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インフィニット・ストラトス ~天才は天災を呼ぶ~

作者:nyonnyon
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第5話

 
前書き
ここまでは書き溜めしてました。
今回はやっぱり一度はやらなくてはならないネタでしょう。 

 
「おぉ、頭から煙が出てるよ……。 すごいねぇ、人間業じゃないよね」

 今俺は燃え尽きていた……。

「授業がムずかしすぎるぜぇぇぇぇぇぃ」

 グダっと机の上に突っ伏す俺に、パタパタと煙を払いのけながら風音は話し始めた。

「そう? まぁ、一夏とかは急にISの勉強を始めたんだよね? なら、そんなもんかな? てことは、もうひとりも今頃そんなかんじってこと? う~ん、どうでもいいか」
「風音ぇぇぇ。 べんきょおせーてくれよぉ」
「おぉう、煙の次は言語までおかしくなっとるねぇ。 さすが一夏!! しびれも憧れもしないけどすごいとだけは思っていてあげよう。 それと勉強はいつでも見てあげるから言いなよ。 私、勉強は得意だしね」
「まじか!!! サンキュウな!!!」

 一気に元気を取り戻す。 風音先生がいれば安心だぜ!!! 授業中こいつのノートをチラッとみたけど、なんかすごい複雑な式とか書いてあったし、頭はいいと思ってたんだよ!!

「ほう、人のノートを勝手に見たのかい?」
「な、なぜわかった!!!?」
「顔にデカデカとかいてあるからねぇ……。 まぁ、ノートぐらいいいか。 じゃ、私は寮に戻るから、一夏も早く家に帰りなよ」

 そう言って教室を出て行く風音。 よかった、ノートを見ちまったことは別に気にしてないみたいだ。

 遠巻きに見ていた他の生徒も疎らになった放課後の教室は、やることもなく残るのがちょっと躊躇われる雰囲気を放っていた。
 さっさと帰えろうと思い立ち、鞄に道具を詰め始める。

「お? 帰んのか? 寮じゃない……ダト? まさか、イレギュラー?」

 そんな言葉をつぶやきながらもう一人の男のIS操縦者『御神 龍成』は現れた。

 イレギュラー? 何をいってるんだこいつは?

 出会った時から意味不明の発言を繰り返すこの男には正直うんざりしている。 IS学園に行くことが決まってから会うことが多くなったのだが、女子に意味もなくいやらしい顔で微笑んだり、手をわきわきさせながら近づき、無意味に撫でるなど、大凡(おおよそ)、変態としか取れない様な行動をよく取るのである。
 親友と呼べる友達の弾の妹である『五反田 蘭』も、「気持ち悪いから近づいて欲しくないです」と言っていたし、相当嫌だったのだろう。

「はぁ、……で? 何の用だよ?」
「ふッ、勉強の進み具合はどうだい? 多方、ISの参考書を電話帳と間違えて捨てでもしたんだろう? まぁ、俺だって最近ISの事を勉強し始めたから完璧とは言えないが、記憶力には自信があるからな。 ちょっとなら勉強を教えてやれるが?」


 ふぁっさぁ と、意味もなく前髪をかきあげて告げる御神。

 なんだ、自分が勉強できますよってアピールかよ……。 ウゼェな。 しかも上から目線で勉強を教えてやるってか? 

いらねーよ、もう風音が教えてくれることになってるしよ。 ついでにうざいからその前髪切れよ……。

「いらね~よ、もう別のやつに教えてもらうことになってんだ。 しかも女子。 前々から勉強してるはずだから絶対にお前よりはできるはずだしな。 あと、勝手に参考書を捨てた事実を捏造するなよ。 この分厚い参考書が見えねぇのか? まぁ、電話帳と間違えて捨てたくなる気持ちはわからんでもないが……」
「何!!? 参考書を捨ててないだと!!! ……これもイレギュラーか。 待てよ? 既に千冬からもらっていた可能性も否定できんよな? ボソボソッ」

