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【完結】剣製の魔法少女戦記

作者:炎の剣製
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第三章 聖杯大戦編
  第七十一話    『姿を見せる英雄王。真祖の本気』

 
前書き
今回は英雄王を少しだけ出します。 

 


シホ達は翌日になり学校帰りにまた拠点の月村邸へと集合していた。
キャスターとシャマルのダブル結界もちゃんと維持されているので侵入されてもすぐに対応できるだろう。

「さて、それじゃまた何日かかるか分からないけど聖杯大戦が早く終決する事を祈って行動を開始しましょう」
「それなんですが…一つ不幸なお知らせがあります」

リンディがそう切り出す。

「どうしたんですか…?」
「いえ、管理局の方で動き回っていた局員達がある次元世界でバーサーカーらしきものとそのマスターらしき女性と接触したらしいのですが…。
功を焦ったのか局員達は無謀にも戦いを挑んでしまい返り討ちにあい、局員数名を残し九名ほどの死亡が確認されました…」
『ッ!?』

とうとう死人が出てしまったことに全員は痛ましい表情になる。

「もう死亡者が出ましたか…残念です」
「私もよく注意してくださいと警告はしたのですけど、自分達でも倒せるだろうと思ったのでしょうね。
もっとサーヴァントは私達では手に負えないものだという事を訴えるべきでした」
「悲しいことですが、私達は現状での事で精一杯ですからせめて追悼の意を捧げましょう」
『うん…』

それで全員で目をつぶって黙祷を捧げる。
しばしして、

「もう死人も出ました。だからもう悠長に構えている場合ではないと思います。だからこちらからも攻めたほうがいいと思うんです」
「そうか、奏者よ! ではどうでるのだ? 余は楽しくなってきたぞ!」

シホの発言にいの一番にネロが反応する。

「そう急かさないの、ネロ。そうね。リンディさん」
「はい。なんですかシホさん?」
「例のバーサーカーのマスターは誰か分かったんですか?」
「はい。数名の生き残りから情報証拠を得ました。
女性の名前は『アクア・アトランティーク』。ミットチルダのアトランティーク家のご息女でお嬢様だったのよ」
「だった、というのは…?」
「今は家を飛び出して行方をくらましているそうです。
そしてアトランティーク家のアクアさんの父親から耳寄りな情報を得ました」
「なんですか…?」

そこからリンディがアクア・アトランティークについて話し出す。

「彼女は小さい頃からよくお人形とお話をしていたそうです。
そしてその人形も魂が宿ったように言葉を話せて、でも当時は気味悪がられてイジメも受けていたそうです。
それから次第に彼女の行動は大胆になっていって目の前で人の蘇生を再現したという話です」
「蘇生…ですか」
「ええ。でもその後がけっこう大事な事態で蘇生させられた人は一日も経たずにまた死んでしまったといいます」
「無理に霊の魂を体に呼び戻した代償でしょうね…」
「そうなのでしょうね。これもいわゆる死霊魔術師(ネクロマンサー)の力の一端なのでしょうね。
魂を操る行為は死者の冒涜に他なりませんから。
そして彼女は何度も色々な世界の民族などの集落に行って情報を集めていたと捜査でわかっています。そして…」
「会得したのでしょうね…体に魂を留めておきさらに支配する呪法を」
「そしてアリシアさんを操っているという事になります。ひどい話ですね…」
「アリシア…」

それでシホとリンディの話は一旦終了する。
そこになのはが、

「魔術って、怖いものなんですね…」
「なのは…でもね」
「うん。わかっているよ、シホちゃん。ちゃんと平和的に使用すれば魔術も安全なものだということは…。
だから悪い使い方をしている魔術師さんは捕まえなきゃいけないんだよね?」
「その通りよ。それに魔術はこれ以外にも殺傷性の高いもの、陰湿なもの、人の命を媒体にするものなど千差万別。
だからそんな事件が起こらないようにしっかりと取り締まらなきゃいけないのよ」
「それは前の世界でシホと士郎さんが実践していたことだよね?」

