有栖キャロの小学校物語
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第2話 学校案内、そしてレクリエーションです
先生の言ったとおり現在私達は学校を案内してもらってます。
「ここが、多目的ホール。映画を見たり、お昼寝したり、室内野球したり、室内テニスも出来る。みんなの遊び………」
バン!!
「アホな事教えんでいい!!」
千歳ちゃんに頭を叩かれていました。
エローシュ君、結構痛そう…………
「ここで特別授業をしたり、学年で集まる時にここを使用したりします」
なるほど…………
「ここは図書室。実はここの一番奥の本棚の一番下の端に歴代の卒業生が残していった伝統のエロ本が………」
「千歳ちゃん、確保」
「了解!」
「「「「「「「「「「あああああああああ!!」」」」」」」」」」
男子の殆どが血の涙を流してる。
そう言えば、お兄ちゃんも星お姉ちゃんからエロ本没収されてものすごく泣いていたけど…………
「ゼストもエロ本取られて泣いていた…………」
「エロ本ってどんな内容なんだろうね?」
エッチな内容だっていうのは分かるけどな………
私とルーちゃんは首をかしげてその光景を見てました。
「ここはプール!!そして今年の夏、先生のスク水は素晴らしかった!!!相棒!!焼き増しはすんでるか?」
「…………問題ない」
「じゃあ「一枚500円」何だと!?ちくしょう!!今週はモンポケのカードを買うために貯めていたのに……お金は…………」
「小岩井君、その写真没収です」
「なん………だと!?」
当たり前だと思います。
「ここが我が小学校で有名な聖堂!!でもぶっちゃけ要らないと思う」
「エローシュ、それはないんじゃない?」
「エローシュ言うな!!」
「ここで全校集会をやったり、公演を開いたりします」
「大きいですね〜」
「広い〜」
「二人共聞いて!?」
「ここ……………」
「ここは屋上。一応開けているけど、間違っても柵を登ったりしないでね。基本的にはお弁当を食べたりするのにここを使ってるわ」
「「なるほど〜」」
「…………………」
「…………エローシュ、元気出せ」
「エローシュ………じゃねえよ…………グスン」
「さて、学校案内はこれくらいにして、みんなでレクをしましょう!」
「「「「「「「「「「いえ〜い!!」」」」」」」」」」
おお、みんな盛り上がってます。
「それじゃあ何がしたい?」
「どろけい!!」
「ドッジボール!!」
「野球拳!!」
「確保!!」
「ちょっ!?待てって冗談だって!!痛!?誰だ今髪引っ張った奴!!」
先生の一声でエローシュ君が女の子みんなにどつかれています。
「2人は何がしたい?」
「えっと……………どうする?」
「どろけいってなんだろう………」
そう言えばそれはお兄ちゃん達から聞いたことが無いなぁ…………
ドッジボールの事は星お姉ちゃんから詳しく聞いてるけど。
「それじゃあどろけいで」
「分かった、どろけいね。みんな〜!どろけいしますよ〜」
凄く楽しみです。
「ルールを説明しよう!!ルールは簡単!!警察が泥棒を捕まえる。それだけだ!!」
「違うでしょ…………捕まっても、檻にいる泥棒をタッチすればまた逃げられるの。制限時間までに全員捕まえれば警察の勝ち。逃げ切れば泥棒の勝ち。あっ、ちなみに校内に入っちゃ駄目だからね」
なるほど…………
「それじゃあ警察と泥棒に別れましょうか」
先生の一声で私達はそれぞれ別れました。
警察
千歳、ルーテシア、etc(クラスの3分の1)
泥棒
エローシュ、小岩井、キャロ、etc(クラスの3分の2)
「諸君、作戦を説明する!!」
校舎裏にある物置小屋裏で、泥棒のみんなで集まっています。
ちょっと狭いけど、我慢しよう。
「各自逃げるのは複数で逃げろ。捕まっても救出に一人で行くことを禁止する!片方が捕まった場合は誰か別の組と行動するように!」
そう言われて、男の子一人が手を上げる。
「エロ隊長、どういうことでしょうか?」
「エロ隊長はやめてくれ!内容は簡単だ、単独で助けようとしても返り討ちにあうだけだからだ!」
次に別の男の子が手を上げた。
「ですが、少数になった場合はどうしますか?」
「その時はこの忍者の末裔佐助がみんなをパパっと助ける。だから無理して救助に当たらなくていい」
「任せろ…………」
サムズアップして宣言する小岩井君。
凄く自信があるみたいです。
「よし、それじゃあ、最後まで生き残って勝利の美酒を飲もうじゃないか!!」
エローシュ君がそう宣言して泥棒のみんなは散らばりました。
「なるべく見つからないように…………」
私はハッキリ言って運動が苦手です。
と言っても家の皆さんが運動神経が良いだけなのかもしれませんけど…………
あっ、ちなみにルーちゃんは運動神経良いです。
アジトで走り回って速くなったって言ってましたけど…………
羨ましいです…………
そんなわけで私はブランコ裏の茂みに身を潜めています。
隠れるのは得意です!!
