転生とらぶる
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機動戦士ガンダムSEED
0169話
へリオポリスから始まったアークエンジェルの逃避行。それも第8艦隊との合流でようやく終わりを告げたように見えた。
今、アークエンジェルの目の前には30隻以上の戦艦や駆逐艦、巡洋艦等が集まっている。その勇姿はさすが知将ハルバートンが率いる艦隊だと納得の出来るものだった。
……もっとも、その知将ハルバートンもこのまま行けばここで散るのだが。
一応、この低軌道会戦でハルバートンを救う事が出来るならそうしたいとは思っているのだが、何せその名の通りに低軌道での戦いになる。下手をすれば原作のストライクのようにブリッツで大気圏突入をするはめになってしまうかもしれないのだ。ストライクはシールドである程度大気圏突入時の熱を防ぐ事が出来たようだが、ブリッツのトリケロスでストライクの真似をするのはちょっと無理がある。
ハルバートンという人材は惜しいが、自分の身とハルバートンの二者択一なら俺は迷いなく自分の身を選択する。
「180度回頭、減速さらに20%。相対速度合わせ」
マリューの指示により、アークエンジェルが180度回頭。つまりは後ろを向いて第8艦隊の旗艦であるアガメムノン級メネラオスの横へとその身を晒す。
「しかしいいんですかね。メネラオスの横っ面につけて」
アークエンジェルの操舵士を務めるノイマンが思わずといった様子でそう呟いた。
「ハルバートン提督が艦をよくご覧になりたいんでしょう。後程自らもおいでになるという事だし、閣下こそこの艦とGの開発計画の一番の推進者でしたからね」
マリューのその言葉を聞きながら頷く。確かに知将というだけあって先見の明はあったのだろう。
「マリュー、俺はちょっとMS格納庫に向かうが構わないか?」
「え? ええ、構わないけど……でも第8艦隊と合流したんだし、もう襲撃の心配はないんじゃないかしら?」
「さて、それはどうかな。このまま俺達を見過ごすというのはザフトにとってありえない選択だと思うが。それにあのクルーゼ隊が簡単に俺達を諦めると思うか?」
そう口に出すが、俺の脳裏にあるのは前回の戦闘でダメージを与えたデュエルだ。よくよく考えてみると、原作でデュエルに損傷を与えてそのパイロットであるイザークの顔に傷をつけたのはキラだった筈だ。その結果、イザークに執着とも取れる程に狙われる原因になる。だが、この歴史では俺がデュエルに損傷を与えてしまった。イザークの顔に傷がついてるのかどうかまでは分からないが、少なくても自分に手痛い一撃を食らわせたブリッツをこのままにはしておかないだろう。
「そう、ね。分かったわ。お願い」
マリューへと軽く手を振り、ブリッジを出て格納庫へと向かう。
格納庫では前回の戦いで損傷したムウのメビウス・ゼロの修理をキラが手伝っていた。恐らくムウもどこか本能的にザフトの襲撃があるのを感じているのかもしれない。あるいは、クルーゼとの間で働いているニュータイプ能力のような感応かもしれないが。
「修理はどうだ?」
「もう少し掛かるな」
「アクセルさんからも言って下さいよ。艦隊と合流出来たのに修理を急がせるんですよ」
キラが微妙に不満そうな表情をしてそう言ってくるが、悪いが俺はどちらかと言えばムウ派だ。
「キラの言いたい事も分かるが、ザフトがこのまま俺達……と言うか、アークエンジェルとブリッツ、ストライクをすんなり諦めるとは思わないんでな。準備はしておくにこした事はないさ。もし何もないなら何もないでいいんだ」
「それに、不安なんだよ壊れたままだと」
俺の言葉にムウが続ける。心配性と取るか、用心深いと取るか。……俺は後者でキラは前者なんだろう。
「第8艦隊って言ったって、パイロットはひよっ子揃いさ。何かあった時にはやっぱ大尉が出れないとな。それに直せるもんをそのままにしておくってのもちょっとな」
