武で語るがよい!
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原作介入
士郎さんとの話を終えた俺は、いつものように山に修行しに行き、夕暮れ時になれば帰宅をする。そんないつもと変らない日常を過ごしいった……。そして俺は今海鳴動物病院という動物病院の近くにある一軒家の屋上からユーノ・スクライアの監視をしている。
というのも自分の部室で見聞色の覇気を発動させていたら、昨日と同じようにスクライアから助けを求める声が聞こえたからだ。
以前は原作の開始前? の状況で、俺が変なタイミングで原作重要キャラのスクライアを救出してしまうと『この世界の主人公である高町なのはが魔導士として覚醒しない』など
原作の流れに変な影響を与えたくなかったので助けなかった。
だが、今回は原作開始の日……つまり、高町なのはが魔導士として覚醒する日だ。
原作では何事も無く無事に終っていたが……この世界には原作に居なかった俺……神田誠という人物が存在している。なら、またクマの時みたいにまたイレギュラーな事態が起こるかも知れない。
俺はそう考えて今夜、高町さんが魔導士として覚醒するのを見届ける為に来たのだ。
「無事に終ってくれたらいいんだけどなぁ……」
心の底から思っている事を呟きながら監視は始まった。
スクライアを監視してからおよそ15分が経過したあたりだろうか?
『はぁはぁ……つ、疲れたの』
この世界の主人公である高町さんが動物病院に到着した……高町さんは動物病院の玄関前で息を大きく吸ったり、吐いたりして自分の呼吸を安定させてる。
一方でもう一匹の来客者が病院の裏手の方から遣って来た。そいつの特徴は黒い体に
赤い瞳、そしてなんとも表現しがたいフォルムをしたYUM的な存在……。
「……あれが思念体ってヤツか」
俺は到着したばかりの高町さんよりも思念体と接触しそうなスクライア方を注意深く見守る。だが、数分と経たずにスクライアの居場所を見つけ出した思念体はスクライアを発見するとスクライアに対し体当たり攻撃を仕掛け、潰そうとしている
―――ドッゴーン!!
―――パリンッ! ガシャン! という音が病院から聞こえてくる
このままではスクライアが危ないのでは? と思う人も居るかもしれない
しかし、スクライアもバカじゃない……。小柄なフェレット状態を利用して小刻みにステップをしながら思念体の攻撃を避け、密閉空間の病院から逃げ場の多い外へと駆け出している。そして、スクライアの逃げた先には高町さんが居る……
「ここまでは原作道理の流れか」
ここまでの流れに問題は無い……と思う
唯一の心配は疲労した高町さんが思念体から逃げれるか心配だが……と心配している間に高町はスクライアを抱えながら走り去って行く。
「……取り合えず、追うか」
俺は今居る一軒家から別の一軒家の屋根へと、高町さん達にばれないように剃を使いながら追う事にした。
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家から家へと移動しながら高町さん達を見ていて2つ思う事がある
一つ目は予想道理、高町さんの疲労がピークに達しそうで心配な事。
そして2つ目は、原作では張られていなかった結界をスクライアが発動させた事だ。
結界……現実世界の空間を切りとり、時間進行をズラす魔法……
その際に術者が許可した者と結界内を視認・結界内に進入する魔法を持つ者以外には
結界内で起こっていることの認識や内部への進入も出来ない……だったはずだ。
ここで一つ疑問が俺の頭を過ぎる……
「じゃあ……なんで俺この空間に居れるんだ?」
俺が神様に求めた特典は『ワンピースに出てくる悪魔の実の能力以外の能力や技術』だ
だから俺に魔法を行使できる能力が有るとは思えない……ならなぜだ?