「有栖ちゃん、ここにいたのか」
「あっ、エローシュ君」
「エローシュちゃうわ!…………でみんなどうだ?」
「うまく逃げているみたいだよ」
2人で基本動いているので、追いかけられても分断するってやり方でうまく逃げています。
足の速さもそこまで違いがないみたいで、警察が迷ってるうちに逃げ切っています。
「よし、これで捕まっても、相棒の影の薄いシャドースキルがあれば捕まった奴らも逃がせる筈………」
「小岩井君逮捕〜!!」
「はああああああ!?」
エローシュ君、立ち上がって凄い大声でビックリしてました。
それほど予想外だったのでしょう…………
…………おかげで隠れてるのがバレました。
「…………済まない、油断した」
「一体何があったんだ!?」
「佐助は校庭に落ちているエロ本に食いついたわ。単純ね」
そう言って千歳さんが勝ち誇った顔をしています。
「くっ、だが逮捕される価値はあった」
「夏穂!!俺の分は?」
「必要ないでしょ、エローシュは運動神経並みだから」
「ガッデム!!」
頭を抑えて大きなリアクションを取りました。
「くそっ、なぜ俺にはオリ主特典がないんだ!!あの見習い神が憎い!!」
何を言ってるのかさっぱりですが、取り敢えず、神様に八つ当たりしてることだけは分かりました。
「みんな〜、あそこにエローシュがいるから!エローシュさえ捕まえれば、勝ったも同然よ〜!」
「「「「「「「「「「おおっ〜!!」」」」」」」」」」
追いかけていた警察が一気にこっちに来ます!
「有栖ちゃん、逃げるぞ!!」
「はい!!」
私はエローシュ君とその場から離れました。
「エローシュ君、こっちは?」
「だ、駄目だ!視界の悪い所はいきなり現れて逮捕って事もありえる!」
そう言ってるエローシュ君ですが、ハッキリ言って私より足が遅いです。
ですが、まだ逃げ切ってる所を見るとクラスのみんなより足が遅いって訳でもないみたいです。
「って言うか…………有栖ちゃん…………速い………」
「エローシュ君、息切れ早い!!」
スピードも落ちてきました。
このままじゃまずいです………
「……………有栖ちゃん」
エローシュ君はいきなり逃げるのを止めました。
「どうしたのですか?逃げないと捕まってしまいますよ!!」
「…………俺を置いて早く逃げろ、ここは俺が抑える」
「なっ、何を言って………」
「いいから!!このままじゃどのみち二人共捕まってしまう!!有栖ちゃん、お前は俺より足が速いんだ。俺が抑えている内に早く逃げろ!!」
「でも…………」
「有栖ちゃん!!!俺の屍を超えて行け!!」
「!!エローシュ君……………ごめん!!」
私はエローシュ君を置いて一人で逃げました。
「ごめんなさい、あなたの犠牲は無駄にしないから!!」
「ああ、泥棒の仲間を頼む!!……………………さてお前ら」
エローシュは警察の前に仁王立ちになって立ち塞がった。
その体からは威圧感が漂っている。
「ここから先は行かせねえ!!!」
エローシュの咆哮は警察を怖気付かせた。
「この先には俺の好きな女がいるんだ!!死んでも通すか!!」
エローシュの覚悟は強烈で他を圧倒している。
「どうした、怖気付いたか?俺は全員でかかってきてもいいんだぜ?ただし…………」
「覚悟のある奴だけ「タッチ」……………」
エローシュの肩にはルーテシアの手が乗っていた。
「エローシュ確保。みんな、キャロは結構足が速いから複数で追いかけて」
「「「「「「了解!」」」」」」
ルーテシアの指示の元、他の警察が動き出した。
「あの……………アルピーノさん?」
「どうしたの?泥棒は余計な事は喋らない」
「空気読んでくれないんですか?」
「長くなりそうだし、ありきたり」
「ダメだしされた!?」
「はぁはぁ…………」
キャロです。
残りの泥棒もあと僅かになりました…………
それを見て警察は檻の守りを少なくして、泥棒を捕まえに行っています。
ハッキリ言ってピンチです。
ですが…………
「これはピンチでありチャンスです…………」
里から追い出されてから培ってきた隠れる能力。
これを活かす時が来ました。
「確かこうして……………」
ライお姉ちゃんが言ってました。
『有名な傭兵はダンボールに身を潜めるんだって。』
確かにライお姉ちゃんがやっていたゲームのおじさんはダンボールに身を潜めて敵のアジトに侵入してました。
そして運がいいことに、ダンボールも始めにいた小屋の脇にありました。
「よし、準備完了です!」
檻は花壇に囲まれた旗の棒が立っているコンクリートのスペース。
目標に向かって、私は行動に移りました。
「なあ相棒、エロ本は?」
「没収された……………」
「あ、いや、ドンマイ」
「エローシュこそ………」
「「くっ………」」
エローシュ君、エロ本見たさに捕まった訳ではないですよね?
