問題児たちが異世界から来るそうですよ? 召喚士の軌跡
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第22話 夢から醒めてですよ?
前書き
はい、今回もグダグダします
突っ込みどころ満載ですがその辺りは目を瞑って頂きたく…はい
きにしないでください
「俺を呼んだ理由…?」
「ああ、お前の持つ魔力を全く使わない【召喚】と【浮遊】の2つの力が関係する」
修也の疑問にリューヴェルトが答える
それにアカネが続ける
「シュウくんの持つその2つの力は修君の魂に、封じられたものによって与えられた【恩恵】や」
「俺の魂に封じられたもの…?」
「そう、さっきはアカネのせいで逸れてしまった出ござるが、覚えの無い記憶が蘇るようにして浮かぶことはあるのでござるな?」
「あ、ああ。左腕を失ってからそんなことが起こるようになった」
「その左腕、見せてくれるか?」
リューヴェルトに言われ、修也は左手の手袋をとった
左腕の甲には相変わらず意味不明な黒と白の交差する刀が刻まれている
それを見たロロは2度3度頷き、言った
「間違いない、やはり封印が破れかかっている」
「では………?」
シルフリードが言う
「ああ、今宵、修也にかかっている封印を解く」
「ロロさん、ほんまにそんな事してシュウくんは大丈夫なんやろか?」
アカネが心配そうに言う
「恐らく、修也は人とは違うものになるだろうが命に別状はないだろう」
「ちょ、ちょっと待てよ! 何だよ、勝手に進めてんじゃねえよ! 大体何なんだよ! その封じてるものって!」
修也は当事者であるはずの自分を置いて勝手に進む話に待ったをかける
「修也殿、それは封印を解けば自然と分かるもの。それに全ての封印を解くわけではないのでござるよ」
「は? 全ての封印?」
功正の言葉に疑問符を浮かべる修也
「そう、修也にかかっている封印は何重にも重ねがけされたものだ。その内の1つが解かれ、今の修也は不安定な状況になっている。その証拠がその刻印だ」
修也は自分の左手の甲に刻まれた刻印を見る
「このままでは修也は死んでしまう。なら、その前に封印を開放して修也にそれを制御してもらおうと言うのがロロと私達【ベルカ神話群】の総意だ」
「ベルカ神話?」
「そう、私達は後の世で神格化され、1000年を超える信仰の元成り立つ神話、それがベルカ神話だ」
「ってことは姉さんは神になったって事?」
「そゆこと!」
修也、此処に来て更なる驚きの声を上げる
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「えーと、今までの話を纏めるとだ」
1 アカネが結婚している
2、功正は元ノーネーム出身
3、修也の魂には何者かが封じられている
4、修也のギフトは全てその封じられたものの影響で顕現していること
5、その封印の一部が解け、現在も他の封印が解けかかっていること
6、その封印の開放を修也の意志で行えるようにすること
7、1つでも封印を解けば連鎖的に他の封印が解けること
8、その間に修也が封印しているものの力を制御下に置くこと
9、6~8はロロと【ベルカ神話群】の総意で決まったこと
「そういうことだ、よく纏めたな」
「でも、本当に俺が制御出来るんでしょうか?」
「何を言う、何の根拠も無く我ら【ベルカ神話群】がそんな権限を与えるわけ無いだろう?」
リューヴェルトが言う
「ああ、それと修也、ギフトカードを出してくれるか?」
リューヴェルトがギフトカードを取り出しながら言う
「あ、はい」
リューヴェルトに言われ、修也はギフトカードを取り出す
「わたし達、【ベルカ神話群】からの贈り物だ」
リューヴェルトのギフトカードから3つの光の球が修也のギフトカードに吸い込まれた
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ギフトカード
『ギフトネーム』
・召喚師
・万物浮遊
・魔導の源
・封印『施錠』
『ギフト』
・ヴォルザ
・機羅
・ザ・ウェポンマスター
・ラムダ
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「これって……!」
「どれもアルハザード製の永久駆動のギフト達だ。大切に使ってやってくれ」
「はい!」
「時間だ。そろそろ帰すぞ」
ロロが言うと修也の体が足元から透けだす
「帰る前に一言助言を、黒死病は何故広がった?」
「え?」
修也の視界が白に染まった
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「ん……、あれ? ここは」
修也は目を覚まし、辺りを見渡す
隣では耀が寝息を立てて眠っていた
「夢……だったのか?」
だとしたら幸せな夢だったな
もう会えないと思ってた人達と再会できて、姉の結婚相手と話せて
修也は自分のギフトカードを見る
しかし、修也のギフトカードの文面は夢で見たものと全く同じものだった
「夢じゃ……無かったのか」
修也は耀を起こさないようにそっとベッドから出る
その時、ドアから十六夜が本を片手に入ってきた
「お、起きたか」
「さっきな」
修也はギフトカードをしまいながら言う
「ん……、修也?」
「わり、起こしたか?」
「ううん」
耀は首を横に振る
「あれ? 十六夜?」
「今更気づいたのか」
「うん」
「さすがにそれは凹むぞ」
ヤハハと力なく笑う十六夜
「それで、十六夜。ゲームの謎は解けたのか?」
修也に言われ十六夜は椅子に座りながら両手を挙げて降参のポーズをとる
「さっぱりだ。今のところはこれだけしか分かってない」
そう言って十六夜は本に挟んでいたメモを修也に渡す
ラッテン=ドイツ語でネズミの意。ネズミと人心を操る悪魔の具現
ヴェーザー=地災や河の氾濫、地盤の陥没などから生まれた悪魔の具現
マグス=ラテン語で魔法使いの意。修也の証言より天災から生まれた悪魔の具現
ペスト=斑模様の道化が黒死病の伝染元であったネズミを操ったことから推測。黒死病による悪魔の具現
・偽りの伝承・真実の伝承が指すものとは、1284年6月26日のハーメルンで起きた事実を上記の悪魔から選択するものと考察される
「ここまで分かってるのにお手上げってか」
「まあな」
修也は顎に手を当てて考える仕草をする
そんな中、耀が口を開く
「それにしても、どうやって白夜叉は封印したんだろうね」
その時、修也の脳裏に功正の言葉がよぎる
「黒死病は何故広がった?」
「え?」
「いや、なんでm「そうか!」どうした!? 十六夜」
修也の言葉を聞いた十六夜は急に立ち上がる
「ナイスだ! 修也!」
「は?」
「白夜叉を封印した方法が分かったの?」
「ああ、黒死病が大流行した原因は、太陽が氷河期に入り、世界そのものが寒冷に見舞われたからと推測される! これが白夜叉を封印した方法だ!」
十六夜はガタン! と音を立てて立ち上がる
「そうと決まったら早速行動だ! サンキュ! 春日部! 修也!」
そう言って十六夜は部屋の外に出る
十六夜が部屋の外に出て一気に静かになった
「そう言えば私の服を着替えさせてくれたのって修也?」
「いや、黒ウサギが………」
そういう修也の顔が赤くなる
修也は先日の夜、耀が服をはだけさせて寝ていた時の事を思い出したのだ
「もしかして……、見たの?」
耀が顔を赤く染めて言う
「いや、見てない」
「でも顔が赤い」
「いや、それは…」
言い淀む修也
それを見た耀はクスッと笑い
「分かった、そういう事にしといてあげる」
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