 なにぼそぼそ喋ってんだ? 全部丸聞こえなんだけどな。 つうか、人の姉を呼び捨てにすんじゃねぇ。

「く、まあいい、s「織斑くん。 まだ学校にいたんですね。 あ、御神くんも一緒でしたか。 探す手間が省けてよかったです」……」

 御神が何かを言おうと口を開いたが、山田先生の言葉に遮られた。

「どうしたんですか、山田先生?」

 言葉を遮られちょっと不貞腐れている(何かを考えている、か?)御神を見ながら、山田先生に話を聞くのであった。


 先生の言うことには、どうやら俺は寮での生活になるらしい。 その言葉を聞いた瞬間、やっぱり御神が「イレギュラーじゃなかったか。 ……ということは箒と同室イベントだな。ボソボソ」とかつぶやいてたけどこいつは本当に意味不明だ。

 そのあとも先生の話を聞く、朝食の取り方や、風呂の入り方(最も大浴場は使えないとのこと。 まぁ、男二人だけの為に女の子の時間を削るわけにもいかんよな)、各種連絡事項を聞いた。

「えっと、俺と御神は同室ってことでいいんですかね? 仮にも男同士ですし」
「あ、ごめんなさい。 どうしても部屋が用意できなくて、御神くんは一人部屋、織斑くんは相部屋となります」

 ウォイ、ちょっと待て。 そこは普通男二人の相部屋だろう!?

「ちょっと、待ってください! 一夏は一人部屋の方がいいでしょうから、俺が代わりに相部屋になりますよ」

 目元に完全にいやらしい微笑みを浮かべながら、『親友を庇って、成りたくもない相部屋になってしまう俺、いい人だろう?』といったオーラを全身から溢れ出させ、ちょっと助け舟を出してやるよっといった感じで押し付けがましく仲介してくる御神。
 俺と山田先生の顔にははっきりとアフォだろコイツといった表情が浮かんでいた。

 そんな視線にもまったく気がつかないバカは、『さぁ、鍵をよこせ』と言わんばかりにまくし立てている。 ついにはたじろぐ山田先生に詰め寄る鬱陶しさだ。 若干山田先生が怯えてしまっている。

「教師に何をしている愚か者が」

 ズドパァァァァァァァァァァァァァァァァァァンンンンン!!!!!!!!!!!!!!!!

 つるの一声と共に、ハイパーセンサーでも捉えきれないであろう速度で振るわれた出席簿が、御神を吹っ飛ばした。

 教室入口付近にいたはずの御神は、二転三転し、窓際まで吹き飛ばされている。

 と、いうよりも出席簿の威力が上がりすぎじゃないか? あんなの真上から受けたら頭が陥没してしまうぞ?

 スパァァン!!

「陥没なんぞするか馬鹿者」
「イタイ」
「お前が変なことを考えるからだ」
「モウシワケゴザイマセン」

 さっきより音はカワイイが、十分イタイ。 やっぱりさっきの出席簿は桁違いの力で振るわれたのだろう。
 教室の隅っこで、ボロ切れのようになりながら白目を向いている御神を無視して、話は続く。

「ふむ、お前の荷物は私が手配してやった。 着替えと携帯の充電器があれば十分だろう」
「いや、男には娯楽というも「十分だろう?」……はい、ありがとうございます」

 怖ぇぇぇぇぇ、……あの迫力には逆えんだろう。

「わかったらさっさと寮に行け。 山田先生、鍵を」
「あ、はいこれです。 1026号室になります。 くれぐれも同室の子とトラブルが無い様に注意してくださいね」
「了解シマシタ」

 そう言って、俺は寮に向かった。

 ちなみに、御神は教員棟にほど近い用務員部屋の隣になったそうだ。 あの用務員部屋には通称【鋼の乙女心】こと『車車(しゃぐるま) (くるま)』さんがいる。 なんでもあっち系の人らしい。 御神みたいなイケメンをこよなく愛していて、夜な夜なエレクトしているのだとか……。 戸締りには厳重注意だといったときの御神の首の振り様は、最早赤べこを凌駕していたそうだ。

 ……御神、そうなっても俺はお前を暖かく見守っていてやるからな。










「1026、1026っと、……あった、ここか」

 千冬姉ぇたちと別れ、寮にやってきた俺は、無駄に広い寮を彷徨い、やっと自室となる1026号室を見つけた。 日本人の感覚なら10階の26番目の部屋と思うだろうが、普通に3階の部屋だった。 部屋番号のつけ方が意味不明だろう? 寮についたとき、10階ねぇじゃんと思ってしまったのは仕方ないことだと思う。