ピタッ。
「あれ?こんな所にダンボールあったっけ?」
「用務員のおじさんが置いていったんじゃないの?」
そう言って男の子2人組は行きました。
どうやらやり過ごせたようです…………
ゆっくりと、音を出さないように………
「あと、誰が捕まってない?」
「有栖ちゃんがまだ〜!!」
「恐らく隠れてると思うから念入りに探して!」
「分かった〜!」
恐らく千歳さんが指示を送ったんだと思う。
けれど、これで警察の人数も更に減りました。
チャンスだ。
「ルーちゃん、有栖ちゃんがどこにいるか分からない?」
「ううん、キャロって私よりは足は速くないんだけど………」
まだあの二人にはバレていない。
距離ももう少し。このまま進めば……………
「ん?ダンボール?」
「結構汚い…………」
「えっ!?どれ?」
何でエローシュ君と小岩井君が反応するの!?
これじゃあバレちゃう!!
「……………怪しい」
ルーちゃんがそう言って近づいてくる。
こうなったないちかばちか……………
「……………それ!」
サッと立ち上がって、かぶってたダンボールをルーちゃんに投げました。
「くっ…………」
ルーちゃんも動きが少し止まりました。
「しまった!!」
もう遅いです!!
千歳ちゃんの距離だったら、捕まる前に泥棒を逃がせます!!
「私達の………勝ちです!!」
そう言いながら一番近くにいたエローシュ君にタッチしました。
「どろけい、警察チームの勝ち〜!!」
「「「「「「「「「「イェ〜イ!!」」」」」」」」」」
ううっ、負けてしまいました…………
あの後、決死の思いで泥棒を逃がしたのですが、半数以上が千歳ちゃんとルーちゃんの前に逮捕。
逃げたみんなも帰ってきた警察に逮捕されて、直ぐに全員捕まってしまいました。
私ですか?
疲れていた上に、ルーちゃんに追いかけられたら勝てません…………
キーンコーンカーンコーン…………
「は〜い、チャイムがなったのでここまで。教室に帰って、帰りの会するわよ」
「「「「「「「「「「は〜い!」」」」」」」」」」
みんなが反応して下駄箱に向かいます。
「あ〜、ちくしょう。有栖ちゃんのおかげで逃げられたのに………」
「夏穂のバカ体力には驚く」
「うるさいわね、別にいいじゃない………」
確かに千歳ちゃんはルーちゃんに負けないくらいの速さでみんなを捕まえていました。
「それにしても2人は運動得意なのね」
「そうだな、それに有栖ちゃんのダンボールにはマジでビックリしたぜ!」
「僕も驚いた………」
「私も…………」
「えへへ、お姉ちゃんのゲームを見て、思い出したんだ。それと私の事はキャロでいいよ」
「そうか、なら俺は「エローシュ」そうエローシュで………って佐助!!」
「もう諦めろ」
「そうね、佐助の言うとおりかも」
「そんな現実みとめねえ!!そんな幻想俺がぶち壊してやる!!」
「うん無理」
「無理」
「無理だね」
「無理ですね」
「くそ…………みんな大嫌いだぁ〜!!」
泣きながらどこかへ走って行ってしまいました。
「いいんですかね?」
「いいのよいつものことだから」
「そうだ、気にするだけ仕方ない。それと僕は佐助でいい」
「なら私も夏穂でいいわよ」
「ならルーもルーでいい」
「はい!!皆さん、これからよろしくお願いします!!」
お兄ちゃん、早速、お友達ができましたよ!!
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