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DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)

作者:あちゃ
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第2章:おてんば姫とチャラ王の冒険
  第21話:愛される事…愛する事…好き嫌いはどうでもいい!

(エンドール周辺)
リュカSIDE

何だ何だ…水浴びから戻った途端、突然の言い掛かり攻撃は!?
フィールド・オブ・ビューの『突然』を歌っちゃうぞ!
“突然、君からの、言い掛かり”って感じで替え歌にしちゃうぞ!

「あ~リュカ…ごめんなさいね。私が悪いの…私がクリフトの事を勘違いしていたから…クリフトもごめんなさい」
全く状況が掴めないままアリーナが頭を下げて謝り、クリフトが泣きそうな顔で落ち込み、ブライが今にも死にそうな顔で俺を睨む。

「あ、謝ってもらうのは兎も角…何がどうして騒いでたのかを教えてよ。何を以て僕が悪者になってたのかを知りたい!」
まだ季節的に早い水浴びの所為で、体が冷え切ってしまったので、焚き火に近付き暖を取る様に腰を下ろし尋ねてみる。

「うん、実はね……私…クリフトが、ゲイだと思ってたの。しかもリュカの事が大好きなんだと勘違いしてたのよ…その事を言ったら怒っちゃって…本当にゴメンねクリフト」
またアリーナが心から謝罪をする。

悲劇だな…クリフトはアリーナからの謝罪など求めてないだろう…
きっと先程怒鳴ってたのは、好きな女に勘違いされていた為だろう。
自分の想いに気付いてもらえなくても、真逆の方向で勘違いされるのだけは嫌だったんだ! まぁ俺も(クリフト)がゲイかもって思ってたし…自業自得?

「何でそう言う話しになったんだ?」
俺は“やれやれ”と言った感じで3人を見渡し、更なる元凶を問いただす。
何時までも呆然と立ち尽くしているクリフトを座らせて…

「その…突然アリーナ様が…『アリーナ様とシスター・パメラはどっちが美人?』と聞いてきたもので…私は本心からアリーナ様だと答えたんですが…『ゲイに聞いても答えは出ない。聞く相手を間違えた』と言われまして…」

「うわぁ…アリーナ酷い! クリフトがゲイかどうかは別にして、その言い方は酷すぎるよ!」
「わ、解ってるわよ…だから謝ってるじゃない!」
胸の前で両手をモジモジさせながら、アリーナは俯き謝っている。この姿…可愛いなぁ。

「クリフト…お前も悪いよ。お前はアリーナの家臣なんだから“アリーナ最高! アリーナ№1”的な言い方じゃ、お世辞を言ってるだけにしか聞こえないからね!」
ガッツリ落ち込んでいるクリフト…だが俺の一言で顔を上げ、また睨みだした。

「わ、私は本心を言ったまでです! それの何が悪いのですか!?」
「言い方の問題だよ。…ただアリーナを褒めたって、比較する事柄が無ければ心に染み渡らない」
そう…女の子を褒めるにはテクニックが必要なんだ。

「今回パメラさんが話題に上がったんだし、彼女の事を褒めてからアリーナを褒めるべきなんだ…例えば『確かにシスター・パメラはお美しいです! しかし私にはアリーナ様よりお美しく見える女性は存在致しません!』って感じ!」

「………なるほど………」
睨み顔が一転…心底感心している顔で大きく頷くクリフト。
「流石リュカね…でも私はリュカに直接その台詞を言ってもらいたいわ!」
お!? 俺に惚れていると分かっていたが、とうとう行動に移してきたか…
だが…

「僕の台詞としては出てこないよ。だってパメラさんの方が良い女だもん! オッパイも大きいし、締まりも最高なんだ!」
俺が本心を言い終わると、アリーナが泣きそうな顔になり、クリフトが蔑む様な表情になり、ブライが複雑な思いを顔に出す。

「私って………そんなに魅力が無いのかな? 女の子をナンパしまくるリュカに、少しも興味を持たれない程、可愛くも美しくも無いのかな………?」
おっと拙い…本当にアリーナが泣きそうになってきた。
女の子を泣かすのだけは避けなければ…

「違うよアリーナ…僕はアリーナの事も可愛い女の子として大好きだよ! 大人パンツをプレゼントしたのも、オッパイ揉んだりお尻を触ったりしてるのも、可愛くて魅力的だからやってるんだよ! 興味のない女にプレゼントやセクハラをする程、僕は酔狂じゃ無いんだ!」

「じゃぁどうしてシスター・パメラや城のメイド達の様に、私に手を出したりしないの?」
さぁどう答える?『女には不自由してないから、オッパイの小さい女に慌てて手を出す必要が無かったんだよ』って言ったら泣かれるね! それは困るね!

「僕には異世界に親友が居るんだ。愛する妻と娘が居る男なんだけど…その彼がね、とある国のお姫様に手を出し妊娠させちゃったんだよ(笑)…それを知った王様がね、大激怒しちゃって『現在の奥さんと別れて、姫と結婚し王家に入れ!』って言ってきたんだよ! でも彼はね『妻も娘も愛してるから、姫とは結婚出来ない! 妊娠させた責任を取る為、子育てに協力はするが、妻と別れる事はしない!』って修羅場になっちゃったんだ!(大爆笑)」

「………それって…ご自身の逸話では…?」
無礼なクリフト君が、更に無礼な事を言ってくる。
「僕の事じゃ無いよ…僕だったら『愛人にならしてやる。でも結婚はしない!』って言い切るから…ってか実際に言い切ってるしね!」

「最悪な人だなアンタは…」
うん。そう思うけど他人に言われるの腹立つね。
「じゃぁさ…私がお姫様を辞めたら…もしくは責任を取らなくても良いって言ったら、私にも手を出してくれる?」

………随分と俺に惚れちゃったみたいだなぁ…
あぁそうか…きっとブライはアリーナの恋愛相談を受けていたんだ! そして、その相手が俺だったんだ…
だから先程から複雑な表情で俺を睨んでいるんだな! ………ちっ、仕方ない…余計なお節介はしたくなかったが、自分の為に動くとするか。

「そんな事を言うもんじゃないよアリーナ…クリフトが悲しむ。君に心から惚れているクリフトが、悲しみの涙で溺れちゃうよ」
あぁめんどくせー…この童貞神官め…さっさと自分で言い出しておけば良いのに…お陰で俺が面倒見なきゃならなくなった!

「な、な、な、何を言われるんですか!?!!? わ、私は幼少の頃より姫様にお仕えして参りました。尊敬の念こそあれど、その様な不埒な想「そう言うの良いから!」
めんどくせー男だな!

彼女(アリーナ)の事を想い、彼女(アリーナ)の事を神聖視するのが、必ずしも彼女(アリーナ)の為になるとは限らないんだぞ! さっきの“パメラさんとどっちが美人?”って質問で、お前の本心を“家臣としてのお世辞”にしか受け取られなかった事でも分かるだろう! 身分を取っ払って、男女として本音で語らなければ、本当の意味での信頼関係は築けないんだぞ!」

「ほ、本当の意味での信頼関係………」
俺って良い事言う~!
アリーナとクリフトは互いを見詰め考えている。

そう言えば、ちょっとだが息子夫婦(予定)に似てるんだよね(笑)

リュカSIDE END



 
 

 
後書き
リュカさんはリュカさんなりに気を使っておりました。
勿論それはクリフトの為じゃなくて、サントハイム王家の為だけどね。
翻って自分の為でもある! 
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