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ルームメイトが幽霊で、座敷童。

作者:都橘奏
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1-2

「もしかして、これって来たんじゃないか?!」
「なんだー仕事かー。それじゃ私はクリアしとくわ」
「お前も行くんだよー!」

 どういう原理かはしらんがおれは幽霊をつかむことができる。もう一度言おう、どういう原理かは知らん。
 まあ、恐らくこいつがいる時点で何か起きてるんだろうな、予想はつく。厄介なことに巻き込まれてしまったようで……

「はい、どうぞ」

 意外とそうでないのかもしれない。

「あの……なんでも屋はこちらでよろしいでしょうか……?」
「はい、そうですよ」

 営業スマイルは大切だね。ってなくらいな笑顔でかえした。そこにいたのは十五歳(あくまでもそれくらいに見えるだけ)ほどの少女だった。一体何を頼みにここまで来たんだ?
 さっそくに言ってしまうが、ここでは“通常の警察では適わない”ものならなんでも対処する。
 つまり、幽霊や妖怪がそれにあたる。
 一反木綿みたいな生易しいものから、ともさかろうと言った大妖怪まで、その種類は豊富だ。
 だが、それで困っている人がいるのも事実。
 てなわけで……依頼はなんだろうね?

「犬を探して欲しいんです!」

 わんわんお!
 ……じゃねえよ! 数日ぶりの全うな仕事かと思ったらこれか?! 犬探しは警察でしてもらえよ!

「違うんです。急に消えてしまって……」
「……“神隠し”みたいに、ですか?」
「ええ、そうです。そう……ちょうどそんな感じ……」
「ふーん、それって妖怪の仕業かねえ」

 ゲームをしていた碧さんは気付くと俺の方むいて座っていた。てかくっついてきた。暑いから。あと胸あたってますから。

「どーいうこった?」

 俺は独り言を装うように、碧さんに尋ねてみた。

「妖怪ってのは物や生き物の魂が長い年月を経てて変容していくものなのよ。簡単に言っちゃえば幽霊の進化系が妖怪、ってことかな。んで、普段ならそのままあの世にぽっくりなんだけど、妖怪としてなるってことは相当な怨念を持つわけよ。……ま、どうせそんな難しくないだろーけど」

 そんなもんなのだろうか。俺はそう考えて小さくため息をついた。
 というか俺は仕事があまり好きじゃない。もともとニートだったせいか、面倒事が苦手なのだ。なら、なぜ仕事を? 簡単だ、金がないから。金のためなら、まあ仕方ない働いてやるかって感じになる。人間の頭脳ってのはそれくらい単純なのだ。 
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