マードックがこちらへと近づきそう言ってくる。こちらは心配性だとか用心深いとかじゃなく、自分でも言ってるように単純に整備班として壊れた機体をそのままにしておくのが嫌なだけなんだろう。ある意味立派なプロ根性と言えるかもしれない。
「はぁ、しょうがないですね。……でも、ストライクとブリッツはあのままでいいんですか?」
「え? んー、分かっちゃいるんだけどねぇ。わざわざ元に戻してスペック下げるっつうのも……」
「それにストライクはともかく、ブリッツはそのままでいいんだろ? 兄ちゃんは傭兵なんだから、坊主共と違ってここで退艦するって訳じゃないんだし」
「え!? アクセルさんはこのままアークエンジェルに残るんですか?」
俺が自分達と一緒に退艦するとばかり思っていたのか、キラがこちらを驚きの表情で見ている。
「そうだな。少なくてもアラスカまではアークエンジェルと行動を共にする予定だ」
「それに、あれだろ?」
どこか思わせぶりな感じでこちらを見るムウ。
「どうした?」
「ラミアス艦長と離れたくないんだろ? 最近いい雰囲気出してるし」
「いい雰囲気?」
確かに最近マリューとの関係は良好ではある。MSパイロットと艦長とが信頼関係を築けているというのは少なくても悪い事ではないだろう。
「あら? 私がどうかしましたか?」
その会話に割り込んできたのは、マリューだった。口元には笑みを浮かべてはいるが、どこか有無を言わせない迫力を醸し出していた。
「か、艦長? 何でこんな所に?」
マードックの驚くような声に、今度は謎の迫力を醸し出していない普通の笑顔を浮かべる。
「ごめんなさいね、ちょっとキラ君と話したくて。……それにしてもフラガ大尉は随分と私の事を気に掛けてくれているようですが、大尉もバジルール少尉と親密な仲だと聞いていますけど?」
「げ。いや、それはその……」
「あの、僕に話って?」
藪蛇状態のムウと、どこか戸惑った様子のキラ。そんな2人を見てマリューは柔らかな笑みを浮かべる。
「そんな疑うような顔をしないで頂戴。まぁ、今までの事を考えれば無理もないのだけど」
「は、はぁ」
「じゃあ、ちょっとキラ君を借りていくわね」
そう言ってマリューはキラを連れてストライクの方へと移動していった。それを見送る野郎が3人。
「……藪蛇でしたね、大尉」
「なるほど、ムウとナタルはいつの間にかそういう関係になっていたのか。恋愛関係に鋭い俺に何も気が付かせないとは……やるな」
「おいおい、誰が恋愛関係に鋭いって?」
「もちろん俺だが?」
自信満々に言ってやる。何せレモンとコーネリアという2人の恋人を持っているのだから恋愛関係にそれなりに長けていると言っても間違いではない……筈だ。
一瞬脳裏に呆れた顔をするレモンとコーネリアの姿が浮かんだような気がするが、気のせいに違いない。
「ま、ここで坊主達も艦を降りるんだ。恐らく今までの礼をしておきたいって事だろうな」
「そうだな、このまま何事もなければ……だがな」
ムウの言葉にそう返すと、どこか嫌そうな顔をして俺へと視線を向けるムウ。
「おいおい、お前さんの勘はそろそろ洒落になっていないんだからな。やめてくれよ」
「その可能性があるからこそ、お前もメビウス・ゼロの修理を急がせていたんだろう?」
「……来ると思うか?」
「お前が褒める俺の勘じゃまず間違いなくな」
そう、原作通りに進むのならまず間違いなくザフトの襲撃があるだろう。
お互いに顔を向けて溜息を吐くのだった。
アークエンジェルの左足部分、ハッチ等の往来に使用される場所にブリッジクルー、整備員、へリオポリスの学生組、そして俺が集まってランチが到着するのを待っていた。そのランチから現れたのは数人の将校。先頭になって出てきたのが第8艦隊の司令官であるハルバートン准将だろう。
そのハルバートンが自分を出迎えるかのように集まっていた俺達を見て顔を喜色に染める。
「おお!」
そしてそのまま嬉しそうに笑いながらランチから降りてきた。
「いやぁ、へリオポリス崩壊の知らせを聞いた時はもう駄目かと思ったぞ。それがここで君達と会えるとはな」
「ありがとうござます。お久しぶりです、閣下」
マリューもまた、嬉しそうに返事を返して敬礼する。
