仮面ライダーオーズ 心が熱くなるもの
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第六章
「そうだ、君のその欲望も見事だ!」
「なら俺もまた」
「君も欲望の何たるかがわかった」
欲望を肯定する、鴻上らしい言葉だった。
「それでは君もまただ」
「はい、戦わせてもらいます」
「これで二人だ。そしてだ」
さらにだった。鴻上はだ。
火野も見た。そして彼にも問うたのだった。
「火野君、君にも聞こう」
「俺の欲望ですか」
「それは何だ」
微笑みそのうえで火野の目を見ての言葉だった。
「君のその望みは」
「俺は護りたいです」
グリード達との長い戦いを経て至った答えだった。
「皆を。それが俺の欲望です」
「そうか。それではだ」
「はい、俺もまた」
「その欲望を目指すことだ。ではだ」
ここまで言うとだ。自然にだ。
鴻上と一同の間にデコレーションケーキ、様々な種類のものが幾つも出てだった。そうしてだ。
一つの紅いアンクも火野に手渡してだ。それから言ったのだった。
「ハッピバーースデーー!!」
「あの、誕生日は私達は」
「いや、君達の新しい門出にだ」
いつもの鴻上の口調でだ。そのうえで比奈に言ったのである。
「ハッピーバースデーなのだ」
「そうなんですか」
「では欲望を目指しそのうえでだ」
鴻上は満面の笑みで話していきだった。
彼等はそのうえでだ。また言うのだった。
「勝ち取るべきものを勝ち取ってくれ給え。そしてだ」
鴻上は今度は火野を見た。そのうえでだ。
その火野にだ。こう言ったのである。
「君に一つプレゼントがある」
「プレゼント!?」
「そう、さっきのものだ」
「アンクですか」
「そのアンクを持っておくといい」
「あの、アンクっていいますと」
「気付いただろうか」
鴻上もだ。楽しげな笑みになった。そしてだった。
そのうえでだ。また言ったのである。
「そう、アンクなのだよ」
「アンク、じゃあ」
「今は持っておくことだ」
しかしそれはだった。今でしかなかった。だが、だった。
そこからだ。どうかというのだった。
「だが欲望は未来を掴み取るものだ」
「その未来を」
「その為にもアンクを君に任せよう」
そのアンクをだと言ってなのだった。そうしてだった。
火野はそのアンクを己の懐の中に入れた。そしてそれを収めたまま鴻上が御馳走してきたケーキを仲間達と共に食べだ。満足してからだった。
彼等は鴻上ファウンデーションを後にしてだ。そのうえでだ。
とりあえずはクスクシエに戻ろうと道を進んでいた。しかしだ。
その途中でふとだ。伊達が言ったのである。
「財団か。あの連中の正体も不明だったけれどな」
「しかしこれで、ですね」
「ああ、スサノオが操ってる組織だってのはわかったな」
後藤に応える。そうしながらだ。
彼はだ。考える顔で述べたのである。
「グリードはどうなんだろうな」
「グリードも。まさかと思いますけれど」
「いや、そのまさかだろ」
「そのまさかですか」
「だってな、色々考えておかしいだろ」
伊達はその洞察からだ。グリードについて後藤達と話す。
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