フェイトが二人にそう聞く。

「ええ。私と士郎は魔術による違法な事件を解決するために動いていたわ。
でも魔術協会は人の命は二の次で実験第一な集団だったから魔術の秘匿のために逆に私達を捕らえようとした…」
「そんな世界になってほしくないね。この世界は…」
「そうね…。っと、そうです。話を戻しますね。そのバーサーカーが現れた場所は今はどうなっているんですか?」
「はい。捜査員がバリケードを張って厳重に封鎖して調べが行われています」
「近くにアジトがあるとかそんな情報ではないんですか…?」
「残念ながら…」
「そうですか。でもこれであと判明していないマスターはキャスターのマスターだけね」
「それなんやけど…」

そこではやてが声を上げる。

「そのマスターな。おそらく男性だと思うんよ」
「どうしてそう思うの…?」
「ほら。シホちゃん達も覚えているやろ? ある時に私の髪が数本誰かに抜かれてしもうた事が…」
「ああ。あの時ね。…あ、そうか。はやての髪を触媒にして英霊ヤガミを召喚した、と考えれば辻褄が合うわね」
「あのすぐに消えちまった奴か! はやての髪をいきなり抜いていったからな。ただじゃおかねーな」

ヴィータが思い出したのか怒りの表情をする。
しかしそこでシグナムが神妙な顔つきになり、

「英霊ヤガミ、か…主はやての写し身といってもいいキャスターは本当に倒していいものなのだろうか」
「そこは確かに色々と救いたいという気持ちもわくのはわかるわ。
でもね、シグナム。一度『座』に招かれてしまったらもう手の施しようがないのよ。
それにキャスター自身は世界の破壊を聖杯に望んでいる。だから野放しにしておけないわ」
「そう、だな。理屈ではわかっているのだがな…」
「はい。それは私も思います…。違う存在とは言えはやてちゃんを倒すというのはやっぱり気が引けます」

シャマルもそれに同意するように答えた。

「みんなありがとな。でも、倒さなきゃあかん。これはもう私達だけが私情を挟める問題じゃないからな。だからシグナム達も気持ちを固めてな」
「はい…。わかりました、主はやて」

それではやて達も話し終え、

「でも、やっぱりなにか手がかりが欲しいわね…。私はフィアとリンカーコアが繋がっているからそれを辿ろうと思ったけどさすがに特定まではできないから」
「冬木…」

そこで士郎がポツリと呟く。

「…え? 士郎、今なんて言った?」
「いや、もしかしたら冬木の土地に身を隠しているのかもしれないと思ってな。
世界は違うとは言え冬木は聖杯降臨の地だ。大聖杯を設置するには適しているのではないか?
この世界にあるかは分からないが冬木という地名は存在しているのだからな」
「冬木か…。行ってみる価値はあるかもね…」
「それでは出るメンバーを決めましょうか? 明日からは週末ですし出かけるにはちょうどいいでしょう」

リンディさんの提案で選抜メンバーを決めることになった。
冬木に行くメンバーは、
シホ&アルトリア&ネロ。
はやて&ファニーヴァンプ&守護騎士達。
フェイト&アルフ&ランサー。

この三組のメンバーが冬木へと向かうことになった。
八神家の中で士郎だけはもしギルガメッシュが来た時の切り札として月村家で待機してもらっている。
そして出されなかった他のメンバーも待機である。


◆◇―――――――――◇◆


Side シホ・E・S・高町


それから私とフェイトとはやて、守護騎士達、サーヴァント達は冬木の地に到着していた。

「まさか、こんな事で私の生まれ故郷に来るとは思わなかったわ…」
「ここがシホの生まれ故郷…」
「シホちゃんの世界ではこの地で聖杯戦争がおきたんやね」
「ええ。とりあえずどこか目星のつく場所を探しましょう」
「そうだな、奏者よ」

それで私達は行動を開始する。
まず向かったのは第四次の聖杯の降臨の地であり私の家があったであろう新都近くの住宅街。
私の世界では大火災で失われてしまったがこの世界ではしっかりと残されている。

