| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

魔法少女リリカルなのはViVid~英雄の意思を継ぎし子達

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
< 前ページ 目次
 

一話~今日から四年生!

 
前書き
アリシア「ついにわたしたちのでばんだね、優!」

優「僕らまだ二才だけど出番あるの?」

アリシア「こまかいことはいいの!ついでに言えば私は三才!」

優「こまかくはないよ……」

アリシア「魔法少女リリカルなのはVivid~英雄の意思を継ぎし子達、はじまるよ!」

優「あいかわらずマイペースだね……」 

 
side 優


「「行ってきまーす!」」
「道中気を付けてな」
「お母さん、お姉ちゃん、いってらっしゃーい」


僕の名前は衛宮優。現在二才の衛宮家の長男です。
お父さんの名前は衛宮士郎。管理局の三佐で凶悪事件専門の特別出動魔導師と、近所でのお料理教室がお仕事の一家の大黒柱。魔導師ランクは空戦SS+、陸戦SS-、総合SSの管理局最高クラスの実力者。
レアスキルの投影魔術を使えばSSSを凌駕するほど強いらしいです。


お母さんの名前は衛宮なのは。お父さんと同じく管理局員で、『エース・オブ・エース』と呼ばれる魔導師で、戦技教導官という魔導師の先生をしています。
お母さんには色んな二つ名がつけられています。仲間内では『最強の若妻』『ママさん教導官』、お父さんとセットで『最強夫婦』。悪い人達からは『管理局の白い魔王』『美しき悪魔』『桜色の恐怖』等々たくさん二つ名を持っています。これは全部八神の家のはやてお姉さんから教えてもらいました。
ちなみにお父さんとは年中ラブラブです。


お姉ちゃんの名前は衛宮ヴィヴィオ。St.ヒルデ魔法学院の四年生。
僕と血の繋がりはない、お父さんとお母さんの養子だけど、僕に本当の姉として接してくれています。
お父さんに剣技を、ノーヴェさんにストライクアーツを習っていて、とても忙しそうにしています。
僕はまだ小さいから、と言ってお父さんは魔術回路の制御しか教えてくれないけれど、その内僕も剣技を習ってお姉ちゃんみたいに強くなるのが目標です。


「さて、一時間後には生徒達が来るからな。優も朝の仕度は終わらせるんだぞ」
「はーい」


これが、僕達家族です。




side ヴィヴィオ


「おはよー!」
「ごきげんよう、ヴィヴィオ」
「リオ、コロナ、おはよう!」


学院に着くと、親友の二人に会った。


「今年は三人一緒だといいねー」
「きっとなれるって!」
「ワクワクするね」


三人で他愛ない話をしながらクラスの発表の掲示を見る。


「やったー!皆一緒だよ!」
「それじゃ……」
「「「いえーい!」」」


ハイタッチを交わした。これから一年、去年よりも楽しくなるといいな。
始業式の最中そんなことを考えていた。




…………………………………………………………………


「図書館寄ってこーよ!」


始業式が終わり、図書館に寄り道をしようと言うリオの提案には賛成だ。
しかし、その前にやりたいことがあった。


「その前に教室で記念撮影したいな。お世話になってる皆さんに送りたいから」
「いーね!撮ろう撮ろう!!」




…………………………………………………………………


写真を送ると、数名の方からはすぐに返信があった。


「あ、メール返ってきた」
「そう言えばヴィヴィオって自分専用のデバイス持ってないんだよね?」
「それって普通の通信端末でしょ?」


リオとコロナがそう質問してきた。


「そうなんだよー。うちパパもママも厳しくてさー。『基礎を勉強し終わるまでは自分専用デバイスとかいりません』とか『デバイスがなくとも鍛錬はできるだろう?』とか言うんだよー」


ママとパパの物まね風に言ってみると、会ったことのないリオは?マークを頭に浮かべ、コロナは苦笑いだった。


「リオはいーなー。自分専用のインテリ型で」
「あはは……」
[すみません]


そんなのんびりとした会話をしていると、またもやメールが来た。


「あ、今度はパパからメールだ。何々……?『早めに帰ってくると良いことがあるぞ』だって」
「そっか。じゃあ早く借りる本決めちゃおう!」


良いことってなんだろうなー?
気になるし走って帰ろう!




