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万華鏡

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第二十三話 大阪難波その四

 里香は四人にあらためてこう提案した。
「それで難波だから」
「そのグランド花月にもだよな」
「行かない?」
 美優に応じながらこう提案した。
「そこに」
「いいわね」
 最初に賛成したのは琴乃だった、笑顔で頷いている。
「生の吉本の人を見るのも」
「そうでしょ。だからね」
 また言う里香だった。
「食べて本も買って」
「ジュンク堂で」
「それでね」
 その難波グランド花月にもだというのだ。
「丁度近いというかジュンク堂のすぐ前だから」
「あそこの辺りもお店多いのよね」
 彩夏はこのことも言った。
「だからいいわね」
「ええ、たこ焼きのお店もあったし」
 景子はそちらにも関心を向けていた。
「それならね」
「いいよな、じゃあ決まりだよな」
 美優も最後に笑顔で賛成した。
「そこも行こうな」
「有り難う、それじゃあ」
「夏の大阪って暑いけれどな」
「けれど楽しい町よ」
「楽しいのは何時でもじゃないか?」
 一年中だというのだ、大阪は。
「特に難波はな」
「そうね、言われてみれば」
「楽しいところだよな」
「お笑いの町っていうだけはあるわよね」
「それでその町に行って」
 楽しもう、食べるだけでjはなくだった。
 そうした話をしてから塾にも行った、そのうえで。
 彩夏は塾から自分の家に帰った、するとだった。
 母がキッチンで夕食の用意をしていた、彩夏は母の手元にあるそれを見てそのうえで尋ねた。
「それ鶏肉よな」
「鴨よ」
「鴨なの」
「よく見て、色違うでしょ」
「あっ、確かに」
 見ればそうだった、外見は似ているがそれが違っていた。
「鴨の燻製?」
「合鴨じゃなくてね」
 それを俎板の上で切っていたのだ。
「これがおかずで後は」
「他には?」
「冷たいスープよ」
 それも作るというのだ、見れば鍋もある。
「ほうれん草のね」
「ふうん、それなの」
「そう、 夏だからといってお素麺とかじゃ駄目なの」
 栄養が偏るというのだ。
「こういうのでちゃんと栄養を摂らないと夏バテするわよ」
「とにかく食べてこそなのね」
「そう、だからね」
 それでこうした料理を作っているというのだ。
「あと明日はお豆腐だから」
「冷奴?」
「揚げを焼くから」
 こちらだった。
「それとお野菜のお浸しも作るから」
「野菜大事よね」
「当たり前よ。明後日はカレーで」
 彩夏の好物でもある、母の得意メニューの一つだ。 
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