なのは一途のはずがどうしてこうなった?
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第二十章 期待の新人
前書き
この小説は魔法少女リリカルなのはの二次創作です。
原作とは異なる設定、独自解釈、キャラクターの著しい崩壊などが含まれております。
原作の雰囲気を重視される方はご注意ください。
割りとマジで原作崩壊しています。
●
「ティアナそろそろ……」
胸に顔を埋めてかれこれ5分程度たったのだが、未だに泣いているのだろうか。
「イヤです……」
「お前、もう泣いてないだろ」
森の中で慰めるのもいいが、きちんと落ち着いた場所で話し合いをしたい。
「泣いてます。心で」
「うまいこと言って誤魔化そうとしてるだろ」
気付きたくなかった。
だが、薄々は気づき始めていた。
無意識下で気付かないようにしていたのだろう。
そう、機動六課のメンバーは実は、外道なのではと気付いてしまった。
いや、ティアナに気付かされた。
少なくともコイツは外道だ。
「いいじゃないですか。少しくらい……。届かない想人の胸で泣くって。ヒロインみたいで」
「俺は、なのはと結婚を前提に付き合ってるんだが」
なのはのご両親挨拶した後で、早々に恋人以外と関係を持つつもりは無い。
いや、元々なのは一途なのだ。
「それでも。私を慰めてくれてるじゃないですか。私の事、嫌いですか?」
「好き嫌いの問題じゃないだろ。慰めるのは、上官としての義務だ」
「冷たいのね。でも、嫌いじゃないわ……」
何だろう。この三文芝居は。
いい加減ティアナも落ち着いただろう。
「離せ。そもそも失敗した原因は、現場で努力したことだろう。初めての任務の時に努力するなって言ったの忘れたとは言わせないぞ」
「……」
やっと離れたか。
「それでも、私が凡人なのは変わらないじゃないですか……。スバルは! 潜在能力と可能性の塊。エリオとキャロは! あの歳でBランクでキャロはレアスキルもち。他の人だってエリートばかりで! 凡人なのは私だけじゃないですか!」
不安と羨望か。
若い魔道師にありがちな力への渇望。
「……。ティアナ勝負しようか」
「ハァ?!」
魔弾を2つ出す。配置先は50メートル先。
「お互いにアレを撃ち落とす。んで、互いに落としたらプラス10メートル」
まずは、一つ。
俺が先行する。
ティアナも続いて落とした。
「まあ、ソレくらい楽勝だよな」
次。60メートル。
次。70メートル。
次。80メートル。
次。90メートル。
「お、当たったか」
「……」
次。100メートル。
魔弾は一つ残して俺の狙いは外れる。
「と、まあ、お前は俺に勝ったわけだ」
「それがどうしたっていうんですか?」
気付かないか。
「ティアナ。お前が機動六課に入る前の最長射程距離は?」
「あ……」
データでは80メートル前後。
けど今はプラス20メートルされた数値だ。
「訓練は地道な基礎と基本の繰り返しで退屈かもしれないけど。着実に成長してるんだ」
「はい……。はい!」
泣く。
ティアナ・ランスターは今度こそ、嘘泣きではなく泣いた。
「ティアナのポジションは前後左右全部が味方なんだぞ」
「はい。前も後ろも攻められまくりの総受けですね」
そーか。それがお前の本性か。
「ん」
不意打ちだ。
突然のキス。
「ますます好きになりました。愛人でもいいです。抱いて下さい。痛っ! ゲンコツなんて、ひどい!」
「うるさい、キスの仕返しだ」
嘘泣きと、キス。
ティアナは魔性の女……。
だが、頭を抑えながらも、晴れ晴れとした顔で、
「明日からの居残り訓練付き合ってくださいね」
元気に駈け出した。
「おい! 返事も聞かずに立ち去るなー!」
その背中に言葉を投げかけた。
●
布石。伏線。深慮遠謀。
言葉は違えども意味は殆ど同じだ。
ティアナ・ランスター達新人は座学としてミウラ・ケイタの戦略、戦術講座を受けている。
ポジションとして、ティアナ・ランスターは戦闘全域を把握して判断をしなくてはならない。
戦術的に有利になるように指示したり、適材適所で敵と味方を対峙させたりと。
その役割を実戦ではまだ、活かせる程の技量など未熟なティアナ・ランスターは持ちえていない。
はずなのだ。
一つの話をしよう。
失敗した新人と、それをフォローする上官。
よくある事である。
しかし、今回に至っては少しばかり誤解を招いたようだ。
人気のない森で二人きり。
泣き顔を晒して走り去る新人。
その姿を気に留める人物は多い。
目撃者となるのは、機動六課メンバーだ。
乱れた服装に、泣き顔と、急いで逃げ去ってきた様。
その後、上官である人物の汚れた服装に、口元には逃げてきたティアナ・ランスターのものと思われる口紅がついており、ズボンの中心のチャックは開かれていた。
それを客観的に見ると、森の中で何が起こったのかを容易に想像出来る。
フォローするべき上官が、落ち込んでいる新人を襲った。
間の悪いことに、上官であるミウラ・ケイタが走って逃げてきたティアナ・ランスターを追うように走って来たのが悪印象を与えることになる。
ティアナ・ランスターの妙技と智謀によりミウラ・ケイタは人生初の容疑者となった。
そうは言っても、身内の恥であるため限定的かつ、私利私欲の特権を使い、機動六課内で始末をつけることにするという八神はやての提案に誰もが反対をしなかった。
容疑:強姦未遂
容疑者:ミウラ・ケイタ
被害者:ティアナ・ランスター
状況証拠:口元の口紅、チャック全開、被害者の服装の乱れ
証言証拠:被害者の襲われました発言
解決策:被害者の提案として、無理矢理は嫌だが、好意はあるので、然るべき場所で正式に行為をしてくれれば、全ての事を無かった事にする。
判決:ちょうど、ホテルアグスタが近いからそこで女にしてもらえや。
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努力、友情、勝利。
どこが?
配点:(抜け目のない女)
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射撃範囲については作者の独自設定と解釈の元に行っています。
前書きにある通りです。
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