side なのは


私は今日の予定の確認の為に通信をしている。


「それでね、二人ともアリシアちゃん連れて夕方には着くって」
「そうか。と言うか奴は暇だろう?先に来て手伝ってくれてもいいものなんだがな」
「でも、フェイトちゃん忙しいからあれはランス君が取りに行ってくれてるんだって」
「で、本局で合流して家に来る、というわけか」
「そういうこと。それじゃあ、そろそろ切るね」
「ああ。それではな」
「うん。夕飯は賑やかになるね。私も早く帰って手伝うから」
「そうか。期待してるよ」
「それじゃあね。愛してる」


通信を切る。と、後ろから、話しかけてくる人物がいた。


「ほんと、いつまでたっても新婚気分だな、なのははよ」
「ヴィータちゃん、フェイトちゃんたちの方が凄いよ」
「アレはひでーよ。今年で三年連続『管理局No.1バカップル』(非公式)認定されんじゃねーか?」
「にゃはは……そうだね」


各言う私と士郎君も三年連続『管理局No.1おしどり夫婦』(これまた非公式)認定されそうなのだが。


「それじゃあ午後も頑張って行こう!」
「新人どもをみっちりしごいてやらねーとな」


ヴィヴィオ、喜ぶかな?
フェイトちゃんにも久しぶりに会えるし、今から楽しみ!




side フェイト


「お待たせ」
「お母さん!」
「アリシア、いい子にしてた?」
「うん!」


待ち合わせ場所に着くと、愛娘が駆け寄って来た。
しかし、旦那の姿が見当たらない。


「アリシア、お父さんは?」
「マリーさんのとこ!時間がかかるから私がおかーさんをお迎えに来たの!」
「そう。ありがとうアリシア」
「えへへ……どういたしまして!」


アリシアと手を繋いでマリーさんの所へと向かった。
目的の場所に着くと、中から話し合う声が聞こえる。
そのまま中に入り、調整をしているマリーさんとランスに声をかける。


「調子はどう?」
「あら、フェイトちゃん。アリシアちゃんもお迎えありがとね」
「はい。お久し振りです」
「ちょっと待ってろ。もうすぐで二機目も終わりだ」


ランスが調整をしていたのは士郎監修のアームドデバイス。
何でも現行のアームドデバイスのスペックを越えるものを目指したらしい。
上手くいったのかは調整がここまで時間がかかっていることが物語っている。


「これでよし。それじゃ、確かに二機受け取った」
「はい。ついでなんでブランチも整備しておきましたからね」
「お、サンキューなマリー」
「たまには自分で整備してくださいねー」
「ま、考えとくよ。行くぞフェイト、アリシア」


そう言い残して先にメンテナンスルームを出ていくランス。


「それじゃ私もこれで」
「うん。また来てね。もちろん、アリシアちゃんも」
「はーい!」


今からミッドに向かえば三時くらいにはなのは達の家に着けそうだね。




side 士郎


ランサーから頼んでいた二機を受け取る。


「これがそうか」
「うん。頼まれてた二つ。『エクスカリバー』ともう一機だよ」
「それにしてもだ。本当にセイバーの聖剣そっくりだな」
「まあ、彼女の剣がモデルだからな。似るのは当然だろう」


ランサーの指摘通り、エクスカリバーはセイバーの聖剣エクスカリバーをモデルに作られている。
鞘までも全て遠き理想郷(アヴァロン)に似せている。違いはカートリッジのために付属させた鍔の部分の機械位のものだ。


「お姉ちゃんそろそろ帰って来る時間だよねー」
「優ー。ヴィヴィオお姉ちゃんが帰って来るまで遊ぼうよー」
「わかったー。今行くよ」


アリシアに誘われて優は二階に上がって行った。


「それにしてもあの二人は仲良しだよね」
「全くだ。会うたびに二人だけで遊んでいるからな」
「大きくなったら付き合いだしたりするかもね」
「おいおい、うちの大事なアリシアをこいつの息子となんざ……」
「はいはい、それは聞き飽きました」


