真・恋姫†無双 守る為の戦い
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黄巾党と介入者
前書き
遅れてすいません。黄巾党とプラスαとの戦いです。
「数ばかりごちゃごちゃと」
右手には深紅の槍、左手には斬を持ち周りの敵を斬りながら進み続ける。
黄巾党の討伐、勢力を拡大し既に抑えきれなくなった、黄巾党を殲滅する為の大規模な作戦が現在展開されている。
将軍は部隊を指揮し、敵軍と戦闘中だが俺は部隊を持たず一人で戦闘中。
理由としては、戦闘指揮などしたことがない俺は部隊を持つことを拒み、単騎で敵陣に向かったからだ。
「えい! たかが一人に何手間取ってる!」
「でも頭、コイツとんでもなく強くて……」
この部隊のリーダーらしき男は、特に作戦も考えず部隊を俺に突撃させているな。罠だとも知らずに。
黄巾党を見て呆れていると、遠くで銅鑼が高々と鳴った。
「この銅鑼の音は何だ!?」
「弓隊がお前等を囲み、迎撃する合図だ。あくまで俺はお前等を一ヶ所に固まらせる為の囮だからな」
左右にいた二人を、片方は突き片方は斬り裂きながら答える。
「何が囮だ! 俺達を囲んだってことは、お前も囲まれてんだぞ! この状況で逃げれると思ってんのか!?」
「五月蝿い奴だ、……俺は退避させてもらう。もうすぐ矢の雨が降るからな」
「何が退避だ! この数と矢の雨から逃げれると思ってんのか? お前は囮じゃなくて捨て石何だよ!」
阿呆が、普通なら無理でも俺は出来る。出来なきゃ、今までの修行が何だったのかと師匠に怒られる。
「お前等には出来ないだろうが、俺には出来る。月歩」
六式の体術の一つ月歩を使い、空中を蹴りながら矢が当たらない上空に向かう。
「ひ、人が宙に浮いてる!」
「か、頭! アイツやべーですよ、人間じゃねぇ!」
黄巾党共は、宙に浮いている俺をあたふたしながら見ている。あたふたしている暇などないと言うのに、阿呆な奴等だ。
上空で左右を見てみると、少し遠くで光る点が此方に近づいてくる。殲滅の準備が整ったか。
「お前等、あたふたする暇があったら矢を避ける準備でもしろ」
「野郎ふざけやがって、弓隊! 弓隊は奴を殺せ!」
俺の言ったことが耳に入らなかったらしく、弓隊が俺に弓を構え矢を放ってくる。はぁと溜め息を吐いた後、適当に槍と斬を振りいなす。
矢を放つ暇があるなら、早く逃げるか回避するかしろよ阿呆共。
「タイムアウトだ阿呆共」
その言葉を言った数秒後、膨大な数の矢の雨が黄巾党達に降り落ちる。部隊の大半は俺を見ていた為に、回避出来ずほぼ全員に矢が突き刺さっただろう。
突撃するだけで、指揮がとれる人間がいない部隊など崩すのは容易い。
「面白味がない。これじゃあ弱い者苛めだ」
倒れている奴等、(黄巾党)を見ながら吐き捨てる。これじゃあ面白くも何ともない。弱い者苛めは好きじゃない為尚更な。
目に見える範囲に、数十人ほど戦意を喪失した奴等がまだ、俺に向け弓を構える。
「構える=戦意があると受け取っていいんだな?」
空中を月歩で蹴りながら地上に降りると同時に、地面を蹴り残った兵士に槍を刺し斬で斬り裂き殺す。
兵士は反応出来ず、一瞬で周りは死体の山となり戦闘は終了した。槍を消し斬を鞘に納める、全く何と他愛ない戦闘だろうか。
「他の所も、もう終わってるだろう」
死体の山から抜け出し、月歩で空中に行こうとした瞬間背中に重みを感じた。
「…………剛鬼、大丈夫。怪我ない?」
重みの正体は恋であり、どうやら俺が心配で一人先行して来たのだろうか? 全く大丈夫と何度も言っただろうに。
「恋か、大丈夫俺は無傷で敵は全滅だ。それより恋、部隊はどうした?」
「…………音々に任せてあるから大丈夫」
部隊放置して、単独行動じゃないならまだましか。陳宮なら何とかしてる筈だろうし。
「まぁ丁度いい、少し敵を追うぞ」
「…………!?」
恋の足と背中に腕を通して抱き上げ、俺は月歩で恋と共に上空を駆ける。
「…………剛鬼、凄い。空も飛べる?」
「飛んでるわけではないよ、これは氣の応用だからな」
上手く説明出来んがこれも氣を使った応用である。空中に浮けるというのは、どの状況でも実に便利だ。
暫く月歩で空中を移動しながら、地上を見ていると四つの人影を見つけた。黄巾党から逃げている一般人だろうか?