ワンピースに魔法使いが居た? いやいや、ワンピースに魔法使いなんて居なかった
まぁ、ナミが魔法使いの如く雷などの天候技を繰出すがあれは別物だろう。
「んー謎だ……ん?」
自分の頭を傾げながら考え込んでいると、ズボンのポケットに暖かい何かがある事に気づく、ポケットに手を入れ『何か入れてたっけ?』と思いながら何かを取り出す。
「……ジュエル・シード」
忘れてた……長野からサッカーの練習試合に出る事を条件に貰っておいたやつだ。
『どうせ今日から原作開始だ……破壊せず、高町さんに気づかれないように渡せばいいや』と考えて原作道理に思念体を倒し終えた後、高町さんの帰宅ルートにジュエル・シードを置いて置こうと計画していたのだ。
「もしかして、このジュエル・シードの御かげなのか?」
俺はジュエル・シードを見つめながら考える。
ジュエル・シードは発動までには至らないが、若干光を放っている
そして、この光の暖かさは何と表現すればいいのだろう?
強いて言えば冬に使うコタツのようなぬくぬく感がある。
「まぁ、いいか…ジュエル・シードに強い願いをしなければ発動はしないだろう」
これには理由が有る、原作知識+長野が持っていても発動しなかったからだ
あの時の長野は俺に対して『練習試合に参加して欲しい』と思ったはずだ
しかし、ジュエル・シードは発動しなかった……。
恐らくだが強く願う対象を神様や運命などではなく、お守りなどに願うのと同じような感覚でジュエル・シードに願うと発動するのではないか? と俺は思っている。
『はい、魔法の力を貴女に使って欲しいんです
お礼はします、必ずします! だから……貴女の力を貸してください!』
自分の思考に入っている間にスクライアの声が俺の耳に届く……
どうやら高町さんは思念体から距離を空けることに成功したようだ。
「いよいよか、どうやら俺の監視も必要無かったかな?」
そう思いながらも今か今かと魔法少女として覚醒するその時を待つ……
『そういえば、まだ自己紹介してなかったね
私の名前は、なのは……高町なのはって言うの! なのはって呼んでね』
『あ、はい、僕の名前はユーノ、ユーノ・スクライアっていいます
えっと……僕の事もユーノって呼んでもらって構いません』
『ユーノ君っていうんだ……よろしくね、ユーノ君!』
『えっと……よろしく、なのは』
『うん!』
『グァールルッアァァ!!』
……は?
「おいおい、何でその局面で自己紹介してんだ!
折角思念体との距離を離していたのに追いつかれぞ!」
高町さんとスクライアの行動に思わず声を出してツッコミを入れてしまった
少々声を大きくしてしまったが高町さん達には聞こえなかったようである。
俺の事はさて置き
また走る事になってしまった高町さんはかなり辛い表情をしている……
それもそうだろう、自分の家からあの動物病院まで走って来て、そして今度は思念体から逃げる為にまた走っている。
距離にしたら2.5キロ近く走っているのかもしれない、小学3年生しかも運動音痴で女の子の高町さんにしてみれば一歩一歩進む事も、もう既にキツイだろう。
「高町さんこのままじゃ、ヤバイな……仕方ない」
そう言葉を発しながら俺は180メートル先に居る思念体に向けて
右腕を伸ばし、人差し指を親指に引っ掛け、狙いを定める。
「飛ぶ指銃”撥”」
飛ぶ指銃”撥”
かつてロブ・ルッチがルフィー戦の時に使った指銃の派生技の一つだ。
指銃と同じような速度で空気の塊を人差し指で弾き、攻撃するのがこの技だ。
普通の指銃と違って本物の拳銃の様に『距離を空けて攻撃できる』という観点から考えれば
普通の指銃よりも優秀なのだが、多少欠点がある。
・普通の指銃よりも貫通性そして威力が落ちる
・相手との距離が遠いほど威力が落ちていく
この2つの事が問題なのだ。
一つ目は当然空気の塊を放つのと鍛え上げた自分の指で突くのとでは、明らかに後者の方が強い。
2つ目を簡単に説明すると以下のようになる
10メートル……普通の指銃には劣るがそれでも人体の急所に当たれば人を殺せるレベルだ
50メートル……ヘビー級のボクサーのパンチ力と同等
100メートル……成人男性のパンチ力と同等
150メートル以上は中学生レベルのパンチ力しか威力がない
