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【完結】剣製の魔法少女戦記

作者:炎の剣製
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第三章 聖杯大戦編
  第八十四話    『外伝14 時空管理局に所属』

 
前書き
管理局に本勤めになります。
シホが一番兼任が多いので大変です。 

 




Side シホ・E・S・高町


五月になり、私達は仮配属期間も終わり正式に時空管理局に入局した。
なのはは時空管理局武装隊士官候補生として。
フィアットは時空管理局武装隊士官候補生と兼任して無限書庫司書として。
フェイトは時空管理局執務官候補生として。
はやては時空管理局特別捜査官候補生として。
そして私は時空管理局武装隊士官候補生と兼任でこの春新しく発足したらしい魔術事件対策課魔術士官候補生として。
しかも聖王教会にも所属という形になってるから忙しくなること請け合いである。
ちなみに武装隊の士郎やキャスター、志貴、そして聖杯大戦での容疑者の一人だったミゼ・フローリアンさんも出所後にそこに所属している。
まだ次元世界で確認されている魔術師の数はまばらなので規模も小さいし部隊運用資金もまだそんなに入ってこないらしいが将来的には一部隊くらいは大きくなるという予測が立てられている。
聖杯大戦という大魔術儀式の事件を経験してそれだけ魔術に対する上層部の不安があるのだろう。

ちなみに話は変わるがフェイトは正式にハラオウン家の養子になることが決まったので現在『フェイト・T・ハラオウン』と名前にハラオウンが追加となっていた。
アリシアもついでに『アリシア・T・ハラオウン』である。
私達が制服に腕を通してエイミィさんのところへやってくるとエイミィさんが熱く出迎えてくれた。

「おー似合う似合う!」
「ありがとエイミィ」
「えへへ」
「お姉様と一緒です!」
「そう騒がないの、フィア」

なのはとフェイトはまだ慣れないらしくそわそわしている。
私と同じ制服を通しているフィアは嬉しそうである。
実を言うと私もこういった組織は初めての経験であるため緊張は一応している。

「奏者よ、そんなに緊張はせずそのままを体現すればいい。そうすればおのずと仲間は信頼してついてくるぞ?」
「そうです、シホ。あなたは一人ではないのですから」

アルトリアとネロも制服を来て一緒についてくる。
ちなみに二人共私の使い魔として登録はしてあるがアルトリア自身はネロと違い単独でも任務は可能なので武装隊に入っている。
ネロは離れすぎると単独行動スキルがないため力が出せないので結構常に私についてきてくれてる。

「…しっかし俺達も組織だって入局するとは思わなかったな」
「いいではないですか、ランサー。これで私達もなのは達を手伝えます」

ランサーとオリヴィエ陛下も制服に身を包んで歩いてきた。
オリヴィエ陛下は義手なので特注の制服である。

「オリヴィエさん、似合っていますよ」
「ありがとうございます、なのは」
「ランサーも似合ってるよ」
「あんがとな、マスター」

オリヴィエ陛下もランサーもまんざらでもないようなのでそこはよかった。

「でもまだ緊張します」
「すぐ慣れるよ。これからちょくちょく着ることになるからね」

そう言いながらもエイミィはフェイトの首のリボンを整えていた。

「はーいっ! こっちもできましたー!」

と、マリーさんがはやてを連れてやってきた。
はやても制服姿で車椅子を押している。

「あーどもです」
「はやて」
「はやてちゃん、可愛い」
「あはは、みんなもよく似合っとるよ」
「えへへ、みんなで制服そろい踏みだね」

そう、私達は春からそれぞれの部署で働き始める。

フェイトは基本的にアースラチームと行動を共にしながら執務官になるためのお勉強。
はやてはリインフォースからもらった『蒐集行使』というすごいらしいレアスキルを持っている。
だから四人の守護騎士、リインフォース、士郎、キャスター、志貴と共にその能力が必要とされる事件に随時出動する特別捜査官。
これに関しては百戦錬磨の人達なのではやては最初の方は実力不足で置いてかれるだろうと踏んでいる。
ちなみにだけどアルクェイドだけど彼女だけは管理局には勤めず日がな散歩をして放浪をしていてたまに顔を見せるくらいだろうと、はやては言っていた。
でも頼めば手伝ってもくれるらしいので心配はないらしい。
なのはは武装隊からスタートして目指すのは最高の戦闘技術を身に付け局員達にそのスキルを教えて導く『戦技教導隊』入りだという。
そして私は一応なのはと同じく戦技教導隊入りも目指しているが、それ以外にいきなり発現した魔術の力に苦しんでいるかもしれない人を助ける任務につきたいと思っている。
これも魔術事件対策課の一つの仕事ね。
フィアも一緒に魔術を習って私に着いて来てくれるという。