以前マリューから聞いた話によると、原作同様にこの世界でもマリューはハルバートンのかつての教え子であり、また直属の部下であるらしい。
「先程も戦闘中との報告を受けて気を揉んだよ。大丈夫だったか?」
そう言って皆を見回すハルバートン。それを見ていたナタルとムウが一歩前に出る。
「ナタル・バジルール少尉であります」
「第7機動艦隊、ムウ・ラ・フラガ大尉であります」
「おお、エンデュミオンの鷹と呼ばれる君がいてくれて幸いだった。バジルール少尉もよくラミアス大尉を補佐してくれたな」
「いえ、さしたる役にも立ちませんで」
ムウが短く返し、ナタルは目礼する。そんな2人を見ていたハルバートンの目がブリッジクルーから少し離れた所にいた俺やキラ達へリオポリス学生組へと向く。
「ああ、そして彼等が」
「はい。艦を手伝ってくれましたへリオポリスの学生達と、傭兵のアクセル・アルマーさんです」
ここ最近はアクセルと俺の事を呼び捨てにしていたマリューだったが、さすがに上司の前という事もあってか、さん付けで紹介される。
それを聞いたハルバートンは俺達の近くへと移動してきて口を開く。
「君たちのご家族の消息も確認してきたぞ。皆さん、ご無事だ」
へリオポリスを脱出してからの最大の懸案事項だった家族の無事が確認され、皆の表情が明るいものになる。
「とんでもない状況の中、良く頑張ってくれたな。私からも、礼を言う。……そして君が、アクセル・アルマー君か。へリオポリス崩壊というあの状況の中で、君のような傭兵があの場にいてくれた事は望外の喜びだ。ありがとう」
そう言って握手の為か手を差し出してくる。
何と言うか、お人好しすぎる気がしないでもないな。へリオポリスの状況を調べる事が出来たのなら俺がへリオポリスに入った記録なんかもないのはすぐ分かっただろうに。……あるいは、その部分については情報をサルベージ出来なかったのかもしれないが。
「いや、俺の方こそあの状況でアークエンジェルがいてくれて助かった。下手をしたら着の身着のまま宇宙に放り出されていたかもしれなかったからな」
「お互い様という事か。それよりも君はX-207ブリッツを操縦しているそうだが、あの機体の出来はどうかね?」
「そうだな。ミラージュコロイドは使い勝手がいい装備だが、PS装甲が同時に使えないというのは痛いな。それに武器をトリケロスに集中させすぎている為にストライクのようにシールドで敵の攻撃を防ぎながら敵を攻撃するという事が出来ないのも難点と言えるか」
「ほう、君は随分とMSの操縦にも詳しいようだね。コーディネーターではなく、ナチュラルだと聞いているが?」
その時のハルバートンの目は鋭い光を放ち、俺という存在そのものを見ていた。
……なるほど。知将の二つ名は伊達じゃない、か。
思わぬ狸ぶりに内心苦笑を浮かべつつも、軽く肩をすくめる。
「ナチュラルでもコーディネーターに勝る能力を持つ者はいるって事だな」
「閣下、お時間が余り」
そこにハルバートンの副官が割り込んでくる。個人的にはこういう腹の探り合いというのはいまいち好きではないので助かったな。
「うむ。後でまた君達ともゆっくり話がしたいものだな」
それだけ言って、マリュー、ムウ、ナタルの3人と共にランチの停泊所を出て行った。
知将ハルバートン、か。なかなかの人物ではあるな。
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:35
PP:510
格闘:246
射撃:264
技量:256
防御:253
回避:281
命中:303
SP:422
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:B
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
???
???
???
???
???
撃墜数:259
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