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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 一~四章

作者:あさつき
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三章 トルネコおばさん
  3-04夜の物陰で王子様と密会

 さすがに遅くなってしまったので、勿体ないがキメラの翼を買い直し、家に帰ることにする。

「非常用のを渡しちゃったし、夜にまた来ないといけないし。少し多めに買っておこうかしら。防具以外は普通に売ってるものね、このお城も。」


 キメラの翼でレイクナバに戻り、トム爺さんにお礼を言って息子を引き取る。
 トム爺さんは、息子の帰宅に大喜びだった。

 トム爺さんがあんなに喜んでくれるなら、危ない橋を渡った甲斐もあったわね、橋といえばドン・ガアデさんはどうなったのかしら、気取った名前よねえ。
 などと思いつつ、家に帰る。

「あなた。今日はボンモールまで行ってみたのだけれどね。たまたま王子様に会ったら、旅の商人に間違われちゃって。頼みたいことがあるから、夜にまた来てほしいっていうのよ。ちょっと行ってきてもいいかしら。」
「約束してしまったなら、仕方ないね。気をつけて行っておいで。でも、あまり危ないことはしないでくれよ。トルネコは無茶なところがあるから、心配だ。」
「大丈夫よ。キメラの翼で、ちょっと行ったり来たりするだけだから。でも、心配してくれてありがとう、あなた。」


 キメラの翼でボンモールに飛ぶと、昼間トルネコを追い出した女性が、血相(けっそう)を変えて走り回っている。

「王子様ー!王子様が、いなくなってしまったのです!」

 教えてあげたいけれど、それじゃあ王子様が可哀想ねえ、せめて早くお話を終わらせましょう。
 と思いつつ、女性にはあたしも気を付けてみるわね、と伝え、約束の場所へと向かう。


 武器屋の裏では、王子が待っていた。

「おお、きてくれましたね。実はお願いなのですが、もし橋が直ったなら、すぐにエンドールに行ってほしいのです。そして、この手紙を、お城の姫に渡してください。」

「まあまあ。王子様とお姫様のお手紙だなんて、ずいぶんロマンチックですのね。あら。でも、エンドールといえば。王様が、つまりあなたのお父様が、その。」

「そのことなのです。だからこれは、城の兵士には頼めません。どうかお願いします。」

 これは危ないことになるのかしらねえ、でも戦争なんかになったらもっと危ないし。あの人とポポロが怪我でもしたら、嫌だものね。

「わかりました。これは、お預かりしますわ。」

「ありがとうございます。では、お頼みしましたよ。」 
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