この二人も夫婦漫才ばかりしているのが有名になっていることは知っているのだろうか。
……とまあそんなことよりも今は夕食の支度をする方が先だな。


「ただいま~」


どうやらなのはの方が少し早く帰って来たようだ。
これならばヴィヴィオが帰って来るまでには全部終わりそうだな。




side ヴィヴィオ


学校帰りに図書館に行き、他愛ない話をしながら本を探し、気に入った本を借りて帰る。
いつもと同じ日常。
だけど、今日は家に帰ると家のものではない靴が三足あった。


「ヴィヴィオ、お邪魔してます」
「よう!久しぶりだな」


リビングには久々に会うママの親友とその旦那さんの姿があった。


「フェイトさん、ランスさん、お久し振りです!」
「久しぶりだね。また大きくなった?」
「はい!」


でも何でフェイトさんも来ているんだろう?普段忙しいフェイトさんと違ってランスさんとアリシアはよく来るけど、三人一緒、というのは滅多にないことなのだ。
とても気になる。


「ヴィヴィオ、ひとまず着替えてきたら?」
「はーい」


なのはママに言われて二階へ向かう。
パパも忙しそうにしてたから今夜はご馳走かな?
早く着替えて手伝おう!



………………………………………………………………………


「ごちそうさまでした」
「もう食べらんない~」
「アリシア食べ過ぎだよ……」


優とアリシアのやり取りを聞きつつ魔法の練習の支度をしていると、何かを抱えたママとパパがこちらにやって来た。


「ヴィヴィオも四年生になったし魔法の基礎も出来てきたな」
「うん」
「そんなヴィヴィオにプレゼントがあります!」
「えっ?」


プレゼント?何だろう?


「じゃじゃーん!ヴィヴィオ専用デバイス二機!」
「私達が今日マリーさんから受け取ったんだよ」


そう言ってペンダントと箱を受け取った。


「こっちのペンダントはアームドデバイスみたいだけど……この箱は?」
「開けてごらん」


箱を開けると、中に入っていたのは……うさぎのぬいぐるみだった。
そしてそのうさぎは……飛んだ。


「え、え、ええ!?ととと、飛んだよ!?動いたよ!?」
「その機能はおまけだって。中身は普通のクリスタルタイプだよ」
「剣の方と違ってそいつにはまだ名前もねえらしいからな。お前が決めてやれ」


名前、か。既に自分のデバイスを持ったら付けようと思っていた名前がある。
『セイクリッド・ハート』略称クリス。


「こいつはヴィヴィオのデータのリサーチもしてあるそうだ」
「リサーチしてくれたってことはあれ、できる?」
「もちろん!じゃあ外に行こうか」



………………………………………………………………………


皆で庭に出て私のマスター登録を見ている。


[マスター認証、衛宮ヴィヴィオ。個体名『セイクリッド・ハート』愛称クリス。アームドデバイス『エクスカリバー』とのパスを確認。使用魔法はミッド、ベルカ混合式(ハイブリッド)]
「セイクリッド・ハート、セーットアーップ!!」


無事にマスター登録を終え、大人モードに変身する。
続けて、剣型の方もセットアップする。


[マスター認証、衛宮ヴィヴィオ。個体名『エクスカリバー』愛称エクス。インテリジェントデバイス『セイクリッド・ハート』とのパスを確認。バリアジャケット、生成完了]
「エクスカリバー、セーットアーップ!!」


エクスカリバーを起動させると、私の姿は青いドレスのような服に白銀の鎧、という女性騎士のような姿になった。
一通り終えた所でパパ達の方を見ると、フェイトさんが固まっていた。


「あれ?フェイトさん、どうしたんですか?」
「もしもーし?フェイトちゃーん?」


そしてフェイトさんは動き出す。


「ヴィ、ヴィヴィオが聖王モードになっちゃった!?」
「「「「「「え?」」」」」」


その場にいる全員が何を言ってるんだこいつ?みたいな目でフェイトさんを見る。


「な、なんで皆そんなに落ち着いてるの!?」
「そりゃあ…見慣れてるからな」
「練習はいつもこの姿だよ?」


そう説明するけど、知っている様子はない。


「ランス君、まさか……」
「すまん。言い忘れてたわ」
「お父さんはおっこちょこいだからね~」
「アリシア、おっちょこちょいの間違いだよ……」
「こまかいことはいいの!」