「でもフェイトちゃん。アースラ勤務になれてよかったですね」
「そーだね。艦長、ほんとうはなのはちゃんやシホちゃんも欲しかったみたいなんだけどさすがにAAA級を三人以上は保持させてもらえないって」
「なるほどー」

それで私の頭の中では非常に悔しがっているリンディさんの顔が浮かぶ。

「お母さんお兄ちゃんと一緒でよかったな、フェイトちゃん」
「うん。そのうちアリシアも一生懸命勉強して局に務めるって言っているから来年辺りにはオペレーター勤務にでも入ってくると思うんだ」
「え? アリシアは魔術事件対策課に誘われているって話を聞いたわよ?」

私の言葉にフェイトは「え…?」と本当に知らなさそうな顔をしていた。

「なんでも魔術師は貴重だから是非魔術事件対策課に入ってくれと打診されているらしいのよ。私も直にそこに武装隊と兼任で出向する予定だしね」
「そうなんだー…。もしかしてすずかとアリサも…?」
「ええ。すずかはもう少し親を説得したらって話ね。アリサもそんなところね」
「ふーん…それじゃ将来は友達メンバー全員で管理局に勤められるかもね」
「そうね」
「そんでな。私も基本的にはうちの子達と一緒やし管理局は人情人事をしてくれるんやねー。
…まぁうちの場合はレティ提督が九人まとめて高ランク戦力をゲットしよって計算もあるかもしれへんけど…」
「「あーその計算は間違いなくある」」

エイミィさんとマリーさんが二人でそれに頷いていた。

「っていうか今更だけどはやてちゃん一家って最強ぞろいじゃない! 唯一気ままで管理局に入っていないアルクェイドさんも入れると相当の戦力だ」
「そうですね。もう慣れました」
「主はやて、こちらでしたか」
「はやてー」

はやてはもう言われ慣れたらしく平然と受け答えをしている。
そこに前の方からシグナム達が歩いてくる。
まずシグナムとヴィータは制服ではなくて聞くと武装隊甲冑のアンダースーツ姿。
シャマルは制服の上に白衣。
リインフォース、士郎、志貴は普通に制服姿。
キャスターは少し胸がはだけている大胆な着方をしている。ここでは耳と尻尾も隠していないようだ。

どうもシグナムとヴィータは局員の制服は合わないらしくアンダースーツを着ているという。
「こっちのほうが馴染む」とはヴィータの弁である。
それから全員で近況の会話をしている中、

「はやてちゃんの杖…シュベルトクロイツだけどバージョン8が届いているはずだよ」
「ホンマですかー?」
「杖は落ち着いてきたから管制デバイスも作らないとですね」

そう、はやてはその膨大な魔力にこれまで何度も杖を破壊してきた実績がある。
それでやっとのこと8本目で落ち着いてきたというのだからデバイス作りの人泣かせである。
まぁマリーさんも壊されるたびに熱を入れたらしく結構デバイス作成は白熱したというから本人が気にしていないのだから別にいいだろう。

「シホちゃんのアンリミテッド・エアも聖杯大戦で結構無茶させちゃって、一回オーバーホールしたんだからもうあんなにエクスカリバーフォルムは乱用しないでね?」
「はい、気をつけます」

そう、やっぱりエクスカリバーフォルムはアンリミテッド・エアにも結構負担がかかるらしくフレームを強化しないとそう何度も使えないという。
ま、今の私にはユニゾンリミッターがかかっているのでこれからはそうそうエクスカリバーフォルムは使用できない。
それに【ツヴィリングフォルム】【シュッツェフォルム】【オーバーエッジフォルム】の三形態までで十分使えるから私としては十分だ。

それからマリーさんにある連絡が入ってきてなのはのレイジングハート・エクセリオンの補強調整が終わったという話なのでヴィータの髪をいじっていたなのははそれを取りに行った。


◆◇―――――――――◇◆


…一方、無限書庫ではユーノがせわしなくクロノの指示に動いていた。

『…991号次元の一般的魔法史歴とその進化記録。
それからさっき送った暫定ロストロギア指定物品の鑑定用資料…これは遺失物管理班とうまく連携して資料抽出してくれ。
それと裁判記録で探して欲しいデータがある。いま一覧を送るから』

