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ヘタリア大帝国

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TURN67 ドクツ軍壊走その八

「それしかありません。このままでは全滅するだけです」
「わかった。それではだ」
「今から全軍で」
「一旦態勢を立て直します」
 そうしなければどうしようもなかった。
「そうします」
「よし、それではだ」
「今からスモレンスクまで」
 ドイツ兄妹はマンシュタインの言葉に頷いた。そして他の国家達もだった。
 彼等はモスクワから撤退した。マンシュタインの指揮により撤退は速やかでかつ組織的に行われた。攻撃は受けながらも何とかスモレンスクまで撤退できた。
 だがモスクワは取れず軍も壊滅状態に陥った。ソビエト軍の鮮やかな勝利だった。
 カテーリンはそれを見てすぐに全軍に命じた。
「追撃です。レニングラード、カザフにも援軍を送ります」
「そしてなのね」
「うん、一気に追い出すから」
 カテーリンはミーシャにも答える。
「ソビエトからね」
「これで大分違うよね」
「ドクツ軍の主力は叩いたからね」
 まさにニガヨモギのその一撃でだ。
「だからね」
「わかったよ。それじゃあね」
「シベリアから持って来た戦力も全部使うから」
 そのうえでドクツ軍に反撃を仕掛けるというのだ。
「そうするよ」
「わかりました」
 ゲーペもカテーリンに応える。
「では今から」
「ソビエトは強いんだから!」
 カテーリンは妙に意地を張って言い切った。
「そして共有主義は負けないから!」
「それじゃあ今からね」
「スモレンスクに向かいます」
 ロシア兄妹もこうカテーリンに述べる。
「そして奪還するからね」
「他の星域も」
「ロシア平原を解放したらそれからは」
 カテーリンはさらに言う。
「ドクツに入るからね」
「ベルリン攻略だよね」
「ソビエト軍の全軍で進みます」
 その圧倒的な数を使うというのだ。
「押し切るつもりでいくんだから」
「カテーリンちゃんって時々強引だよね」
 ミーシャがまた突っ込みを入れる。
「押し切ったりとかするよね」
「数は力よ」
 実にロシア的な考えである。
「祖国君に教えてもらったの」
「そうだよ。数って強いんだよ」 
 ロシアもそれをその通りだと言う。
「というか数を使わないと負けるからね」
「だからよ」
 それでだというのだ。
「ここでも数を使って一気に行くんだから」
「シベリア方面軍は全てモスクワにいます」
 ゲーペも述べる。
「それをレニングラード、カザフにも送り」
「そして中央もね」
「我が軍はドクツ軍の六倍です」
 ゲーペはソビエト軍の規模も述べた。
「後は補給ですが」
「皆の生活物資は極限まで切り詰めます」
 無論カテーリン達のものもだ。
「給食も。とにかく物資は軍に優先させて」
「そしてですね」
「補給は進めるから」
 カテーリンはそもそも贅沢が嫌いなのでそれでもよかった。しかし国民に忍耐を強いることに思うことはそれ故になかった。 
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