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仮面ライダーオーズ 心が熱くなるもの

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第二十二章

 比奈はこう火野に対して言った。
「じゃあ映司君はね」
「うん、このまま突っ切って」
「グリードもドーパメントも私達が引き受けるから」
 だからだとだ。比奈はまた言う。
「変身してすぐにアリーナの中までね」
「入るよ。そして」
「そのアリーナの中で」
「アンクと絶対にまた」
 赤い、まさに彼の色のそれを取り出して見ながらだ。火野は言った。
「会って。そして」
「そしてよね」
「また一緒に生きて戦う為に」
 まさにその為だとだ。火野も真剣に比奈に返す。
「俺はアリーナの中に入るよ」
「ええ、本当に気をつけてね」
「そうするよ。じゃあ」
 ベルトを出しそれを腰に装着してだ。
 そして自分でコインを出しベルトの中に入れていくだ。左腕を胸の前で斜め上に置きそれからだ。彼は意を決した顔でこう叫んだのだった。
「変身!」
 あの独特の声がしてそれからだ。火野はその全身を白い眩い光に包まれた。そして。
 その光が一瞬の瞬きをしてから消えるとだ。そこにだ。
 仮面ライダーオーズがいた。そしてオーズはだ。 
 一直線にアリーナの入り口まで突き進む。その彼にだ。
 グリードもドーパメントも襲い掛かる。だがその彼等を。
 火野は突き進みながら拳や蹴りを浴びせて寄せ付けずだ。
 駆けていく。その彼の左横には。
 比奈がいて如何にも重そうな鉄の棒を縦横に振り回してだ。それでグリードもドーパメントも寄せ付けない。その強さはさながら武将だった。
 その比奈にだ。オーズはこう言った。
「有り難いね。けれどね」
「けれど?」
「比奈ちゃんって武将じゃないよね。武芸者とか」
「普通の女子大生だけれど」
「だよね。いや、かなり強いから」
 それでだとだ。オーズは言うのだった。
「そうじゃないかなって思ったんだよ」
「強いから?私が」
「その鉄の棒何キロあるのかな」
「二十かしら」
「キロだよね」
「ええ、そうだけれど」
 その二十キロの鉄の棒を振り回しているのだ。一介の女子大生がだ。
 それでだ。オーズは首を捻って言うのである。
「凄いね」
「凄いかしら」
「うん、かなり」
 こう比奈自身に言った。しかしだった。  
 比奈本人には自覚がなくそう言われても首を捻るだけだった。そうしてだ。
 その棒でグリード達を薙ぎ倒していく。そして後藤がだ。バーズの仮面の中からオーズに言ってきた。
「火野、御前はだ!」
「はい、アリーナの中にですね」
「すぐに行け。そして御前の望みを適えるんだ」
 こう言ったのである。
「わかったな。ここは何とでもなる」
「わかりました。それじゃあ」
「よし、じゃあ後藤ちゃんいっちょやるか」
 伊達はこう後藤に言う。彼が声をかけたのはパートナーに対してだった。
「俺達の戦いをな」
「はい、このまま」
 こう話してだ。二人でオーズを送った。こうしてだった。
 オーズはそのまま階段を登りグリードやドーパメント達を退けアリーナの中に入った。アリーナの扉を開けると。
 敵は来なかった。一人もだ。無人の通路を潜る時もだ。
 やはり誰も来ない。そしていない。それを見てだ。
 オーズは駆けながらだ。こう思ったのだった。
「おかしいな。ここでは何も仕掛けてこないなんて」
 まずはこのことを妙に思った。しかしだった。
 彼はすぐに考えを変えてだ。こう言ったのだった。 
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