中距離系の技と言えるのだが……はっきり言おう、嵐脚を使った方が手っ取り早い。
今の俺の嵐脚は220メートルまで威力が衰えないほどになっている
その威力はやろうと思ったら、一軒家を真っ二つに出来るほどだろう……試した事はないが。
今回は高町さんにばれないようにするため、そして思念体の足止めが目的なのでこの技を採用したのだ。本来今回は高町さんとスクライアの力で解決するのが原作の流れであり、それが一番望ましい。
『グァ?…?』
飛ぶ指銃”撥”……中学生並みのパンチ威力を受けて
高町さんを追う事を止め、辺りを警戒しだす思念体……どうやら足止めは成功した様である。
その後は多少誤差は有るものの原作の流れ道理、高町さんは魔法少女として覚醒し
思念体を『リリカルまじかる』と唱えて封印した……その時、その声を聞いて思わず爆笑しそになったのは許して欲しい。生で聞くと威力が段違いだったのだ……笑方面で。
とまぁ、そのような事が有り『もう終ったから帰ろうかなぁ?』と考えていた時である
ふと、目線を高町さんに向けると、どうも様子がおかしい……
高町さんは足元がふらついて、目も半目しか開いていない、見ていて心配になってくる
「大丈夫かあれ? まぁ、今まで走り続けていたのだから…」
と俺が高町さんを遠くから見て一人呟いていた時である
スクライアの叫ぶ声と同時に高町さんが前のめりに倒れようとしているが目に映る
『なのは? ……っは! なのは!』
地面は柔らかい土などではなく、硬いコンクリート……意識を無くした人間が
前のめりに倒れれば大怪我をする可能性は十分高い。
そして、近くにいるスクライアは結界を解いてる最中なので助けれない。
「ッ! 剃!」
俺は瞬時にこの状況のまずさを理解し、高速移動を可能にする剃で高町さんの元まで駆ける
原作へ影響があるのでは? ここで正体をバラスのか? などの考えが頭を過ぎるが振り切る。そんなもの高町さんが怪我をすれば元も子もない! 今はただただ怪我をさせまいと足に力を込める。
そして……高町さんの体が地面に付くか付かないかのギリギリの所で自分の両手を地面にスライドさせ、高町さんを支える。
「ふぅ…間に合った」
安堵のため息が俺の口から自然と漏れる……だが、ジンジンと両手が痛むのを感じる
どうやら、地面にスライドさせる形で高町さんを助けたので両手の手の甲は酷い擦り傷が
出来ていている様だ。
そして、そこから溢れる血が腕から肘へと流れて、ポタポタと血が垂れて行き
灰色の地面に赤い斑点がどんどんと出来上がっていく……
「あ、貴方は誰ですか!? それに一体何処から!?」
その光景を見て転生前の出来事を思い出しそうになるが、後ろから発せられる声を聞き我に返る。高町さんの服に自分の血が付かない様、慎重に手を動かし地面に寝かせ俺はスクライアの方を見る。……改めて見るとコイツフェレットか? と疑いたくなるような顔をしているがひとまず置いて置く
「あぁ、まぁ…通りすがりの高町さんのクラスメートだ
取り合えず、高町さんの治療をお願いしていいかな? 恐らく唯の疲労だと思うけど」
そう言いながら俺はスクライアから地面に寝かせている高町さんへ視線を移す。
「は、はい!」
高町さんへと駆け寄ったスクライアは手を翳し、呪文を唱える。すると翠色の魔力に覆われた高町さんの寝顔から幾分か疲れが抜け、穏やかな表情へと代わって行く。
「えっと……なのはの治療は終りました」
そう言ってスクライアは俺の顔と怪我を見ながら心配そうな目で俺を見てくる
『僕が治しましょうか?』とまるで言いたげな表情だ。
「あぁ、この傷なら心配するな」
「で、ですが……」
やはり俺の傷が心配の様である……。
突然現れて、魔法関係のことをスルーして喋る俺に対して疑惑を持ちながらも俺の怪我を心配するとは……お人好しと言うか何と言うか。……でもまぁ、この怪我なら心配になるか…。
そう思いながら自分の両手の甲を見ると、中々に酷いものである
血は止まっているが、見た感じ血管を傷つけたか? と思えるほどだ。
鉄塊を使えるといっても発動しなければ、今回の様に怪我をする事は度々有った
そう、度々有ったのだ。だから怪我に対する処置も心得ている
俺は自分の怪我をした両手の甲に意識を集中する
そして、自分の傷口にいる細胞一つ一つの動きを活発にする!