クロノはマジメに言っているがその量は半端ではない。
命令されたユーノはあまりの量にしょうじきまいっていた。

「ちょ、ちょっと待った! まさかそれ全部今週中にやるのかっ!?」
『そうだが何か?』
「無茶言わないでくれ! こっちは長年放置されてた書庫内の整理だけでいっぱいいっぱいなんだから!」
『そう言うな。忙しいのはどこもいっしょだ』
「もとはといえば局が怠慢だったからでっ!」
『それはそれ、これはこれだ。司書としての権限はあるんだ。人を使え指示をしろ』
「ううっ…」
『なんなら依頼料を申請してスクライアの身内に頼んでもいい。どうしてもというならフィアットも呼び出せ。
こういう時にフィアットは司書を兼任しているんだから使えるものは何でも使え』
「うう…当たっては見るけど」
『そう言った部分も含めて君には期待しているんだ。じゃあ今週中に頼んだぞ』
「いちおう了解…。検索ヒット率の一覧を送るから優先順位決めを」
『了解』

それでユーノは疲れた顔をしながら作業に掛かり出す。
そこにレイジングハートを取りに行っていたなのは。そしてシホとフィアットがやってくる。

「ユーノ君、忙しい…?」
「あれ? なのはにシホに…フィア! ちょうどいいところに!」
「…え? なに、兄さん?」
「お前も司書なんだから手伝ってくれないか? クロノから色々と頼まれているんだ」
「あー…そうなんだ。それじゃ少しだけ…」

それでフィアもユーノに付き合う。

「それよりなのは達制服が届いたんだ。特になのははやっぱり白ジャケが似合ってるね」
「えへへ、ありがとう」
「それを言うとシホは少し合っていないかな?」
「…なにか変かしら?」
「いや、やっぱりシホは赤いほうが似合っているなと思って…」
「それは私としては不本意ね。別に好きで赤い服を着ているわけでもないんだから」

ここにネロがもしいたら「赤はいいぞ奏者!」と言うだろう。
それに対抗してアルトリアは「いいえ。青も似合っています」と言い出すことは想像がつく。
とにかくそれで笑いが起きる。

「それでフィアはちょうど良かったけどなのは達は何か用事の途中?」
「うん。レイジングハートのフレーム強化と微調整が済んだから受け取ってきたの」
「私達は付き添いかな?」
「はいです」
「そっか」
「レイジングハートね。ピーキーだし機能が独特だから調整が一苦労なんだって」
「カートリッジシステムも入っているもんね。今後の予定で魔術式システムも導入する予定なんでしょ?」
「うん。せっかく私の魔術は魔導とは違って治癒系の魔術適正だから治癒魔術師にもなれるしね」

そう、なのはの魔術適性は治癒系統に傾いていたのだ。
だからシホに治癒の魔術の仕方を教わったりしている。
今はまだかすり傷程度しか治せないけど将来的には負傷した傷もすぐに治せるようになりたいとなのはは言う。


閑話休題


それからお昼を一緒にしようというなのはの提案でシホ達はユーノの作業を手伝うことになった。
ユーノはそんな時にある事を語りだす。

「なのはとシホは今じゃ立派な魔導師だけど時々少し考えるんだ。
去年の春、あの時僕とフィアはなのはとシホと出会っていなかったら二人共魔法と出会うこともなくって、そしたら二人はどんな風に暮らしていたのかなって…」
「お姉様と出会えなかったらなんて考えるのはヤダです!」
「まぁまぁフィア…落ち着いて。
それでなのはとシホが助けてくれなかったら僕達は危なかっただろうしいろんな『もしも』を考えると少し怖くなるんだけど…」

それで一度ユーノの言葉は切れる。
それになのはは、

「そうだね。でも私はユーノ君とフィアちゃんとレイジングハートと魔法に出会えて本当によかったと思っているよ」
「私もかな? そうでなきゃ私はまた裏社会に身を染めていたと思うし…」
「あはは…」

シホの言葉にあんまり冗談に聞こえないからなのは達はとりあえず苦笑をした。

「ユーノ君達を助けられる力が自分にあって、
フェイトちゃんと正面から戦って心を交わし合うことができて、
闇の書事件の解決のお手伝いができてはやてちゃんとも友達に慣れて、
聖杯大戦でも私でも出来ることはあったと思うから、
…本当によかったと思ってるの。
みんなあの時ユーノ君とフィアちゃんと会えたからだもんね。
当然シホちゃんともだけど。
だからシホちゃんやユーノ君、フィアちゃんにはまだまだ教えてほしいことがたくさんあるし、今も一緒にいられるのすごく嬉しいから『合わなかったら』はあんまり考えたくないなぁ…」
「そうね。そうじゃないと私もアルトリアとも再会できなかっただろうしね」
「そうですね」

