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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦士ガンダムSEED
  0230話

 クライン派の男がジェネシス全域へと緊急避難をするように放送を流してから10分程が経った。周囲ではつい先程まで騒がしかった怒号も鳴りを潜め、人の声が一切聞こえない状態になっている。そんな状況の中、俺は制御室を出て入ってきたドックの方へと向かっていた。

「さて、残ってる馬鹿はいないといいんだが」

 何せ、俺の空間倉庫は生き物を収納出来ないのだ。すなわち誰かが中に残っているとしたら、このジェネシスを空間倉庫に格納出来ない。
 こうしている今も、外ではレモン達がヤキン・ドゥーエの部隊と戦っているのだからなるべく早くこのジェネシスを片付けて応援に向かいたい。
 インファイトと成長力チートの恩恵を使い、出来る限り急いで通路を進んで行く。当然のように誰にも会わずにドックへと辿り着き、パイロットスーツのヘルメットを着用してドックのすぐ外側へと移動する。

「これで空間倉庫に格納出来なかったら、スライムで居残りを探す事になるのか……」

 その場合は殺す……というのは、先程助けてくれたクライン派の男の同僚を殺す事になるからちょっと後味が悪いな。その場合はスライムを使って拉致してアークエンジェルにでも放り込んでおくか。

「さて……」

 ヤキン・ドゥーエで行われている戦場の光を見ながら、ジェネシスへと触り口を開く。

「収納」

 次の瞬間には、ジェネシスという存在がここにあったというのが誰にも信じられないように綺麗さっぱりと目の前から消え去っていた。

「よし」

 さすがに原子爆弾による自爆に巻き込まれたい者はいなかったと見える。安堵の息を吐きながら、脳裏に空間倉庫のリストを展開。グロウセイヴァーを選択する。
 次の瞬間には俺の横に現れていたグロウセイヴァーのコックピットへと乗り込みアークエンジェル、クサナギ、エターナルへと通信を繋げる。

「こちらアクセル・アルマー。目標の接収は無事完了。繰り返す、目標の接収は無事完了した。残るはヤキン・ドゥーエの戦力を減らしてクライン派のクーデターを成功させるだけだ。もうすぐこの戦争は終わるぞ。ここが最後の頑張り所だ」
「アクセル!」

 俺の通信にマリューがにっこりと微笑む。

「何よ、思ったよりも遅かったじゃない」
「そう言うな、真打ちは遅れてくるものだろ。それより状況は?」
「互角、と言っていいでしょうね。基本的には私達が有利に戦況を進めているけど、さすがプラントの最終防衛線と言った所ね。向こう側の戦力がなかなか底をつかないわ。コーネリア達も頑張ってはいるんだけど」

 マリューのその声にヤキン・ドゥーエの方へ視線を向けると、そこでは確かにコーネリアの操るラピエサージュがジンやローラシア級相手に激戦を繰り広げている。
 そして前線指揮官らしく戦闘をするのと同時に指揮も執っているようで、コーネリアの開けた敵の穴へと量産型ゲシュペンストMk-Ⅱが突っ込んで行くのも見えていた。

「了解した。なら俺もこのまま戦線に加わるが構わないな?」
「ええ、お願い」

 マリューの言葉に頷き、グロウセイヴァーをヤキン・ドゥーエへと進めようとした所でふと思い出す。このヤキン・ドゥーエの戦いで最大の脅威であるジェネシスは空間倉庫に放り込んだのでまず問題無い。そうなると次に厄介なのはラウ・ル・クルーゼの操るプロヴィデンスだ。あの機体はドラグーン・システムという、俺のファントムと似た装備をしているだけにフリーダムやジャスティス並の機体でないと太刀打ち出来ないだろう。少なくても、ストライク、デュエル、バスターで対応するのは難しい。そして、クルーゼとの共感覚が起きるムウはそのストライクに乗っている訳で。

「ムウ!」
「ん? アクセルか。その様子ならジェネシスの方は無事に終わったみたい……だなっ!」

 この混戦なのでムウの操るストライクを見つけるのは困難だが、通信モニタ越しの様子を見る限りではまだまだ元気らしい。

「クルーゼは出たか?」
「いや、以前聞いたプロヴィデンスとかいう新型のMSに乗っているんだろう? まだ見てないな」
「そうか。以前も言ったと思うが、プロヴィデンスは俺のグロウセイヴァーに装備されているファントムに似た武装を持っている。ファントムと違って射撃しか出来ないのを考えると劣化版と言ってもいいかもしれないがな。とにかく量子通信によるオールレンジ攻撃が可能な武器を持っているからくれぐれも気をつけろ。特にお前はクルーゼとの間に因縁がある分だけ狙われる可能性が高い」
「ああ。だが、何だってまだ出てこないんだ?」
「さて、ジェネシスと同じく機体が完成していないと見るのが妥当だが……」

