機動戦士ガンダムSEED fulmetalarms
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C.E.71編
PHESE-04
「ラミアス大尉!」
トレーラーで戻って来ると開口一番に上官に駆け寄った。
「あなたは……、サンダース中尉。」
「ご無事でしたか。」
「ええ、なんとか。」
「ナンバー5のトレーラー……あれでいいんですよね?」
サイが俺の後についてラミアス大尉に問いかける。
「ええそう…ありがとう。」
「それで?この後は僕たちはどうすればいいんです?」
「ストライカーパックを…そしたら…キラ君もう一回通信をやってみて。」
「…はい。」
ストライクのコックピットに搭乗していた子どもはキラというらしい。
「大尉。いろいろ聞きたいことがありますが、今は戦闘中ですのでとやかくは言いません。しかし、彼らの人生を台無しにしたことはゆめゆめ忘れないでください。」
「……ごめんなさい。」
上官を尻目に俺はイェーガーの方へ歩いていく。
コックピットに入り、トレーラーで持ってきた装備に手を付ける。76mmマシンガンに衝角付きシールド。火器管制がいまだ正常に動かないため代わりとなる格闘兵装だ。斬撃こそできないが刺突ならできるし、これが正しい使いかただ。
バッテリーもまだ余裕がある。陸戦を主眼に開発された本機は、空間戦闘もこなせるストライクの推進剤があるところのバッテリーが入っている。故に単体での稼働時間はXシリーズで一番長い。
それに兵装も実体弾が主だからビーム兵器のように馬鹿みたいにバッテリーを喰わない。
「火器管制が動かないとイーゲルシュテルンも使えないしな。っと『大天使』様に通信入れとくか。」
ふとモニターの端を見ればストライカーパックの装着に手間取っているストライクが見えた。
ランチャーパック。長距離砲撃を目的に開発された兵装。強大な威力を誇るアグニ砲。ガトリング砲とミサイルランチャーの複合兵装。しかし、その強力さゆえ使用に制限があり、尚且つアグニ砲の電力消費が大きいことが欠点だ。
ラミアス大尉もそれは理解しているはずだ。ストライク用の装備で実体弾を装備しているのはランチャーパックしかない。コロニー内でアグニ砲を撃てばたちまち崩壊してしまうに違いない。
「キラとか言ったな。そいつの扱いには注意しろ。」
『えっ……。』
「注意しろと言ったんだ。」
忠告だけ済まして改めてプログラムを走査する。本当はプログラマーの仕事なんだが。しかし、戦場では何が起こるかわからないのでパイロットもある程度の知識は持ち合わせている。
イェーガーの準備が整った頃、ヘリオポリスのメンイシャフトが爆発した。
そして白いモビルスーツとメビウス・ゼロが姿を現した。白いMSはメビウス・ゼロを翻弄しリニアガンを切り裂きこちらに向かってきた。
「やろっ!こんな時に!」
その時またしての爆発が起きた。方向はモルゲンレーテ。立ち上がる煙から姿を現したのは白い巨躯を持つ「大天使」アークエンジェルだった。
「アークエンジェル!?」
煙を纏ったアークエンジェルに白いMSが躍り掛かるが、間一髪のところで回避した。
攻撃を躱された白いMSは標的をこちらに変えてきた。
「っ!伏せろ!」
マシンガンがラミアス大尉とガキどもに向けて放たれるがフェイズシフトを起こしたストライクが身を挺して盾となった。
その間俺は自身の76mmマシンガンを白いMSに撃つ。しかし奴の方が一枚上手らしく一発も当らない。
そしてそこにアークエンジェルからミサイルが放たれた。
「ミサイルだと!?誰が指揮してやがる!」
白いMSは放たれたミサイルを回避した。標的を失ったミサイルは急転回できずコロニーのシャフトに殺到する。
『じょ!冗談じゃない!』
「ま、待て!それは撃つな!」
隣に立つストライクがアグニ砲を構え、砲口に光が集結し一気に放たれた。
白いMSは寸の所で回避したようだが右腕をやられたようだ。しかし威力の強すぎるアグニ砲は射線上にあるものすべてを薙ぎ払い、コロニーの地表を溶かし大きな穴をあけた。
「ああ、コロニーが……。」
コロニーが損傷したことにショックを受けていると俺たちを襲撃した白いMSはアグニ砲が開けた穴から離脱していった。
その後俺たちの近くにアークエンジェルが降下してきて、俺たちは左のカタパルトから乗艦した。
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