問題児たちが異世界から来るそうですよ?~MEMORY~
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前書き
よろしくお願いします!
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『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。
その才能を試すことを望むのならば、
己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て、 我らの“箱庭”に来られたし』
彼が拾った手紙にはそう書かれていた。しかし、彼がその手紙の意味を理解する前に異変は起きた。
「ワォ」
彼がいたのは上空4000mほどの位置。しかも、その身一つで投げ出されていた。
「わっ」
「きゃ!」
「ど・・・・・・何処だここ!?」
さらに彼一人ではなく他に三人の少年少女もともに落下中。
上空4000mからの落下に一人じゃないという事はさほど意味はなさないのかも知れないが。
彼を合わせて計四人。彼らの眼前には見た事のない風景が広がっていた。
視線の先に広がる地平線は、世界の果てを彷彿とさせる断崖絶壁。
眼下に見えるのは、縮尺を見間違うほどの巨大な天幕に覆われた未知の都市。
彼らの前に広がる世界は、―――完全無欠に異世界だった。
上空4000mから落下した四人は、落下地点に用意してあった緩衝材のような薄い水膜を幾重も通って湖に投げ出される。
「し、信じられないわ!まさか問答無用で引きずり込んだ挙げ句、空に放り出すなんて!」
「右に同じだクソッタレ。場合によっちゃその場でゲームオーバーだぜコレ」
二人の男女が騒いでいる。その後ろで猫と一緒に落ちて来た、もう一人の少女が服の端を絞りながら、
「此処・・・・・・どこだろう?」
「分からない。同じようにきた僕たち四人に分かる人はいないと思う」
少女の呟きに彼が応える。彼の言う通り、四人の知らない場所であることは確かだった。
「まず間違いないだろうけど、一応確認しとくぞ。もしかしてお前達にも変な手紙が?」
「そうだけど、まずは“オマエ”って呼び方を訂正して。―――私は久遠飛鳥(くどうあすか)よ。以後は気を付けて。それで、そこの猫を抱き抱えている貴女は?」
「・・・・・・春日部耀。以下同文」
「そう。よろしく春日部さん。なら、野蛮で凶暴そうな貴方は?」
「高圧的な自己紹介をありがとよ。見たまんま野蛮で凶暴な逆マキ十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義と三拍子そろった駄目人間なので、用法と用量を守った上で適切な態度で接してくれお嬢様」
「そう。取扱説明書をくれたら考えてあげるわ、十六夜君」
「ハハ、マジかよ。今度作っとくから覚悟しとけ、お嬢様」
「最後に、十六夜君と違ってまともそうな貴方は?」
「先に訂正。僕は別にまともって訳じゃないよ。僕がまともなはずがない。故郷の光景も、友人の顔も、家族の好物も、自分の名前すら分からない僕が・・・・・・」
彼は記憶喪失だった。
後書き
初めてなので難しいです
ちなみに主人公の彼はしばらく名前が出てきません
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