 それよりもやっと見つけた自分の部屋である。 さっさと入ろう。 千冬姉から言われていたが、他の寮生に見つかるとめんどくさいらしいので、今まで人を避けながら部屋を探していたのである。 精神的に疲れているのだ。

 ガチャリとドアを開き(最先端の学校のはずなのになぜ寮は木製の扉なのだろうか?)部屋に入る。

 この時の俺は、授業で疲れていたことと、蛇スパイ並の隠密行動による精神的な疲労と、部屋を見つけた安堵感からか、気が緩んでいたとしか言いようがなかった。

 山田先生からも説明があったが、ここは『相部屋』である。

「おぉ、結構広いな。 ちょっとしたホテルの一室ぐらいはあるだろこれ。 本当に学生が使う寮なのかよ。 しかも寮費はかからないんだったっけ? リッチすぎだろ、IS学園……。 まぁ、世界最高峰の人員が集まると考えれば仕方ないのか……。 おっ!? ベッドが二つ、奥側も~らい!!」

 ベッドにダイブをかまし、そこでそういえば相部屋であることを思い出す。 もう一人(しかも女子)がいることにやっと気が回るようになった俺は、部屋を見回す。
 この部屋の先の住人はあまり荷物を持ってきていないのか、部屋はあまりごちゃごちゃしていなかった。

 女の子の部屋ってもっとキャピキャピしているもんだと思ったんだけど……、確か、蘭の部屋はもっとピンクっぽかった様な……。

 などと、弾の家に遊びに行った時に見た、蘭の部屋と今の部屋を比べてしまう。

 まぁ、学校の施設だし、そうそう手は加えられないんだろう。 と、一人で自己完結していると、部屋の奥、扉を隔てた先から聞こえる水音に気がついた。

 やば! 居ないと思ったらシャワー中か! どうする!?

 ずいぶん前から響いていたはずだが、警戒が緩んでいた事が失敗の元であった。 どうしようか迷い、ありもしない五枚のライフカードを想像で選んでいる間に響く水音は消え、ガチャリとシャワー室の扉が開く。

 出てくるのが早すぎるだろ!! と、相手に逆ギレ気味にツッコミを入れてしまう。 というより本当に早すぎる。 体拭けてないだろう、絶対。

「ん? 同室の人? 一人部屋だと聞いてたんだけど……。 まぁいいか、こんな格好でごめんねぇ、私は『友永 かz……」

 相手の自己紹介が途中で止まる。

『友永』だって?

 どこか聞き覚えのある声と、『友永』と言う名前に反応し、ゆっくりと振り向く。

 あ……。

 ……そしてそのまま硬直した。

「あれ? 一夏? そっか、急遽寮が決まったんだね? だから一人部屋だった私の部屋に割り振られたってところかな? 一応できれば一人部屋にして欲しいって申請出してたんだけどなぁ。 まぁ、なっちゃったんだから仕方ないか……。 あ、これから同室としてよろしくぅ☆」

 そこには一糸纏わぬ生まれたままの姿で、髪の水滴を拭き取る、風音の姿があった。






 ………………。

 …………。

 ……あ~っと、ダメだ思考がまとまらない。 え~っと。

 朝にあったばかりだけど、最早親友と呼べる程まで仲良くなった少女、ずっと思ってはいた事であるが、その美しさは群を抜いている。 一般に比べ、相当にレベルが高いと思われるこの『IS学園』の中でも、トップレベルで、世界に出ても上から三番以下にはならないであろう群を抜いた美しさを持つ彼女は、ほにゃっとした笑顔を向けてくれていた。

 まぁ、今はそんなことは重要ではなく、そんな美少女が目の前で一糸纏わぬ姿というのが重要なのだよ。

 一人で思考会話までしてしまう程には混乱している俺は、すぐさまそらさなければいけないはずの目線をそらすことができなかった。

 均整のとれた躰には、一切無駄な肉がついていない。 しかし、スレンダーとかそう言うことではなく、俺と同い年と言う年齢にしてはむっちりといやらしい臀部をしている。 胸だって大きい、束さんや千冬姉、箒なんかも大きかったが、それに負けず劣らず……、いやむしろ圧勝と言える大きさで。 しかし嫌な大きさではなく、形も素晴らしい。

 う~ん、なんだ、こう……、俺の貧困なボキャブラリーでは、到底表せないが素晴らしいものだ。 うん、OPPAIはいいものだよ、ホント。 世間で騒がれるのも頷ける。 男子の憧れの象徴だしな。

 先にも言ったが、風音はとてつもない美少女。 ほにゃっとした笑顔を向けてきているときは可愛い系だが、真面目な顔になると途端に綺麗系に早変わりする美しさなのである。

 そんな風音の裸体を食い入るように見てしまうのは、男として仕方ないことだと思わないだろうか?