それでその後は四人で作業を進めている時だった。
ユーノにシグナムから通信がかかってきた。

「はい、ユーノですけど」
『シグナムだ。済まないが少し手を借りたい』
「はぁ少しならかまいませんが………訓練用の結界ですか?」

それで四人は訓練施設に向かった。
そこでは、シグナムとフェイトが向かい合っていた。

「レヴァンティンも中身はだいぶ新式だ。怪我をさせないよう気をつけるからな、テスタロッサ」
《Ja.》
「おかまいなく。バルディッシュ・ザンバーも元気いっぱいですから!」
《Yes Sir.》

そんな二人を見てなのは達は何事だと言い出している。
シホは「二人共好きねぇ…」と呟いていたり。

「なのはちゃん、シホちゃん、ユーノ君、フィアットちゃん。なんかデバイスの調整後慣らしのはずがなんだけどまた模擬戦って流れなの」
「なるほど…」

シャマルの適切な説明になのは達は納得した。

「うちのリーダーもテスタロッサもまったくあきれたバトルマニアだ」
「フェイトちゃんも嫌いじゃないから…」
「将もこの時が一番楽しんでいるな」
「確かにな…」

ヴィータ、シャマル、リインフォース、士郎の順にそう話す。

「なのはちゃんもエクセリオン戻ってきてんねんやろ? 参加するかー?」
「ええっ!?」
「そうだね。なのはとシホとヴィータも一緒にどう?」
「わ、私は今日は遠慮を…」
「あたしもパス。無駄な戦いはハラが減るだけだしな」
「私もできれば平時はじっとしていたいかしらね…?」

誘われた三人ともどうにもやる気は起きないらしく断っている。
それにシグナムは不満な表情をして、

「なんだつまらん。このレベルの団体戦ができる機会は貴重なんだがな」
「あはは…それは勤務訓練の時にでもー」
「なのはってシグナムさんとやるの苦手なんだよね」
「やりづらいタイプってものあるけどシグナムさんのは訓練じゃなくてほとんど真剣勝負だから…」
「お姉様はどうして…?」
「ま、やってもいいんだけど結構シグナムには何度か私の技は見せちゃったから対策はもう結構取られちゃってるしね…」
「ヴィータも混ざらない…?」

フェイトが手招きをしてヴィータを誘う。
それにヴィータは、

「くどいぞテスタロッサ。あたしははやてのため以外で無駄に戦う気はねー。
お前らみたいなバトルマニアと一緒にするな」
「あー、ひどーい!」
「と、言って主の前で敗北するのが嫌なだけだったりしないか?」

と、シグナムの挑発の言葉にヴィータはすぐに切れた。
なぜか矛先はなのはに向かうがそれはもうしょうがない。

「いいぞコノヤロー! やったろうじゃねぇか! 準備しろなのはッ!!」
「ええええー!?」
「この流れだと私達も強制かしらね…」
「ですね、お姉様」

それから各自準備を始める。
ちなみにアルトリアやネロ達は見学と相成った。
さすがにサーヴァント達が戦闘に介入するとパワーバランスが崩れるということで。

「えーとゆうわけで久しぶりの集団戦です。
ベルカ式騎士対ミッド式魔導師。7対7のチームバトル~!」

ベルカチームははやてをリーダーにシグナム、ヴィータ、シャマル、ザフィーラ、リインフォース、士郎。
ミッドチームはクロノをリーダーになのは、フェイト、ユーノ、アルフ、フィアット…そしてなぜかミッド式ではないシホ。

「はやて。私はどっちかっていうとそっちじゃない…?」
「シホちゃん。そこは空気読んでな。数が合わなくなってまうから。それに士郎と戦えるんわこの中ではやっぱりシホちゃんだけやしな」
「そう。わかったわ」
「それじゃ気を取り直してー。ルールは局の戦闘訓練準拠で攻撃の非殺傷設定は言うに及ばず武器持ちの子は相手のバリアジャケットを抜かないようちゃんと威力設定してなー?」

はやての言葉で全員がそれぞれ準備をし出す。
はやての方は、

「ヴィータとザフィーラが前衛、シグナムは遊撃、シャマルは私の後ろや。士郎はシホちゃんをなんとか抑えといて。リインフォースは私と一緒に砲撃の準備や。手が空いたらシグナムと交代制で遊撃やね」

