DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 一~四章
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三章 トルネコおばさん
3-13王子様は本当にお幸せです
「あらあら、そんな。とんでもない。」
「本当のことですから。あのときあなたが来なければ、国は乱れ、ボクの想いは叶わなかったでしょう。ああ、愛するモニカと結婚できるなんて。本当に、夢のようです!」
こんなに愛されて。お姫様もきっと、お幸せになるわね。
「よろしかったですわね。お姫様を、幸せにして差し上げてくださいね。」
「もちろんです。もしエンドールに行ったなら、モニカに伝えてください。君と結婚できる日が、とても待ち遠しい……と!」
まだ時間はあるが、体は生乾きだし、風邪を引いてもいけないと、キメラの翼で帰ることにする。
外で遊ぶ息子と、相手をしてくれているトム爺さんの息子に声をかけ、家に帰って体の手当てをする。
お金は、夫の稼ぎから貯金しておいたものと、最近の稼ぎを合わせて、二万五千ゴールドほどになっている。
まだまだ足りないけれど、この調子なら時間の問題ね。今夜あたり、あの人にも相談しておきましょう。
「あなた。ちょっと相談があるのだけれど。」
「なんだい、折り入って。」
「あたし、近頃エンドールに行っていたじゃない。その時に、いい物件を見つけたのよ。」
「そうかい。トルネコがそう言うなら、よほどいい物件なんだろうね。」
「そうなのよ。丁度、隠居したいという方が持ち主でね。お安く譲って頂けそうなの。もう少しで、手が届きそうなんだけれど。」
「そうか。僕も一度、見に行きたいな。」
「そうね、キメラの翼が使えるし、ポポロも連れて。あなたの今度のお休みにでも、みんなで行きましょう。」
翌朝。
目標に手が届きそうになり、張り切ったトルネコは、珍しく夫に起こされる前に起き出したが、早起きの夫は既にお弁当の準備まで終えていた。
「あたしって、本当に駄目ね。今に始まったことではないけれど、妻失格だわ。」
珍しく落ち込むトルネコ。
「そんなことないよ。君は最高の奥さんだ。僕は、幸せ者だよ。」
夫に励まされ、すぐに立ち直る。
「あなた。ありがとう、あたし頑張るわ!」
「あんまり、頑張りすぎないようにね。」
北の洞窟で味を占めたトルネコは、今度はエンドールの北東にあるという洞窟を目指すことにする。
北の洞窟よりも危険な魔物たちがいるということで、夫に心配をかけないためにも、万全の準備をしようと考える。
武器は、あの人にもらった破邪の剣があるから、あとは防具に薬草、毒消し草。防具はあとでボンモールで売れるんだから、奮発しましょう。
エンドールに飛び、装備を整える。
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