「なんか私としては違和感な光景ね」
「どうして…?」
「私にとってはもう失われた土地でただ更地が広がっていただけだったのに普通に街が存在しているから」
「あっ、そうやね」
「そういえばシュバインオーグは火災以前の記憶がなかったのだな」
「ええ。シグナム」
「街一つを聖杯が焼いてしまったんですからロストロギア級に聖杯はおっかないものですね」

シャマルさんが聖杯をそう判断する。

「そしてもう滅びた世界は言峰綺礼の望むままに聖杯が願いを叶えたことによって滅びたって話だからな。まったく嫌になるな」
「そうね。ヴィータ」
「その世界の士郎は敗れてしまったという…言峰綺礼は許されないな」

リインフォースがそう言う。
やっぱり好きな人が違う世界とはいえ殺されればそう思うか。
それでもうここには用はないということで次の場所に向かうことにした。
次に向かったのはアインツベルン城があった郊外の森だ。
でも、そこにはバリケードが貼られていて中に入っていってもなにもないらしい。
とりあえずここはハズレか。
そして次に移動しようとした時に、

「シホ。シホの暮らしていた家ってあるのかな?」
「衛宮の家か。でも、もともと切嗣が聖杯戦争の拠点用に買った家だから誰も暮らしていないんじゃないかな?」
「別にええやん。一回いってみよか?」
「そう?」

それで急遽私達は武家屋敷を目指すことになった。
そして到着してみるとそこにはなんと表札に衛宮とくっきりと名前が書かれていた。

「まさか、ね…」

私が少し不安に思った。
もしかしてここには切嗣が暮らしているのだろうか?
それで数分そこで留まっていると中から二人の子供が飛び出してきた。

「シロウー。待ちなさい!」
「イリ姉。早くいこうぜ…!」

どうみてもその人物達は過去の私にイリヤだった。
それで思わず私は物陰に隠れてしまった。
二人は気にすることもなくどこかへといってしまった。
それで私は物陰から顔を出しながら、

「衝撃の光景を見た気分だわ…」
「そやね…」
「うん…」
「確かにな…」
「ああ…」
「あれはどうみてもシホちゃんというかイリヤちゃんなのかしら…?」
「士郎に似ていたな…」
「シホだな。ありゃ…」
「どうみてもイリヤスフィールだったですね」
「まるで奏者だな」
「第五次聖杯戦争時の士郎を小さくすればああなるな」
「この世界ではシロウはまだ子供なのね」

まず私から発言して、はやて、フェイト、ヴィータ、シグナム、シャマル、リインフォース、アルフ、アルトリア、ネロ、ランサー、ファニーヴァンプの順に話す。
それで私達はもしかしたら中に切嗣がいるかもしれないけど鉢合わせしてしまったら色々とまずいだろうと判断しその場をすぐに後にした。
それにしてもこの世界にはアインツベルンは存在しているか分からないけど少なくともイリヤがいるんだからその母親のアイリスフィールさんもいるのだろう。
魔術の世界にシルビアさんが転移してアインツベルンの家系が生まれたんだからもしかしたら苗字も違うのかもしれないわね。
そんなことを思いながら先を歩いていく。
そして本来の目的通り冬木教会や他にもそれぞれの場所を巡っていき最後に到着したのが、

「ここが柳洞寺。大聖杯が地下に収められていた地よ」
「ここが…」
「確か、こっち側に地下への入口があったと思うけど…」

それで私とアルトリアが先頭になって入口を探した。
そしてすぐに見つけることができた。
一応用心しながらも中へと進んでいくと鍾乳洞が続く道へと繋がり奥へ奥へと進んでいく。
なにもなければそれでいいし、なにかあったらそれこそ覚悟を決めないといけない。
そして奥底へとたどり着くとなにやら光っているように見える。

「なにか光ってる…」
「ちょっと待って。調べてみるわ」

私は目に強化をかけて奥底まで見回してみた。
するとそこには一人の男が立っていた。
まさにそいつこそ…!