 自分で呟き、それは無いと首を振る。プロヴィデンスはフリーダム、ジャスティスと共に開発された機体なのだから、キラがフリーダムを奪って2ヶ月以上が経った今でも未完成という事は無いだろう。
 となると、ザフトの最後の切り札として温存されていると考えるのが妥当か? あるいは機体自体は完成していても、その最大の特徴であるドラグーン・システムの最終調整に手間取っている可能性も考えられるか。

「とにかく、クルーゼの新型相手にストライクでは荷が重い。奴が出てきたら俺が相手をするから、クルーゼを感じたら俺に知らせてくれ」
「しょうがないな。奴との因縁には俺がこの手でケリを付けたかったんだがな。……っと! あの新型の量産機はなかなかやるな」

 ムウの言葉から察するに、どうやらゲイツとやり合っているらしい。……性能の高い新型量産機なんだし、メギロートに脅威度の高い機体と認識されて優先的に狙われているにも関わらずまだ生き残っているとなると、それだけ腕のいいパイロットが操縦しているんだろう。

「取りあえず話は分かった。奴の存在を感じたらすぐに知らせる」
「頼む」

 戦闘中のムウに対して、これ以上気を散らせるというのも迷惑な話なので短く用件だけ言ってストライクとの通信を切る。
 さて、この戦場でこちら側が苦戦している場所は……やっぱり中央か。
 この戦域の中央部分。そこではレモンのヴァイスセイヴァーとコーネリアのラピエサージュが量産型ゲシュペンストMk-Ⅱを率いてザフト軍を圧倒している。……圧倒してはいるのだが、ヤキン・ドゥーエからも途切れずにMSが発進してきている為にその対処で前線を押し上げられないのだ。戦力の逐次投入とはザフトらしく無い作戦だが……こちらの消耗を狙っているのか?
 ヤキン・ドゥーエの戦力を減らすという目的を考えるならこの状況を維持すれば目的は果たせるが、どうせならザフト側の戦力消耗を早めてやろう。
 方針を決めると、グロウセイヴァーのバーニアを全開にして中央部分へと向かう。

「あら、アクセル。こっちに来たの?」

 そんなグロウセイヴァーに入ってくる通信。レモンのヴァイスセイヴァーからだ。どこか意地悪い笑みを口元に浮かべながらからかうようにそう言ってくる。

「戦場を見渡した限りだと、この辺に敵戦力が集中しているからな。テコ入れのようなものだ」
「あのねぇ、そういう時には私やコーネリアの身が心配でいてもたってもいられなかったとか言ってみなさいよ」

 ヴァイスセイヴァーがその手に構えたハルバート・ランチャーで複数の光線を放ち、ジン数機を纏めて撃破する。

「そうだな、私としてもそのくらいの甘い会話は期待したい所だ。W1からW3、3時方向にメガ・ビームライフルの一斉発射。敵の出鼻を挫け!」

 通信に割り込みながらも、量産型ゲシュペンストMk-Ⅱに指示をだしながらこちらへと突出しようとしていた5機のジンをメガ・ビームライフルを撃ち込んで混乱させ、その隙をついてO.O.ランチャーを発射するコーネリア。
 そんな2人の様子を苦笑して眺めながら、俺もビームガトリング砲の砲身を展開してビーム弾をばらまく。レモン達の援軍として現れた俺を危険視したのか、グロウセイヴァーを包囲しようとして迫っていたジンとシグーの包囲網を崩して、そこを突破する。

「……メギロートが大分減っているな」

 包囲網を崩して脱出した後、思わずそう呟く。さすがザフトと言うべきか……いや、性能だけならゲイツ並のメギロートを数を頼みに潰しているその戦い方はどちらかと言えば連合軍のものだろう。それだけメギロート相手に形振り構っていられないという事か。

「アクセル様、よろしいでしょうか?」

 グロウセイヴァーを包囲しようとしていたジンやシグーへと向かい、リニアレールガンを使用して1機ずつ確実に狙い撃っているとエターナルにいるラクスからの通信が入る。

「どうした?」
「アイリーン様から合図がありました。ヤキン・ドゥーエの戦力も大分少なくなったようですのでこれから行動に移る、との事です」
「ようやくか。……了解した。俺達はこのまま敵の戦力を引きつけていればいいんだな?」
「はい、お願いします」

