SAOもう一人の聖騎士
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追想~黒い写し身~
前書き
なんか若干某重層世界ファンタジーと話が被っていますがお気になさらず。・・・・・・あれ?これって著作権に関係するの?
リリーナサイド
「二人組になっての探索は良いとして、どう言う風に探索するのアスナ?私としては最初の方は適当に歩き回ってマッピングをした方が良いと思うんだけど」
「う~ん。やっぱり山勘じゃあ無理ね。じゃこの部屋で一旦休憩にしましょうか。おやつ作ってきたから一緒に食べましょ?」
と言う事で山勘での探索を早々に諦めた私達は、他の部屋と比べるとだいぶ小ぢんまりした部屋で休憩を取ることにした。
「何これ美味しい!柑橘系の香りとクリームの相性が最高ね!」
アスナが今回作ってきてくれたのはフレンチトースト。元々キリト君用に沢山作ってきてたみたいだけど、あんまり美味しいので私が殆ど食べてしまった。アスナは驚いていたけど、ちゃんと食べないと出るとこ出ないわよ?
「あひゅにゃもひゃんとたべにゃいとへるとこへないりゃよみゅにぇときゃ(アスナもちゃんと食べないと出るとこでないわよ胸とか)」
「ものを口に入れたまま喋らないの!っていうかさっき失礼なこと言わなかった?私そこまで胸が無い訳じゃないわよ?」
・・・・・・・む、鋭い。
「・・・・・・楽しそうだなぁ」
一瞬背筋が凍り付いた。
おやつを食べている途中でも私は索敵スキルを使用し続けていたし、それぞれ別々の方向に散ったので鉢合わせの可能性も無い筈だ。そして何より、この声は私の隣にいる彼女の恋人のもので・・・・・・
「・・・・・・・貴方、一体誰?」
「ああ、名乗るのを忘れていたな、俺の名前はジークフリード。総員九名から成る『神王』の一人『闇王』を名乗らせてもらってる。親愛を込めてジークと呼んでくれ。」
キリト君と瓜二つの外見をした彼は膝下まであるロングコートを優雅になびかせ、紳士の様に一礼する。少女と言われても信じてしまう様な顔立ちと余裕のある表情は本物のキリト君と全く同じなのに、何処か違和感が拭えない。何かが違う。それが何なのかは・・・・・・・彼が取り出した得物を見て答えに至った。
「両手剣・・・・・・・」
普段の彼は二刀流か、それ以外では片手剣しか使わない。だけど、刀身が厚く柄が長いあの形状を見て瞬時に気付いた。あれは両手剣だと。
「見た目がそこの細剣使いの枷に、使う技や武器がそこの弓使いの枷になっているんだ。攻撃出来ないだろ?何せ自分の恋人と全く同じ外見なんだからな!」
余裕を隠さず笑みを深める闇王。多分、私はともかくアスナは絶対に自分を攻撃出来ないと考えているのだろう。実に陰険な能力だが・・・・・・・そこまで新しいものでもない。実際、SAOでは全く同じ能力を持つMobと散々戦ったのだから。
「へぇ、私達が攻撃を躊躇するなんて考えてるのかしら?だったとしたら貴方・・・・・・少し私達を舐めすぎね」
その瞬間、アスナの細剣が唸る。『閃光』の二つ名に相応しい輝きが幾多の尾を引き、闇王に襲い掛かる。細剣八連撃スキル«スター・スプラッシュ»。辛うじて全ての攻撃を防いだ闇王は私に狙いを定め疾走。一瞬で距離を縮める辺り『神王』に相応しいと思うが、彼にはある一つの事が決定的に欠けていた。それは・・・・・・・
「残念ね・・・・・・私のスキルは«弓»の上級スキル«弓術»よ。近付かれた時の技だって当然ある。」
弓の一撃で足払いを掛けられ転倒した彼に、アスナと全く同じタイミングで一言。
「「貴方、弱いわね。」」
私がゼロ距離で放った矢が、アスナが再度放った«スター・スプラッシュ»が闇王の心臓を的確に撃ち抜いていた・・・・・・・が、彼の体はそのまま四散せず薄闇に溶けるように消え去っていた。
「「幻!?」」
細い通路の暗がりから、キリト君と全く同じ、しかし決定的に違う狂気を滲ませた笑い声が聴こえる気がした。
『神王』対九妖精族、『闇王』のジークフリード、撤退。
後書き
戦闘描写が薄っぺらい・・・・・・精進します・・・・・・
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