SAOもう一人の聖騎士
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追想~戦乱招く覇王の剣(ダインスレーブ)~
前書き
・・・・・・・あれ?神王諞、いつまで続くの?
リズベットサイド
「よし、出来た!」
今までで屈指の難易度を誇るこの鍛冶をどうにか終えたあたしは、今も盾に使用する素材、『巨人の抱く鋼』を探してるであろう相棒にメールを送ろうとしたのだけど・・・・・・その相棒から送られていたメールの内容に戦慄した。その内容は・・・・・・
『巨人が予想以上に強い。助けてくれ』
「・・・・・・行かなくちゃ!」
彼がいる場所を示す光点へ向かってあたしは全速力で駆けた。
クレイオスサイド
「くそっ・・・・・・終わりなのか・・・・・・」
HPはもう一割を切った。剣も盾も既にぼろぼろで、後何回の攻撃に耐えられるだろうか?体が重い、足が動かない。ゆっくりと、嫌になるくらいゆっくりと迫ってくる巨人。そのまま体を捕まれて・・・・・・しかし、俺は生き残った。
「せいやぁぁー!」
赤色のウエイトレスの様な服に、銀色の胸当て(ブレストアーマー)。腰には、主武器のメイスの他に様々な鍛冶の道具を提げている。そして、何より目を引くベビーピンクの髪。彼女が巨人に投げ付けたのは、神々しく、それでいて禍々しい、一振りの長剣だった。
「使って!」
俺は残りかすのような精神力を振り絞ってぎりぎりまで体を捻ると、巨人の右首筋に突き立った剣を抜き放ちその勢いを殺さず俺を戒める右腕を断ち斬った。そのまま巨人の肩を踏み台にして真上に跳躍。落下する勢いに任せ、ソードスキルを発動させる。
俺は着地より回復よりも、攻撃を優先した。
「しゃあああああああああ!」
空気を焼き斬る赤熱した刃のような気合いが、右肩に担いだ魔剣が纏う緋い煌めきを、さらに深く、強くする!システムと剣の重み、更に精神力を相乗させて、右上から剣を降り下ろした。俺が使える最強の技、片手剣最上位剣技«ノヴァ・アセンション»
「消えろォォォォォォ!!」
肩に深く一撃を加え着地、斜め斬りから縦斬りに繋げる。瞬時に手首を返しVの字を描くような斬り上げを放ち、スナップだけの最小の動きで剣を水平に。とどめの突きを放つ。
「終わりだあああああああああ!」
巨人の心臓が存在するであろう部分を、的確に貫いていた。
「くそっ・・・・・・!まだ足りないのか・・・・・・!?」
そうなのだ。この巨人のHPはまだ消滅していない。僅かに、ほんの僅かに残っている。巨人は、嘲笑うかのように残った左腕を振り上げた。
「まだあたしが居るんだけど!」
巨人の腕が振るわれるより早く、雷を纏い唸るメイスが、ぐしゃりと人の頭を叩き潰した。
「お、終わった・・・・・・」
「な、何が終わったってのよ?」
倒れ込んだ俺の体をさりげなく支えてくれながらリズベットが質問する。何が終わったのか。それは俺にもわからない。だが、何かが起こるのは確かだった。
「リズ、この剣の銘はダインスレーブだろ?そして、このALOが北欧神話をモデルにしてる事は知ってるな?」
苦虫を噛み潰すように、俺は苦々しく言葉を続けた。
「神話における神々の黄昏(ラグナレク)の始まりは、ダインスレーブを鞘から抜き放つ事なんだ」
新実装イベント、神々の黄昏(ラグナレク)が、今ここに始まった・・・・・・
後書き
さ、先伸ばししてしまった・・・・・・・
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