ハイスクールD×D ~大罪を犯した少女(仮)~
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旧校舎のディアボロス編
これでも友達・・・みたいな?
今日はイッセーがデートをすると言った日曜日。
待ち合わせの二十分も前にイッセーと家を出ていった。
そしてアヤカはデートを見てみたいらしく、イッセーが出て行ってすぐに追いかけていった。そしてそんなアヤカの保護者としてついていく僕。
うん、なんとも言えないストーカー集団だね、これ。
待ち合わせの時間を少し過ぎた頃にイッセーの彼女である天野夕麻《あまのゆうま》は現れ、腕を組んでデートは開始された。
デートは簡単に街をぶらぶら歩いて、気になるところがあったら中を覗く。お昼はちょっと洒落ているお店、その後はまたウィンドウショッピングといった感じだった。
ついでに僕たちはイッセーを監視しながらいろんな服の店に入ってアヤカに似合う服を選んだり、お昼はイッセーと同じような場所、その後は丁度発見したアイスクリーム屋さんでトリプルを一つ買って二人で分けていた。
そして今。
時刻は五時を過ぎ、人気のない公園に二人・・・いや、四人はいた。
「ねえ、イッセーくん。初デートのお祝いに、私のお願いを聞いてくれないかな?」
夕麻は夕日を背にイッセーに微笑む。
そしてイッセーは何やらいやらしい顔をして「なにかな?」と聞く。
夕麻はその言葉により一層微笑み、こう言った。
「死んで」
修羅場だった。
「え・・・?今なんて言ったの?風が吹いたせいでよく聞こえなかったんだ~あはは」
イッセーはさっきの言葉を聞いたはずなのだが、信じきれずに風のせいだと言う。
「あれ、聞こえなかったんだ?じゃあもう一回だけ言うね?イッセーくん、死んでくれないかな?」
その言葉と共に、夕麻の背中から羽根が生える。
羽根は天使のような・・・でもその羽根は白ではなく、黒。
「堕天・・・使・・・シズクッ!」
「わかってる!」
今までの様子を物陰からこっそり覗いていた僕たちはイッセーの危機を悟り、アヤカはどこからか光り輝く剣を取り出し、僕はそれを受け取って堕天使の夕麻の元へ走る。
「なっ、なぜここに人間が!?結界を張ったハズなのに・・・まあいい。全員纏めて殺して・・・ッ!?なによ、その剣!シェムハザ様やアザゼル様ではないのに、ソレと同等の光力《こうりょく》を持っている・・・!?」
夕麻は驚きながらも身の危険を察し、光の槍を出現させてイッセーと僕とアヤカに向かって投げる。
が、
「脆い!」
僕は余裕でその槍を破戒する。
「まだ・・・まだ」
アヤカも同じように槍を破壊する。
だが、なんの武器も持たないイッセーは・・・。
「ぐああああぁぁぁぁぁああッ!」
見事に槍に腹を貫通されていた。
「くッ、人間のくせに生意気な・・・でも、これが全力とは・・・っ、悪魔の気配・・・?」
夕麻はそう呟くなり羽根をはためかせてどこかに消えてしまった。
そして入れ違いに現れた一つの赤い・・・いや、紅い魔法陣。
「私を喚んだのはあなたたちかしら?」
そう言って僕たちの方を見るのは、魔法陣と同じ紅い髪を持つ女性。
「違います。喚んだのはそこで腹貫通されてビクビクしてる変態です。僕たちにはすることないんで、なんか助けてあげてください。一応友達で、死んだらこの子が悲しむんで。じゃあ僕たちは帰りますね」
僕は言いたいことだけ言ってそそくさと立ち去る。
「ばいばい、イッセー・・・。また、明・・・日」
その様子に驚き、硬直していた紅い髪の女性は少ししたら意識を取り戻し、死にかけのイッセーに紅い何かを埋め込み、引きずって退却していた。
友情の欠片もなかった。
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