 ……ちょっと待て、そんな美少女の裸体をガン見する俺は、ラッキースケベ君とやらになるのだろうか?

 その構図、どこのギャルゲだ? いや、エロゲか?

 やっとまとまりだした思考で意味のない事を延々と考え続ける。

 そして、やっとひねり出した言葉が、

「……お、……おま」

 だった。 そんな俺に、髪の水滴等を拭き取った風音が語りかけてきた。

「ん? どうかした? ああ、それより一夏の座っているベットの脇に、私の下着が置いてあるんだけど。 ちょっととってくれない? というより、奥側は私が使おうと思ってたんだよ? だから、ちゃんと下着とか置いて場所確保してたでしょ?」
「さっさと服を着ろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

 思わず絶叫してしまう。 仕方ないことだろう。

「……なに急に? ご近所迷惑になるよ? というよりも、服を着るために一夏に下着をとってって言ってるんだけど。 ほら、そこにある下着をこっちに持ってくるだけなんだから簡単でしょ? なんなら投げちゃってもいいよ。 あ、でもでも、意外にデリケートなものだから投げるなら注意して投げてね。 あッ! それとも一夏は、女子に下着をつけさせもしないで眺めるのを楽しむタイプの人なのかな? それとも着替えをじっくり鑑賞したいタイプ? うわぁ、普段学校でしか顔を合わせない人たちにとっては衝撃の事実になるね。 ということは、裸の私に、"自分から近づいて"、"下着をとって"、"目の前で着替えて欲しい"、ってこと? それはちょっと変態チックだねぇ。 普通の女子なら引くレヴェルだよ? ん~、……男の子はそうした生き物、だったっけ? なら、別に『変態チックな趣味』とは言えないかぁ……。
 まぁ、どちらにしても、"そう"いうことなら、私も態々一夏に下着をとってもらう面倒がないから、気が楽でいいんだけど……。 うんうん、大声で「服を着ろ!!」とか言ってたのに、目や顔を覆わず、こっちをしっかり凝視している一夏だし、それぐらいは普通なのかな?」

 勝手に人を変態に仕立て上げていく風音に、流石にまずいと思った俺は、

「早く着ろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 そう叫ぶなり、目の前の下着を掴み、投げる。 俺自身は体ごと風音からそらす紳士っぷりだ。


 ……直前まで凝視していたので紳士と言えるかどうかは怪しいところであるが。 あと、弾とか中学時代の旧友に知られたら俺の命はなくなるだろうな。 ただでさえ、IS学園っていう女の園に来ているっていうのに、こんなハプニングまであるのだから。

「わっと、ありがと。 もう少し丁寧に投げてくれると嬉しかったんだけどなぁ」
「……いや、これぐらいお安い御用だ。 あ~、なんかすまん」

 わずかに聞こえる衣擦れの音を、極力耳からシャットアウトし風音に謝る。 こういうことはちゃんと誤っておかないと後に尾を引くことがあるからな。

「? 何が? それより、一夏」
「ん? なんだ?」

 衣擦れの音が聞こえなくなったので振り向く。 そこには……、

「お…………」
「あ~私は確かに"下"着とは言ったんだけどね? 女子の下着には上もあるんだよ。 知っているかな? 専門用語でブラジャーと呼ばれる下着なんだけどね? だから、男の子達と同じように接してはいけないと思うよ、私は。 ……はっ! それよりも知っていながらそういう格好をさせようと!? パンティだけ履かせて上はさらけ出しときなって!? やっぱりそっち方面に突き抜けてるんだね。 なら……、仕方ない。 安心してみんなには黙ってておくから。 男の子なら、そう言う趣味の一つや二つあるもんだって、この前読んだ漫画でも言ってたし、気にしないでね」

 確かに下着(パンティのみであるが)を身につけた風音がこっちを見ていた。 そして、何やらわかってますよとでも言いたげな視線を向けてきていた。

「お前はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 本日、この部屋に入ってから三度目となる絶叫と共に、服全般を風音に投げ布団にくるまるのだった。 あ、ちなみに奥側でだ。










