久遠の神話
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第四十話 同盟結成その九
「どのチーズかがです」
「重要ですよね」
「若しチーズが悪ければ」
どうなるかとだ。二人で話していく。
そしてだ。大石は上城にこのことも話したのである。
「ミルクもです」
「ミルクからですか」
「チーズは大事なんですよ」
「ううん、ミルクからなんですね」
「そうです。チーズはミルクから作られますね」
「はい」
これは言うまでもなかった。チーズも乳製品なのだ。
「牛乳から」
「あっ、牛とは限らないので」
「ああ、馬もありましたね」
馬乳はモンゴルで飲まれる。それから酒も造る。
「他にも」
「モツァレラチーズはご存知でしょうか」
「あの弾力のある」
「はい、そのチーズはです」
どうかというのだ。そのチーズは。
「水牛の乳からです」
「そこから作るんですね」
「はい、そうなんです」
「成程。牛ばかりじゃないんですね」
「そうです。チーズも幅が広いです」
確かに牛から作るのが普通だがだ。その他にもあるのだ。チーズは幅広い食べ物なのである。それもかなりだ。
「ですから。牛の他にもです」
「あるんですね」
「そうです。それでなのですが」
「チーズケーキのチーズはですね」
「ミルクの質が大きく影響します」
「ひいてはチーズケーキも」
そうなるのも当然だった。チーズがミルクから作られる以上は。
「そうなります」
「ううん、じゃあここのケーキが使っているミルクは」
「かなりいいと思います」
「そういえばクリームも」
同じくミルクから作られるだ。それもだというのだ。
「いい感じですよね」
「そうですね。いいミルクを使っています」
「素材ですか」
「素材もいいですがそれに加えてです」
大石はさらに言っていく。
「腕もいいですね」
「あの人のですね」
上城は自分の背にある店のカウンターに目をやった。そこには非常に無愛想な感じの背の高い青年がいた。
「お菓子を作る腕が」
「はい、いいと思います」
「そうですね。それもかなり」
「まだ若いですが」
それでもだとだ。大石もその青年を見ながら話す。
「腕は確かです。このままいくと」
「このままいくとですか」
「さらによくなりますね」
今もかなりだがそれ以上にだというのだ。
「期待できます」
「そうなんですか」
「料理も経験です」
よく言われていることをだ。大石はここで言葉として上城に述べた。
「作れば作る程です」
「いいですね」
「はい、そうです」
そうだというのだ。
「ですから。あの人はこれからもお菓子を作っていって」
「その都度ですか」
「腕をあげていかれるでしょうか」
「じゃあお菓子の天使ですね」
上城は大石の先程の話と今の話を重ね合わせてこう言った。
「そうなるんですね」
「お菓子の天使ですか」
「はい、そうなりますよね」
「ははは、そうですね」
お菓子の天使という表現にだ。大石は笑みを浮かべた。
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