「―――生命帰還」
六式ではないがそれに準ずる技……生命帰還
生命帰還は己の細胞又は神経をコントロールをして、体内状態を制御する技……。
まぁ、簡単に説明すると細胞活性による治癒や細胞分裂を繰り返すことで髪を伸ばしたり
髪を自分の手足の様にコントロールする事が出来る、とまぁCP9のクマドリと同じ事ができるのである。
「す、凄い、魔力も使わずに傷が治っていく」
スクライアが賞賛の声を上げている間にも、傷口はどんどんと元の状態へと戻っていく
この技には修行で怪我をした時とかにお世話になった……。
もし、生命帰還を取得出来なかったら母さんによって山への出入りが禁止されていただろ
なんせ月歩の修行の時にミスして、高さ5メートルから落ちて足の骨折ったり、鉄塊の発動が不発して丸太の一撃をもろに受け、肋骨を数本折ったり……とまぁ色々有ったのだ、だから擦り傷ぐらいだったら、そこまで時間を掛けずに治せる。
「ほれ、心配いらなかったろ?」
そう言って俺はスクライアに自分の両手の甲を見せる
「か、完全に治ってる……い、いったいどうやって
いや……それよりも確認したい事があります、貴方は魔導士なんですか?」
「いや、俺は魔導士じゃないよ。
魔導士ってリンカーコアというのが必要なんだろ? 多分俺リンカーコア無いよ?」
俺はスクライアの前で両手を広げて『調べてみる?』と言いたげなポーズをとる
スクライアは俺の行動の意味を察したのか自分の手を掲げだした
「えっと、調べてもいいんですか?」
「どうぞ?」
俺の返事を聞き、スクライアは目を瞑って精神を集中させている。
これで俺がリンカーコアが無いのか有るのかはっきりする、そう考えながらスクライアからの言葉を待つ……というのも魔法が使える事に幾分か興味が有るのだ。
そして、スクライアは目を瞑って4秒経ったあたりで何か慌てた様に目を開けた
はて? どうしたのだ?
「ちょ、ちょっと待ってください!
貴方、リンカーコア以前にジュエル・シード持ってるじゃないですか!?」
「……あぁ、また忘れてた」
俺はスクライアの指摘を受けて、自分のポケットからジュエル・シードをスッと取り出す。
何でかコイツの存在忘れるんだよな……ボケか? いやいや、老人でも有るまいしそんな訳無いか。
「そ、それを早く僕に渡してください! それはとても危ない物なんです!!」
「あーあぁ、そんなに焦らなくても大丈夫だ
何となくだけど、コイツの発動条件とか把握してるから」
そう言いながら俺は屈み
スクライアにジュエル・シードを手渡す
「あ、ありがとうございます
ち、因みにジュエル・シードの発動条件を聞いてもいいですか?」
スクライアは流石に俺が発動条件も把握しているとは思えないのだろう
その瞳は疑いと戸惑いが入り混じったように見える。
「ジュエル・シードの発動条件は基本的にジュエル・シードに願いを込める事
そしてもう一つは魔力をジュエル・シードに直接流し込んで強制発動させることの2つかな?」
「……その通りです
でも、魔導士でもない貴方が一体どうやって知ったんですか?」
俺の答えにスクライアは一瞬目を見開くが、直に冷静さを取り戻し
ジュエル・シードの発動条件をなぜ知っているのか聞いてくる。
まぁ、確かにスクライアからすれば魔導士でもない、しかも数日前にこの地球に
落ちてきたジュエル・シードの事をここまで知っていれば疑いたくなるか……。
「あーぁ、まぁ、そのジュエル・シードに数回遭遇する機会が有ってな
いわゆる経験から学んだというヤツだ」
なんか、自分で言ってかなり胡散臭い理由だが嘘は吐いて無い
現に長野の一件でジュエル・シード自体に願いを込めなければならないというのが立証されている。まぁ、体外原作知識に頼っているがその事は話さなくてもいいだろう……話がややこしくなるからな
「経験……っは! ジュエル・シードが暴走して何か起きなかったですか!?