「落ち着いた?」

 布団にくるまりながら、気持ちの整理を付ける。 やっぱり謝る必要があるだろうと、しばらく経って自分の中で覚悟をきめ、布団の中から顔をのぞかせる。
 そこにはちょっとラフだが、先ほどまでの全開ブリは無い風音がいた。

 ふぅ、……よし、ちゃんと謝ろう。

 布団からはいだし、ベッドの上で正座する。

「///、すまなかった。 ほんとに申し訳ない」
「いえいえ、こちらこそ。 お見苦しいモノをお見せいたしました」

 頭を下げ、所謂土下座と呼ばれる形に移行する。 この形は真摯に取り組めば、相手の許してくれる確率が格段に跳ね上がるのだ。 日本の文化が生んだ素晴らしき謝罪方法である。

 しかし、風音から返って来た言葉はまさかだった。 あれほどのモノをお見苦しい等と言ってしまったら、巷に出回る大きなお友達御用達の自己PRDVD等は最早見れたものではなくなるだろう。
 すかさず反論してしまった。

「いや、そんなことは無い。 どちらかといえばいいものであった」

 何を言ってるんだろうか俺は。 頭が未だボケているようだ。

「?? そう? 一夏にだっておんなじものがついてるでしょ?」
「いやいや、男子と女子じゃ全然違うだろ!?」

 流石にこの切り返しには焦った。 焦りすぎて大声でしっかりと否定の言葉を発してしまったほどである。 しかし、そんなものは目の前の少女には一切届くことはなかった。

「そう? 男と女の違いなんて、人と犬とか、ジンベイザメとカメレオンとかに比べればほとんど一緒だよ? X染色体かY染色体ぐらいの違いしかないでしょ」
「いやいやいや、他にも体の機能が色々違うだろ!?」
「ん~そうかなぁ? 頭や体、手、足だって男、女問わずについているものだし、目や鼻、内蔵に至っては同じものが同じ数ないと、逆に人間とは言えないでしょ? 排泄器官や生殖器だって外に出ているか内に入っているかの違いでそんなに違うものじゃないし、胸だって膨らむか膨らまないかの違いがあるだけ……。 男性でも乳腺がある人はいるから、胸が膨らんだりするしね。
 あっ、『女は子供を産むだろう?』とかそんなことを考えていたりするのかな? あれは、精子と卵子が受精を行うのが女の体内、ってだけだからね? まぁ、そこには確かに男女の生殖器の違いが如実に現れているところではあるけど……。

 でもあれは、外に出ている生殖器から出して、内に入ってる生殖器で受けたほうが効率がいいからだと私の分析では出ているんだけどね……。 こればっかりは体験してみないことには証明ができないんだよねぇ。 哺乳類全般が同じ機能を持っているから何かしら意味はあるのかもしれないけど、人間の場合、別に体外受精だって珍しくない現在だし、そうそう違いがあるとは言えなくなってきてるんじゃないかな?」
「いやいやいやいや、そんなに冷静に分析されても……」

 最早何を言っているのかわからなくなってきている。 知恵熱が出そうだ。

「ま、まぁ、とりあえずすまなかった。 男子が女子の裸を見ることはよろしくないことなんだよ」
「そう? 法律で処罰されるわけじゃないし、ココは世界のどの国でもないし、問題ないんじゃない? ま、一夏が謝りたいって言うんなら、今度パフェでもおごってよ」
「わかった。 それじゃあ、今日は寝るか」
「そうだね、また明日からよろしくぅ。 あ、同室だから勉強も教えやすいね、うんうん、いい部屋割りだと思うよ、お休みぃ」

 そう言うと、布団に潜りスゥスゥと寝息を立て始める風音。




 寝るの早ッ!!!!!!!!
 
 

 
後書き
ネタ解説

しびれも憧れもしないけど:冒険、してるの? ってなる漫画より。 あ、これ前にも出てた気がする。

じゃない……ダト:これもネタだと思います。 何のネタなのか? 使っている人をよく見かけます。

車車車さん:車三つっでギューンでソイヤッな人。

蛇スパイ:極めればおもしろ写真を撮りまくる人。

ありもしない五枚のライフカード:昔CMがありましたよね。

大きなお友達御用達の自己PRDVD:まぁ、アダルティなあれです。 
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