地球に迷い込んで
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
彼の瞳の色彩は黒なのだけれども澄んだ灰色の様に見える
次の日。私は彼にカードを渡すタイミングを掴めず
苦戦していた
私は異性とは話さない方だし
昨日の事もあって
グズグズしていた
その間、彼の方を見ていたのだけれども
昨日の彼はどこにあるのか不思議に思うほど
いつもの様に坦々と笑っていた
けれども1人になると
皆気がつかないが
彼の近くにだけ秋と冬の季節の変わり目に
感じられる少し肌寒い空気が流れているようだった
結局、帰る時間になるまで渡せず
下校時間に渡すことにした
私は彼の少し後ろを歩いていった
彼はたしか運動系の部活に入っているのだが
今日は休むらしい
いつのまにか
もう結構先に歩いていたので
少し早歩きで追いかけた
すると角に曲がった
少し走ってみてみたら彼は
どこにもいなかった
見渡してもいない
しまったと思い
握っていたカードをふと見つめた
そのカードは目の前にたっている精神科の
病院のものだった
ページ上へ戻る