ソードアートオンライン VIRUS
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決着
前書き
双・大剣士コラボの終わり。次は氷の剣士です。書き換え終了!
「まさか、この世界でバルバトス以外のテイルズのキャラクター、しかもアビスの主人公と闘うなんて思わなかったぜ」
リクヤはルークを見てそう呟く。この世界ではテイルズはマイナーゲームだったはずなのだがゲツガが来たことによって何か変わったのかこのような場所が現れたり、アッシュやルークも現れた。分けわからないが今はすごく興奮している。急展開だが主人公と闘えるなんて絶対にないことだと思っていたがまさかこんなところで起こるなんて。
感動しているなか、ルークはリクヤに向けて突っ込んでくる。
「双牙斬!!」
「じゃあ、俺もいくぜ!!驟雨虎牙破斬!!」
そしてリクヤの剣とルークの剣がぶつかり合う。案の定リクヤの剣のほうが重みで勝っているためルークの剣は弾かれる。そのあと、ルークはスキルをキャンセルされたからなのかうまく動けていない。
そこに大剣で突きというものすごい攻撃の後、切り上げる。ルークは何とかガードしているが浮いてしまう。
「てりゃあああああ!!」
だが、驟雨虎牙破斬はまだ終わっていない。連続突きのあと切り上げ、その後に回し蹴りをしてからの切り下ろしだ。リクヤはルークに向けて攻撃の手を休めない。スキルが終了した後、ルークはリクヤから大きく距離を取った。
「鋭召来!!」
「鋭召来かよ、めんどくせぇんだよな、あれ」
そう言ってリクヤはルークに向かって駆ける。しかし、AIかと思われるルークはそれを判断していたらしく、スキルを使って一瞬で距離を縮める。
「ッ!このスキルって……!!」
リクヤは急ブレーキをかけて後ろに飛んだ。
「穿衝破!!」
そして先ほど頭があった場所にルークがアッパーを決めていた。そして後ろに飛んでまだ足が着いていない時にルークは素早く新たなスキルを使用する。
「通牙連破斬!!」
ルークは剣を切り下ろしてくる。それを大剣でガードすると、その隙に腹に拳を叩き込まれる。
「がはぁ!」
その後、ルークはジャンプを加えた切り上げをする。それを何とか防ぎきり、ルークから離れるためにルークを剣で弾き飛ばし、自分も大きく後ろに飛ぶ。
「いってぇー……切り下ろしからの拳ってのはわかってたんだがゲームと違ってタイミングをずらせたのかよ。実際だったら切り下ろしをちゃんを最後までした後にするのにさあ」
「鋭招来!!」
ルークは離れているうちに鋭招来を唱えている。
「やば!あれって確か回復があったんだった!それにクリティカルも5%アップとかっだった!!」
リクヤは少しジグザグを加えてルークに近づく。先ほどのように穿衝破のあとのスキルを食らうというのは一回で十分だ。
そしてルークと距離を少し開けた状態からスキルを放つ。
「獅子戦吼!!」
このスキルから発生する獅子の闘気でルークを攻撃する。ルークはそれをすかさず避ける。しかし、避けることを前提にして撃ったためその後の追撃をちゃんと考えていた。
「食らえ、列空斬!」
そう叫んだ瞬間、ルークの周りに魔方陣のようなものが展開される。
「守護方陣!」
「って、そんなのありかよ!!」
そう思った瞬間、先にピックのようなものがルークの腕に数本刺さる。そのおかげで展開されていた魔方陣が瞬時に消えてルークは無防備の状態になる。
「ちゃんとしなさい、リクヤ!!」
ユカの援護のおかげでルークの攻撃を食らわなかったことに息を吐いてから、ルークに剣撃を浴びせる。
ルークはキャンセルされたことにより何も出来ないままスキルを食らってしまう。最後の一振りで吹き飛んだルークは壁際まで吹き飛んだ。
ルークは壁を支えに立ち上がると再び鋭招来を唱える。そして少し傷が癒えたのか今度はルークが攻撃してくる。
「双牙斬!!」
リクヤはそれを軽く避ける。しかし、ルークはそのままリクヤに接近することが目的だったようでそのまま拳を再び腹に叩き込む。
「列衝破!!」
「何で気にもダメージ判定があるのを近距離で使うんだよ!!」
そう叫びながらなるべく当たり判定を少なくするように身体を少しずらしてダメージを最小限に留めて攻撃しようとするとルークから闘気のようなものが溢れてくる。
「まさか……」