あれは暴走したら手が付けれないもので、魔導士の居ない管理外世界の人たちでは対応する
ことは不可能なんです!」
スクライアは俺の話を聞いて良くない事を想像したのだろう。
その言葉には必死さと後悔が混じっているように聞こえる……恐らく、自分がこの海鳴市にジュエル・シードをばら撒いてしまった事に責任を感じてるからそれが自然と言葉に表れたのだろう。
だが、俺が見てきた限り、クマの一件位しか暴走と呼べる事件は起きてはいない
なので『そんなに思いつめなくてもいいのでは?』と思ってしまう。
「俺の表現が悪かったかもしれんが、ジュエル・シードの暴走が有ったのは一回だけだ
そして、そのジュエル・シードの被害は出ていない、だから心配するな」
「で、でも! 僕のせいで!」
俺の言葉に納得がいかないという表情を抱いたままスクライアは俺に抗議する。
その抗議を聞き終えたあたりで、『そういえば、今何時だ?』と気になったので
俺は自分のポケットから携帯を取り出しディスプレイ画面に表示されている時刻を見る
PM9:30分
流石にそろそろ高町さんを家に帰さないとまずくないか? という考えが俺の頭にふと思いつく高町さんは主人公である以前に女の子、しかも小学3年生……
今の時間に町をふらふらと出歩いていい歳ではない、士郎さん達も心配するだろう。
てか、俺もそろそろ帰らないとまずい……。
何せ俺も原作の高町さんと一緒で、親に外出する事を話していない
理由としては、親が許可してくれなさそうだからである。
また、例え許可が下りても『子供だけだと危ないから付いて行く』と言われるのが目に見えていたのだ。
しかし、幸いな事に俺の部屋は鍵が掛けれるタイプになっているので、鍵を掛け、そして玄関から外に出るのではなく、靴を自分の部室へと持って行き、窓から剃を使って動物病院まで行ったのである、だから親にばれる心配は低いと思うがそれでも不安になる……という訳でやる事やって早々に帰宅したいと思う。
「なぁ、ジュエル・シードの話とかは明日にでも出来るし、今日はもうやめないか?
早く高町さんを家に返さないと家族が心配するだろうし……。
それに女の子を何時までも地べたに寝かせて置く訳には行かないだろ?」
俺の言葉にスクライアはまたもや、ッは! とした表情を浮かべ
高町さんの方を見つめる、どうやら俺との会話に集中しすぎていた様である。
「すみません……熱くなってしまって…。
貴方の言うとおりです、早くなのはを家に帰してあげましょう」
「よっし、それじゃあ……取り合えず今から移動するから俺の肩にでも乗ってくれ」
「あ、はい」
スクライアが俺の肩の上に乗った事を確認した後、俺は今だ眠っている高町さんの元えと歩み寄るそして、高町さんの元へと着くと俺は高町さんの腰と膝に手を回し持ち上げる
まぁ、世間的に言えばお姫様抱っこというやつだ。
「確り俺の肩に捕まってろよ? 落ちたら面倒だから」
高町さんは俺が抱えているので問題は無いのだが、スクライアの方が心配になったので一応忠告しておく。
「え? は、はい……あの今から何をするんですか?」
「見れば判るよ……月歩!」
俺は高町さんとスクライアを乗せて月歩で空中へと移動する。
今俺が月歩を使ったのは理由がある
一つ目は警察に見つかったら俺と高町さんは補導されてしまう可能性が有るから
二つ目は高町さんの家まで空で移動する方が早い+今は夜なので人に見付りにくいからだ
(剃を使わない理由は高町さんを抱えている為バランスが取り難く、事故する可能性が有るからである)
「え、えぇぇ!? 今度は魔力を使わずに空を飛んでる!?」
生命帰還を使った時以上にスクライアは驚きの声を上げている。
『正直、耳元で叫ばれたら辛いのだが…』と心の中で呟きながら俺は高町家を目指すのだった。
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