた。 

そんな事を考えている中、月詠少尉が話す城内省が出した条件を聞き驚いた。


「城内省が出した条件とは、今月、正式配備された94式戦術歩行戦闘機[不知火]に搭乗する富士教導隊12機との模擬戦で勝利する事だ」


それを聞いて俺は唖然とした。 富士教導隊とは全国から抜擢された精鋭で構成されたエリート部隊の事だ。 よほど城内省の人達はエピオンが欲しいようだ。 どの道俺に選択権などなく戦うしかないようだ。


「日時は2週間後、富士演習場。あちらの本拠地で行う。以上だ」

「・・・・わかりました」


言い終わると月詠少尉は会議室から出ようとした時だった。


「後一つ、貴様の事だが・・・・」

「なんでしょう・・・・」

「今夜、訓練用グランド来い。 話がある」

「わかりました。」

「ではな」


月詠少尉が会議室から出た後、俺は深く溜息をついた。 2週間後の模擬戦についてである。 とりあえず此処に居てもしょうがないので格納庫へ戻った。


格納庫に戻った俺を出迎えてくれたのは整備主任の親っさんだった。


「斯衛軍の少尉さんとの話は終わったのか坊主」

「ええ、今夜また聞きたいことがあるそうですが・・・・」

「妙に元気がねえな。どうした?」

「実は・・・・・」


俺は親っさんに二週間後にある富士教導隊との模擬戦について話すことにした。 

話を聞いた親っさんは唖然としたが、気を取り直し俺にこう言った。


「だったら此処にいねぇでお前の相棒の『イクス』んとこに行って来い!!」

「親っさん!?」

「お前は一人じゃねぇんだ。こういう時こそ相棒を頼りにすんのも悪かねぇよ」

「わかったよ親っさん!!」

「おう!!」


俺は親っさんに背中をバシリと叩かれると『イクス』の所に向かい説明することにした。


それから俺はコクピットに入り機体の電源を立ち上げ、『イクス』に2週間後の模擬戦について説明した。


『事態は把握できました。勝算はあるのですかマスター?』

「正直言ってかなり低いな。だがこのまま黙って負ける気もない」

『なら訓練メニューの修正を行います。前より少しハードになりますが宜しいですね?』

「ああ。構わない。唯でさえ経験が足りてないんだ。やるしか他に手は無い。」

『頑張りましょうマスター。勝つためにも訓練あるのみです!!』

「ああ。やるぜ相棒!!」


それから3時間経ち、シュミレーター訓練を終えた俺は夕食を済ませ、月詠少尉と待ち合わせしている場所へ向かった。 この事を『イクス』に話したが、妙に不機嫌そうな声で『どうぞ楽しんで来てください!!!』と言われた。 なんなんだ?機械がジェラシー・・・・シュールだ。

待ち合わせ場所には既に月詠少尉が待っていた。 月の光に照らされて待つ彼女は、昼間は感じなかったがすごく美しく一瞬胸がドキリとした。


「すいません。待たせましたか?」

「いや、今来たところだ。約束の時間を破らず来た事だけは褒めてやる」

「どうも。 それより話とは一体?」

「ああ。どうしても確かめなくてはならない事があってな」


そう言うと月詠少尉は俺に向けて何かを投げた。 片手で掴み取るとそれは訓練などで使う模擬刀だと解った。


「月詠少尉・・・・これは一体?」

「神野准将の下で修行した貴様の剣の腕前見せてもらうぞ!!!」


そう言い放つと月詠少尉は模擬刀を逆手持ちにし斬りかかって来た。

おいおい!!斯衛軍じゃ話し合い=斬り合いなのか!?正直言って洒落にならん!!

だが、逃げるわけにはいかない。 彼女は確かめたいだけだ。 俺の力を。 ならやることはただ一つだ。 

全力で戦うだけだ!!!!!!


これが俺と月詠真耶との初めての戦いだ。 
 

 
後書き
更新不定期で本当にすいません。

次回は月末か来月を予定してます。

ごゆっくりお待ち下さい 
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