リクヤは冷や汗をかく。それと同時に頭がこの技を知っているため身体を動かして大きく後ろに飛ぶ。
「うおおおおおおお!!」
ルークの闘気のようなものが少しだがリクヤの身体に突き刺すような痛みを与える。そして目の前にいるリクヤに向けてルークは叫んだ。
「レイディアント・ハウル!!」
そう言って波動をリクヤに向けてはなつ。それを避けようとするが後ろに動けていないゲツガの姿が目に入った。リクヤは避けるのをやめて、波動を大剣で受け止めようとする。しかし、この攻撃は今まで使っていた特技や奥義ではなく秘奥義だ。そんな簡単に受け止められるはずもなくどんどん身体が後ろに下がり始める。
「リクヤ!!私がゲツガを何とかするからそれまで耐えて!!」
ユカがそう言ってゲツガに近寄ろうとするとアッシュが相手をユカに変えて攻撃してくる。
「何でこんな時にこんな面倒なのよ!!」
ユカは毒づき一定距離を保ってアッシュに応戦する。しかし、リクヤもいつまでもこの状態はきついので壁に座っているように見えるゲツガに叫んだ。
「何、ぼさっと座ってんだよ、ゲツガ!お前、それでも攻略組かよ!!さっさと立って自分のやるべきことをしろ!!」
リクヤが叫ぶ。すると、ゲツガに一瞬のノイズがかかったように見えた。するとゲツガはゆっくりと立ちあがり、回復結晶を取り出すとヒールと唱えて全回復する。
「すまねぇな。ちょっと痛みがひどすぎて気絶してたわ。もう俺も出し惜しみ無しの本気出していくわ」
そう言うとリクヤの防いでいる波動のところまで一瞬で到着する。あまりの速さに目を疑うがその後のほうが問題だ。
「うらぁ!」
波動を真っ二つに叩き割ったのだ。実体のない物にこんなことが出来るのであろうかと言う疑問が出来上がるがそんなことはもうどうでもよかった。
「……ったく。そんな隠しダマを持ってんだったら早く使えよ」
「これは諸刃の剣みたいなものだからあんまし使いたくないんだよ」
そう言ったゲツガにアッシュの方にいるユカに視線を向ける。ゲツガは一瞬で理解して頷くとアッシュの方にものすごい速さで行った。これは自分も本気を出していくしかないなと思い素早くもう一つの剣、キャリバーンを装備した。
「こっからは俺も出し惜しみなしで行くぜ!」
そして二刀流スキル《ダブルサキュラー》を使用する。ルークは必死に応戦しようとするが先ほどの秘奥義の疲労と剣が二刀になったことで防げなくなり相当な勢いで体力が減っていっている。
「うおおおおおおお!!」
リクヤは最後の一撃をルークに向けてはなつ。それをルークは防ぐが剣が先に駄目になって折れてしまい、斬撃を食らった。しかしその攻撃で決めることが出来ず、ルークのHPは数ドット残った。武器を失ったルークは反撃するかと思いきや、笑みを浮かべると口をゆっくりと動かして言った。
「おまえ、強いな。正直、こんなになるまで戦うなんて思ってなかった」
「ああ、俺も。だけど正直戦えてよかったと思うよ。テイルズの主人公と戦えて感動したよ」
「なんかわからないが喜んでもらえたならよかった。それと悪かったな、いきなり攻撃して。何か知らないけど体が勝手に動いてたんだ」
「別にいいぜ。こっちは正直、戦う気でいたんだからな」
リクヤは二カッと笑うとルーク苦笑した。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
背中を打ちつけた瞬間、意識が飛んだ。意識を飛ばないように我慢してきたがさすがにもう無理だったようだ。だが、意識がないのに声が聞こえてきた。
「何、ぼさっと座ってんだよ、ゲツガ!お前、それでも攻略組かよ!!さっさと立って自分のやるべきことをしろ!!」
その声が耳に届く。その声は耳よりも心に響く感じがした。その瞬間、意識はもうろうとだがなんとか起きる。あんな強い相手なら出し惜しみも無しだ。俺も本気で行ってやる。そう思ってスキル、殺陣を使用する。すると体中は痛いが意識は完全に覚醒する。ゲツガはポケットから回復結晶を取り出して完全回復する。HPも回復し、体の痛みも抜けた。
「すまねぇな。ちょっと痛みがひどすぎて気絶してたわ。もう俺も本気出していくから」
そう言ってゲツガは一瞬でリクヤの隣まで来ると素早くリクヤが抑えていた波動を真っ二つに切り裂いた。波動を二つに切ると勢いをなくして霧散した。
「……ったく。そんな隠しダマを持ってんだったら早く使えよ」
