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DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)

作者:あちゃ
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第5章:導かれし者達…トラブルを抱える
  第1話:迷子の美少女リューノです

 
前書き
皆様お待たせ致しました。
第5章の始まりです。
サブタイトルを見ればお分かりと思いますが、リューノ(スノウの娘)が登場します。
姉のリューラや妹のマリーに比べたら、遥に戦闘能力は低いです。
でも気位だけは一人前♥ 

 
(山奥の村)
シンSIDE

俺は初めて大好きなシンシアにキスをした……
バトウさんの剣術稽古を終え、丘の上の花畑で疲れ切っていた所にシンシアが近寄り、可愛い笑顔で『今日もお疲れ』って言われました。
だから俺は『シンシアの笑顔を見たら疲れも吹っ飛ぶよ』って真顔で言ったら、シンシアが顔を赤らめて顔を近付けてきたので、我慢出来ずキスをしちゃいました。


俺の名前はシン。
この名も無き村以外、外の世界を知らない見習い剣士。
優しい父さんと母さんに愛され、厳しいけど頼りになる剣術師匠バトウさんと、この村の長老でもある魔道士エイコブさんに指導を受け育ってきた。

そして大好きなシンシア……
彼女はエルフと言われ、俺達人間とは違うらしくエイコブさんでも使えない魔法を使う、凄く可愛い少女だ。
何時も俺を子供扱いするのが玉に瑕だけど、可愛いから許せてしまう愛嬌がある。


俺は彼女(シンシア)から唇を離し、綺麗な青い瞳を見詰めて囁く……
「シンシア……大好きだ……」
シンシアは俺の言葉に頷き、頬を染めながら囁き返す……
「私もよシン」

俺にとってシンシアが人間であるかないかは関係ない!
大好きなシンシアであるのだから、それ以外の事に興味はない。
何より相思相愛の俺達に障害なんて何もないだろう!
そう思い俺は再度キスをしようとシンシアへ顔を近付ける……と、

(ドサッ!)「きゃあ!」「うぎゃぁ!」
俺の上へ女の子の悲鳴と共に何かが落ちてきた!
もの凄く痛かったが、もの凄く柔らかい何かが俺の顔を覆い、真っ暗闇へと引きずり込まれる。

どうする事も出来ず、顔の柔らかい感触を味わいながら暗闇に佇むんで居ると、俺の顔を覆う何かの上の方で女の子の声が響いてくる。
……もしかして、俺の上に覆い被さっているのは女の子?

「あ~……ビックリした! ……ちょっと此処は何処よ!? ねぇビアンカさん……お父さん達は何処に行っちゃったの? あれ、ビアンカさん……若返った?」

シンSIDE END



(山奥の村)

ブランカ王国領の首都より北の山奥へ行った場所に存在する名も無き村で、まだ己の運命を知らない少年『シン』が、淡い青春の日々を過ごしていた。
彼以外の者は、彼が悪を打ち倒す伝説の勇者である事を知っている。
その為、魔族に見つからない様ひっそりと暮らし、勇者を育ててきたのだ。

そんな村に突如現れたのは、妹の我が儘と神々の計略で送り込まれた異時代の少女リューノ……
青春真っ直中少年シンの2度目のキスを邪魔しておきながら、当人は訳も解らず困惑している。
シンの恋人…シンシアを、敬愛する父の妻だと間違えて……





(山奥の村)
リューノSIDE

私がこの名前すら無いド田舎へ放り出されて数日が経つ……
突然の事で混乱しまくりだった私……何より混乱を深めた人物が、ビアンカさんにソックリのシンシアさんだ!
本物とは違い彼女はエルフなのだが、シンとイチャついてるとこをお父さんが見たらブチ切れるだろう。

因みに『シン』とはこの村に住む少年の事で、どうやら皆が特別扱いをしている。
と言っても、過保護にしているのではなく、恋人(だろう)シンシアすらも厳しく(シン)を鍛え上げているのだ!
しかも外界には出さず村の中だけで……

この村自体が妙な村で……
特別な理由が無い限り、村に立ち寄る事も出て行く事も出来ないルールになっている。
私みたいに突然異時代からやってきてしまった場合は、しょうがないとして村での生活を許してくれているが、そのかわり村を出る事を許してもらえない。

お父さんもこの時代に来ているはずだから、捜して合流しなきゃならないと泣き叫んだら、村の大人が順番で町へ買い出しを行いに行った時に、情報を仕入れてくるから、子供は村から出てはいけないと言われた。

村のルールに納得が出来何であれば、一人で勝手に出て行く様に冷たく言われる……
モンスター蔓延る外界に、幼く可憐な少女を一人で放り出そうとする大人達……
どんな神経してやがるんだ!?

私は我が儘マリーの様に神経も図太く攻撃魔法にも長けておらず、根暗リューラの様に好戦的筋肉娘じゃないから、一人で旅をする事なんて出来るはずもないので、シンのお家にご厄介になる道を選択しました。

基本的に皆さんは優しい人達ばかりなので、慣れれば普通に生活出来るのだけど……
やっぱりお父さんと会えないのは寂しくて、夜になるとベッドに潜って泣いてしまう。
気付いたシンが、気を使って優しく慰めてくれるのでかけれど……
自分のプライドが邪魔をして、彼に八つ当たりをしてしまいます。

本当は感謝しなきゃダメなんだろうけど……
お父さんやお母さんが見たら怒るかな?
早く会いたいよぉ……

リューノSIDE END



(山奥の村)
シンSIDE

突然俺の上に現れた少女リューノちゃん。
この村の掟で外界へ出る事が禁じられ、はぐれた家族を探せない事に激怒していたけど、本当に家族と会いたいんだなと思う。

毎晩ベッドに潜って泣いてるんだ……
最初はどうして良いのか判らず困ったけど、シンシアに相談したら『お兄ちゃんとして慰めてあげなさい』って優しく言われたんだ。

そうだよね!
リューノちゃんはまだ12歳らしいし、俺が優しく接してあげなきゃ可哀想だよね。
リューノちゃんには申し訳ないけど、何だか妹が出来たみたいでちょっと嬉しくなっちゃった。

だから『リューノちゃん……寂しいんだったら俺のベッドで一緒に寝ようか?』って言ったんだけど……
『アンタ馬鹿!? そんな事言って押し倒すのが目的でしょ! 私は尻軽女じゃないのよ、簡単に抱けると思わないでよね!』って、凄い怒鳴られ方をしました。

凄い台詞を知っている女の子だなぁ……

シンSIDE END



 
 

 
後書き
本当はリューノも良い子なんですよ。
ちょっとプライドが高く素直になれないだけなの。 
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