「あいつは、ギルガメッシュ!?」
『え!?』

私が叫ぶと男はこちらへと振り向き、

「ほう…こんな場所までご苦労なことだな」

ギルガメッシュもこちらに気づいたようでその姿を黄金の鎧へと変える。

「よくぞ来た。雑種ども…!」

そこでアルトリアとネロ、ランサーとファニーヴァンプが実体化して構える。

「我と戦うというのか? 身の程知らず共め…。
しかし残念だったな。貴様達はここに大聖杯があると思い来たのだろうがそれはない。
大聖杯はいまや我の宝物庫の中なのだからな!」
「そんな事はどうだっていいのよ! 金ピカ! あんたを殺すわ!」
「ほう…もしや真祖か。あの時殺してやったというのにまた殺されに来るとは…」
「今度はそう簡単には殺されないわよ!」

ファニーヴァンプが爪を硬質化させて戦闘態勢に移行する。

「おいおい…。この人数差でその余裕、慢心はいけ好かねぇな…? 金ピカ?」
「慢心せずして何が王よ。それより貴様はランサーか…」
「英雄王…あなたを倒します」
「騎士王もいるとはなかなか面白い構成メンバーだな。どれ、では一つ相手になってやるとするか。王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)…」

ギルガメッシュが王の財宝を展開してそこから数多の宝具の原典が顔をのぞかせる。
しかし、そこにいきなりアサシンと三菱彩が転移して現れる。

「…む? 雑種、貴様なんの真似だ?」
「おいおい王様? まだあなたが出しゃばるのは早いのではないですか?」
「王の戦いを邪魔立てするとは不敬だぞ? そのふざけた笑みを引き裂かれたいか?」
「怖い怖い…。しかし今はまだ王様は力を蓄えておいたほうがいいですよ。代わりの相手は僕とアサシンが務めますので…」
「ふん…。誰からの命令だ…? もしや言峰からか?」
「王様のご考えの通りの人物ですよ」
「くっ…いいだろう。雑種、我はもうここには用はない。よって見事に散るがよい」

そう言ってギルガメッシュはその場から姿を消した。

「あっ!? 待ちなさい、金ピカ!」
「ファニーヴァンプ、もうギルガメッシュの気配は感じられません。おそらく立ち去ったのでしょう」
「うー…せっかく殺る気になっていたのに! もういい! ここは志貴を痛め付けるんだから!!」
「…奏者よ。どうする? 余達は見学とするか?」
「そうね…。どうやら今この場に他のサーヴァントはいないようだからここはファニーヴァンプに任せましょう」
「そうやな。それじゃファニーヴァンプ!  ギったんギったんにしたれ!」
「了解よ。はやて!」

それでファニーヴァンプがいざ挑まんと構える。
だがやはり殺人貴は驚愕の表情をしているようで。

「アルクェイドなのか…? まさかお前がサーヴァントになっていたなんてな…」
「志貴! あなたを倒すわ! 覚悟しなさい!!」
「…しょうがないか。やるぞ!」

そしてファニーヴァンプは爪を硬質化させて殺人貴へと向かっていった。
ファニーヴァンプが爪をふるうたびに、衝撃で地面がえぐれる。

「くっ!?」
「そらそら! 志貴! あなたはもっと強いはずでしょ!?」
「無茶を言う…!」

殺人貴はすでに李書文にやられた左腕は治っているようだがどうにもやはりファニーヴァンプの攻撃に攻めあぐねている様で防戦一方といった感じだ。
ファニーヴァンプもそれはもう楽しそうに爪をふるっている。

「ッ! ここだ!」

殺人貴のナイフがファニーヴァンプの首を捕らえようと迫る。
しかしそこでファニーヴァンプはそのナイフを持っている腕を掴み、

「っ!?」
「せーの!」

ドスンッ!