「これは諸刃の剣みたいなものだからあんまし使いたくないんだよ」
そう言うとリクヤはユカのほうに目をやる。ユカはアッシュと戦っていた。ゲツガは頷くとすぐにアッシュのもとにかけた。一瞬とまではいかないがすぐにアッシュのもとに着く。そして素早く剣を振るう。
しかし、アッシュは一瞬早くゲツガの存在に気付きそれを回避する。
「ちょっと、ゲツガ!危なかったんだからね!」
「悪いって、こっちにも色々と事情があるから」
そう言ってアッシュに向けて剣を振る。今までとは違う一撃。アッシュはそれを受け止めようとはせずに避ける。そしてスキルを使う。
「閃光墜刃牙!!」
ゲツガは剣を握り潰して、無理やりキャンセルさせる。さすがに無茶無謀無理なものをみてユカは口を開ける。さすがにアッシュの顔も驚きが隠せていない。ゲツガは一瞬でかたをつけるために剣を振り下ろす。
アッシュも簡単には負けまいとスキルを使用する。
「穿衝破!!」
「もう食らうかよ!!」
ウェポンキラーの応用でアッシュの腕ごと切り落とす。そして、スキルがキャンセルされたアッシュは何も出来ないまま、ゲツガの剣撃を食らう。殺陣で威力の上がった剣撃を五発も食わせるとアッシュの残り体力が数ドット残ったところで攻撃を止める。止めたのは、アッシュから殺気やヤル気がなくなったからだ。そしてアッシュはこちらを苦笑しながら見て言った。
「なんて出鱈目のことが出来るんだよ、お前は」
「それは俺はバグ的な存在だからな」
「ったく、ふざけた野郎だ」
そう言うとアッシュはまだある腕の手に拳を握って突き出してきた。ゲツガは意味を察して自分も突き出した。アッシュの拳と自分の拳を打ちつける。そして話すと、アッシュはその拳を広げると中に紙らしき物があった。それをゲツガはもらう。
「お前が帰るために必要なものだ」
「これがか?」
「そんなことは知らん。だが、お前に必要なものだろう?」
それをよく見るとこの世界に来る前にゲットしたものと酷似していることに気付いた。
「ああ多分、ありがとう」
「別に大丈夫だ。俺には必要ないからな」
そう言って途端、大きな揺れが襲った。
「なんだ!?」
「なんなのよ、これ!?」
「おい、ゲツガ、ユカ、大丈夫か!?」
三人は互いの無事を確認するために声を出す。そして安全を確認するとリクヤがルークに聞いた。
「ルーク、これが何かわかるか!?」
「これは俺らがそっちの男にチケットを渡したら起きる仕組みだ。それと、なぜか転移は使えないらしい!」
「まじかよ!?」
「そんなのってありなの!?」
「ルーク、アッシュ!他に脱出方法はないのか!?」
そう言うとアッシュが叫んだ。
「方法は超振動を起こすんだ!幸い、ここは音素が大量に充満している!ゲツガの攻撃とリクヤの攻撃を打ち合わせたら擬似的な超振動がおこるはずだ!」
「その超振動ってやつはなんだ!?」
「同じ音素、ここはそれは関係ないが、同じ力を打ち合わせて分解、再構築をものだ」
「でも、それって移動させるものじゃなかったんだっけ!?」
「それじゃ、どうやって脱出すんのよ!?」
「何か知らないけど試すしかないんだろ!」
ゲツガはそう言って揺れを無視して立ち上がる。
「それしか方法がないんなら試すしかないだろ!リクヤ!俺らにしか出来ないならやるしかないだろ!」
ゲツガはそう叫ぶとリクヤのほうに向かって走り始める。
「そっちがやるんだったら俺もやらないわけにはいかないな。ユカ!俺とゲツガが攻撃をあわせた瞬間に飛び込んで来いよ!」
そう言ってリクヤも剣を持ってゲツガに向けて走り出す。
「わかったわよ!必ず成功させなさいよ二人とも!!」
ユカの叫び声をあげたと同時にゲツガとリクヤの距離はすでに剣を打ち合える距離まで達していた。
「うらああああ!!」
「せいっ!!」
二人は渾身の一撃を打ち合わせる。すると剣がぶつかり合ったと同時に周辺の空間がゆがみ始める。いや、ゲツガとリクヤを囲んだ二メートルほどの空間だけ球体の形でゆがんでいるのだ。
「成功か!?」
「まだわからん!とりあえずユカ、来い!」
「わかってるわよ!!」
ユカはすでにこちらまで走ってきていてその球体に飛び込んできた。それをリクヤが受け止めると同時に自分たちの体が消えていくのを感じたと思うと、もう目の前はすでに真っ白であった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「俺たちもそろそろ消えるのか」