漫才を繰り広げる弟達はとりあえず放っておいて、フェイトさんに説明をする方が先だ。



…………………少女説明中…………………



「………という訳」
「な、なんだ……そういうこと」
「全く、騒ぎすぎだっつーの」
「「誰のせいだと思ってるの?」」


ママとフェイトさんの見事なシンクロ。流石は親友。
ひとまずは………


「……公園に行くか」
「うん。パパ、行こう」




…………………………………………………………………


公園に着くと剣の修行を始める。ちなみに優とアリシアは早々と寝てしまったためレイジングハートとバルディッシュに任せて家に置いてきている。今日はいつもの様に木刀ではない。パパもソードワーカーを展開している。形状はブレイドフォーム。パパはバリアジャケットは展開していないため私服姿ではあるのだが。
武装は違うがやることは変わらない。カウンターで大きなダメージを狙いつつ、攻撃は矢継ぎ早に繰り出していく。いつも通りの私のスタイルだ。


「………はっ!」


足の裏に魔力を溜め、一足で間合いを詰める。
そこからの袈裟斬り。しかしこの程度ではパパに一撃与えるどころか体勢を崩すことさえも出来ない。
左手に持つ黒い剣の刀身の上を滑らせるようにして私の一撃を防ぐ。
私はそのまま剣を振った威力を利用して転がりながら間合いを取り直す。


「凄い……」
「フェイトちゃんはヴィヴィオの剣の修行見るの久しぶりだよね」
「ここ一年でかなり伸びてきたよな」
「そうなんだ……」
「長剣も中々だが真骨頂はアイツと同じスタイルだぞ」


そんな会話をしているママ達を横目に打ち合いを続ける。
加減されていても一刀で二刀を捌くのはまだまだ私の腕では無理がある。
クリスの補助を受けて距離を取ると、エクスの二つ目のフォームを展開する。


「エクス、フォルムツヴァイ!」
[ツインブレイドモード]


そして私の手には、長剣の時よりも寸を詰めた剣が二本握られる。
私は再びパパへ向かって駆ける。所々でクリスによるブーストの掛かった一撃を織り混ぜるが、容易く捌かれていく。
そして5分ほど打ち合いを続けた所で私の左手から剣が弾かれた。


「ここまで、だな」
「はぁ~。やっぱり勝てないなぁ」
「何を言うか。お前の年でここまで私の攻撃を捌ける子などいないぞ」
「でも手加減されてるし……」


いつやっても悔しいものは悔しいのだ。
私は結構負けず嫌いだし。


「まあ、娘に負けてるようじゃ『最凶夫婦』の名が泣くだろうからな」


からかうようにそう言うランスさんをママはジト目で睨む。


「な~んか言い方おかしかったような気がするんだけど?」
「気のせいだ」
「なのは、ソレの戯れ言に耳を貸すんじゃない」
「う~ん、わかった」


でもいつか勝って見せる!優を守るために強くなるって決めたんだから。




side ノーヴェ


「……連続傷害事件?」


108部隊の隊舎にいるギンガからの通信はそんな不穏なものだった。


「ああ……まだ『事件』ってわけじゃないんだけど」
「どゆこと?」
「被害者は主に格闘系の実力者で、そういう人たちに街頭試合を申し込んでいるらしくて………」
「フルボッコ、ってわけか」
「そう」


なるほどね……


「あたし知ってるっス!喧嘩師!!ストリートファイター!!」
「ウェンディうるさい」


騒ぎ出したウェンディをディエチが叱る。


「そうなの。ウェンディの言うとおりそういう人たちの間で話題になっているのよ。被害届が出ていないから事件扱いにはなっていないんだけど、皆も気を付けてね」
「うん。気を付ける」


ま、来たら返り討ちにしてやっけどよ。


「それで、これが容疑者の写真、と言うわけか」


チンク姉の言葉にみんながギンガの提示した写真を見る。


「ええ。自称『覇王』インクヴァルト」
「それって……」
「ええ。古代ベルカ、聖王戦争時代の王様の名前よ」


この時あたしは知りもしなかった。
これからこの『覇王』と長い付き合いになるなんて……… 
 

 
後書き
一話です。

だいぶ先の話も完成しているので、定期的に更新できると思います。

ではでは 
< 前ページ 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