それぞれに指示を出していく。
クロノの方でも、

「クロスレンジは引き付ける程度であまり付き合うな。フォワード組ははやてとシャマルの捕獲か撃墜を最優先。なのははユーノをうまく壁にして火砲支援を頼む。フィアットはシホとともに中距離を頼む」

こちらでも色々と指示が出されている。
そして双方ともに作戦が決まり、

「管理局指揮官4名とその使い魔3名! 高度な連携戦を教えに行くぞ!」
「おーっ!」
「クロノ! ちょ…! また…!!」
「私は別に構いませんけどー…むしろいいですね!」

ユーノは反論の声を上げたがフィアットはむしろ使い魔でいいと宣言した。

「よっしゃ! 魔導師のみんなに騎士の戦闘を見せたろ!」
「おうっ!」

そして集団戦が開始された。


◆◇―――――――――◇◆


その光景をモニターで見ていたリンディとレティはというと、

「まーなんというか若い子達は元気ねぇ」
「そうねぇ」
「仕事でもトレーニングはしてるでしょうに」
「技術向上が楽しいんでしょうねー」
「それにしても闇の書事件ってさ、第一級ロストロギア関連事件なのに終わってみれば死者0名。
おまけにアルトリアという珍しいユニゾンデバイスに、それにレア能力つきの魔導騎士と即戦力レベルの配下6名までゲットしてリンディ提督はいったいどんな奇跡を使ったんだって噂になってるわよ?」
「あらまぁ」
「それにその後に起きた聖杯大戦事件…この事件では数名の局員や一般市民が犠牲になっちゃったけど、でも、それでも強力なサーヴァントという使い魔を計8体もゲットしたことになる。
それにそのサーヴァント達も主であるなのはちゃん達には従っているから逆らうことはないでしょう。
これの件に関しては上層部は静観するらしいわ」
「そうなの…よかったわ。なにかあったらゼルレッチさんが暴れると思うから一応は一安心ね」

縦横無尽に宝石剣を振り回すゼルレッチの姿が頭に浮かんだのか二人は少しおっかなびっくりといった表情になっていた。

「ま、奇跡かどうかはわからないけどあの子達はなんとも頼もしいわ。
あの子達がもっと大きくなって部下とか教え子を引き連れて一緒に事件や捜査に向かっていくようになったら世界はきっともう少し平和で安全になるかもね」
「…それはいいけど今現在の訓練室がちょっと危なくない?」

画面では全員の様々な攻撃によって廃墟に近しい姿へと変貌していっている訓練室が写されていた。

《stand by ready, charge set.》

そのレイジングハートの言葉になのはとフェイトが大技のチャージを完了する。

「フィールド形成! お待たせしました。おっきいのいきますっ!」
「N&F中距離殲滅コンビネーション! 空間攻撃ブラストカラミティッ!!」
「どっこいこっちも詠唱完了や! 広域攻撃Sランクの意地があるッ!」

その三人のおっかない発言にクロノは、

「ユーノ…」
「結界展開完了。大丈夫、訓練室は壊れない」
「本当にあの三人は魔法が高威力ね…」
「はいです…」

シホとフィアットの言葉は勢いによって流された。

「全力全開!」
「疾風迅雷!」
「「ブラスト・シューーートッッ!!」」

それによって訓練室が光に包めれてそれが止んだ時には全員が全員ボロボロの姿だった。
それを見ていたサーヴァント達はというと、

「やるなぁ…」
「そうですね。人の身でこれほどの威力を出せるとは…」
「良い戦いだったな。さすが奏者達だ」
ご主人様(マスター)がボロボロです…」
「確かにあれには俺も介入は難しいかな…?」
「ですが模擬戦としてはレベルは確かに高いですね」

上からランサー、オリヴィエ、ネロ、キャスター、志貴、アルトリアとそれぞれこの模擬戦を評価する。

なのははボロボロになりながらも胸中で、

(未来はこれから始まっていきます…。目の前にあるのは新しい夢。大人になっても忘れない巡り合いと願いを胸に抱いて私達は笑顔でいます。元気です!)

そしてシホも心の中で、

(これからもこのメンバーでやっていけたら怖いものはないかもね。そして未来はどう生かすか殺すかが私達にかかっている。気合を入れていかないとね)

と、思っていたのだった。


 
 

 
後書き
最後の外伝になりますのでこれで次からは空白期に入ります。 
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