真剣で私に恋しなさい
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
始まり
「おい、凍夜!」
「何、百代?」
百代が話しかけてくる。
「つまらないぞ!」
「俺にどうしろと言うんだ?」
今は風間ファミリーのメンバーでの旅行であり。移動に電車を使っているのでつまらないと言われても出来ることは少なかった。
「うーん、そうだな・・・」
「俺寝るから決まったら起こして」
百代が何かを考え始めるが時間が掛かりそうなので決まったら起こしてといって眠ろうとする。
「おい、私が起きてるのにお前は寝るというのか!」
「いたい!いたい!」
頬を引っ張られる。
「起きてろ」
「はい」
俺の自由はないらしい。
「ほとんどの奴らは寝てるな」
流石にかなり時間が掛かるので寝ているメンバーがほとんどだったが、大和は京に襲われないようにしっかりと起きていた。
「で、決まったのか」
「寝る」
なんで俺の寝る邪魔をしたんだ!!、と百代に言いたくなるが逃げ回れないここでは俺が圧倒的に不利なので何も言わないでおく。
「そうか、なら俺も寝るか」
「駄目だ、お前は私の頭でも撫でてろ」
昔いじけた時によくやっていた慰め方だが、気に入っているらしく何でもない時にでも撫でさせられるので言ううことを聞いておく。
「わかったよ、おやすみ百代」
寝つきのいい百代はほんの数秒で眠りにつく。そんな時に前で何か男達が何かをしようとしているのに気付き観察していると、一瞬拳銃のようなものが見える。
「寝てろ」
まあ、気弾を飛ばして気絶させたので特に害はなかった。
それから少し後に目的地に着くが百代とキャップが熟睡していたので起こさず連れていく羽目になるとは思っていなかったが・・・。
「俺は復活だー!」
キャップがついさっき目覚めHPMaxになっていた。
「うっ、着いたのか?」
眠そうに顔を上げる百代。
「今はバス停に向かっているところ」
歩いて行ったらかなりの時間がかかるのでバスで行くことになっていた。
「そうか」
「起きたなら、歩こうか」
「ああ、ありがとうな」
寝ていた百代を運ぶのは役得だったので礼は俺が言いたい気分だったが、そんなことを考えているとは表情にはほんの少しも出さない。
「クリ勝負よ!」
「ああいいだろう!」
こんなふうに途中で二人がバスに乗らず山を登る事となったがいつもより少し危険な程度なので放置して俺たちはバスに乗り込んだ。
「まだ眠いなら寝ててもいいぞ」
「ああ、そうさせてもらう」
百代もキャップと同じようにあまり寝ていないのだろう。
「よしよし」
寝ている百代が幼い子供の様に見えて言われてもないのに頭を撫でてしまうが百代も気持ちよさそうだったのでよしとした。
旅館に到着。
「大和これからどうするんだ?」
「今日は特に予定なしだな、明日は釣りで明後日は観光かな」
ちゃんと予定をたてている大和に驚きながらもこれからどうするか考える。
「日向ぼっこでもするか」
最終的に一度も寝ていないのでのんびりと過ごすことにする。
「おお、いい眺めだな」
旅館の屋根に上り寝転がる。
「寝るか」
寝相は悪くはないので落ちることはないだろうと考えて寝始める。
それから一時間ぐらいたったころ突然頭が瓦の様に固いところから丁度いい柔らかさの上に置かれたことに気づく。そしていい香りが鼻をくすぐる。
「っん、誰?」
目を開ける。
「起きたか」
「百代何してるんだ」
「いや、今日はここに来るまでに世話になったからな、恩返しだ」
「そうか、ありがとうな」
「三十分で五千円な」
「俺のありがとうを返せ」
「嘘だよ、まあ寝てろ」
子供のように寝かしつけられるので少し恥ずかしくなる。しかし睡魔にはあらがえずに眠りに再び落ちるのだった。
後書き
こんにちは、頑張って書くので応援よろしく!!!
ページ上へ戻る