「そうだな。俺らの役目も終わったしな」
二人の赤髪の剣士二人は崩れゆく施設の揺れをものともせず立っていた。そしてルークはアッシュに向けて言った。
「何で、俺らがここに来たか最初はわからなかったけど、あいつらと剣をあわせてわかった気がする」
「奇遇だな、俺もだ」
「俺は他のゲーム世界のやつと戦いたかったんだと思う。あんな強い奴と当たれてよかったぜ」
「俺もよかったと思うが、俺らがこの世界に来た理由は別だ。来た訳は俺が戦ったゲツガのせいだろうな」
「何でそう思うんだ?」
ルークは訊ねるとアッシュは答えた。
「あいつの力の原因は俺らがつれてこられたときの力と似ていたからな。多分、あいつの中のやつが俺らを呼び出したんだろう」
「っていうことは、ゲツガの中にいる何かが俺らを呼び出したわけか?」
「まあ、そうなるな。まあ、多分、中のやつらは特に理由はないだろうけどな。っとそろそろ時間らしい」
アッシュたちの身体は半透明になっていた。
「まあ、わからないけどいいじゃねえか。あいつらと戦えたんだからな」
「それもそうだな」
二人はそう言うと笑みを浮かべ、消えていった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「あでっ!」
「痛い!」
「ふごっ!」
「あだっ!」
上からリクヤ、ユカ、リクヤ、ゲツガである。リクヤたちは出てきたところが二メートルほどの空中でそこから落ちたのだ。ゲツガは受身を取れずに背中から落ち、リクヤも背中から落ちたがその後ユカがその上に落下。落ちた場所は、ダンジョンの入り口であった。
「いってー、何とか成功したみたいだな」
「ホント、一時はどうなるかと思ったわ」
「そうだけど……ユカ早く退いてくれ」
「あっ、ごめん」
そう言ってユカはリクヤの上から退く。
「だけど、超振動って確かこういう使用じゃなかった様な気がするんだけど」
「もう気にしなくていいじゃねえか。無事に脱出できたんだし」
「確かにゲツガの言うとおりね。助かったんだからいいじゃない」
「そうだよな~。脱出できたしいいか」
そしてユカはゲツガに向かって言った。
「それよりもアンタって案外まともと思っていたのに無茶苦茶だわ。リクヤに相当するんじゃないの?」
「ユカ、聞こえてるからな」
「聞こえるように言ってんの」
ゲツガは二人の会話を苦笑してみていると、リクヤがそういえばと言って聞いてきた。
「それよりもさっきアッシュと戦ったあと何かもらってなかったか?」
「そういえば何か掴んでたわね」
そういわれたのでゲツガは手に握るチケットを二人に見せた。
「これだ」
「これって最初に見せてくれたチケット?」
「つうことはあるものってこれのことだったのか?」
「多分、まあ、これで俺は元の世界に帰れるってことか」
そう言うと同時にチケットが光り始める。
「そろそろお別れっぽいな」
「ああ、そうみたいだな」
「ちょっとしか交流がなかったかもしれないけど貴重な体験だったわ」
「俺も、お前が来たおかげでアビスの主人公と戦えてよかったと思ってる」
二人とは半日も経っていないがすごく楽しかった。本当にココで別れるのは惜しいくらい。しかし、自分には元の世界が二人にはこちらの世界でやらなければならないことがあるだろう。なので、ゲツガは二人に向けて言った。
「二人と冒険してとても楽しかったぜ。まだ色々と冒険したかったけど二人にも俺にもやらなきゃいけないことあるもんな。また、こんな体験が出来る時には今度はゆっくりと話そうぜ」
「ああ、俺もそうしたいと思ってる。今度はこっちのキリトやアスナも紹介してやるよ」
「私も楽しかったわ。今度はもうちょっとゆっくりしていきなさいよ」
互いに握手をするとゲツガはチケットを手放す。するとチケットはダンジョンのあった地面のほうに行き、吸い込まれた。あそこから帰れるということらしい。
「じゃあ、二人とも元気でな」
「ゲツガもな」
「しっかりやりなさいよ」
そしてゲツガは地面を降りるようにして中に吸い込まれて消えた。
後書き
涙カノさん、キャラクターの提供ありがとうございました!!
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