「…………あの人影一人違う。強い」
恋も人影を見つけたらしくそう呟く。確かに何か一人だけ強い氣を感じる。
「降りるぞ恋」
「…………(コクッ)」
恋が頷くのを確認した後、俺は月歩で下降を始めて四人組の前に降り立った。
「な、何!?」
「ひ、人が女の子抱えて降りてきた!」
「姉さん、今はそんなこと言ってる場合じゃ」
ピンク色の長めの髪をした女と水色? のような色の髪の女は、驚きながら俺と恋を見る。薄紫? 色の髪の眼鏡をかけた女は警戒しながら俺達を見る。
一般人にしては、派手な格好……とは恋を見る限り言えないな。何処かアイドルを思わせる格好みたいだ。
「三人共下がって、……一体空から僕達に何の用ですか?」
一番前にいた、白いパーカーを羽織った男が俺と恋を見る。ふむ、コイツは俺と同じだな。
「黄巾党の首領、張角を探しているんだが何処かで見なかったか?」
訪ねてみると、男と女三人は同時に首を横に降り口を開いた。
「わ、私達黄巾党から逃げてたんです!」
「僕は彼女達を守る為に、同伴しているんです」
ピンク髪の女とパーカーの男がそう言うが、……逃げてるにしては何かな。
「…………思い出した。お前あの時の奴」
「く、やっぱり誤魔化しは無理だよね!」
恋がパーカーの男を睨むと同時に、パーカーの男が身の丈ほどある大刀を俺に降り下ろした。
「そう言うことか、張角は後ろの……ピンク髪の女だな?」
降り下ろされた大刀を避け、距離を取ると四人を見ながら適当に言ってみると。
「ち、違うもん! わ、私は張角何かじゃないもん!」
真顔で言っているのだが、目を反らしながら怒鳴っているよ。全くバレバレだよ阿呆が。
「まぁ、首領ではしょうがない。恋手を出すな」
「…………(コクッ)分かった」
恋を下ろし、俺は拳を構える。対するパーカーの男も大刀を構えているのだが。
「どうした? 震えていては後ろの三人は守れん」
大刀を持つ手が若干震えているのか、大刀が僅かに揺れているのが分かる。あれでは、本気で人を殺したことのない素人と同じだ。
力量の差が分かっていて、大刀を向けているのせいなのか。それとも単に人を殺したことがないだけか。
「僕は守らなければいけないんだ!」
「うむ、勢いはよし」
大刀を真っ正面から降り下ろしたが、俺はそれを鉄塊状態で腕を交差しガードする。
「堅い! ただの腕じゃない。だけど!」
じわじわと少しずつ、俺が押され始めてきた。中々力もあるようだな。
「流石、でかい大刀を使っていることはある。スピードのほうはどうかな?」
「っ! 危ない危ない」
大刀を無理矢理弾き、地面を蹴り男の目の前まで移動し暗殺刀の刃を、首に刺そうとしたがギリギリ首を右に傾け避けられた。
距離を取り様子見をしてみるが、男は動かず大刀を構えたままその場にいる。
「そこそこの腕は有るか」
「くそスピードを上げる! 行くぞ彩鬼!」
男が叫び大刀の刀身が青く光った瞬間、男は俺の直ぐ前まで迫って来ていた。
「ほう面白い武器だな」
右手に深紅の槍を出現させ、真一文字の斬撃を槍で上手く受け流し槍を構える。
「え!? 槍何て何処に」
「考えてる暇はねぇぞ!」
槍何かさっき雑魚相手に使った以外、大して使ったことはないが、恋や張遼のやっているみたいに、突きを連続で放つ。
「はや、早い! これが武将の力?」
「まだまだスピード上げるぞ!」
「…………待って剛鬼!」
ひたすら見よう見まねの突きを放って遊んでいると、恋が俺を呼び止めた為に槍を向けたまま後ろに退く。
「何だ恋? どうした?」
「…………曹の旗が近くに来る」
恋に言われた為に男の後ろを見ると、小さく曹の旗が見えた。曹操がこっちに向かってくるか。
「ち、時間切れか。行くぞ恋」
「…………(コクッ)」
「待て!」
恋が頷いたのを確認すると、恋の元へ行き抱き上げると男が後ろで叫ぶ。時間がないと言うのによ。
「勘違いするな、俺が見逃してやるんだ。後はお前達次第曹操相手に上手くやれよ」
「上手くやれってどういう事?」
「曹操は有能と判断すれば、絶対にお前達を殺さないだろう。だから生きたければ上手くやれ、それじゃあな」
そう一言告げた後、俺は恋と共に上空に退避し本陣のほうに合流しに向かった。
後書き
次回は少し時間がとびます。ではまた次回
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