DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)
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第4章:モンバーバラの姉妹は狼と行く
第1話:両手に花ッス!
(モンバーバラ周辺)
キングレオ王国に位置する歓楽街モンバーバーラ…
この町からそれ程離れていない森の中で、双子の姉妹が悪漢共に襲われていた。
町を出立したのを狙い、後を付けての犯行である。
姉妹の名は姉のマーニャと妹ミネア…
マーニャはモンバーバラでも評判の踊り子で、ガラの悪い下品なファンも多数存在する。
ミネアも美人占い師として評判で、占いを信じていないが彼女目当ての客も居る程だ。
「ん~!」
攻撃魔法が使えるマーニャの口に猿轡を噛ませ、男二人がかりで押し倒し…
「ね、姉さん!!」
回復魔法しか使えないミネアを 男一人が羽交い締めにし、身動きを封じ襲いかかっている最中だ。
マーニャの露出度が高い服を剥ぎ取り、上で馬乗りになっている男がズボンを脱ぎ出そうとした瞬間…
何処からともなく現れた一人の男性によって、彼女等は助けられるのである…
(モンバーバラ周辺)
マーニャSIDE
「とう!」(ドカッ!)「うげぇ!」
突如、私の上で股間を丸出しにした男が吹き飛んだ!?
「な、何だテメ「おりゃ!」(ゲシ!)「うぉっ!」
更に私の両腕を押さえ付けていた男も吹き飛ぶ!
「お前等、女性の口説き方も教わらなかったのか!? 女性というのは、もっと優しく口説くものなんだと、パパから教わらなかったのか!?」
服を剥ぎ取られた私に、自身のマントをフワリとかけ腰の剣を抜き放って、未だにミネアを拘束している男に向かい恫喝する男…
「な、何だテメーは!?」
「ふ…問われて名乗るも烏滸がましいが、俺の事を知りたいのなら教えてやろう。俺の名はウルフ…世の美女達と仲良くなりたいイケメン男とは俺の事だぜ!」
左手の親指を立て、自らの爽やかな笑顔を指さし自己紹介を終えるウルフと名乗る男…
ショックだ…
私達はこんなチャラい男に助けられたのか?
「さぁ…俺が誰だか分かったのなら、そちらの美女も離してもらおうか! さもないと…いぢめちゃうゾ♥」
助けようとしてくれているのは間違いないのだが、どうにも言葉に緊張感がなく、本気なのかを疑ってしまう人物だ…
「キ、キサマ…や、やろうってのか!?」
仲間二人を一瞬で伸してしまったウルフに対し、脅えた口調でナイフを取り出しミネアを人質にして抵抗する暴漢野郎。
くっ…ミネアを人質にしてなきゃ、私のメラで丸焦げにしてやるのに…
「ピオリム! そしてバイキルト!」
突如聞き慣れない魔法を2つ自身に向けて唱えると…
目にも止まらぬスピードでミネアを人質にしている男へ斬りかかるウルフ!
(ザシュ!)
あまりの出来事で反応する事が出来ない男は、ナイフを握り付き出していた腕を手首の辺りから切断される。
「ぎゃー!!!」
右腕の手首から大量に血を流しパニクる男…
そんな男の顔面に拳をめり込ませ、素早くミネアを救出するウルフ。
即座に私の方へミネアを流すと、殴られた痛みで顔面を押さえる左腕を、二の腕の中間辺りから切断する…
え、何で!?
「ぎゃー!!!」
両腕を切断され、大量に血を撒き散らしながら転げ回る暴漢に近付き、切断した腕を左右逆に付け傷口をベホマで治癒する。
うわぁ…酷いわねぇ…
「ほれ…もう騒ぐな! 痛みは無くなっただろ? まぁ、もう二度と両手は使えないだろうけどね(笑)」
「お、おい…何だよ、その腕は!?」
私を襲っていた二人が目を覚まし、腕の長さがチグハグになった仲間を見て、驚き悲鳴の様な大声を上げる。
「おや…お目覚めかな?」
返り血を浴びたウルフは、爽やかな笑顔のまま悪漢共を見渡し、剣を鞘に戻すと誰も居ない空間に向けて右手を翳し言い放つ。
「不男共…世界中の美女は俺等みたいなイケメンの為に存在する。それを弁えず、力ずくで襲いかかるのであれば………イオラ!」
(ドカーン!!)
マーニャSIDE END
(モンバーバラ周辺)
ミネアSIDE
何もない場所に直径5メートルほどの穴を開け、私達を襲ってきた三人組を脅し追い払うウルフさん。
突然の出来事だったので気が動転してしまい、姉さんに抱き抱えられ呆然とする私…
一体何がどうなったのだろうか?
「あはははは…血相変えて逃げて行ったよ! ちょ~うける~(大笑)」
「あ、あの…一応お礼を言っておくわね…危ないところを助けてくれてありがとう」
姉さんが私を抱き締めながら、大爆笑するウルフさんにお礼を言っている。
「あ、ありがとうございました…」
私も慌ててお礼を言う…
何時までも姉さんに抱き締められてもいられない…そう思い、身形を直して離れようとしたのだが…
激しい恐怖の為足が震えてしまい、その場にへたり込んでしまった。
「ムリしない方が良いよ。…この近くに、町か村は無いかな? 一旦そこで休んだ方が良いと思うよ。俺も一晩中森を彷徨ってたし…ベッドで眠りたいんだ。どっか知らない?」
一晩中森を彷徨っていたと不思議な事を言うウルフさん。
「そうね…ここから直ぐの所に、モンバーバラって町があるわ。私達そこから今朝出立したの…私達も一旦落ち着きたいし、案内するから行きましょう」
悪い人では無いのだろう…
ウルフさんのマントで身体を覆っている姉さんは、震えの止まらない私を抱き締めたまま、モンバーバラへ戻る道を指差し彼を先導する。
「こっちかい?」
姉さんが指差す方へ歩き出しながら、ウルフさんが話しかけてくる。
「また戻る事になって申し訳ないけど、モンバーバラとやらに行きましょう! 改めて自己紹介するけど、俺の名はウルフ。助けたお礼はベッドでが嬉しいな(笑)」
「助けて貰ったお礼は言うが、ふざけるのも大概にしろよ! 私はマーニャ…この娘は妹のミネア。お前みたいなチャラい男は、私達の様な絶世の美女とは釣り合わないんだよ(笑)」
助けて貰ったのに、失礼な物言いをする姉さんを、思わず睨んでしまう私…
「えぇ~!? 俺も結構良い線いってると思うんだけどなぁ…まぁ良いけどね。俺には彼女が居るから。お二人より絶世の美女な彼女が居ますから!」
「はぁ? そんな女が存在するものか! 大方、右手の事を指しているんだろう…」
右手? 何故彼女のお話をしていたのに、右手の話題が出てくるのだろう?
「いやん! マーニャちゃんお下品!(笑)」
しかし問題なく会話は続いている…
あとで姉さんに聞いてみよう。
ミネアSIDE END
後書き
皆様、大変長らくお待たせいたしました。
あちゃの駄文大作……リュカ伝その3の復活でございます。
駄文製造メカ ダブングルが始まるよ!
あれ? タイトルが変わったぞ!?
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