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ヘタリア大帝国

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TURN68 連合軍の反撃その九

「に、二十個艦隊なんて勝てないブーーー!」
「エイリス容赦ないブーーー!」
「一個艦隊でも勝てないのにあんまりだブーーーー!」
「二十個艦隊なんてローマまで陥落させられるブーーー!」
「あたし達だけでエイリス軍の相手をしないとね」
「しかもエイリス軍は間違いなくイタリン軍は攻めない」
 ロンメルはこのことをここで指摘した。
「恐慌状態に陥って戦闘不能になっている軍はまずは置いていい」
「問題は俺達か」
「そういうことだね」
「そうだ、我々さえ倒せば北アフリカ、そしてイタリンも攻め取れる」
 そしてそれは妄想ではなかった。
「エイリス軍一個艦隊でイタリン軍五個艦隊に匹敵する戦力がある」
「イタちゃん達は戦争弱いからね」
 とはいってもプロイセン妹の顔に嫌悪等はなく親しみさえあるものだ。
「仕方ないね、そこは」
「我々でエイリス軍二十個艦隊tと戦う」
「負けるな、そりゃ」
 プロイセンは深刻な顔になって戦局を予想した。
「幾ら何でもな」
「六倍以上の相手には流石に負けるよ」
 プロイセン妹も言う。
「そんだけ戦力が開いてたらね」
「正直勝ち目はない」 
 ロンメルもこの見方だった。
「絶対にな」
「けれどどうするんだ、ここは」
「戦わない訳にはいかないよね」
「イタリア君達には撤退を勧めよう」
 ロンメルもまたドクツ人でありイタリア達には優しい。
「ここで戦っても全滅するだけだ」
「ナポリで防衛ラインを敷いてか」
「それで戦うんだね」
「グスタフ線もある」  
 ドクツ軍が念の為に設けた防衛ラインである。
「それを使って戦おう」
「まあ。戦局が好転したらな」
「反撃を加えればいいしね」
「あの娘ならやってくれる」
 ロンメルもまたここでレーティアに希望を見出していた。
「絶対にこの状況を好転してくれる」
「ああ、こっちには総統閣下がいるんだ」
「あの人ならやってくれるね」
 プロイセン兄妹もレーティアには絶対の神経、そして尊敬の念を抱いている。彼女がいればこれまで通り危機を好機に転換してくれるというのだ。
 そのことを確信しているが故に彼等も言うのだった。
「北アフリカにはまた上陸するか」
「そうしようね」
「後詰は我々が引き受ける」
 ロンメルはイタリン軍を撤退させ自分達が止まるというのだ。
「我々も無事に撤退する」
「そうしような、ここは」
「皆笑顔でイタリンに下がるよ」
 プロイセン兄妹も確かな顔で言う。そしてだった。
 彼等も北アフリカからの撤退を決意していた。ドクツ軍は北アフリカでも戦局の悪化をはっきりと感じていた。
 フランスはその状況を太平洋で見ていた。それでこう自分の妹とシャルロットに述べた。
「何か複雑な気分だよね」
「そうですね、ドクツは敵でしたが」
「今我々は枢軸にいますから」
 フランス妹とシャルロットも複雑な表情である。
「ドクツの敗北は望ましいことではありません」
「私もです」
「ドイツの奴もあっちの総統も星域返してくれるっていうしな」
 日本と宇垣が交渉でこのことを勝ち取っているのだ。
「だからな。今はドクツはな」
「はい、味方です」
「同じ枢軸となります」
「まあ。戦争してたら陣営変わるのってあるからな」
 フランスも言う。
「こういうこともあるにしても」
「負けていますから」
「それがどうも」
 しこりはあるのだ。マジノ線を破られたことは屈辱である、だがそれでもとなるのだった。
「しかし。ドクツ軍が負けますと」
「こちらにも連合軍が来ますね」
「そうなるな。昨日味方、まあ一応そうなるな」
 フランスは連合国の仲の悪さもふと思い出した。
「そいつ等と戦うのもな」
「いえ、お兄様は既にアメリカさん、中国さんの敵になっていますので」
 フランス妹は兄にこのことを話した。 
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