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これはケモノですか?

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転生前の世界
  天使を守りました。

 
前書き
何処まで続くか不明な「これゾン」ならぬ「これケモ」…
きちんと完結はさせたい。てかまだ本章に入ってない\(^o^)/ 

 
ラフィエルと同居を始めて1週間。
ラフィエルは上司と携帯電話でやり取りをしていた。

「あ、もしもし。上司ですか?私です、ラフィです。」
『あのね、ラフィエルちゃん。上司って言うのやめない?」
「じゃあ″お兄ちゃん″にしときます。」
『それもっとダメなパターンだよ?というか用件を早く言ってくれない?
電話代かかってるんだしさー』

これは本当に神様なのだろうか…フレンドリーすぎる。

「じゃあスパッと用件言いますね。助けてくれた方にお礼がしたいので金寄越せ。」

これは上司に対する態度ではない気がする。
これじゃあ神様が怒るかと…

『金は無理かなあ。今ね、天界でも財政難でさー』

リアル過ぎるだろ。何処からツッコミを入れるべきなんだ!?
昼飯を作りつつ、横目でラフィエルを見てみる。

「あーそうっすか。んじゃ財政難が回復したらでいいです。では失礼しました」

不満気な顔をしながら通話を終える。そして携帯電話を操作する。
今度はメールで金を要求するつもりらしい。いやほんとコイツ天使なのかよ。

「ちっ、メアド変えやがったか。」
「ねぇラフィエル、本当に天使?」
「何度も言っているでしょう? 私は天使ですよ」

少し微笑みながらラフィエルが言う。あまり気にしていなかったが、
ラフィエルの頭には天使の輪みたいなのがある。
とりあえず俺は冷蔵庫を開ける。

「何をしているのですか?」
「夕飯の材料の確認さ。……野菜と魚と肉か。」
「殆どないようなものですね。」
「まぁな」

メモ帳を持ってきて、メモを取る。
夕飯用にカレーライスの具材も購入予定だ。

「あの、買い出しの件なのですが」
「…ん?何かな」
「私が買いに行っても良いですか?
このままお世話になるのもあれなので…それに…」
「それに?」
「……いえ、何でもないです」

俯きつつラフィエルがお願いをしてくる。
最後の発言は少し気になるが。
俺は特に反論することもないので、承諾した。


~3時間後~


時刻は午後4時。
ここから数分のところにスーパーがあるのだが、
ラフィエルが帰ってこない。俺は心配になって外に出た。

「何かあったのか…!?」

家を出た直後のことだった。
前方から何かが誰かに投げ飛ばされてくる。
薄い桜色の髪をした…って

「ラフィエル!?」

投げ飛ばされてきたラフィエルを受け止める。
しかし受け止めきれず、そのまますぐ後ろのドアにぶつかる。
ラフィエルがいたところには幾つかの血だまりとスーパーのレジ袋。
血だまりに混じって、トマトの残骸も見える。

「…っ、ぅ…ぐっ…」
「すみ、ません……」
「…別にいいよ」

背中を強打したためかなり痛い。

「ラフィエルは、大丈夫か…?」
「なんとか…ただ脚を撃たれてしまいました…」

天使は死なないのだろうと思いつつ、
俺はラフィエルを投げ飛ばした奴を睨みつける。

……そいつは、ラフィエルから金をたかっていた連中だった。

確かに今のご時世、国全体がスラム街だ。
もちろん、俺の家の前だって例外ではないわけで。
そいつらは、以前は所持していなかったはずの銃を所持していた。
役立たずの警官から奪ったのだろう。

そのまま、連中は俺に向かって銃を突き付けてくる。
じわじわと歩み寄ってくる。
もちろん、分かっていた。俺は死んでしまうと。
だからラフィエルは俺の運命に逆らおうとして、死の運命から逃がそうとして買い物に行ったんだ。
でも運命は皮肉で。運命からは逃げられなくて。
だから俺は、せめてラフィエルだけでも助けたくて。

……ラフィエルを抱きしめたんだ。

連中の銃から守るように、俺が覆い被さるように。


頭に衝撃を感じて、そのまま意識は遠のいていった。 
 

 
後書き
長くてすみませんでした!!(土下座 
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