「ぐあっ!?」

見事にその有り余る力で地面へと叩きつける。
それだけで地面が少し陥没しているのだからその力は計り知れない。
ヨロヨロと立ち上がるが私は殺人貴が長時間の戦闘は苦手としているのを知っている。
だからいまだ本気を出していないファニーヴァンプには敵わないだろう。
それを分かっているのか殺人貴は少し笑みを浮かべて、

「さすがだな。アルクェイド…。英霊になってもお前には敵わないか…」
「あったりまえじゃない、志貴。私は世界から力を受け取ってるのよ? だから必ず勝たなきゃいけないのよ」
「ははっ…お前らしいな」

もう二人は昔の関係のように会話も楽しんでいる。
こういった物騒な時でもお互いに笑い合えるのは羨ましい関係だ。
でも、そこに無粋な奴が命令を下す。

「なに遊んでいるんですか、アサシン? さっさと倒してしまいなさい。令呪に命じる。“その女を本気で殺せ”…!」
「貴様!? ぐあっ!!」

殺人貴の体に紫電が走り殺人貴は目に巻いている包帯を無理やり破り捨て、

「…くっ。世界に、死が満ちてくる…。…アルクェイド。もう俺はこの殺人衝動を止められないみたいだ…」
「うん。いいわよ。志貴の全部を私は受け止めてあげる…」

するとファニーヴァンプは目を瞑って両手を水平に広げた。
なにをするのかと思ったが、答えは決まっている。
宝具の発現だ。

「星の息吹よ…」

ファニーヴァンプの周りの空間が、いや私達の周りもだけど急に静かになり、途端世界は一変した。
急に周りは満月の月の光が照らすお城の中みたいな空間に様変わりをした。

「これって…!?」
「固有結界…いや、空想具現化の能力ね」
「私も…本気でゆくわ!」

そしてどこからともなく幾重にも鎖が殺人貴にせまり縛り上げた。
そしてその爪で何度も殺人貴の体に致命傷ギリギリの攻撃を食らわしていく。
最後にファニーヴァンプの姿が一瞬だけだが短い髪から長い髪になりドレス姿に変わったと思うととてつもない衝撃波が発生し殺人貴は光に包まれた。
そして世界は元に戻り殺人貴は地面へと横たわっていた。

「…志貴。生きてるー?」
「…もっと、手加減しろよ。この、バカ女…」

そして殺人貴は消滅はせずにそのまま気絶した。

「うし! お仕事終了だね! さて…」

ファニーヴァンプの目に彩の姿が映される。

「志貴を好き勝手してくれたお礼、しないとね…?」
「うっ!?」

ファニーヴァンプは妖艶の笑みを浮かべてその目の魔眼を光らせた。
それによって彩の体は固まってしまったかのように動かない。

「あ、ファニーヴァンプ。殺さないでね? 拘束するから…っと、その前に」

私はその手に破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)を投影し、気絶している殺人貴に刺す。
それによって彩の手から令呪が消え失せる。
それを確認して私はマグダラの聖骸布で彩を縛り上げる。

「ファニーヴァンプ。これで殺人貴の契約者はいなくなったわ」
「ありがとね。シホ!」

それでファニーヴァンプが再契約の呪文を唱えると、その手に一画だけある令呪が宿って、これで正式に殺人貴はファニーヴァンプのサーヴァントになったのだった。

「それで、こいつ…どうしようか?」

見れば彩はファニーヴァンプの魔眼を直視したのが原因なのか魂が抜けたかのように放心している。

「管理局に引き渡そう。これでも言峰綺礼に協力していたんだから」
「そうやね。ま、刑務所の中で暮らさせたらええわ。それにもしかしたらアジトを聞き出せるかもしれへんしな」
「私は志貴が私のものになっただけでもういいかなー? でも、金ピカは必ず殺すけどね♪」

そんなこんなで私達は特にこれといった収穫は…いや、殺人貴が仲間になったからあったけど、特にめぼしいものは発見できず冬木の街を後にして海鳴市に戻るのだった。


 
 

 
後書き
一人目脱落しました。これから散っていくものラッシュを続けます。 
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