 そう言いながらも、ラクスには憂いの表情が浮かんでいる。しょうがないとは言え、同胞の命を奪っているのを悲しんでいるのだろう。

「ラクス、分かってるとは思うが」
「はい、アクセル様の言いたい事は分かっております。ですがもっと他に手段があったのではないかと、どうしてもそのように考えてしまうのです」
「歴史に『たら』や『れば』は不要だが、散っていった命を想うのは悪い事じゃない。……ただし、それもこの戦いを切り抜けてからだがな」

 本来のSEEDの歴史を散々変えている俺が言っていい台詞ではないのかもしれないが、ラクスが今迷う事に比べたらどうという事はないだろう。

「……ありがとうございます。この戦いが終わったら、キラと共に戦いで散っていった方達の為に祈りたいと思います」
「フレイはいいのか?」
「そうですね、あの方とも仲良くやっていければ良いのですが。アクセル様の所にいるレモン様、コーネリア様、マリュー様達のように」

 ラクスのこれは、天然なのか計算なのか微妙に迷う所だが……っと!
 ジンが突撃機銃を連射しながらこちらへと突撃してくる。それを回避しながら、胸部装甲を展開して多段頭ミサイルのファイア・ダガーを発射して撃破する。だが、撃破されたジンの爆煙を突破するようにしてD型装備の巨大ミサイルを装備したジンが現れ、そのミサイルをグロウセイヴァーへと向かって撃ち放つ。

「ちぃっ!」

 ガン・レイピアやアダマン・ハルパーでは間に合わない。咄嗟にそう判断し、グロウセイヴァーの顔の横に付けられているバルカンポッドでミサイル弾頭を狙う。

「T-LINKシステム、フルコンタクト! 念動フィールド、全開!」

 T-LINKシステムに念動力を流し込み、念動フィールドの出力を最大にする。それと殆ど時間差が無いままにグロウセイヴァーのすぐ近くでバルカンポッドにより迎撃された大型ミサイルが爆発、爆風やミサイルの破片がグロウセイヴァーへと襲い掛かる。

「ぐううぅぅぅぅっ!」

 さすがに要塞攻略用であるD型装備の大型ミサイルといった所か。しかもそれが4発とあっては、念動フィールドを展開していてもその衝撃はグロウセイヴァーを激しく揺らす。
 ミサイルの爆煙が周囲を覆う中、揺れを堪えつつも周囲の煙に紛れるようにしてファントムを5機射出する。そして爆煙が晴れると、当然と言うべきかこちらへとトドメの一撃を加えようと突撃機銃で狙いを定めているジンの姿があった。
 だが、甘いっ!

「ファントムっ!」

 T-LINKシステムにより、俺の意志のままに宇宙を飛び回るファントム。そのファントムがレーザーブレードという牙を剥き出しにして宇宙を斬り裂くような速度でジンへと四方八方から襲い掛かった。
 当然敵を俺のグロウセイヴァー1機だけと認識しているジンにはその攻撃を回避出来る筈も無く、コックピットや頭部、バックパック等を貫通され、爆散する。

「ふぅ、今のはちょっとやばかったな」

 念動フィールドがあるとは言え、装甲自体はアシュセイヴァーと変わらないので物理的な防御力という意味ではストライクやブリッツのPS装甲、あるいは後期GAT-XシリーズのTP装甲の方が優秀だったりする。
 もっとも、グロウセイヴァーは基本的に回避を前提にした機体だからその辺に不満は特に無いのだが。
 だが……

「この戦争が終わったらレモンにPS装甲の採用を打診してみるか」

 レモンを始めとした技術班ならPS装甲の技術くらいはすぐに使えるようになるだろう。PS装甲開発メンバーのマリューもいる事だし。

「アクセル!」
「ムウ?」

 こちらへと向かって来る敵を排除し終わり、戦争後の事を考えていると唐突にムウからの通信が入ってくる。その表情は厳しく引き締められており、それだけで何の用件かは想像がついた。

「奴だ、クルーゼの野郎が戦場に出てきた!」

 そしてムウの口から放たれた言葉は、予想通りにこの世界の終焉を望むラウ・ル・クルーゼがこの戦場に降り立った事を示すものだった。 
 

 
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:37
PP:580
格闘:258
射撃:278
技量:268
防御:268
回避:298
命中:318
SP:454
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???

撃墜数:369 
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