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久遠の神話

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第四十一話 鍛えた結果その九

「流石にあれでもう体育はできないか」
「女の子にとってはあれ着て体育するのは辛いよな」
「下着姿で動き回る様なものだからな」
「ちょっとな」
「無理があるか」
「っていうか絶対に無理か」
「あれはもう過去の遺物だろ」
 そこまで言う者もいた。
「最早な」
「異物かよ」
「それか絶滅種だよ」
 最早アイドルのDVDか成人漫画でしか出ないからだ。若しくはあえて狙っているアニメ位でしか存在していない。
「俺実際に見たことないぜ」
「実は俺も」
「俺もだよ」
「バレー部だってもう半ズボンだしな」
 ブルマの代名詞だったこのスポーツも今ではそうなのだ。
「もうないか」
「何処にもないんだな」
「何か残念だな」
「男にとっちゃそうだな」
「うちの学校折角女子の水着も色々なのにな」
「競泳水着にスクール水着な」 
 男の、漢の浪漫の話になっていく。
「流石にビキニはないけれどな」
「それでもブルマはないっていうのはな」
「悲しいことだよ」
「俺なんかな」
 一人がこんなことを言った。
「この前彼女にブルマになってくれって言ってみたんだよ」
「おお、御前やるな」
「ブルマプレイかよ」
「コスプレの中でも最高峰の一つかよ」
「それを言ったんだな」
「ああ、けれどな」
 それでもだというのだった。
「駄目だったよ」
「断られたか」
「御前の彼女浪漫がわかってねえな」
「女ってのは現実主義者だからな」
「浪漫ってのはわからねえな」
「断られて変態って言われてな」
 そしてさらにだった。
「ひっぱたかれたよ」
「ああ、それはな。悲しいな」
「やっぱりブルマ、その下の白いパンツってのが最高の醍醐味なんだけれどな」
「お尻に食い込んだブルマを恥ずかしそうにくい、と手でなおす」
「それがいいのにな」
 浪漫の話は続く。
「それがわからないなんてな」
「御前の彼女はまだまだだよな」
「浪漫がないよ」
「悲しいよ」
「で、ナースプレイをしたんだよ」
 高校生にしてだ。この彼は漢いなっているらしい。もう一つの浪漫の最高峰を極めんと挑んだというのである。
「こっちはよかったよ」
「おお、じゃあ俺も今度やってみるか」
「俺もだ」
「俺もだよ」
 彼女を持っている面々が活気付く。
「スチュワーデスもいいな」
「セーラー服どうだよ」
「ボンテージもよくないか?」
「チャイナドレスとかバニーガールも悪くないぜ」
「バドワイザーも捨て難いな」
「白衣にミニスカートどうだよ」 
 漢の話が続く。
「ブルマがないのは残念だけれどな」
「そうしたものも追い求めるか」
「そして遥かな先を目指すか」
「そうしていくか」
 彼等は更衣室で夢を、浪漫を熱く語り合っていた。上城はその話を聞いているだけだった。しかしだった。 
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