ヘタリア大帝国
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TURN62 太平洋経済圏その一
TURN62 太平洋経済圏
ガメリカは日本との講和の後すぐに大統領選挙の投票に入った、ルースが出る筈だったが彼は兵器の副作用で精神が崩壊していたので副大統領が立候補した。
野党からも候補者が出たがどちらも国民にとっては影が薄くダグラスの敵ではなかった。ダグラスは所属政党なしで徒手空拳の状態ながら国民の圧倒的な支持を集めガメリカ大統領となった。
彼は就任早々正式に太平洋経済圏への参加と閣僚の発表をした。その顔触れはというと。
「基本的に同じよね」
「ええ」
財務長官のクーが国防長官のキャロルに答える。
「ただ。ドロシーがいないだけで」
「あとドワイトが太平洋艦隊司令官になったわ」
これもダグラスが直々に任命した。
「ハンナは」
「国務長官よ」
そのハンナもいた。
「提督の顔触れも変わらないわ」
「そうよね。殆ど同じよね」
「ただ。参加陣営は変わったわ」
ハンナはこのことを言った。
「もうガメリカは連合ではないわ」
「かといっても枢軸でもないぞ」
アメリカもそのままいて言う。
「枢軸はもうないも同然だ」
「そうよね。イタリンは降伏したし」
キャロルがこのことを指摘する。
「ドクツも今にも滅びそうだし」
「枢軸と言っても日本だけだ」
実質そうなっているのが現状だ。
「何か僕達は枢軸に寝返りになったみたいだがな」
「実際違うわよね」
「どうなるんだ、一体」
「そうね。太平洋ね」
今度の陣営はそれになるというのだ。
「太平洋経済圏ね」
「それに入った形だな」
「ええ。とりあえずの相手はソビエトかしらね」
「そうなるか?」
「まあ。ドクツが倒れたらこっちに来るだろうから」
これは当然の流れとしてガメリカ上層部も覚悟はしている。
「だからね」
「覚悟はしてだな」
「ええ、そうしてあたりましょう」
「ソビエトとの衝突は当分先になるわ」
ハンナが国務長官として言う。
「まずはね」
「中南米ね」
クーがハンナに答える。
「メキシコやブラジルを領土にしている」
「ええ、あの訳のわからない国が騒がしくなってきたみたいよ」
「アステカだったわよね」
キャロルがその国の名前を言った。
「確か」
「そうよ。あの国を今のうちに何とかしないとね」
「何とかっていってもあの連中何なのかしら」
キャロルはどうにも難しい顔になって述べた。
「騒ぎたいだけ?それとも何かしら」
「私に言われても」
ハンナも彼女にしては珍しく困惑している顔になっている。
「あの国のことはわからないわ」
「あの国ね。昔からあるのよ」
ここでアメリカ妹が言う。
「けれどあたしもあの連中のことはわからないから」
「妹ちゃんもなの」
「北米から下、中南米は本当に不明の地域なのよ」
アメリカ妹も微妙な顔になっている。
「全てがね」
「けれど資源は豊かなのね」
「そうらしいけれどね」
アメリカ妹はキャロルの今の問いにも微妙な感じで返す。
「だから一度も入ったことがないから」
「わからないのね」
「まあ。連中が攻めてくるならね」
「対するしかないな」
アメリカは即座に妹に答えた。
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